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※紙面抜粋
※2025年4月28日 日刊ゲンダイ2面
「消費税減税」包囲網の行く末…おそらく、税の迷走で石破も退陣の「いつものパターン」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/371133
2025/04/28 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
消費税減税包囲網、渦中の首相は外遊へ(代表撮影)
野党がこぞって減税を求め、石破自民党は大揺れだ。選挙が近づけば、党内からの突き上げが強まり、ブレブレの迷走になるのか。98年の橋本内閣と同じ道をたどるのか。経済失政が招く混乱を糊塗するために選挙前の減税で揺れる政権は退陣しかないのが歴史の必然。
◇ ◇ ◇
ベトナムとフィリピンを訪問するため、27日、羽田空港を出発した石破首相。今回の外遊の大きな狙いは、米国のトランプ政権による関税措置について両国との経済的な連携を強化することにあるというが、対応に苦慮している「税」は「トランプ関税」だけではない。国内でも「減税」をめぐって足元がグラグラだ。
国民生活が物価高にあえぐ中で夏の参院選を控え、野党はこぞって減税の旗を振っている。
すでに日本維新の会が「食料品の消費税2年間ゼロ」、国民民主党は「時限的に一律5%への消費税引き下げ」を打ち出し、共産党や、れいわ新選組も消費税の減税や廃止を訴えているが、ここへきて、野党第1党の立憲民主党も参院選の公約に消費税減税を盛り込む方針を決めた。
立憲の野田代表は首相在任時に消費税10%への引き上げを決めた張本人でもあり、減税策には消極的だったが、党内の減税論に押し切られた格好だ。
野党だけではない。連立を組む公明党も「食料品の軽減税率引き下げ」を検討しているし、自民党内でも参院議員を中心に減税論が強まっている。もちろん国民生活を真剣に考えてのことではなく、選挙が近いから言っているだけなのだが、物価高を前に立ちすくむしか術のない石破にとって、消費税減税包囲網ともいうべき状況がつくられているわけで、そんな最中の外遊だから心中穏やかではないだろう。
「自民党の参院議員を対象にしたアンケートでは、消費税率の引き下げを求める意見が8割に上ったそうです。石破政権を支えるのは森山幹事長ら財政規律派で、減税には否定的ですから、板挟みの石破首相は苦しい立場ですが、庶民の負担軽減策を講じないと選挙を戦えないという党内の声は根強い。首相自身も、減税が選挙の争点になって大敗することは避けたいはずです」(ジャーナリスト・山田厚俊氏)
減税は政権浮揚策にならない
石破は当初、物価高対策としての消費税の引き下げは「適当ではない」と完全否定していたが、次第に「党との相談」と言い出すなど、揺れ動いているように見える。
ただでさえ支持率が低くジリ貧の政権である。しかも、言行不一致が代名詞のようになってきた石破のことだ。参院選が近づいて、党内からの突き上げが強まれば、消費税の減税に舵を切る可能性は十分ある。
われわれ国民からすれば減税は大歓迎だが、ここでまた石破がブレれば、政権にとって致命傷になるかもしれない。税をめぐる迷走は、いつだって政権の寿命を縮めてきた。
1997年に橋本龍太郎首相の下で消費税率が3%から5%に引き上げられて以降、日本は未曽有のデフレ不況に突入した。「失われた30年」の始まりである。アジア通貨危機や、山一証券をはじめとする金融機関の破綻が相次ぎ、批判を受けた橋本は97年12月に突然、定額減税を表明。だが、98年の参院選では減税の恒久化をめぐる発言などが迷走し、自民党は惨敗。橋本は退陣に追い込まれた。
2008年にも福田康夫首相が公明党の要望を受けて、定額減税を総合経済対策に盛り込んだが、実現しないまま退陣している。「増税メガネ」のあだ名を嫌った岸田文雄前首相が昨年断行した定額減税も不評で、直後の自民党総裁選は不出馬を余儀なくされた。
石破も同じ道をたどるのではないか。
参院選の結果次第で次は玉木首相か野田首相?
