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※紙面抜粋
※2025年10月8日 日刊ゲンダイ2面
自民党は自壊へまっしぐら…国民を敵に回す「内向き居直り人事」にもう唖然
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/378596
2025/10/08 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
麻生院政、裏金復活。臆びれもなくあからさまに先祖返り(C)日刊ゲンダイ
高市執行部人事が発表されたが、麻生院政、裏金復活を前面に出す臆面のなさには言葉を失う。国民の信頼回復などそっちのけ、自己都合だけの露骨な論功。
この政権と組むのか、公明や卑しい野党。
◇ ◇ ◇
打ち破ったと思っていた「ガラスの天井」は、実際は「棺桶のフタ」だった──。
早くもこんな冷ややかな意見が出ているのが、石破首相の後任を選ぶ自民党総裁選で、第29代総裁に選出された高市早苗前経済安全保障担当相だ。
7日、新たな党執行部の人事が総務会で了承されたが、その顔ぶれを見て「自壊へまっしぐら」と愕然とした国民は少なくないだろう。
高市はまず、党内で唯一残る麻生派を率いる麻生太郎元首相を副総裁で処遇。さらに同派からは、党4役のうち幹事長に鈴木俊一総務会長、総務会長に有村治子元少子化担当相をそれぞれ起用した。
そして総裁選で争った小林鷹之元経済安全保障担当相=旧二階派=を政調会長に充て、総裁選で高市の推薦人代表を務めた無派閥の古屋圭司元国家公安委員長が選対委員長に再登板させることも決定。総務会では、ともに旧茂木派の新藤義孝元総務相が組織運動本部長、鈴木貴子元外務副大臣が広報本部長に就くことになったのだが、この体制の一体どこが「解党的出直し」になるのだろうか。
「派閥解消してない人が副総裁になり、その義理の弟さんが幹事長になり、そのグループの人が総務会長になり露骨じゃありませんか」
高市新執行部に対し、立憲民主党の野田佳彦代表が真っ先に皮肉交じりに批判していたのが麻生の存在だ。
何のために「フルスペック」の総裁選を実施したのか
民間企業であればとっくに一線を退いている年齢であろう傘寿を過ぎ、米寿も迫る麻生。首相時代に国民にNOを突きつけられ、自民党を下野させた“戦犯”にもかかわらず、その後もダラダラと政権の表舞台に顔を出し、要職に居座り続けているからクラクラする。
総裁選の決選投票で、本命視されていた小泉進次郎農相を高市が破ることができたのは「麻生の指示、鶴の一声だった」なんて報道も見られたが、結局、「最後は麻生のハラ一つ」で新総裁が決まるのであれば、何のために国民生活そっちのけで「フルスペック」の総裁選を実施したのか。全く時間の無駄だったと指摘せざるを得ないだろう。
そして、立憲の野田が指摘する通り、麻生はまんまと副総裁の座に就き、その子飼いは党幹部の要職を手に入れたわけだ。政権を裏で操り、思い通りに動かす政治体制を「院政を敷く」と表現するのであり、高市新執行部もまさに「麻生院政」の姿に当てはまると言っていいだろう。7日の総務会で挨拶に立った麻生は「挙党一致。自民党再生のために頑張りたい」と挨拶していたが、「石破おろし」に血道を上げ、党内を四分五裂の状況に追い込んだ張本人がよくぞ「挙党一致」「再生」などとしらじらしく言えたもの。さすがに同じ自民党国会議員であっても、麻生発言に「どの口が」と鼻白んでいる連中は少なくないのではないか。
元参院議員の平野貞夫氏はこう言う。
「やれ長老だ、重鎮だ、などと持ち上げて、いつまでも麻生氏を要職に起用しているようでは、自民党は本質的に何も変わっていない。『変われ自民党』とは何だったのか。刷新感も若返りもなし。このままだと、この国は間違いなく潰れる方向に進むと懸念せざるを得ない」
「今の暮らし、未来への不安を希望と夢に変える」はほぼ実現不可能
裏金事件は収まっていない。旧統一教会問題も然り、だ(C)日刊ゲンダイ
高市執行部の人選で最も酷いのが、幹事長代行には旧安倍派「5人衆」のひとりだった萩生田光一元政調会長が就いたことだ。
