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「強い国」を目指す高市首相は社会の問題を忘れているのではないか 西村カリン ニッポン見聞考
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/379625
2025/10/30 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

「ワークライフバランスを捨てる」高市首相(C)共同通信社
新政権は発足したばかりだが、高市首相は海外において最も関心を集めている日本の首相と言っても過言ではない。それは女性だから。世界中の大手マスコミは高市首相を紹介する記事を掲載したり、ルポルタージュを放送したりした。ただ、これまで高市首相のことを全く知らなかったメディアは、他のメディアを真似するだけで、高市首相の考え方や過去の発言などをほとんど知らないし、彼女の戦略を細かく分析できているとは言えない。
高市首相の著書を読んだ私が最も気になったことは、彼女の人間への関心の低さだ。高市首相は経済の成長、国の強さ、技術、安全保障などにものすごく興味があり、日本という国が好きで、全世界で輝く日本を目指している。悪いことではないが、国が輝くためには、単純な愛国心だけの独裁者でなければ、まずは社会と国民の生活の豊さを最優先することが必要ではないか。
しかし、高市首相の目標は違う。所信表明演説を聞き、彼女の「理論」とは何かを考えてみた。
彼女が目指している経済成長や技術革新、イノベーションなどは、現在の日本の社会と人口の構造では不可能ではないかと思う。むしろ、サナエノミクスによって問題が悪化すると危惧する。
経済成長のために、大企業だけでなく、中小企業も欠かせない役割を果たす。ところが、人手不足の中では難しい。解決策として、国がAIや産業用ロボットなどの研究開発を積極的に支援すると高市首相は言う。財源が問題だが、官民の投資でやると言う。それは、ここ10年で増えた外国人労働者を減らすことも一つの目的かもしれない。
ただ、技術開発には時間がかかるので、とりあえず、日本人の労働時間の制限を緩和し、残業時間の上限を上げる。「ワークライフバランスを捨てる」高市首相は、国を強くするために国民の努力を頼みにする。「もっと働きたい国民のために、もっと働ける環境をつくる」と自民党の政治家が言うが、労働組合が弱い日本で、残業を断る労働者はほとんどいないだろう。より厳しい労働環境になり、女性はさらに仕事と子育てを両立できなくなり、少子化問題がさらに深刻になる。
高市首相は強い国を目指しているが、彼女は一体どんな日本社会のイメージを持っているのか、全く読めない。

西村カリン ジャーナリスト
仏の公共ラジオ「ラジオ・フランス」とリベラシオン紙の特派員。1970年、仏で生まれ、2004年末から20年までAFP通信東京支局特派員。近著に「Japon,la face cachée de la perfection(日本、完璧さの隠れた裏側)」、初の小説「L'affaire Midori(みどり事件)」。
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