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※紙面抜粋
※2025年7月18日 日刊ゲンダイ2面
日曜日は20時に「過半数割れ」報道か…参院選投開票日前なのに永田町は異様な緊迫
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/374969
2025/07/18 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
応援を拒否されている(C)日刊ゲンダイ
今度の参院選はさまざまな意味で前代未聞だ。すでに敗色濃厚の自公の苦境。不気味な政党の躍進報道、外国人排斥にさまざまな抗議、世論の分断。何よりも永田町ではすでに選挙後を見据えた動きが顕在化していることだ。誰も見通しがつかない漂流政局が始まっている。
◇ ◇ ◇
午後8時に投票箱が閉まると同時にTV各局は「自公過半数割れ確実」と報じるだろう──。政界からは、もうそんな声が聞こえてくる。
参院選の投開票日(20日)まで、あと2日。すでに自公与党は敗色濃厚だ。メディア各社が伝える終盤情勢の分析でも、序盤から低調だった与党の情勢は悪化の一途。全国32ある「改選1人区」で自民はまったく振るわず、大惨敗した2007年の6勝をも下回り、「3勝29敗」もあり得る見通しとなっている。
石破首相の勝敗ラインは「非改選議席と合わせ自公で過半数維持(50議席)」。与党の改選議席は計66議席で16議席減らしても楽々目標に届くはずだったが、そんな低すぎるハードルを越えることすら、ほぼ絶望的だ。自民の獲得議席は改選前の52議席から大幅に減り、30議席台となりそうで1989年の宇野内閣での36議席という結党以来のワースト記録を更新する可能性も出てきた。
メタメタの苦境を受け、自民の「選挙の顔」にも異変が起きている。石破が自民候補の応援に入ったのは、3日前が3選挙区、16日は2選挙区と減り、17日はとうとう長崎選挙区の1カ所のみ。公示の翌日は福島、石川両県の訪問後、沖縄県へ飛ぶタイトな地方遊説スケジュールを組んでいたが、この少なさは異常だ。選挙最終盤で最もシャカリキに応援に動かなければいけない時期なのに、一体、何が起きているのか。
安倍長期政権のまいた種から育った排外主義
「基本は『来てほしい』という陣営の要請を受け、応援に行く。それだけ『来てほしくない』という陣営が多いということ。総理の支持率が低迷する中、来てもらってもプラスにはならない。安倍元総理の銃撃以降は総理の警備も大変で、会場はホテルなど“箱モノ”での集会になったり、街頭に出ても聴衆は遠巻きにしか姿は見えない。じかに有権者と触れ合えないのも、不人気に拍車をかけている」(自民党関係者)
今週発売の週刊文春も、石破が各地で応援を拒否され続けていると報じている。ちょっと前までは党内で小泉農相と一、二を争う人気ぶりで、応援弁士として引っ張りだこだっただけに、本人はさぞかしショックだろう。
石破の不人気は予想をはるかにしのぐ自民の凋落を象徴しているが、今度の参院選はいろんな意味で前代未聞だ。そのひとつが、参政党の大躍進報道である。
自民からは保守票を、野党からは政権批判票を奪い、情勢調査のたびに予想獲得議席が増え続ける。ついに終盤では2大都市の東京・大阪両選挙区で参政党候補が混戦を抜け出し、トップ当選を果たしそうな勢い。比例区では1000万票以上の獲得も視野に入り、野党第1党の座をうかがう。
しかし参政党は「日本人ファースト」を掲げ、どの候補も口を開けば「外国人ガー」と連呼。神谷宗幣代表自ら「いい仕事に就けなかった外国人が集団で万引している」などと、裏付けとなるデータも根拠も一切無視して虚実ないまぜの過激な主張を繰り返す。
