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「高市早苗総理」誕生の最悪シナリオ 古谷経衡 猫と保守と憂国
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/375469
2025/07/30 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
古谷経衡氏(提供写真)
石破首相退任の圧力が強まる中、次の有力総裁候補に小泉進次郎農相、高市早苗前経済安保相の名が挙がる。正直なところ私は進次郎が有力と思うが、一寸先は闇ゆえ高市総裁・総理誕生の目も考えなければならない。「保守政治を取り戻す」。そんなフレーズで首相指名を乗り越えた高市新内閣に、現実的な選択肢は少ない。自公連立の枠組みを国民民主、維新にまで広げるのは困難であり、保守党や参政党と組む可能性も少ないだろう。
しかし高市総理で国内の雰囲気はがらりと変わる。特にマスメディアである。2016年2月、高市が総務大臣を務めた際のいわゆる「停波」発言は、現在でも大手マスメディアにとってトラウマである。さらに女性初の総理となれば話題性が強く、とりわけ忖度・付和雷同の性質が強いテレビメディアは微温的に高市内閣を援護するだろう。そうなると、高市総理が実際には衆参ともに少数与党というハンディにより、右派路線の強い法案を可決できなくとも、見かけ上の指導力は実力以上に高まる。
もうひとつはいわゆる「SNS世論」への影響である。躍進した参政党に対して、連日のようにマスメディアの報道が続く中、その内容は同党や支持者にある程度批判的なものといえる。なぜ「妙な忖度・公平性」を捨ててまで参政党に、とかくテレビメディアがやや厳しい目線を向けるのかと言えば、SNS世論からの抗議が少ないからである。
参政党支持層の多くが利用するSNSは、ティックトックとユーチューブといった動画に偏重したSNSである。X(旧ツイッター)は基本的に文字情報が主である。参政党支持層の少なくない部分は、140文字やそれ以上の文字数を読解する能力に乏しい部分がある。
よってX上での痛烈な参政党批判に対しては、不思議なほど感情的な抗議は少なく、むしろ批判に同調するユーザーが圧倒的だ。これは私自身、Xを15年以上使っている中で、初めての経験である。ネット右翼やその関係者を批判すると、猛烈な勢いでXが炎上するが、参政党でのそれは無風に近い。ネット右翼と参政党支持層はまったく異なっていて、前者は短文、後者は動画とすみ分けしている。
これがテレビメディアならどうかというと全く同じ現象で、地上波で岩盤保守層が批判されると、彼らは猛烈な勢いでテレビ局、果てはスポンサーまでをも組織的に攻撃する。テレビ局の多くはこれに参ってしまい、ネット右翼やそれに親和的な政治家への言及を避けるようになった。
ところが参政党支持層の多くは、報道番組や情報番組を見ていない層である。テレビメディアで神谷代表や自党が攻撃されていても、そもそもその事実を知らないのだ。
高市新総裁がなるとすれば、当然その支持層の主力はネット右翼である。よってマスメディアは、少数とはいえ集中的で組織的なテレビ局への抗議を恐れて、またぞろ「妙な忖度・公平性」を復活させ、間接的な政権アシストに加担するはずだ。ただでさえ弱い批判精神はさらに低下し、微温的な高市への期待感が世論に瀰漫(びまん)するのではないか。批判精神なきメディアと政権のスクラムが、かつてないほど高まるだろう。これこそが最悪のシナリオである。
古谷経衡 作家
1982年生まれ。立命館大学文学部史学科卒。令和政治社会問題研究所所長。「左翼も右翼もウソばかり」「日本を蝕む『極論』の正体」「毒親と絶縁する」「敗軍の名将」「シニア右翼」など著書多数。
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