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トランプが米朝和解するかも(田中宇)覇権を縮小した習近平に仲裁させ、核保有の北を容認する米露イスラエル覇権の新体制
田中宇の国際ニュース解説 無料版 2026年6月16日 https://tanakanews.com/
■要約
トランプはSNSで金正恩との写真を掲載し、米朝再会への意欲を示した。彼は、自ら覇権を縮小した習近平への「ご褒美」として、米朝和解の仲裁役を任せたと考えられる。
かつて米覇権を握っていた英国系は消滅しつつあり、米諜報界を掌握したトランプらリクード系とプーチンが裏で結束している。プーチンの支援で核武装を固めた北朝鮮に対し、米国はもはや核廃棄ではなく、核保有を容認した上での不拡大・不拡散へと戦略を転換している。
習近平は「米露イスラエル覇権」に譲歩し、訪朝して仲裁役を引き受けたことで時代の流れに追いつきつつある。米朝和解が進めば在韓米軍は縮小し、日本は「高市化」でこの新体制に適応していく。一方で韓国は、いまだに衰退する英国系やEUにすり寄り、露朝を敵視する時代遅れの妄想の中にいるのが実態だ。
■本文
トランプ米大統領が6月13日、SNS(Truth Social)に、自分と北朝鮮の金正恩が並んで歩いている写真を説明抜きで掲載した。写真は、ちょうど8年前の2018年6月12日のシンガポールでの史上初の米朝首脳会談の際に撮られた。

https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/116744073690451959
Truth Details | Truth Social
写真だけの掲載なので、トランプがどういうつもりでこの写真を載せたのか、正確なところはわからない。8周年なので掲載した感じはある。
それに加えて、私には、トランプが「早く金正恩に会いたいよ。習近平ちゃん、約束の米朝和解の仲裁を早くしてくれよ」と言っているように見える。
https://www.aol.com/articles/trump-posts-throwback-photo-stroll-232200000.html
Trump posts himself strolling with Kim Jong Un after making nuclear threat to Iran
トランプは1期目に金正恩と3回会い、その後も連絡を取り合っていることを折りに触れて表明している。トランプは、5月13-15日に訪中した際も、金正恩と良い関係なんだと言っている。
トランプは、習近平との会談の中で「金正恩にまた会いたいから仲介してほしい」と頼んだ可能性がある。
https://www.nknews.org/2026/05/trump-says-u-s-in-contact-with-kim-jong-un-amid-china-state-visit/
Trump says U.S. in contact with Kim Jong Un amid China state visit
中共の習近平主席(大統領)は6月8-9日に、今年初めての外遊として北朝鮮を訪問した。訪朝を特ダネとして5月20日に報道した韓国の聯合通信は、韓国政府筋の話として、習近平は訪朝を機に米国と北朝鮮を仲裁していくかもしれないと報じた。
https://en.yna.co.kr/view/AEN20260520013200320
Chinese President Xi likely to visit N. Korea as early as next week: sources
金正恩に会いたいトランプが習近平に仲裁を頼み、米政府内での最近の試論(ビクトル・チャCFR論文など)に沿って、米国は北朝鮮の核兵器全廃でなく新たな核開発の凍結を求めるだけの現実策に切り替えることをトランプが習近平に伝え、中国も北の核武装を認めたいならそれでも良いよとまでトランプが言ったのであれば、それが習近平の訪朝の目的の一つになる。
https://www.foreignaffairs.com/north-korea/north-korea-it-victor-cha
North Korea as It Is
これまで中共が北朝鮮の核兵器廃絶にこだわってきたのは、中共自身の希望というより、米国から加圧されていたからだ。中共は、米国が中朝を一体と考えて中共を敵視する事態を避けたかったので、対米宥和策として、表向き朝鮮半島の非核化にこだわってきた。
https://www.koreatimes.co.kr/amp/foreignaffairs/northkorea/20260511/what-happened-to-denuclearizing-north-korea
What happened to denuclearizing North Korea?
