http://www.asyura2.com/25/senkyo297/msg/322.html
Tweet |
※紙面抜粋
※2025年5月16日 日刊ゲンダイ2面
参院選で国民に何を訴えるのか? 石破自民党に勝てる要素は皆無の惨憺
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/371908
2025/05/16 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
何も変えられず、何もやらず、目的や方向もなく…(C)日刊ゲンダイ
消費減税をやらないのもひとつの見識だが、だったら、社会保障を充実させてくれるのか。何も変えられず、何もやらず、漂流するだけの暗愚の首相が突き進む自爆選挙とその後。
◇ ◇ ◇
ないないづくしで、一体どうやって戦うつもりなのか──。今夏、改選を迎える自民党参院議員が頭を抱えるようすが目に浮かぶ。
主食のコメが買えないほどの物価高に国民生活が苦しめられているのに、石破自民党からは選挙で国民に訴えかける経済対策や社会保障政策が全く出てこないのだ。もちろん、口先だけで実行がともなわない票目当ての公約には辟易だが、ここまで何もないというのは、過去の政権政党と比べても酷すぎやしないか。
自民党は注目されている消費税減税をやらず、参院選にも盛り込まない方針を固めたと、15日の朝日新聞が報じていた。代わりに検討されているのは、低所得層向けの支援拡充や暮らしに関わる負担補助を柱とするショボい経済対策だという。で、参院選後の秋に補正予算案を編成するということらしいが、遅すぎるし、それだって選挙を乗り切るための“空手形”みたいなもんだ。
与党内でも公明党は経済対策に減税や給付を盛り込むことにいまだこだわる。岡本政調会長は14日の記者会見で財源として赤字国債発行の可能性に踏み込むほどだった。これには、「公明党があくまで消費減税を求めるなら、連立離脱も覚悟しないといけない」などの指摘もあり、政権のチグハグ、ガタガタが露呈してもいる。
「石破政権は何もしていないじゃないか」
無論、公明党がこだわる減税が参院選対策なのは明らか。自民党内の消費減税派が参院議員に多いのも選挙を目の前にしているからこそだ。それは、既に参院選向け公約として時限的に一律5%への消費減税を打ち出している国民民主党、食料品の消費税を時限的にゼロ%に引き下げるとする立憲民主党や日本維新の会などの野党も似たようなもの。減税合戦で浮足立つ他党を見て、自民党が「その場しのぎの消費減税には手をつけない」とするのなら、それもひとつの見識ではある。
しかし、だ。自民党執行部が繰り返す「消費税は社会保障を支える重要な財源」は眉唾モノ。むやみやたらに減税を言わないのが「財政規律を重んじる責任政党だ」みたいなことを石破首相も言っているが、だったら、社会保障制度を充実させてくれるのかといえば否だ。それどころか、大事な年金制度改革法案を、選挙への悪影響を避けるため、「あんこのないあんパン」にして、中途半端に成立を目指すことまでやっている。就職氷河期世代の基礎年金底上げを先送りするのは、社会保障制度の充実に逆行する。
「年金100年安心」はどこへ行ったのか。「社会保障と税の一体改革」も消費税増税に利用された。減税で庶民の懐を温めることもせず、社会保障制度は破綻へ一直線。それでよくぞ「責任政党」だと胸を張れるものだ。
そんな無能自民党の現在のトップは、何もせず、漂流するだけの暗愚の首相。参院選で石破自民に勝てる要素は皆無という惨憺だ。選挙予測に定評のある政治評論家の野上忠興氏が言う。
「自民党は日々、票を減らしている状況です。自民党議員が地元を回ると、支援者らから『石破政権は何もしていないじゃないか』と不満をぶつけられるそうです。経済対策も物価高対策も、コメ高騰対策も、何もない。有権者はイライラが募っている。これって、いわゆるスキャンダルより深刻ですよ。背景に生活の問題があるので、参院選が近づけば近づくほど、イラ立ちは強くなる。ますます、石破はダメ、自民もダメとなるわけです」
石破自民が突き進むのは無残な自爆選挙である。
石破首相の無策が響き大逆風。衝撃的な敗北もある
思惑たっぷりの「自由で開かれたインド太平洋戦略本部」会合(C)日刊ゲンダイ
