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※紙面抜粋
※2025年6月2日 日刊ゲンダイ2面
おとなしく長蛇の列のバカバカしさ…備蓄米狂騒は何から何までこりゃ、マンガだ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/372655
2025/06/02 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
まるっきり三文政治ショー(C)共同通信社
備蓄米が並び出したが、朝5時から並んで整理券、30分で売り切れというアホらしさ。庶民は怒るべきなのに、小泉大臣はヒーロー気取り。バカなTV局がプロパガンダを垂れ流し、肝心なニュースは押しやられ、刹那の狂騒が列島を覆う世にもおめでたい国、ニッポン。
◇ ◇ ◇
小泉大臣“肝いり”の備蓄米が先月31日から店頭に並び始めたが、その狂騒には呆れるばかりだ。
早い人は深夜0時から並んでいたというのである。朝まで待って、整理券をもらって、ようやく、手に入れられるのは1世帯1袋。仙台市にあるアイリスオーヤマの店舗では朝から250人が並んでいたが、整理券をもらえたのは95人だったそうだ。古古米、古古古米が今や、プラチナチケットなのである。
それだけにゲットした人の喜びもひとしお。TVカメラを向けられると、「早く食べてみたかった」「安いのがいい」と相好を崩していたが、つくづく、日本人はお人よしだ。
改めて言うまでもないが、令和のコメ不足は自民党の大失政なのである。「コメよこせ!」運動が全国に広がってもおかしくない。備蓄米に並ばせるなんて、「フザケルナ」という話だ。ところが、怒るどころか、わずかな備蓄米に感激する。おとなしく並んで、「意外においしい」などと喜んでいる。生活苦の人はたくさんいるが、並べなければ、あきらめざるを得ない。「見せ金」という言葉があるが、安い備蓄米はさながら「見せ米」だ。「2000円で売ってますよ」というアリバイ的な「つり広告」だ。
その「見せ米」、備蓄米も程なく、底を突く。高価なブランド米の奪い合いになる。後は野となれ山となれ──。これがコメの現状なのである。
それなのに、小泉農相は英雄気取りだ。連日、TVカメラにネタを提供、電波ジャックし、陶酔している。
怒らない日本人、政権のPR機関と堕しているTV局。我先にと備蓄米を求め、ありがたがる人々。喜色満面のパフォーマンス大臣。何から何まで、こりゃ、マンガじゃないのか。倒錯の極みと言うしかない。
全ては参院選対策で一時しのぎの目くらまし
慶大名誉教授の金子勝氏(財政学)は「三文政治ショーを見せられているようです」と吐き捨てた。
「何よりも問題なのは、備蓄米効果は限定的なのに、そうしたことをてんで報じないで、TVが狂騒を垂れ流し、小泉劇場を煽っていることです。コメの品薄は変わらないし、備蓄米はもうすぐ底を突く。減反で設備投資を怠ってきた精米能力も限界です。いまは備蓄米を最優先するためにブランド米を押しのけて精米をしているのです。すべては参院選の選挙対策、一時しのぎの目くらましです。とにかく、急いで5キロ=2000円のコメを出せば、物価対策を“やっている”ふりができる。参院選の争点になりそうだった消費税減税もごまかせる。そんな思惑だらけの政治ショーをTV局が実況し、有権者はコロリと騙されているのです。TV局の無責任は犯罪的と言ってもいいくらいです」
TVをつければ、連日、小泉のニタニタ顔ばかりだ。何もやらない石破はその陰に隠れて、ニンマリしている。怒りを忘れた日本人はいい加減、目を覚ました方がいい。
減反だけではない歴代自民党農政のデタラメ
テレビがプロバガンダ(C)共同通信社