「ハシリュー」の二の舞いか(C)日刊ゲンダイ
選挙目当ての減税策は国民に見透かされる。市場が「NO」を突きつけることもある。
英国でも、22年に大規模減税を掲げて就任したトラス首相が、わずか1カ月半で辞任した例がある。バラマキ大型減税を市場が反感し、英国ポンドと国債が暴落したのだ。1カ月半の首相在任は英国史上最短だった。
税の迷走で崩壊した政権は枚挙にいとまがない。民主党の鳩山由紀夫元首相は「任期中は消費税を上げない」とマニフェストに掲げて09年に政権交代を果たしたが、続く菅直人元首相が10年の参院選直前に突然「消費税10%」を打ち出して選挙に惨敗。「財務官僚に洗脳された」と酷評されたものだが、次の野田政権では実際に自民・公明との3党合意で消費税10%への引き上げが決まってしまった。そして民主党は下野。以来、浮上できないまま10年以上が経過している。
石破も、税で迷走して退陣という「いつものパターン」になりそうだ。
「自民党1強の状況を献上した“戦犯”の野田氏がいま立憲民主党の代表を務めていて、減税を言わざるを得なくなったのは皮肉です。ただ、立憲が参院選の公約にするという減税策は、たった1年間に限って食料品の消費税率を0%に引き下げるというもので、あまりにショボい。一方で、自民党の参院議員が減税を声高に求めるのも節操がなさすぎます。現下の物価高を招いた元凶はアベノミクスによる金融緩和なのですよ。第2次安倍政権の円安政策が今も国民生活を苦しめているのに、その反省もないまま安倍派の残党が減税を叫んでいる。自分たちの経済失政を糊塗するための減税策が国民の理解を得られるでしょうか。そもそも時限的な減税というのがおかしい。アベノミクスで大企業は内部留保を600兆円以上もため込んだのだから、法人税を下げるために使われてきた消費税はこの際、廃止が当然でしょう」(政治評論家・本澤二郎氏)
財務省の暗躍で増税政権へ
物価高対策に有効な手だてを打てない石破に対する不満の声は大きいのに、自民党内で石破降ろしの動きが本格化していないのは、参院選の負けを織り込んで石破に責任を取らせるためだという見方がある。
野党は野党で、不人気の石破のままで参院選を戦いたいという思惑があり、27日フジテレビの番組に出演した野田も、「政治空白をつくったら、(トランプ関税の交渉役を担う)赤沢大臣は訪米することができなくなる。大きな責任を伴う。総合的な判断で、決め打ちはしていない」と内閣不信任案の提出に慎重な考えを示した。
政治の停滞は国益を損ねるだけなのだが、この異様な膠着状態の裏では、参院選後の連立構想をにらんだ水面下の動きが活発になっている。
「少数与党の政権を安定化させるには、新しい連立の枠組みを構築するしかない。自民党内の減税派が勝てば国民民主党を引き入れて自公国政権、財政規律派が勝てば野田首班で自立公の大連立政権になる。いずれにしても参院選の結果次第だ」(自民党ベテラン議員)
ポピュリズムに走る国民民主が政権入りすれば混乱に拍車がかかるだけだし、自民と立憲の大連立もうさんくさい。どちらに転んでも、国民にとって明るい未来は期待できそうにない。
「立憲が参院選の公約に盛り込む『1年限定で食料品の消費税ゼロ』という案は、おそらく財務省と話がついている。この程度ならのめるということで、野田代表も納得した。首相在任時の消費税引き上げをめぐって党内分裂を招いたトラウマもあるでしょう。その先に野田氏や財務省、自民党の財政規律派が見据えるのは当然、大連立です。参院選の結果を受けて大連立構想が具体化し、その是非を問う総選挙が秋ごろに行われる可能性もあります」(山田厚俊氏=前出)
財務省に近い野田と麻生元首相が皇位継承問題を名目に議長公邸で会うなど、距離を縮めているという情報もある。
選挙前は減税の大合唱でも、参院選後には大増税政権が誕生するかもしれないのだ。
税の迷走で石破が退陣しても国民の受難は続くのか。
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