http://www.asyura2.com/25/kokusai36/msg/184.html
| Tweet |
米政権の安保戦略 大局観なきトランプ宣言/毎日新聞
2025/1
https://mainichi.jp/articles/20251210/ddm/005/070/028000c
同盟国が困惑し、対立国がほくそ笑む。戦後秩序に背を向け、実利に走る「米国第一」の姿勢に憂慮の念を禁じ得ない。
トランプ米政権が、外交・国防政策の指針となる国家安全保障戦略を公表した。前提にあるのが、「米国が世界全体を支える時代は終わった」という現状認識であり、自国第一の外交だ。
米国を含む西半球(北米や中南米)を最も重要な「核心的な利益」に位置付けたのが、象徴的だ。移民や麻薬の流入阻止に最優先で取り組むという。
欧州の干渉を嫌ったモンロー元大統領が1823年に宣言した孤立主義政策を引き、その「トランプ版」と呼んだ。2世紀を経て、矛先は中国やロシアに向かうが、それとて西半球への介入を排除するという極めて限定的なものだ。 中国を念頭にインド太平洋を重視する姿勢を示したのは確かだ。だが、第1次政権の時と比べて批判のトーンは抑えた。経済的な競争に軸足を置き、貿易不均衡の是正を何より重視する。
中国の軍事的挑発を踏まえ、台湾を巡る「紛争の抑止」を「優先事項」と明記した。西太平洋での米軍の「展開の強化」にも触れたが、重点は、名指しした日本や韓国の防衛力増強にあると見るべきだろう。
ヘグセス国防長官は「集団防衛の役割強化に取り組まなければ報いを受ける」と脅すが、防衛力は各国が主体的に構築するものだ。
ロシアに対しては寛容ですらある。侵略を非難せず、ウクライナの主権を度外視してでも停戦を実現し、地域の経済を安定させることが米国の利益と位置付け、ロシアとの関係構築に突き進む。
対照的に欧州の同盟国には冷淡だ。「自信喪失」に陥ったと決め付け、北大西洋条約機構(NATO)との関係見直しを示唆する。
国際法を踏みにじるロシアや軍事的挑発を繰り返す中国との対立を避けているかのようだ。安全保障よりも経済を優先する立場がにじむ。
自由で民主的な国際秩序を主導してきた気概はもはや感じられない。自国の利益に没頭し、同盟国の利害には関心を示さず、世界を顧みない米国の姿は、大局観を欠いている。
|
|
|
|
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
|
|
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。