かような街頭演説に群がる聴衆は目を輝かせながら「そうだ!」と賛同の拍手を送る。その周りを外国人排斥に抗議する人々がさまざまな反ヘイトのプラカードを掲げて取り囲む──。そんな異様な光景を今回の選挙戦で常態化させたのも、また参政党の危うさである。
30年以上の自民失政が閉塞感の最大要因
参政党の演説には抗議の声が広がる(C)日刊ゲンダイ
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言った。
「生活苦や不安を全て外国人のせいにして差別を票に変えてしまう。参政党の選挙戦は他責思考の極みで、15年ほど前から欧州で猛威を振るう右派ポピュリズム政党を踏襲しています。ただ、日本が特殊なのは、2012年12月から歴代最長7年8カ月に及んだ第2次安倍政権が『愛国心』や『日本スゴイ』の言説をあおり、事前にナショナリズムを喚起していたこと。安倍元首相自身は決して排外主義者ではなかったが、ナショナリズムは容易に排外主義を招く。ナショナリズムと排外主義の双方が結びつき、右派ポピュリズムの台頭を許すのです。参政党の不気味な躍進は、安倍元首相のまいた種から育った稲穂を刈り取っているともいえます」
参政党に票を奪われていることに焦り、石破は内閣官房に外国人政策の司令塔となる事務局組織「外国人との秩序ある共生社会推進室」を新設。15日の発足式では、外国人による土地取得や社会保険の未納問題を例示し、厳格な対応を訴えた。
「政権与党までが右派ポピュリズムの過激な主張に引きずられるのは、危険な兆候です。この様子だと選挙後も既成政党は、より保守色を強めていく。外国人の土地買い占めやオーバーツーリズムなどは、外資の参入促進やインバウンド推進を掲げた安倍政権が助長したも同然。古今東西、閉塞に満ちた社会はその原因を外に向けがちですが、今の日本の閉塞感の要因は30年以上にわたる経済の長期停滞であり、それを招いたのは歴代自民党政権の失政です。自らの責任を省みず、不満を外に向わせれば、ますます世論の分断は加速する。分断社会は国力をさらに低下させるだけです」(五野井郁夫氏=前出)
まさかの石破続投もあり得る
さらに異常なのは投開票日前なのに、永田町では選挙後を見据えた動きが顕在化していることだ。もはや誰もが自公の参院過半数割れは織り込み済み。「開票直後に確実になった時点で森山幹事長は自ら辞任を表明するだろう」「最大の支え手を失えば政権は持たない」「さあ、石破首相も一緒に辞めるのか」──などと結果が出る前からさまざまなシミュレーションが飛び交う異様な展開だ。
再登板に意欲を示す岸田前首相は色めき立ち、森山が失脚すれば党内“最長老”として麻生最高顧問がキングメーカーに君臨しようと蠢きだす、などと惨敗後の政局をにらみ、自民党内は異様な緊迫に包まれている。
「数日前には石破首相は即、辞任。後任は小泉農相で一気に衆院解散・総選挙との真偽不明の情報が一斉に駆け巡りました」と打ち明けるのはジャーナリストの鈴木哲夫氏だ。こう続ける。
「与党の獲得議席が40台半ばを下回れば大波乱となる。石破首相の退陣は必至ですが、昨秋の党総裁選を争った小泉農相や高市前経済安保相、小林元経済安保相らに次を狙うムードは感じられません。衆院に続き、参院も与党少数では誰が担っても政権運営は厳しい。安定を求めて連立の枠組みを拡大しようとすれば、野党の党首に総理のイスを差し出す展開すら想定されます。皆が皆、火中の栗を拾うのを嫌い、いっそ石破首相を続投させ、貧乏クジを押し付ける気配すら漂っています。参院選の後には首相指名選挙はなく、『国難』と称する日米関税交渉の継続性を続投の大義に持ち出すことも考えられます」
今回の参院選で有権者が自民党に「ノー」を突きつけているのは明白だが、受け皿の野党は今度もバラバラだ。野党連合で政権交代というドラスチックな展開は望めるのか。投開票日の前から、誰もが見通しのつかない漂流政局は始まっている。
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