今年4月ごろには、自民党が密かにやった参院選情勢調査の結果が「そんなに悪くなかった。自公で非改選を含めた過半数をクリアできる」なんて話も出回っていた。
今夏の参院選は、欠員1を含む125議席を争う。自公の非改選議席は75(自62、公13)あるので、自公で参院定数(248)の過半数(125)を維持するには50議席以上を取らなければならないが、「自民は40台前半〜後半。公明党は10議席は取るとして、50議席はなんとか確保できるだろう」(自民党関係者)みたいな空気感があった。
だが、最近はちょっと雲行きが怪しい。自民党の政党支持率はジリジリ下落。自民党内でも「このままでは衝撃的な敗北もあり得るんじゃないか」という声が聞かれるほど、どんよりしてきた。「逆風が増している。石破首相の無策の政権運営が響いている」(自民党ベテラン)というのだ。
自民党は個別の選挙区を見ても、例えば東京はいまだ2人目の候補者が決まらないという体たらく。参院選の前哨戦とされる都議選(6月13日告示、22日投開票)も、都議会の裏金事件が尾を引き苦戦が予想されている。
複数区の自民テッパン選挙区も大揺れだ。3人区に2人の現職を擁する千葉は、党勢好調な国民民主に議席を奪われかねない状況で、兵庫は最後の1議席を自公で争うことになるかもしれない。もちろん、32ある1人区も野党候補の乱立状況次第ではあるものの厳しい。コメどころの東北地方には大逆風が吹いているし、金城湯池の北陸だって安泰じゃない。
「自民党はどこまで負けるかわからない。1人区で1ケタしか議席を取れないことは十分あり得る。比例も今回は過去最低を更新し、下手したら1ケタ台になることもあり得ます」(野上忠興氏=前出)
非自公の「国家像」を競うべし
森山幹事長が打ち出している「自公で改選50議席以上」という勝敗ラインを割り込んだら、さすがに石破政権は持たないだろう。
「ポスト石破」を狙う連中やキングメーカーを気取るメンメンが、それを見据えて蠢き出している。高市前経済安保相は自身が政調会長時代に設置した「自由で開かれたインド太平洋戦略本部」を14日に始動させた。トップの本部長は麻生最高顧問という思惑アリアリの組織である。
もっとも、参院選で自公が50議席を割るということは、衆院に続き、参院でも少数与党になるということだ。当然、自公政権は立ち行かない。永田町では、参院選後の連立枠組みの見直しや政界再編が囁かれ、自公に国民民主を加えた自公国政権や、維新が加わる自公維政権、はたまた自公維国政権、さらには、自民と立憲が組んで大連立なんて見立てまで出ている。「玉木首相」説もその流れだ。
だが、昨年の衆院選に続き、参院選でも有権者に圧倒的なNOを突き付けられた自公が政権に居座り続けるのはおかしくないか。ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「自公との部分連合や大連立などという『妥協の政治』では何も変わりません。この国をどうするという『国家像』を競うのが選挙であり、自公の国家像に対し、野党は別の国家像を提示して戦わなきゃおかしい。国民民主の玉木代表も総理を目指すなら、野党第1党の立憲・野田代表と話して非自公の総理候補になるべきでしょう。選挙制度を変えてまで衆院で小選挙区制にしたのは、2大勢力が切磋琢磨し、政権交代のある政治にすることで、国民目線の緊張感のある政治が生まれる、ということだった。中途半端に自公と手を組んだら、緊張感は生まれない」
「政治とカネ」も企業団体献金もウヤムヤ。大企業に寄り添い、国民生活は二の次で、「今だけ、カネだけ、自分だけ」が、自公政権の「国家像」だ。
参院選後、政権の枠組みはどうなるのか。政権交代があるのか。政界再編なのか……。少なくとも言えることは、自公政権を終わらせなきゃ、経済も税制も社会保障も何もかも変わらず、この国の衰退と劣化を止められないということだ。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK297掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK297掲示板 次へ 前へ

すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。