そもそも、この事態は以前から、予測できたことなのだ。コメの民間在庫量(3月末)を見てみると、2022年は270万トンあったのが、23年は251万トン、24年は214万トン、25年は179万トンまで減っている。品薄から価格は急上昇、玄米60キロでの価格は24年3月末は1万5315円だったのが、25年4月には2万7102円になっている。実に1.77倍だ。コロナが落ち着き、インバウンド需要が戻ってくれば、品薄に拍車がかかる。当たり前の話である。
その一方で、農家の苦境はひどいものだ。円安で肥料、農薬、飼料、燃料の価格がどんどん上がっているからだ。農家の休業、廃業、倒産が相次ぎ、2005年に208万5000あった農業経営体数はいまや半減のありさまだ。こうした農家の苦境がさらなる品薄を招いている。
この悪循環を招いたのが自民党のデタラメ農政なのである。品薄は予測できたのに、事実上の減反政策を改めず、民主党政権が導入した農家への戸別所得補償などの農業保護も切り捨てた。その一方で、農作物の輸入自由化を促進し、効率優先で大規模化を後押し。中小、零細農業を廃業に追い込んだ。農家の疲弊は歴然となり、農村は荒廃し、食料自給率の低迷も問題視されてきたのに、昨年、改定された農業基本法では海外依存を改めるどころか、強める逆行。イザとなったら「芋を作れ」などと言い出しているのだからむちゃくちゃだ。
挙げ句がアクセルとブレーキを同時に踏むような備蓄米のバラマキと減反継続なのである。
TVを使った愚民化領民化政策が進行中
評論家の佐高信さんの記憶は生々しい。
「私は若いころ、農業高校の教師をやっていました。その時の教え子で、減反政策に反対した青年が最後は自死しているのです。当時の減反政策は1人が反対すると、地域のほかにしわ寄せがいった。こうして反対した青年は追い詰められた。それをキッカケに本当の農業を考える研究サークルを立ち上げたのですが、自民党のデタラメは変わらない。いまだに事実上の減反政策を続けているのがいい例です。私は自民党がやっているのは農政ではなく、NO政だと言っている。無策ですよ。備蓄米を放出しても減反政策をやめさせなければコメの品薄は変わらない。小手先の改革ではどうにもなりません。まして、旗を振っているのが、総裁選の際に“解雇自由化”を唱えた新自由主義者の進次郎氏ですから、余計に信用できない。今日の農村の荒廃を招いたのは小泉政権以来の新自由主義路線ですからね。そんな小泉劇場を今回もTVが煽り、人々は熱狂している。TVを使った愚民化政策、領民化政策がいまだに続いていることに驚かされます」
自民党が今すぐやるべきなのは、減反政策をやめて、農家への直接支払いの予算を確保することだ。そのうえで、農村危機に抜本対策のメスを入れないと、食料安全保障も何もない。メンツで減反すらやめられない自民党に、それらができるか。答えは自明というしかない。
ニュースのワイドショー化、TVの大罪
それなのに、刹那の小泉劇場の実況を続ける大マスコミにはウンザリだ。
「2025年米が猛暑で不作になったら、どうするのだろう、と老婆心ながら問いたくなります。いまのところ、備蓄米以外は安くなる気配はなく、米は階層商品になるでしょう。しかし、備蓄米が底を突き、天候不良に見舞われたら、新米はさらに高騰し、大混乱になっていく。どう責任を取るのでしょうか」(金子勝氏=前出)
リポーターが備蓄米の「食べ比べ」などやっている場合ではないのだが、問題はまだある。ニュース報道がコメの話題ばかりで、すっかりワイドショー化していることだ。この間、トランプ大統領の横暴はますますエスカレートし、鉄鋼・アルミ関税はいきなり、倍の50%になり、留学生への言論弾圧も凄まじい。ヘグセス国防長官は「防衛費のGDP5%」を示唆し、トランプは石破との電話会談で「戦闘機を見に来ないか」などと軽口をたたいている。日本は貿易赤字を埋めるために必死の朝貢外交ばかりだが、コメですっ飛んでしまっている。TVの大罪というしかないが、これぞ、石破政権の選挙対策。ますます、バカバカしくなってくる。
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