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チャーリー・カークが疑念を強めていたシオニズムは英国の支配層から始まった
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2025.09.17 櫻井ジャーナル
 投資運用会社パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントの創業者であり、CEOを勤めているウィリアム・アックマンは親イスラエル派として知られ、チャーリー・カークとも親交があった。2023年10月からアメリカの大学でパレスチナを支援する運動が始まると、アックマンはシオニスト仲間の富豪を率いて運動を弾圧、母校であるハーバード大学の学長だったクローディン・ゲイを弾圧が手ぬるいということで24年1月に追い出している。そのアックマンはカークが暗殺される1カ月ほど前、激しく口論していたという。その原因は、「親イスラエル派」だったカークが考え方を大きく変え始めていたからだ。
 昨年6月、カークはドナルド・トランプ大統領に対し、イスラエルのためにイランを爆撃しないよう強く警告したのだが、大統領はカークを怒鳴りつけ、会話を打ち切ってしまったとカークの友人は語っている。これは本ブログでもすでに伝えた話だ。こうした遣り取りの背景にはカークがアメリカとイスラエルの関係について疑念を強めていた事実がある。
 カークは今年初め、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相から彼の創設した「ターニング・ポイントUSA(TPUSA)」に対して多額の資金を新たに提供するという申出を受けたが、これを拒否したと彼の友人はグレイゾーンに対して語っている。また、殺害される2週間前にネタニヤフ首相はエルサレムでの会談をカークに申し出たが、拒否されたともいう。
 8月上旬にカークはニューヨーク州のブリッジハンプトンでアックマンと会談しているが、その際、アックマンから激しく非難されて動揺していたという。カークがアメリカとイスラエルの関係について疑念を強めていたことのほか、TPUSAのイベントにイスラエルを批判する著名な保守派を彼が登壇させたからだという。その議論へ身元不明のイギリス人女性が加わり、カークに向かって怒鳴り始めたとも伝えられている。こうした報道をアックマンは全面否定しているが、彼は主張の根拠や彼の見解を発表していない。
 タッカー・カールソンはアックマンについて、ジェフリー・エプスタインの「仲間」だと語り、アックマンから怒りを買っているが、彼の妻でイスラエルの有名デザイナーでもあるネリ・オックスマンはエプスタインがMIT(マサチューセッツ工科大学)にある彼女のメディアラボに12万5000ドルを寄付した後、エプスタインに芸術的なオーブを贈っている。彼女はエプスタインと何度か昼食に招待されたともいう。
 カークが殺害された後、アックマンは銃撃犯逮捕につながる情報を提供した者に100万ドルの報酬を支払うと宣言、このカネはタイラー・ロビンソンをカーク殺害の容疑者として通報したとされる彼の父親に渡る可能性がある。ロビンソンの父親は彼が所属するモルモン教会の司教に知らせ、司教は連邦保安官局に連絡したというのだが、ユタ州知事らによると、タイラーは罪を認めていない。
 本ブログでは繰り返し書いてきたが、シオニズムが生まれたのイギリス。エリザベス1世の時代だとも言われている。その直前、1590年に出版された『失われた十部族』には、アングロ・サクソン人、ケルト人、スカンジナビア人、ゲルマン人などが旧約聖書に登場するイスラエル人の直系の子孫であると書かれている。
 イギリスや西側世界にシオニズムを広めた人物としてブリティッシュ外国聖書協会の第3代会長を務めた反カトリック派のアントニー・アシュリー-クーパー(シャフツバリー伯爵)が知られているが、17世紀初頭にイギリス王として君臨したジェームズ1世(イングランド王)/ジェームズ6世(スコットランド王)は自分をダビデ王の末裔だと信じていたようだ。その頃始まった「ブリティッシュ・イスラエル主義」がシオニズムの始まりだとも考えられている。
 その息子であるチャールズ1世はピューリタン革命で処刑されたが、その革命で中心的な役割を果たしたオリヴァー・クロムウェルをはじめとするピューリタンも「イスラエルの失われた十支族」話を信じていたという。クルムウェルはユダヤ人をイングランドへ入れることを許可したが、稼ぎ方を海賊行為から商取引へ切り替えるためだったとされている。
 ピューリタン革命を率いたクロムウェルは革命で仲間だったはずの水平派を弾圧、その後にアイルランドへ軍事侵攻して住民を虐殺。侵攻前の1641年には147万人だったアイルランドの人口は侵攻後の52年に62万人へ減少。50万人以上が殺され、残りは「年季奉公」や「召使い」、事実上の奴隷としてアメリカなどに売られたと言われている。
 ダブリン出身でプリマス・ブレザレンを創設したジョン・ネルソン・ダービー牧師は1830年代から宗教活動を始めたが、彼はキリストの千年王国がすべての文明を一掃し、救われるのは選ばれた少数のグループだけだと考えていた。一般的にシオニズムの生みの親とされるセオドール・ヘルツルという無神論のユダヤ人が『ユダヤ人国家』という本を出版したのは1896年のことだ。
 こうした流れの背後に帝国主義があり、欧米の支配者たちは中東を含む「グローバル・サウス」を植民地化し、富を蓄積してきた。この支配者たちはイスラエルを利用して石油資源の豊富な中東を略奪してきたのである。
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【櫻井ジャーナル(note)】
 
 
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