http://www.asyura2.com/25/senkyo297/msg/498.html
Tweet |
※2025年6月14日 日刊ゲンダイ2面 紙面クリックっく大 文字お越し
※文字お越し
親父のような「フィーバー」を期待(C)日刊ゲンダイ
不信任案や衆参同日選を巡る政局報道で、信じられないのが石破首相や自民党の強気姿勢だ。小泉劇場の目くらましに気を良くし、「反転攻勢」などと言いだしているらしいが、国民を愚弄するにも程がある。有権者は何から何までお見通し。
◇ ◇ ◇
東京都議選(22日投開票)が13日、告示された。今年は都議選と参院選が重なる12年に1度の選挙イヤー。先行する都議選は「映し鏡」で、その結果が参院選の行方に直結してきた。
それだけに各党とも党首クラスが都内を駆け回るなどシャカリキだが、さらにもうひとつの選挙が重なるのかどうか。今月に入り、永田町の住人たちは皆、石破首相らの水面下の動きを固唾をのんで見守っていた。
「内閣不信任案なら解散検討」──いち早く朝日新聞(電子版)が報じたのは今月2日。野党が内閣不信任決議案を出した場合、石破が採決を待たずに衆院解散の方向で検討に入ったと伝わると「衆参ダブルか」「どこまで首相は本気なんだ」と永田町は大騒ぎ。
少数与党の石破政権は、自力では不信任案を否決できない。そのため、石破は採決を待たずに衆院解散に踏み切る意向を周囲に伝えたというのだが、解散をチラつかせるだけで野党はビビるという計算も働いたのだろう。
いきなり解散に打って出られても、今の野党には衆参同日選に対応するだけの準備は整えられない。日米関税交渉が続く中、野党が「政治空白」をつくろうとしていると世論に訴えれば有利に働く。
何より小泉進次郎農相の随意契約による政府備蓄米のスピード放出という「小泉劇場」で内閣支持率がやや上昇し、今なら大敗した昨秋の衆院選よりも議席を増やせるというスケベ心もあったに違いない。石破さんは、えらく強気に出たものだ。
手を挙げた途端「どうぞどうぞ」
不信任案提出には衆院51議員以上の賛同がいる。単独提出の条件を満たすのは野党で唯一、立憲民主党のみ。石破の解散「牽制球」は立憲の野田代表に投じられたも同然。立憲は不信任案を出すのか。野田の判断が通常国会終盤の焦点となった。
3日には国民民主党の玉木代表が「政権交代を目指す野田氏としては出すべきではないか」とハッパをかけ、日本維新の会の前原共同代表も5日に「立憲から相談があれば党内でしっかり議論する」と後押ししていた。
ところが、だ。野田が6日に他の野党との共同提出に言及すると、国民民主も維新もトーンダウン。玉木は10日の会見で「(立憲が)野党第1党として決めていただくのが先だ。われわれが何か申し上げることは避けたい」と迷惑顔だった。
けしかけていたのが、ウソのような態度。いざ野田が手を挙げた途端、「どうぞ、どうぞ」とは、まるでダチョウ倶楽部の“伝統芸”だ。ハシゴを外された野田は、3年前に亡くなった上島竜兵さんソックリである。
むろん、立憲が単独で不信任案を提出しても、他の野党の賛同を得られなければ不発に終わる。
「(不信任案に他の野党が乗らなければ)事実上、自公与党を支持することになる」
「国民民主党も日本維新の会も、不信任案に乗らざるを得ないだろう」
立憲の小沢一郎・総合選挙対策本部長代行は、きのうの産経新聞(電子版)の単独インタビューでそう答えたが、立憲内では小沢を筆頭に主戦論もくすぶっている。それでも不信任案提出に動けば、石破は衆院解散に踏み切る考えは変えていないという。やはり、どえらい強気なのである。
コメとカネのバラマキでチャラのずうずうしさ
立場まで竜兵さんにソックリに(C)日刊ゲンダイ
不信任案に対し、野田の温度感はかなり冷えてしまったようで、提出見送りの公算は大だ。石破も今国会中に衆院解散はせず、衆参同日選も回避される見通し。
自民党内には「少数与党の状態を変えるチャンス」「反転攻勢すべき」などと息巻き、解散総選挙に期待する議員もいるという。
