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※紙面抜粋
※2025年8月4日 日刊ゲンダイ2面
戦後談話も見送り報道 石破さん、あなたはただ「首相を続けたいだけ」なのか?
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/375667
2025/08/04 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
国とためとかと言って、ただ続けたいだけではないか(C)日刊ゲンダイ
国のためと続投に固執する石破首相だが、ただ続けたいだけではないか。
旧安倍派への配慮で80年談話を閣議決定できない腰砕け。別のかたちで出すことを模索しているというが、新聞辞令は否定の混乱。薄汚い議員の支持が頼みなら、いよいよ政権を存続させる意義はなし。
◇ ◇ ◇
醜悪な党内政局を連日見せられる国民は辟易だが、自民党内の「石破おろし」は、「戦後80年談話」が新たな焦点になってきた。
石破首相が昨年の衆院選に続き、参院選で大敗しても、「国のため、国益のため」とか言って権力の座に居座っているのは、戦後80年談話を発表したいからだというのだ。党内保守派は、それを阻止しようと圧力を強めている。
先月28日に開かれた自民党の両院議員懇談会では、清風会(参院安倍派)に所属していた片山さつき参院議員が「談話を出すのは絶対にやめてほしい」と発言した。
保守系グループ「日本の尊厳と国益を護る会」の青山繁晴代表も「安倍談話を上書きすれば、中国や韓国から歴史戦のツールにされてしまう」と主張。昨年の総裁選に出馬したコバホークこと小林鷹之元経済安保担当相も、3日放送のインターネット番組で「戦後80年談話を出す必要はまったくない。安倍晋三元首相が出した70年談話がすべてだ。それを踏襲すべき」と強調した。
党内圧力に負けて、石破は談話を出せない可能性が高まっているとされる。
2日の朝日新聞は1面トップ記事で「首相 戦後80年文書見送りへ」「退陣要求強まり 保守派の反発懸念」と報じた。
<石破茂首相は、戦後80年の節目となる今月15日の終戦の日や、日本が降伏文書に調印した9月2日に歴史検証を踏まえた首相個人としてのメッセージを文書で出すことを見送る方向で調整に入った><メッセージ発出で保守派のさらなる反発を招き、「石破おろし」が加速しかねないと判断。村山内閣など歴代内閣が戦後の節目で出してきた歴史認識を盛り込んだ文書の発出が途切れる>
談話を政争の具にするのか
戦後50年の節目に村山富市首相が過去の日本による植民地支配と侵略に言及し、「痛切な反省」と「心からのおわび」を表明する「村山談話」を発表。戦後60年の小泉純一郎元首相による「小泉談話」もこの歴史認識を踏襲した。
10年前の戦後70年に安倍晋三元首相が発表した談話も、基本的には過去の内閣の立場を引き継いだが、「痛切な反省と心からのおわび」は揺るぎないとする一方で、「私たちの子や孫、その先の世代の子どもたちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」と、謝罪に区切りをつける方針を表明した。
旧安倍派を中心とする自民党保守派は、謝罪に区切りをつけた安倍談話を上書きされることを警戒している。だから、80年談話を発表させないためにも、石破を引きずり降ろさなきゃならないと、国民に対して猛アピールしているのだ。
それで、石破周辺からも「これ以上、党内で反発が強まれば石破おろしが加速する」「談話を出す必要はない」という声が聞こえてくる。それが一部メディアで報道され、「談話発表は見送り」が既成事実化されつつある。
だが、石破自身は「今までの談話の積み重ねを踏まえながら適切に判断することが大事」と答えるだけで、談話を出すとも出さないとも言っていない。何らかの見解を取りまとめること自体は諦めておらず、党内情勢を見極めながら、発表時期を探っているという見方もある。“新聞辞令”を否定する話も出てきて、情報が錯綜している。
もっとも、これはおかしな話だ。なぜ80年談話が政争の具になっているのか。この時期は本来、静かにあの戦争を振り返る時間のはずだ。
どのみち長くはないのだから好きにすればいい
言う資格のない者たちがしゃしゃり出る(C)日刊ゲンダイ
ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「本人とも話しましたが、石破首相は閣議決定を伴う談話かどうかは別にして、首相個人としての言葉など何らかの形で戦後80年のメッセージを出したいという思いを持っている。かつての日本がなぜ戦争に突き進み、そして止められなかったかについて、人一倍考えてきた政治家ですから、シビリアンコントロールなどの視点からあらためて総括し、あの戦争について考える機会を持ってほしいと願っているのだと思います。安倍談話を否定するつもりはないだろうから、続投問題とないまぜにすべきではない。トランプ関税への対応もあったので、8月15日には間に合わないかもしれませんが、戦後80年の節目に首相の立場にある以上、何も発信しないことはあり得ないでしょう」
国としての意思を表明するのであれば、ふつうは国会で決議する。だが、先の戦争に対する見解は党派ごとに違うから全会一致は無理だ。それどころか、同じ自民党内でも保守派からリベラル派まで、さらには歴史修正主義者もいて歴史認識はさまざまだ。だから、国でも党でもなく、時の「政府として」閣議決定した談話を発表するというのが通例になってきた。
それでも取りまとめるのは大変だ。未来世代の責任を軽減した安倍談話でさえ、過去の歴史認識を踏まえることに党内右派の反発があった。
「戦後80年談話は自民党のために出すものではない。国際社会や周辺国に対して、平和主義や法の秩序を重視する日本の立場を明確にする決意を表明するのは、戦後政府の務めでしょう。加害責任を薄めた安倍談話を上書きされたくないと騒いでいる旧安倍派の人たちに配慮して80年談話を出せないようでは、首相をやっている意味がありません」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
旧安倍派がエラソーな顔の噴飯
参院選大敗を受けて石破退陣論が党内に広がる中、かつて「安倍派5人衆」と呼ばれた幹部のうち、落選中の高木元国対委員長をのぞく西村元経産相、萩生田元政調会長、松野前官房長官、世耕前参院幹事長が先月23日に会談。その後、テレビ番組に出演した世耕は「石破首相の交代が必要との認識で4人が一致した」とかエラソーに話していたが、有権者の離反を招いた裏金事件の当事者たちがどの口で言うのかという話だ。そもそも世耕なんて、裏金問題で自民党を追い出されて今は無所属議員なのに、なんで相変わらず自民党幹部みたいな顔して党内政局に口出ししてるのか。
「旧安倍派の顔色をうかがって80年談話を見送るならば、石破首相は完全にオシマイですよ。薄汚い裏金議員の支持を頼みにして存続する政権なんて何の意義もない。そもそも、党内ばかり気にして石破カラーを封印してきたことが国政選挙大敗の一因なんじゃないですか。これだけ八方塞がりで、どのみち長くは続かないなら、もう失うものはない。こうなったら石破首相は有終の美を飾るつもりで、言いたいことを言って、やりたいようにすればいいと思いますよ。その方が国民の支持を得て、政権浮揚にプラスかもしれません」(五十嵐仁氏=前出)
80年談話を閣議決定できない時点で腰砕けなのだが、それにしても、戦後80年の節目に何のメッセージも発表できないようでは、政権にしがみついているだけと言われても仕方ない。談話発表の時期を模索していることを名目にズルズル引き延ばそうなんて考えているとしたら最悪で、そんな権力亡者には二度と国益なんて言葉を使ってほしくない。
ただ続けたいだけなのか、信念があるのか、石破の真価が問われる夏だ。
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