実際に訪朝が実現してみると、中朝政府は、習近平が米朝を仲裁する話について何も言っていない。だが、中朝政府が発表していないだけで、習近平と金正恩の会談でトランプと会う構想が語られた可能性は十分にある。
金正恩は、北朝鮮の核武装を世界に容認させたい。トランプが金正恩と会い、北の核兵器について何も言わなければ、世界(米中露)が北の核を容認したことになる。習近平が米朝を仲裁するなら、トランプも金正恩も喜んで乗る。
https://www.nknews.org/2026/03/why-even-the-iran-war-may-not-change-kim-jong-uns-view-of-trump/
Why even the Iran war may not change Kim Jong Un's view of Trump
習近平の訪朝後、中朝政府が米朝会談について何も言わないのは、その前に準備を進めねばならないからだろう。トランプは中共を「早く準備を進めてくれ」とせっつく意味で、自分と金正恩のツーショットをSNSに投稿したのでないか。
https://www.scmp.com/news/china/diplomacy/article/3354299/chinas-xi-jinping-expected-visit-north-korea-early-next-week
China's Xi Jinping expected to visit North Korea as early as next week
トランプ1期目のころ(2017-20年)は、米覇権を主導する諜報界で英国系がまだ強く、台頭するトランプ(リクード系)と激しい暗闘になっていた。英国系は、トランプを英国系の言いなりにするため、北朝鮮を挑発して米韓との戦争を誘発しようとしていた。
トランプは米朝戦争を防ぐため、金正恩と何度も会って首脳間の信頼を構築した。それが、当時繰り返された米朝首脳会談の意味だった。2人はその後も連絡を取り合ってきたようだ。トランプが最近、金正恩と連絡を取り合っていると言っているのはウソでない。
https://moderndiplomacy.eu/2026/06/14/xis-north-korea-visit-fuels-kims-push-for-trump-talks-after-iran-war/
Xi's North Korea Visit Fuels Kim's Push for Trump Talks After Iran War
英国系は、米朝和解を防ぐため、北朝鮮が核廃棄しない限り北と和解しない姿勢を歴代米政権に強要していた。そのためトランプは、北に核廃棄させるために金正恩と会うんだという口実を必要とした。
トランプは、2018年の史上初の米朝首脳会談で、米朝が朝鮮半島の非核化(北朝鮮の核廃棄)に向けた努力をすると記載した、内容的に目新しくない形だけの共同声明を出している。
金正恩は核廃棄したくないので、トランプと会い続けたものの、非核化を盛り込んだ合意文の作成に対して消極的から拒否的になり、会合は3回で終わった。
https://www.koreatimes.co.kr/amp/opinion/editorial/20260610/ed-xi-emboldens-kim-jong-un
ED Xi emboldens Kim Jong-un
ウクライナ開戦後、北朝鮮はロシアの支援を受けて核兵器開発を大幅に進めて完成度を高めた。北は核武装によって抑止力を持ち、米韓(英国系)が北を挑発して戦争に近づけることは(危険すぎて)不可能になった。
トランプはリクード系の支援で大統領に返り咲き、米諜報界の暗闘はリクード系が勝利し、英国系は追い出された。
トランプとプーチンは裏で結束している。プーチンが北を強化して抑止力を持たせたのは、東アジアで戦争したくないトランプの希望でもあったと考えられる(中東の戦争はイスラエルの策)。
https://tanakanews.com/250807russia.htm
ウソの敵対を演じる米露
北の核武装により、朝鮮半島問題の解決は(戦争が不可になり)韓国と北朝鮮が別々の国として相互に認知して国交を結び、その新事態を米露中日が認め、米韓日が北と和解するしかなくなった。
トランプは、それを望んで実現したと考えられる(北朝鮮は、トランプの黒幕であるイスラエルにとって脅威でない)。
金正恩もこの新構図に賛成で、北は3月に憲法を改定し、大韓民国を国家として認めた。新事態を具現化するために残っているのは、米国と韓国が北を承認することだけだ。
https://tanakanews.com/240501nkorea.htm
非米側の防人になった北朝鮮
米政府筋では「北朝鮮を核廃棄させるのは不可能になった。北の核保有を容認した上で、不拡散や不拡大を北に約束させる策に転じるしかない」という新戦略の試案が出ている。かつて「北に完全な核廃棄をさせねばダメだ」と言っていた英国系はもういない。
トランプが新戦略に沿って金正恩と再開し、核の廃棄でなく不拡大や不拡散を求めつつ、見返りに米朝和解や在韓米軍縮小を提案すれば、金正恩は乗ってくる。
https://www.foreignaffairs.com/north-korea/how-north-korea-won-jung-pak
How North Korea Won
トランプは金正恩と直接連絡を取れるので、また東南アジアで会って米朝和解を決めていけたはずだが、それはやらなかった。トランプは、この数年間の流れから置いてきぼりを食っていた中共の習近平に花を持たせ、習近平が米朝を仲裁して和解させる筋書きにした。
中共は、北朝鮮にとって最大の経済支援国だ。かつて米国を支配していた英国系は、中共に対し「北に核廃棄を要求しろ。さもないと中共を、北と同様に政権転覆すべき対象とみなす」と脅してきた。
