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鈴木・山田・井上の3氏が日本の現状に警鐘 食と農の勉強会(上) 高橋清隆の文書館
http://www.asyura2.com/24/senkyo293/msg/805.html
投稿者 ますらお 日時 2024 年 4 月 05 日 10:52:13: tlXAsMLYVhTKo gtyCt4Lngqg
 

元記事http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/2061521.html
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 食料不足がささやかれる中、農業問題や感染症対策について考える勉強会が3月31日、東京大学構内で開かれた。主催したのは一般社団法人、医農WELL(代表理事・唐ア比早子)で、同法人校長の井上正康大阪市立大学名誉教授と鈴木宣弘東京大学大学院教授、山田正彦元農水相の3人が講師を務めた。

 同法人主催の勉強会は2回目で、定員いっぱいの約300人が参加した。「食と農 売り渡される日本」と題し、第一線で活躍する3人が4時間にわたってこの国の現状に警鐘を鳴らした。

 冒頭、唐ア代表理事が「メディアに流れる情報は山ほどあるが、不都合な真実は自分から取りに行かない限り与えられません。われわれ法人はもう一度学び直し、情報交換するコミュニティーを目指しています。今を生きる大人の役割として、次世代にどう伝えていくかを考える機会に」とあいさつした。

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唐ア氏(2024.3.31筆者撮影)

 鈴木氏は、「食料安全保障の現実〜世界で最初に飢えるのは日本〜」の題で講演。工業製品輸出のために農業を犠牲にした戦後経済政策を批判するとともに、飼料や種子も考慮に入れた食料自給率が10%に満たないことを指摘。水田をつぶすのに補助金を750億円も付け「スマート農業」を推進する国の愚策を厳しく批判し、農業を国防の要と捉えて欧米並みの補助金を付けることを主張した。

 山田氏は、「子どもたちと日本の農業を守るために〜給食をオーガニックに〜」の題で講演。子供のころの体験を振り返り、資源循環型農業の重要性を訴えるとともに、ネオニコチノイドやグリホサートなどの農薬の深刻な影響を紹介。有機無償給食の実現を主張し、種子法廃止や食品表示の変更に苦言を呈した。

 井上氏は「新型コロナ感染病態と設計ミスの遺伝子ワクチン〜俯瞰(ふかん)像と日本人の命運〜」の題で講演。ウイルスに対しては免疫しか効かない上、2020年春には東アジア全体が集団免疫によってリスクがほぼなくなっていた実態を述べた上で、PCR検査の無効性と遺伝子ワクチンの危険性を指摘。世界保健機関(WHO)が5月の総会で成立を狙う「パンデミック条約」などに警鐘を鳴らした。
 
 この日は鈴木氏の任期最後でもあり、質疑応答の後、花束が手渡された。4月1日から特任教授になる。

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鈴木氏(2024.3.31筆者撮影)

 3氏の講演内容は次の通り。

従米政策が招いた自給率低下、農業に欧米並みの補助金を【鈴木氏】

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鈴木宣弘教授(2024.3.31筆者撮影)

 日本の食料自給率は低すぎる。一番大きな原因は、米国による占領政策で「食生活改善」の名の下、米国農産物への依存を習慣づけたこと。経済産業省(旧通産省)は農業を犠牲にして、自動車などの輸出で米国を喜ばせればいいと考えた。財務省(旧大蔵省)もそれに乗った。農水省の予算は1970年代1兆円近くあったが、50年以上たっても2兆円強で実質減らされている。一方、防衛予算は農水予算の半分くらいだったのに、今や10兆円。「国防」というなら、要は食料ではないか。

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(以下、鈴木氏提供)

 米国の戦後対日戦略のもう一つは、日本人に「今だけ、金だけ、自分だけ」の経済学を教えたこと。規制を撤廃し、自由貿易化すれば皆が幸せになるとやってきたが、賃金が下がり、大失敗だった。市場においてはルールを破壊すれば独占・寡占企業だけがもうかっていく。シカゴ学派の経済学には、貿易が止まったらどう命を守るかのコストが入っていない。

 目下の懸念は4つ。すなわち、@コロナ禍A中国の「爆買い」B異常気象Cウクライナ紛争――である。各国が食料を囲い込み、日本に売ってくれなくなってきた。酪農畜産の餌の価格が2倍以上になり、酪農畜産農家がバタバタ倒れている。化学肥料も100%近く輸入していて、一番の頼みの中国が売り渋り始めた。

 中国は14億人が1年半食べられるだけの備蓄を決めた。日本はコメを中心に1.5カ月分しかない。ミサイルを43兆円も買うお金があったら、命綱の食料を2、3兆円かけても作るのが安全保障の一丁目一番地ではないか。

 野菜の自給率8割というが、その種の90%は海外から輸入している。食料自給率は37.6%と発表されているが、実はもっと低い。飼料の自給率がほぼ0%であることを考慮すると自給率は22%。さらに種を止められたら9.2%になる。核戦争が起こった場合、被爆による死者より物流停止によるが死者が多く、3億人近いとの試算がある。餓死者が最も集中するのが日本で、6割の7200万人だとしている。

