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高市首相の「メガソーラー規制」には賛成だが… 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/380212
2025/11/12 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

北海道・釧路湿原のメガソーラー建設現場(上)とすでに自然を破壊し開墾して建設が完了したエリア(下)/(C)共同通信社
釧路湿原をはじめ全国各地で環境破壊、災害リスクが問題になっているメガソーラー(大規模太陽光発電所)について高市早苗首相は先の参院本会議の質疑の中で、「安全、景観、自然環境などに関する規制を総点検し、不適切なメガソーラーを法的に規制する措置をとる」旨を言明した。私の住む千葉県鴨川市でも、146ヘクタールの山林を切り開いて、発電量100メガワット、ということは完成すれば全国でも十指に入るほどのスーパー・メガソーラーの建設が計画され、まさに着工されようとしていて、これに反対する市民運動に長年携わってきた私としては、高市発言は大歓迎である。
146ヘクタールは東京ドーム32個分。といっても実感が湧かなければ、皇居1.4平方キロメートルとほぼ等しい。それだけの広さにわたり37万本の樹木を切り倒し、出っ張っている峰を削り、へこんだ谷を埋めてわざわざ平地を造成し、47万枚ものパネルを敷き詰めるという空恐ろしい計画で、樹木の二酸化炭素吸収量だけを考えても、それが全て杉の人工林だったと仮定して林野庁の計算モデルで計算すると年間1285トンの吸収力が失われる。さらに大きな問題は土砂崩れ災害の危険が増すことで、開発業者は、平均雨量が地表を伝う流量を計算しそれに見合った排水路や貯水池を建設するから大丈夫と言うがそんなものは机上の空論で、樹木の根が山の土をガッチリ掴んでそこから山全体で水を吸収し、その水が小川になったり地下水になったりして一つの生態系を形作るという「森と山の生理」は破壊される。だから土砂崩れが起きる。
高市首相にはぜひ早急に、全国で頻発している山林の乱開発による土砂崩れなど災害の深刻化の実態調査を行い、それに基づいて日本の山と森を破壊する行為を厳しく規制する法的措置を講じてもらいたい。その場合、新しく作った法律を過去に遡って適用する、いわゆる「後出しジャンケン」による規制を許容することも検討しないと、不良業者が法の抜け穴を利用して生き延びるのを防げないのではないか。
蛇足ながら、高市が「私たちの美しい国土を外国製の太陽光パネルで埋め尽くすことには猛反対だ」と、中国産パネルが悪いかのように言うのはおかしい。日本産のパネルなら山野を埋め尽くしても良いとでも? しかし太陽光パネルの世界シェアの8割を中国企業が占めているので、そんなことは望んでも無理なのだが。

高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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