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※紙面抜粋
※2025年9月25日 日刊ゲンダイ2面
いい気なものだ、自民党 石破首相は思い出づくりで総裁選は「皆で仲良く」茶番劇
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/378022
2025/09/25 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
情けない。最後の最後まで外交無策…(C)ロイター
辞める首相がのこのこ国連に出向いて安保理改革などを唱えていたが、マンガではないか。パレスチナの国家承認も見送り、トランプにひれ伏す隷従国家が「改革案」の恥ずかしさ。一方、国内はポスト石破で、ヤラセの茶番。国民は踏んだり蹴ったりだ。
◇ ◇ ◇
一体、何しに行ったのか。
石破首相が23日(日本時間24日)、米ニューヨークで行われている国連総会の一般討論演説に臨み、パレスチナ自治区ガザへの地上作戦を展開し続けるイスラエルに対して「断じて容認できず、この上なく強い言葉で非難する」と話し、作戦の中止を求めた。
また、今年で創設80年となる国連について、安全保障理事会が「十分に機能を発揮できていない」と指摘し、常任・非常任の双方の理事国拡大が必要と訴えた。
お説ごもっともではある。イスラエルによる空爆と地上侵攻で、ガザの犠牲者は6万5000人にも上る。国連人権理事会の独立調査委員会はイスラエルがガザで「ジェノサイド」を行ったと認定する報告書を発表した。安保理は拒否権を持つ常任理事国の米英仏ロ中の思惑がバラバラで、機能不全に陥り、ロシアによるウクライナ侵攻は出口が見えない。石破の指摘は間違ってはいない。
ただ、既に「退陣」を表明した石破のスピーチにどれだけの重みがあるのか。米国のトランプ大統領夫妻が主催したレセプションで、石破はトランプと立ち話。直接会うのはこれが最後となりそうだからか、石破はこれまでの友情と信頼に謝意を示し、「世界の平和と繁栄を実現していく上での日米同盟の重要性は今後も変わらない」と言ったそうだが、トランプからしてみれば“ああそうですか”ではないか。
その他の国の首脳も「死に体」首相の言葉に耳を傾けるとは思えない。そんなことは石破本人だって分かっているはず。要するに、“思い出づくり”で、のこのこ国連に出向いていったということではないのか。
やっぱり米国に配慮
情けないのは、最後の最後まで国際社会で煮え切らない態度を取り続けたことだ。
石破演説の前日の22日、国連本部でイスラエルと将来のパレスチナ国家が共存する「2国家解決」に関する国際会議が開催された。フランスがパレスチナを国家として承認。会議に先立ち、英国とカナダも承認した。これで、G7では3カ国が承認に回ったことになる。全体で見ると、国連加盟193カ国の8割超の約160カ国が承認した。
ところが、G7の一角を占め、長年「2国家解決」を支持してきた日本は「承認見送り」。極めて曖昧な態度で、石破は「『承認するか否か』ではなく、『いつ承認するか』の問題だ」と強調。イスラエルが「2国家共存」を拒否するようなら「新たな対応を取ることになる」と警告してみせた。現時点での国家承認が状況の好転につながらないとの理由で見送ったそうだが、詭弁でしかない。
議長国を務めたフランスのマクロン大統領が和平実現に向けた工程表を提示したのとは大違いだ。
まあ、そこまでの指導力を日本に求めるのはムチャかもしれないが、それにしても日本の対応は中途半端すぎる。原因は、親イスラエルの姿勢を取り続けるトランプ米政権との関係悪化を恐れてのことだ。これは、石破政権に始まったことではないが、いつも通りの米国隷従である。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「外務省は『承認カードを切るのは今ではない』と考えているのでしょうが、一刻も早い和平実現を目指すというメッセージを発信するには、仏英加に追随すべきでした。最終的に米国に配慮したわけです。ただ、今回は米国と『特別な関係』にある英国までが承認に回っている。それほどイスラエルの暴挙を問題視しているわけですが、英国は先日、トランプ氏を国賓として招き『王室外交』を展開。厚遇することでトランプ氏に余計なことを言わせない状況をつくり、国家承認の判断に至ったのです。日本政府もそれくらい計算高く立ち回るべきでした」
無策の日本政府が安保理の「改革」を訴えるなんて恥ずかしい限りだ。
進次郎農相は“安倍1強に戻りたい”と宣言
仲良しこよし、見ていて恥ずかしくなる「党改革」茶番劇(C)日刊ゲンダイ
一方、国内では自民党がポスト石破の総裁選で「党改革」を訴えているが、こちらも見ていて恥ずかしくなるほどの茶番劇である。
出馬している5人は当初、険しい表情で「解党的出直しが必要」と言っていたのに、いまや「皆で仲良くやっていこう」という雰囲気。「解党」もクソもない状況だ。
24日は昼過ぎに日本記者クラブで5候補による公開討論会が、夕方からは自民党の“聖地”と言われる東京・秋葉原で街頭演説会が開かれた。
討論会では各候補が経済対策と財政や賃上げ、エネルギー政策などの分野で別の候補に質問を投げかけた。丁々発止の議論が交わされると思われたが、目立ったのは、「意見が一致している」「政策の部分はほとんどかぶっている」「私も賛成です」といった賛同の声ばかり。とても討論と呼べず、まるで予定調和の猿芝居。「ヤラセ」と言われても仕方がない。
街頭演説会も空気はほとんど同じ。5人が口にするのは「皆で一緒に」「協力して」といったワードばかり。特にヒドかったのは、討論会で「ペーパーに目を通している」と揶揄された小泉進次郎農相。神妙な面持ちでこう演説をぶっていた。
「いま、自民党に必要なのは、まず我々が心を一つにすること。(総裁選は)候補者間の違いを競い合って、どれだけ違うかを皆の目に集中させるのではない。お互いが共有しているもの、一致点を見いだして皆で力を合わせて、日本の置かれた状況を厳しいものだと認識しながら、経済も外交も安全保障政策も……、そして野党と向き合える態勢をつくるべきです」
さらには、「もう一回、あの安倍政権の時に強く安定した政権基盤をつくれたような、あの時のような力強さを取り戻すために、足元から一つ一つ信頼回復の歩みを始めていきたい!」と言ってのけた。どうしても、あの「安倍1強」の時代に戻りたいようだが、一体、どこが「解党的出直し」なのか。過去にすがっているだけだろう。
「生き残り」しか考えていない
進次郎の支援を検討中の自民党議員が言う。
「進次郎さんは野党時代の谷垣禎一総裁時代の苦労を引き合いに出しながら、『結束すべき』と言っていますが、筋違いだと思います。野党時代に政権を取るために結束するのは当然。でも、今は与党です。党内で『疑似政権交代』を起こすくらいの覚悟がないと、自民党は変わらない。最後は国民に見透かされますよ」
5人ともなぜ揃いも揃って危機感が薄いのか。何とかなると思っているのだろうか。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)は、こう言う。
「解党的出直しを求められている原因は裏金事件です。国民は実態解明と責任の所在を明確にした上で再発防止を求めている。まだ何もやっていないから不信を招いているのに、自民党は昨年の衆院選と今年の参院選で『ミソギは済んだ』と思っている。その証拠に5人とも裏金議員の要職起用を否定していません。皆、もうお叱りを受けたのだから今後は党一丸となって生き残りを図りましょう、と訴えているわけ。解党など少しも考えていないでしょう。国民をコケにするのもいい加減にすべきです」
石破は思い出づくりで、総裁選は反省なしのヤラセ。国民は踏んだり蹴ったりだ。
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