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本当の食料自給率

 米価はどんどん下がり、今や1キロ当たり9000円程度。生産コストは1万5000円。さらに飼料は2倍、燃料も5割高で、赤字が増えている。

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 酪農では、ホルスタイン1頭殺したら15万円払うから4万頭殺せとやっている。2014年にバターが足りなくなって増産を求められ皆、借金をして軌道に乗せたら、「もう絞らなくていい」と言われ、借金だけが残った。網走や千葉、熊本などで酪農家たちが自殺している。

 米国では1俵4000円でコメを売っても、農家には1万2000円必要だから、その差額を政府が負担する。それで日本人の胃袋をコントロールすれば安い武器だと思って、支援している。輸出向け穀物3品目の補填(ほてん)額だけで1兆円規模に上る。日本には「市場開放しろ」と言いながらも。 

 日本は先進国の中で貧困率を米国と1、2位を争うが、米国は農業予算の64%が消費者支援策で約10兆円。みんなが食料を買えるようにしている。一方、日本は「コメを作るな」と言って田んぼをつぶすのに750億円の補助金を付けている。それどころか、転用作物の小麦や大豆、野菜、そば、エサ米などに出していた交付金もカットした。

 北海道の食料自給率は223%だが、東京は0%。流通が止まれば、日本で最初に飢えるのは東京。誰のおかげで命が継がれているか、考えなければ。

 「食料・農業・農村基本法」が25年ぶりに改定されることになった。国内農業の疲弊がやっと分かったかと思ったら、「食料自給率」という言葉が一言も出てこない原案が出て来た。与党の意見でさすがに1、2語入ったが、自給率を上げる必要性や対策は一切触れてない。一方で、輸出やスマート農業、海外農業投資、企業の農業法人に対する出資比率の引き上げ(2/3未満)など、企業がもうかることだけを推進している。

 地球温暖化の一番の原因は田んぼのメタンガスとウシのゲップだったと言って、コオロギや人工肉、バイオ肉を食べましょうと言う。プライベートジェットに乗ってダボスに集まった少数者が、「アジアではいまだに水田に水を張る稲作が行われている」「農業、漁業は『エコサイド』(生態系や環境を破壊する重大犯罪)とみなすべきだ」と非難している。これでばれた。彼らが環境に優しい農業したいのではなく、自分たちの利益につなげようとしているだけ。日本も結局、こうする方向に倣っている。

 稲作農家は令和3(2021)年の段階で、1年間働いて手元に残るのは1万円。時給にして10円。これで頑張ってくれているのが奇跡だ。

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 77万トンのコメ、約14万トンの乳製品をなぜ、日本だけが輸入し続けているのか。これは「最低輸入義務」という国際約束だと言ってきたが、私が調べて、そんな約束はないことが分かった。これは低い関税を適用して輸入してくださいという枠にすぎず、全量を入れている国はない。

 北海道で14万トンの牛乳が余るからウシ殺して捨てましょうと言っている。ほぼ同じ14万トンの乳製品をしなくていいのに輸入している。これをやめればいいだけ。NHK『クローズアップ現代』で言ったら大問題になって翌日、政府も釈明会見した。「ウシを殺すのを決めたのは農家。国はそれを助けただけ」「輸入を減らすと信頼をなくし、今後売ってくれなくなるから」などと責任転嫁した。

 農業は10兆円産業の小さな産業と言われるが、それによって成り立っている関連産業は108.5兆円。就労人口も753万人に上る。農林業には洪水を守ったり、景観を保全したり、文化を継承したり、都市を支えたりといった多面的機能がある。こうした循環を取り戻さなければ。

E

 江戸時代は100%循環社会だった。誰がこんな状況にしたか。米国である。これを助長したのが経済産業省。農業をいけにえに、自動車を中心とする工業製品の輸出を促進した。これを進めやすくするのが日本の農業過保護論だ。全くのうそで、欧米こそ国内農業を守るために何兆円も使っている。農業所得に占める補助金の割合は、せいぜい3割程度にすぎない。フランス、スイスはほぼ100%。

F

 2023年4月から、「遺伝子組み換えでない(non-GM)」表示が実質禁止された。豆腐にごく微量でも輸入大豆が見つかると、その業者は摘発されるから。要求したのはもちろん米国。「non-GM表示を認めると、われわれの安全な遺伝子組み換え食品が不安に思われる。誤認されるからやめろ」と。

 GMとセットの除草剤、グリホサートの輸入残留基準が日本で100倍に緩和された。ゲノム編集も完全な野放しで、表示義務ない。日本の小学校に無償配布して、実験台にされている。

 コメや野菜の全品目で、生産者は買いたたかれている。農家に払う価格は、イオンがいくらで売るかで決まる。そこから逆算して買ってくるから、農家のコストは残念ながら関係ないとの証言された。こういう流通体制を打破しなければ。それを可能にするのが協同組合。

 食生活を変えなければいけないことを理解すれば、私たちは流れを変えられる。正義は勝つこともある。(中)へ続く

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