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「枢機卿」ウラジスラフ・スルコフに直撃
プーチン主義を作った男は「ロシアは全方位に拡大する」と本気で信じている/PORITICS
https://courrier.jp/news/archives/399163/
戦略上の目的に変更はありません。しかし、戦術上の目的は戦略の実行状況に応じて変更されます。
──あなたは「ロシアにとって、永久拡大は単なる考えではなく歴史的存在としての存立条件だ」とおっしゃっていますが、ロシアの境界についてはどう考えていますか。
私は哲学界においてすでに存在する「ロシア世界」という概念に基づいて公式イデオロギーを打ち立てました。
「ロシア世界」に境界は存在しません。「ロシア世界」はロシアの影響が届くかぎりすべての場所です。文化的、情報的、軍事的、経済的、イデオロギー的、人道的、あらゆる形での影響力です。
換言するなら、どこにでも「ロシア世界」はあります。地域によって影響の程度はあれど、皆無の土地はありません。
だから我々は神の思し召しのまま、強さの限り全方位に拡大します。調子に乗り過ぎないこと、身の丈に合わないことをしないのは重要ですが。
──この解釈には、人々の主観の入る余地はありません。もし人々が「ロシア世界」に入りたくないと思った場合どうでしょう。強制的にその一員とすることができるのでしょうか。そして何より、なぜそうなるのですか。
先の回答に人々の主観を拒否する要素はなかったと思います。それはウクライナの人々の主観を無視して、キエフでの2度のクーデターを支援したヨーロッパにこそ当てはまります。2014年時点では、半数のウクライナ人が日常的に仕事と家庭でロシア語を話していました。EU加盟を望む者は半数以下で、NATO加入支持者はそれより少なかったのです。
ウクライナの民意、あるいは多数派の意思に反し、誰も理由がわからないまま西側はウクライナを屈服させようとしています。
こうしている間にも、ウクライナの多数派を無視し、反ロシア、親西側の少数派に立脚したキエフの傀儡政権が、フランスを含むヨーロッパが供給した武器で我が国を攻撃しています。これはウクライナを力で植民地化しようとする西側の試みの継続にほかなりません。
──ウクライナをロシアの勢力圏に戻すことは、ソ連崩壊後のロシア外交の意識的な目的だったのですか。言い換えるなら、モスクワはウクライナ併合を1991年以降、さまざまな形で追求していたのでしょうか。
たしかにモスクワの目的でしたが、キエフの目的でもあります。さまざまな方法、機会、程度でそれは成功を収めています。
ロシアにもウクライナにも、ソ連崩壊以来、両国の距離を近づけよう、あるいは統一しようとする人は大勢いました。現在になっても、両陣営に何人かいます。我々には同じ血が流れているのだから当然のことです。
ところが、西側の支援する2005年、2014年のクーデターによって平和的協力が妨げられました。これらのクーデターにより、ウクライナ人は政治化された伝説と欧州統合の蜃気楼に突き動かされた、攻撃的な少数派による支配を受けることとなりました。戦争を引き起こしたのもこの少数派です。
──ロシアとの戦争が逆に、ロシア語を話すウクライナ人をも含めて、ウクライナの国家意識や反ロシアアイデンティティを形成したとは思いませんか。ロシアは自らの手で存在を否定したものを作り出してしまったのではありませんか。
ウクライナは少なくとも3つの異なる地域が強制的に組み込まれた人工的な政治的実体です。南部と東部はロシア系で、中央部はロシア系と非ロシア系、西側は反ロシア系。これらが互いに友好関係を結ぶことはこれまでもできていません。
ウクライナでの戦争は、ロシア人と反ロシア人、福音書でたとえるなら羊と山羊の戦いです。反ロシア人は成長を知りません。彼らは歴史的領土の域内にとどまり、ロシアの国土に広がることはないでしょう。ウクライナが本当の国家になる日が来たとしても、その領土は自然の境界に限られ、かなり小さいはずです。
「ロシア文化」「米国文化」「ヨーロッパ文化」
──ヨーロッパ人は、はなから自分たちに影響のあるこの議論の場に参加するよう招待されてすらいないと思うのですが。これについて、いかがお考えですか。
「招かれていない」とは意味のない話です。米国も呼んでいません。勝手にやってきて主導権を取っているだけです。
ロシアは何年も前から話し合う用意があると呼びかけています。ヨーロッパが対応して対話を開始することはいつだってできたはずです。他は応じたのに、ヨーロッパはそうしなかった。
それでも、EUの参加なしに紛争の永久的な解決が不可能なのは自明なことです。ウクライナのバランスの取れた分割のためには、ブリュッセルの取り分も必要になります。
──あなたはEUを低く評価しているようですが、それでもEUを一枚岩であるかのように言います。あなたは政治的なヨーロッパはどうあるべきだと考えていますか。
EUはソ連崩壊後の1992年に設立されました。我らが連邦の廃墟の上に立っています。この事実があなた方の政治的リーダーにまで影響を与え、EUは正気を失ったように、そして無分別に拡大を続けます。
その結果、不要なほどの版図を得ました。質より量を優先した結果、「肥満」し、過度に合議的で、中途半端なことしかできない統治構造が生み出されました。
こうした状況で、我々は何世代にもわたり、中途半端なことしかできないヨーロッパの政治家の出現を目の当たりにしてきました。
いまこそ、ヨーロッパは国家かどうかを決めるべきです。加盟国はEUに主権を委譲しましたが、これまた中途半端なことに、完全に委譲したというわけではありません。それで、EUも構成諸国も完全な主権を持たないのです。
純粋な経済共同体に戻るか、主権連邦への決定的な一歩を踏み出すかして、不安定で中途半端な状況から抜け出すべきです。
いずれにせよ、意志の力と古き良き権威主義を惜しみなく発揮する必要があるでしょう。多くのヨーロッパ人もそう考えています。ヨーロッパでもプーチン主義者、トランプ主義者が力を増しています。もしかすると彼らがヨーロッパに活力をもたらしてくれるかもしれません。
ロシア文化や米国文化のいとこにあたる偉大なヨーロッパ文化。それを救うチャンスを、彼らに与えるべきでしょう。さもなくばフランスやその他の国の未来がどうなるかは、ミシェル・ウェルベックの『服従』を読むだけでわかります。
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