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高市政権の医療制度改悪「負担軽減」「機能強化」の詭弁 月額手取り増わずか“ペットボトル1本分”のお粗末実態
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/385032
2026/03/10 日刊ゲンダイ

我田引水(C)日刊ゲンダイ
「社会保障制度改革を推進し、手取りを増やす上でも重要だ」──。2日の衆院予算委員会で、高市首相は社会保険料の引き下げについて問われ、こう意欲を見せた。しかし、政権が訴える「保険料の負担軽減」は、1カ月あたりペットボトル1本分に過ぎないのが実態だ。スズメの涙ほどの負担減と引き換えに、万が一に備えた保険給付を大幅に削ろうとしている。
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問題は、政府・与党が患者負担の見直しを進めている「高額療養費制度」と「OTC類似薬」。厚労省は高額療養費について、今年8月から2年かけて負担上限を引き上げる方針を掲げ、OTC類似薬に関しては77成分1100品目を対象に、来年3月から薬剤費の25%を追加徴収する案を検討している。いずれも患者の窓口負担増につながる改悪だ。
がん・難病患者が利用する高額療養費制度において、治療断念や受診抑制を招く負担上限の引き上げは命に直結する重大事。年収約650万〜770万円の所得層では、月額の上限は現行の8万100円から最終的に11万400円へと跳ね上がる。OTC類似薬の見直しは、対象薬剤が解熱鎮痛剤や抗アレルギー薬、皮膚保湿剤など広範囲に及ぶうえ、「今回の見直しをキッカケに、対象成分・品目の拡大、薬剤費100%負担への引き上げが危惧される」(医療団体関係者)という状況だ。
この制度改悪を政府・与党は「医療保険制度改革」と称して「保険料負担を軽減できる」と言い張っているが、とんでもない詭弁だ。6日の衆院予算委で、上野厚労相は共産党の辰巳孝太郎議員から負担軽減額について問われ、1人あたりの平均額を答弁。「高額療養費の見直しでは年1400円、1カ月120円の減少。OTC類似薬の保険給付の見直しでは年400円、1カ月30円の減少」と明かした。政府が喧伝する保険料負担の軽減効果は、たったの月額150円に過ぎないのだ。
辰巳氏は「ペットボトル1本程度の負担軽減のために大改悪される」「とんでもない中身」と怒り心頭だったが、上野氏はどこ吹く風。辰巳氏が紹介した患者の悲痛な声に対し、「制度を持続的に維持していくためには不断の改革も必要だと思っております」と平然と言い放った。
給付は大幅削減

ペットボトル1本分の軽減のために、大改悪される(薬局で湿布薬を受け取る患者) (C)山陽新聞/共同通信イメージズ
ちなみに、保険料に上乗せされる「子ども・子育て支援金制度」の徴収が今年4月から始まる。会社員や公務員の場合、徴収額は平均で月額500円程度。150円の負担軽減なんて、あっさり消し飛んでしまう。
たかがペットボトル1本分の負担軽減を「改革」と自賛し、弱者切り捨てを「制度維持」を理由に正当化する──。高市政権の冷酷さを示して余りあるが、高額療養費の見直しを「セーフティーネット機能の強化」とうそぶいているのも度し難い。制度改悪の撤回を求める全国保険医団体連合会の事務局次長・本並省吾氏が言う。
「厚労省の試算によれば、高額療養費制度の見直しに伴う保険給付の削減額は、保険料と公費をあわせて2990億円に上ります。一方、患者の窓口負担の年間上限の導入によって手厚くなった給付の改善額は540億円に過ぎません。つまり、保険給付の削減が改善分より約5.5倍も多い。それだけ公的医療保険のサービスが削られるのです。機能強化どころか、弱体化であると言わざるを得ません」
政権が強調する「負担軽減」も「機能強化」も、つまるところ我田引水である。このまま大改悪を許していいはずがない。
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