石破も自民も信じられないくらいの強気姿勢だ。小泉劇場の目くらましに気を良くし、内閣支持率が回復傾向のうち、一気呵成という勇ましさだが、胸に手を当てて、よくよく考えた方がいい。今国会で解決した大きな課題や、成し遂げた改革はひとつでもあったのか。ガソリン税の暫定税率廃止も企業・団体献金の見直しも先送り。自慢のタネの備蓄米放出だって壮大なマッチポンプみたいな話ではないか。
この1年間でコメの値段はグングン上昇。昨夏には「新米が出回る頃には価格が収まる」とノンキに構え、2倍以上も高騰するまで放置してきたのは、どこの誰だ。国民の不満が頂点に達したところで、備蓄米大放出の官製バーゲンセールで消費者の機嫌を取ろうなんて虫が良すぎる。
石破の代名詞である「後手」や政府・与党の「無策」を省みて恥じもせず、進次郎のパフォーマンスに便乗してイケイケドンドン。備蓄米が底をつけばアメリカ様から輸入すればエエじゃないか。トランプさんも喜べば一石二鳥、生産者がどうなろうと知るもんか。後は野となれ山となれ。都議選も参院選もコメの一点突破でワッショイ、ワッショイとは、国民を愚弄するにも程がある。
無策政権と自民党のバカげた政治を象徴しているのが、ゾンビのごとく蘇った「給付金」だ。
石破は13日、自民の参院選公約に国民1人あたり一律2万円の給付を盛り込むことを表明。住民税の非課税世帯の大人に2万円を加算するほか、子ども1人につき2万円をさらに上乗せする。
参院選後に補正予算案を編成し、年内にも給付する考えだ。石破は財源の予算規模を問われると「粗々の試算で3兆円台半ば」と答え、昨年度の税収の上振れ分を充当する方針である。
有権者は再び「山」を動かせ
自公は4月にも1人あたり現金5万円の給付を検討したが、世論の批判を受けて消滅。それが復活したのは、選挙を戦う参院自民党と公明党から「目玉公約がない」と突き上げられたからだ。100%純然たる選挙目当てのバラマキ策である。
今回は「増収分を国民に還元する」と位置づけ、理論武装に躍起だが、財源の「税収の上振れ分」はもともと、国民の財布から巻き上げたカネだ。3年以上も続く物価高に伴い、消費税の支払いも増え、事実上の「インフレ増税」が発生。そのカネをバラマキ批判を打ち消すネタにして“国民還元セール”と言われても釈然としない。どこまでずうずうしい連中なのか。
経済評論家の斎藤満氏はこう言った。
「それも『物価高対策』と銘打つとは支離滅裂です。物価高が収まらないのは、石破政権がインフレ退治に本気で取り組まないから。利上げを渋って緩和策から脱しない日銀の政策を容認し、価格転嫁の奨励など、むしろインフレを促している。直近3月の日銀『生活意識に関するアンケート調査』では1年前に比べた物価上昇率の平均値は19.1%でした。今さら2万円のバラマキは焼け石に水。物価対策にも景気対策にもなりません」
都議選と参院選が重なる12年に1度の選挙イヤーには過去さまざまなドラマが生まれた。24年前の2001年には小泉政権が大人気。都議会自民党は公認55人中53人が当選する大勝利で、その勢いに乗って1カ月後の参院選でも自民は64議席と改選過半数を獲得した。
今度は息子による「フィーバー」再来を自民は期待しているのだろうが、36年前の1989年にはリクルート事件、消費税導入、宇野首相の“3本指”醜聞の三重苦に見舞われ、都議選では20議席も減らした。逆に社会党(当時)が躍進し、参院選でも自民を上回る46議席を獲得。参院の与野党勢力は逆転した。
「自民は昨秋の衆院選大敗の要因となった裏金問題の解明に背を向け、コメとカネのバラマキでチャラにしろと言わんばかり。都議選と参院選が重なる今年は、政権与党に大きなお灸を据え、けじめをつけさせるビッグチャンス。有権者が試されています」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
国民を舐め切っている自民に再び「山が動いた」と驚愕の投票結果を示す必要がある。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK297掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK297掲示板 次へ 前へ

すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。