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※紙面抜粋
※2025年9月2日 日刊ゲンダイ2面
結局、内ゲバ政党には無理なのだ…自民党を分裂させる政界仕掛け人はいないのか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/377009
2025/09/02 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
身を守ることが最優先(C)日刊ゲンダイ
総裁選前倒しを巡って、今週がヤマとかされるが、国民は内ゲバにドッチラケ。有権者が求めたのは自民党の退場だからだ。それなのに、石破おろしで保身のメンメン、石破は石破で、そんな奴らに担がれる自己矛盾。野党はそれを様子見の惨状に国民はもう辟易。
◇ ◇ ◇
今週がヤマ場だそうだ。参院選大敗の要因を検証する自民党の「総括委員会」が2日、総括報告書を取りまとめ、その後の両院議員総会に諮る。正式にまとまれば、総裁選前倒しの是非を問う党内手続きがスタート。意思確認の期日は8日の見通しで今後1週間、党内抗争が本格化する。
非主流派の中堅・若手は「石破おろし」の多数派工作に動き出し、閣内からも総裁選前倒しを求める副大臣・政務官が相次いでいる。都道府県連の「反石破」の動きもジワリと拡大中だ。衆参両院議長を除いた国会議員と都道府県連代表の計342人の過半数=172人が賛成すれば、総裁選前倒しは決まる。過半数に達するのかどうか、党内情勢は五分五分だ。
石破首相にとってはまさに剣が峰の1週間とは言えるが、国民はドッチラケ。参院選直後から1カ月以上も続く「内ゲバ」にいい加減、うんざりだ。直近の世論調査にも国民の“厭戦”ムードが漂う。どの調査結果でも内閣支持率は急上昇し、石破続投を容認する声は半数を超える。それもこれも党内のゴタゴタに国民があきれている証しである。
石破おろしに躍起なのが旧安倍派のメンメンと知れば、なおさらだ。党の信頼を損ねた裏金議員たちがトップだけに責任を負わせる浅ましさ。石破を引きずり降ろせば「みそぎ」が済んだとばかりに復権狙いのおぞましさ。突き上げが強まるほど「裏金議員がよく言うよ」で、判官びいきの世論が石破への同情論に流れていく。
「地面師たち」のピエール瀧じゃないが、「もうええでしょう」と言いたくなるような逆効果で、選挙で示した民意を忘れてもらっては困るのだ。
政争にかまけて国民生活そっちのけ
昨年の衆院選、今年の都議選、先の参院選と続いた大型選挙3連敗で、有権者が求めたのは自民党の退場だ。「スリーアウトチェンジ」(茂木前幹事長)は石破でなく、悪政の限りを尽くした党全体にこそ当てはまる。
もっと言えば、有権者の怒りの矛先は旧安倍派の裏金事件では済まない。退場要求の根底には、同派を率いた安倍元首相が9年近くも続けた「1強政治」への反発がある。
数の力に頼って、おごり高ぶり、熟議の民主主義を軽んじて、やりたい放題。歯向かう同僚議員や官僚は人事で徹底的に干し、そのせいでゴマスリ・忖度が蔓延。「モリカケ・桜」という疑惑まみれの縁故主義がはびこり、普通の庶民生活には目もくれない。その裏では選挙の票と運動員欲しさにカルト教団と密かに結託し、こっそり裏金を不正蓄財しても脱税で罰せられることもない。
2012年に自民が政権復帰して以来の「1強政治」は結局、この国に「分断と凋落」をもたらしただけだ。安倍の横死以降、釜のフタが開いたように噴出した異様な不祥事を見せつけられ、有権者は「1強政治は二度とごめん」とマグマのごとく「自民ノー」の怒りを煮えたぎらせている。
だからこそ、安倍とソリが合わなかった石破には「アベ政治」からの決別が期待されたのだが、少数与党下の政権運営と貧弱な政権基盤に窮する余り、蛇蝎のごとく嫌われている党内保守派にも遠慮してばかり。裏金づくりの真相解明に動かず、期待外れの忖度政治の連発だ。当然、大きな課題や改革に取り組めるわけがなく、国民生活を苦しめる物価高も放置したままである。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。