https://www.irishtimes.com/world/asia-pacific/2026/06/08/a-miraculous-transformation-how-kim-jong-un-fortified-north-korea/
A 'miraculous transformation': how Kim Jong-un fortified North Korea
米国に敵視されたくない中共は、北に核廃棄を求める姿勢をとり続け、北に煙たがられた(だからその後、北の核武装を容認しつつ支援してくれたロシアを、北朝鮮は大歓迎して感謝した)。
英国系が無力化され、トランプとプーチンと金正恩が裏で親しくなって北の核武装が確定しても、中共は「朝鮮半島の非核化」に拘泥し、非現実的(時代遅れ、お門違い)な存在になっていた。
https://tanakanews.com/260530korea.htm
習近平の北朝鮮訪問へ
中共がお門違いな存在になってしまった理由は、ここ数年、英国系が消滅する前に自分たちが戦後構築した世界体制(国連や人道主義支配)を中共(やBRICS)に移譲する傾向が強まり、英国系から中共に移譲された体制と、トランプら米露イスラエルが構築し始めた体制が対峙・暗闘していたからだ。
暗闘は米露イスラエルが勝ち、英国系は消滅し、中共やBRICSは米露イスラエルに譲歩して折り合いをつける必要が出てきた。習近平は、素直に覇権を縮小し、外遊を控え、BRICS首脳会議も欠席するようになった。先日の訪朝は、習近平の今年初めての外国訪問だった。
https://tanakanews.com/260429uae.htm
UAEのOPEC離脱、サウジ中共の急落
トランプは、素直に覇権を縮小した習近平への「ご褒美」として、米朝和解の仲裁役を割り振った。習近平は、トランプやプーチンに勧められるままに訪朝し、非公式に米朝和解の仲裁役を開始した。習近平は、時代の流れに追いつきつつある。
習近平の仲裁でトランプと金正恩が会うとしたら、場所は北京や瀋陽などの中国になる。先日訪中したばかりのトランプは、再び訪中することになる。
https://tanakanews.com/260523china.htm
米露イスラエル覇権の形成
先日のシャングリラ会議でも、中国の国防相が2年連続で欠席した。あの会議では、米国のヘグセス戦争相もアジアからの退潮を示唆した。その裏で米中は、二国間の軍幹部の会合をハワイで開いて仲良くしている。
米中は協力して、東南アジアの集団安保体制の主導役を日本に担当させる方向、中共と米国の地域覇権の隙間に、日本主導(主導というより事務局)の「日豪亜」の地域覇権地域を出現させる方向に動いている。
https://www.rt.com/news/641376-us-new-china-strategy/
Will America's new China strategy finally lead to stability?
https://www.aei.org/op-eds/japan-is-becoming-the-superpower-of-the-middle-powers/
Japan Is Becoming the Superpower of the Middle Powers
時代の流れに追いついた習近平と対照的に、いまだに時代遅れな英国系へのすり寄りを続けているのが、韓国の李在明大統領だ。
李在明は、韓国が北朝鮮の核武装を容認して和解せねばならなくなる(米露リクード系が作った)現状に対抗し、ロシア敵視を強めるEU(英傀儡)と結託して、核武装する北朝鮮と、それを支援したロシアを非難する声明を発表した。
https://www.zerohedge.com/geopolitical/north-korea-rips-fresh-western-criticism-expanding-moscow-relationship
North Korea Rips Fresh Western Criticism Of Expanding Moscow Relationship
英国系は衰退消滅しつつあり、英国系の一部であるEUも、リクード系による謀略によって自滅的なロシア敵視を強めている。EUはすでに「負け組」だ。それなのに李在明は、露敵視のEUと北敵視の韓国を同盟強化し、露朝の同盟に対抗しようとしている。大馬鹿。
李在明はイスラエル非難も続けており、トランプから嫌われている。核武装した北に対して、韓国は米国の核の傘しか頼れないのに、韓国勢は世界がどこでどうつながっているのか理解せず自滅している。
https://www.zerohedge.com/markets/korea-black-monday-kospi-halted-20-minutes-after-crashing-almost-10
Korea "Black Monday": Kospi Halted For 20 Minutes After Crashing Almost 10%
米朝が和解したら、韓国と北朝鮮も和解せねばならない。在韓米軍は縮小して米国が退潮し、韓国は日本との協調が重要になる。だから韓国は、日本が事務局(主導役)をつとめるTPPへの加盟を決めた。
日本は高市化で時代に追いついていく。日本国内はまだ、マスコミとかジャーナリストとか左翼とかリベラル派とか、詐欺の胴元の英国系が潰れたのに騙され続けている間抜けな英傀儡でいっぱいだ。
しかし韓国はそれよりひどく、上層部自身がまだ時代遅れな英傀儡の妄想の中にいる。転換に時間がかかる。北朝鮮の方が先を行っている。
この記事はウェブサイトにも載せました。
https://tanakanews.com/260616korea.htm
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