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※紙面抜粋
※2025年7月2日 日刊ゲンダイ2面
大メディアもその準備 参院選公示前から政権交代前夜の様相
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/374157
2025/07/02 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
八方塞がり…(C)日刊ゲンダイ
今度の参院選が異例なのは、自民党の支持率の低さだけではない。悪政の共犯で、応援する大メディアも退陣や連立組み替えを前提に質問を投げかける不穏な報道。首相は八方塞がり、野党は漂流で、民主主義が溶けていく。
◇ ◇ ◇
第27回参議院選挙が3日に公示され、物価高対策などを争点に17日間の選挙戦がスタートする。投開票日は20日。
参院(総定数248)の過半数は125議席。自公両党は非改選75議席を有するため、これと合わせて過半数に達する50議席獲得を「絶対防衛ライン」(与党関係者)に掲げている。現有の改選議席66のうち、17議席以上は減らせない計算だ。
「自公50議席」を巡ってカギを握るのは、全国32ある改選数1の1人区だ。
2人区(茨城、静岡、京都、広島)、3人区(北海道、千葉、兵庫、福岡)、4人区(埼玉、神奈川、愛知、大阪)、6人区(東京)はこれまで、与野党で議席を分け合い、差がつかないケースが多かった。
野党は1人区で与党と一騎打ちの構図に持ち込むための協議を続けており、今のところ、立憲と日本維新の会は2県、立憲と国民民主党は1県で合意に至ったほか、立憲は他の6県でも競合する共産党との調整を急ぐ。
1人区は農業県が多い。米価高騰対策として進次郎農相が進めた随意契約による政府備蓄米の放出は農家の反感を買ったとの見方もあり、自民内では岩盤だった農業票が今回は野党に流れるのではないかと懸念する声が少なくない。
いずれにしても昨秋の衆院選に続いて参院選も与党が過半数を割れば、自公政権の維持は難しくなるのは間違いない。
読売新聞が石破政権に社説で痛烈なダメ出し
メディア各社は参院選公示前の政権支持率や各党の党勢を見極めようと世論調査を実施。それによると、NHKの調査では石破内閣を「支持する」と答えた人は34%で、前回調査よりも5ポイント低下。読売新聞社が6月27〜29日に行った全国世論調査では石破内閣の支持率は32%で、前回調査(31%)とほぼ横ばい。毎日新聞の調査(28〜29日)でも、内閣支持率は24%で、前回(5月17〜18日実施)から2ポイント増のほぼ横ばいだった。
注目すべきは自民の政党支持率が低いことだろう。
NHKの調査は27.0%で、前回調査から4ポイント余りも下落。NNNと読売新聞の調査でも23%となり、自民が2012年12月に政権復帰して以来、24年3月の調査と並んで過去最低の数字となったのだ。
今回の参院選で異例なことは、それだけじゃない。メディアの姿勢がこれまでになく政権与党に批判的なことだ。
「烏合の衆」「離合集散」……。過去の国政選挙を巡る報道では大メディアは総じて与党よりも野党に厳しく、揚げ足を取るかのような論調も少なくなかった。だが、1日の読売新聞は社説で「国民の信頼を取り戻せるか」と題してこう書いたのだ(一部抜粋)。
<つい最近まで「1強」と呼ばれていたのが信じられないほどの、党勢の低迷である。自民党が国民の信頼を取り戻し、政権運営を継続できるかどうか、参院選で問われることになる><自民の政治姿勢や政策への不信感が積もり、支持を失ったのではないか><与党がこれほどの苦境に追い込まれたのは、成り行き任せの政局運営を続けているからだ>
メディア本来の役割である「権力監視」「政権批判」の姿に戻っただけとはいえ、与党寄りといわれる読売がこれほどダメ出しするのは極めて珍しいだろう。
ジャーナリストの横田一氏はこう言う。
「長く続く物価高、資源高に対して今の自公政権はまったくと言っていいほどの無策。裏金事件の全容解明も進んでいない。有権者の怒りはもはや頂点に達している。大手メディアも自公過半数割れが現実味を帯びてきた、とみているのではないか」
参院選後の政治は果たしてどこに向かうのか
都議選は惨敗(自民党東京都連選対本部)/(C)日刊ゲンダイ
大メディアの雰囲気が変わったのも無理はない。自民が12年に一度、タイミングが重なる参院選の「先行指標」として重視した都議選(6月22日投開票)で惨敗。第1党の座を失い、選挙前の30議席を維持するどころか過去最低の21議席にとどまったからだ。
自民は国会議員の派閥パーティーで問題となった裏金事件と同様のケースが都議会でも発覚。関与した幹事長経験者ら6人の公認を見送るなど、なりふり構わず影響回避に努めたものの、有権者の怒りの火は収まらなかった。
都議選告示日(6月13日)のタイミングで参院選公約の「2万円給付」を発表した石破首相(党総裁)のもくろみもあえなく雲散霧消。連立を組む公明党は前回比10万票減となり、9回連続の全員当選を逃す結果となった。
“時の風”に左右される自民とは異なり、強固な組織力と高い集票力を誇る公明の衰えが浮き彫りとなった今、大メディアが参院選後に向けて「その準備」の必要があると判断したのも当然。最近の報道では、参院選後、野党の一部を連立に組み込み、政権の安定化を図るべきか、といった視点の記事も度々、散見されるようになった。
都議選後の23日に行われた石破の会見でも、記者が連立政権の在り方を質問。石破が「一つ一つのテーマだけで連立というのはあり得ない」と答える様子を詳述したほか、共同通信は29日に公邸でインタビューした石破が、連立拡大論などの政権の枠組みに関して「政治状況を見て最もふさわしいものを考えていく」と語り、参院選後に検討する考えを示した──などと報じた。
政策を決めるには多数派工作が不可欠だが…
29日に開かれた令和臨調(共同代表・佐々木毅元東大総長ら)では、経済界や学会出身の臨調メンバーが大連立や連立拡大について各党首らに質問。メディアが取り上げていたのは、石破が「内閣は連帯して国会に責任を負うので、1つ、2つのテーマだけで連立ということは、憲法のもとでありえない」「連立は外交や安全保障、財政について、一定の一致を見た上で組まれるべきものだ」と答える場面だった。
参院選の結果にかかわらず、衆院では少数与党の状況が続く。このため、今国会で見られたように、政策を決めるには野党を含めた多数派工作が不可欠だ。とはいえ、悪政の“共犯”であり、応援してきた大メディアが退陣や連立組み替えを前提に質問を投げかけるような不穏な報道が続くのは前代未聞だろう。公示前から政権交代前夜を感じさせる様相だ。
米トランプ政権が仕掛けた相互関税上乗せ分の適用停止期限(9日)が迫る中、7回目の日米交渉も不調に終わり、日本の重視する自動車関税もトランプ大統領が見直しを拒否する可能性に言及。交渉が頓挫すれば、石破自民に対する批判の声がさらに高まるのは必至で、石破は今以上に八方塞がりに追い込まれる。
対する野党にとっては絶好のチャンスなのだが、いまだに足並みがそろっているとは言い難い。果たして参院選後の政治はどこに向かうのか。
元参院議員の平野貞夫氏がこう言う。
「与党は追い詰められ、野党は漂流。そこで、やれ新たな連立だ、組み替えだ、という話が出てきているわけですが、それならなぜ、国会の場ではなく、臨調の場で議論するのか。これは議会制民主主義の放棄、議会政治の否定です。戦前もこうした状況が見られたが、同じです」
民主主義が溶けていく──。国民は今、そんな様子を見ているのかもしれない。
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