自民党が昨秋の衆院選、今夏の参院選で惨敗し、与党過半数割れとなった最大の要因は言わずもがな旧派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件だ。
とりわけ旧安倍派は最も多くの裏金議員を生んだ“震源地”であり、萩生田も2018〜22年の5年間で政治資金収支報告書に計2728万円の不記載が発覚し、衆院選では非公認扱いとなった。
高市新総裁誕生後に共同通信社が実施した全国緊急電話世論調査でも、裏金議員の党役員や閣僚などへの要職起用は「反対」が77.5%に上るにもかかわらず、この起用は国民を愚弄しているとしか思えないだろう。
幹事長に決まった鈴木は萩生田の起用について、「党の処分が済んでいる」「ルールを守る中で信頼を取り戻すことが重要だ」と説明していたが、裏金事件で萩生田の会計を担当していた政策秘書を8月、東京地検が政治資金規正法違反で東京簡裁に略式起訴したのを忘れたわけではないだろう(罰金30万円、公民権停止3年の略式命令)。
さらに言えば、萩生田は旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との近しい関係も取り沙汰されていた。その旧統一教会の韓鶴子総裁は、金建希元大統領夫人の疑惑を捜査する韓国特別検事(特検)チームによって逮捕され、今後、カネの出所や流れを巡る政界ルートの解明も進んでいくとみられている。場合によっては日本国内にも捜査の手が及ぶ可能性もあるわけで、萩生田の要職起用など、あり得ない人事なのは言うまでもない。
ルールを守らない自民党国会議員をゼロにする方が先
裏金議員を脱税の疑いで刑事告発した「自民党ウラガネ・脱税を許さない会」の藤田高景代表はこう言う。
「高市新総裁は忘れてしまったのかもしれませんが、自民党が国政選挙で立て続けに敗れた原因は金権腐敗政治に対する国民の怒りです。その世論を一切無視して性懲りもなく裏金議員を要職に起用するのは言語道断でしょう。しかも萩生田氏はその中心人物です。いくら論功行賞とはいえ、トップに就けば少しは配慮するもの。それが高市氏は全くない。恥知らずとはこのことで、政権発足前からすでに終わっているでしょう」
その通りだ。要するに裏金問題も旧統一教会問題も全てなかったことにしているわけで、あらためて自民党は衆参両選挙でボロ負けした理由を一体何だと考えているのだろうか。
「選挙に勝ったから禊は済んだ」「不適切な処理だったが合法だ」「違法、脱法だったとはいえ、不起訴・起訴猶予だから無罪と同じ」「集会には参加したが、選挙応援は頼んでいない」……などと考えているのであれば言語道断。反省もないまま勝手に解決済みと開き直る臆面のなさにはまさに言葉を失う。
高市は総裁選で外国人問題について、「必要な課題を洗い出し、解決するための法整備まで進める司令塔をつくりたい」と訴えていたが、そのエネルギーをなぜ、裏金事件や旧統一教会問題に向けないのか。違法、不法行為を犯した外国人を取り締まる必要性は否定しないが、違法、不法行為を犯し、ルールを守らない自民党国会議員をゼロにする方が先ではないのか。
国民の信頼などそっちのけ、自己都合だけの露骨な論功。国民を敵に回す「内向き居直り人事」にもう唖然だ。
さて、そんな正体見たりの高市(政権)と果たして誰が手を組むのか。卑しい本性を見せるのはどの野党なのか。
公明が異例の連立離脱の可能性もほのめかす中、立憲や日本維新の会、国民民主、共産など野党6党の国対委員長らは7日、国会内で会談。
立憲が臨時国会の首相指名で野党統一候補の擁立を呼びかけたのに対し、かつて麻生の橋渡しで自公政権入りを模索したと報じられた国民民主は回答を保留。安倍、菅両政権と良好な関係を築いていたとされる維新も萩生田に新たなパイプ役を期待する声があるという。
いずれにしても政界のドタバタ劇はまだ続くわけで、高市が掲げる「今の暮らし、未来への不安を希望と夢に変える」はほぼ実現不可能と考えた方がいい。
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