「仮に賛成多数で総裁選の前倒しが決まり、党員参加型のフルスペックで実施すれば、準備に数週間を要します。投開票は10月にズレ込み、さらなる政治空白が生じてしまう。物価高対策は『待ったなし』なのに、国民生活そっちのけです。衆参ともに少数与党に転落し、秋以降の国会運営は厳しさが増す。それなのに、自民は党内抗争にかまけて野党との政策協議をおろそかにし、政権内は『石破おろし』を巡って閣内不一致に陥っています。たとえ、石破首相が退陣圧力を振り切っても、かりそめの続投に過ぎません。党内分裂状態で秋の臨時国会に臨んでも、政権運営は一層困難となる。八方ふさがりで万策尽きるのは確実です」
財政政策の違いこそ新たな政界再編の軸に
政権奪取の気構えゼロ(C)日刊ゲンダイ
石破の責任を問う側も「おろし」に成功したとて、衆院の少数与党状態が続く限り、「ポスト石破」が首相に指名される保証はない。つまり双方ともに政権運営の展望はなく、その間も物価対策はズルズルと先延ばし。しょせん有権者に退場を命じられた内ゲバ政党がこれ以上、政権を担うこと自体、無理なのだ。
自民の混乱に野党は高みの見物だが、今の政治の膠着は野党の責任でもある。衆参両院の少数与党を裏返せば両院ともに野党多数だ。参院選直後に野党が結集して政権を奪う気になれば、愚にもつかない政争と政治空白は避けられたのである。
しかし野党第1党の立憲民主党をはじめ、今の野党に政権を取りに行く気構えはゼロだ。国民民主党の玉木代表が繰り返す「多党化の時代」も言い訳にならない。いい例が1993年の衆院選後に誕生した細川連立政権だ。実に8党派がスクラムを組み、第4勢力に過ぎなかった日本新党の細川護熙代表を総理に担ぎ出し、38年間単独政権を維持し続けた自民を初めて下野させたではないか。
当時は「政界の壊し屋」の異名を取った小沢一郎衆院議員が剛腕を振るったが、要はやる気次第だ。野党の足並みが揃わないから、自民は安心して内ゲバに没頭していられるのである。
萩生田光一元政調会長や佐藤勉元総務会長らが、執行部に「下野」を求めたのも、今の野党をナメ切っている証拠だ。政権を譲っても、すぐさま空中分解すると見くびり、政権を担えるのは自民党だけだと分からせれば有権者の支持も戻ってくるとタカをくくっている。
野党は「オレがやる!」の気概を示せ
メディアの「次の首相に誰がふさわしいか」を聞く世論調査をみても、野党の情けなさは一目瞭然だ。立憲支持層に限っても、野田代表よりも石破の方が上回る始末だ。野田本人は悔しくないのか。いくら亡くなった上島竜兵さんソックリでも「オレがやる!」と手を挙げる気概を示さなければ、ダチョウ倶楽部の「どうぞ、どうぞ」の“伝統芸”は成り立たないのである。
「いっそ財政政策を軸に政界再編が進めばスッキリする」と提言するのは、ジャーナリストの山田惠資氏だ。こう続ける。
「同じ自民党内でも石破首相は『財政再建派』寄りですが、旧安倍派や高市前経済安保相、彼女を支える党内保守派は国債発行も辞さない『積極財政派』です。立憲民主も同様で『財政再建派』の野田執行部に対し、減税を求める『積極財政派』を党内に多く抱えています。自民・立憲の積極財政派が、手取りを増やす国民民主や日本維新の会の減税派を巻き込み、積極財政を軸に大同団結。一方で与野党の垣根を越え、財政再建派がまとまれば、有権者には分かりやすい構図となる。『石破おろし』の行方がどうなろうとも、自民党内には財政政策の対立軸は残ります。今後の国政選挙でも減税の是非は必ず争点になるでしょう。今からダイナミックな再編の地ならしを進めるべきです」
党内分裂を逆手に取って石破が政界再編に動けば大したものだが、「従う仲間は数人が関の山。今の石破氏にそんなエネルギーはありません」(五十嵐仁氏=前出)。
かくして総裁選前倒し賛成の記名と顔出しを嫌がる弱腰議員の支えを借りながら、石破が「おろし」をやり過ごす日々は続く。保身のメンメンが担がなければ成立しない政権は、ますます弱体化の一途。とにかく続投ありきの自己矛盾そのもので、自民退場のジャッジを無視され続ける国民はもう辟易。自民党を分裂させる政界仕掛け人はもう二度と現れないのか。
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