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<■83行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> 岡田克也氏「まずい、と思ってすぐに話題を変えた」 高市早苗首相から「台湾発言」が飛び出した瞬間 2025年11月21日 06時00分 会員限定記事 東京新聞https://www.tokyo-np.co.jp/article/450561?rct=politics 高市早苗首相が台湾有事を巡り、日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態になり得る」と発言した。日中関係が急速に悪化する中、この国会答弁を引き出した立憲民主党の岡田克也・元幹事長が、東京新聞のインタビューに応じた。 民主党政権では外相も務めた岡田氏。高市首相の答弁を聞いた瞬間に「まずい」と感じて話題を切り替えたことを明かし、戦争につながりかねない不用意な発言に警鐘を鳴らした。 首相を繰り返し追及し、国益を損なう発言を引き出したのは岡田氏だ―。SNSなどで広がるこうした批判にも、岡田氏は反論した。(聞き手・川田篤志) ◆安倍晋三元首相は安易に「存立危機事態」と言いすぎていた ──11月7日の衆院予算委員会で、高市首相に存立危機事態について質問した狙いは。 7日、衆院予算委で立憲民主党の岡田克也氏(左手前から3人目)の質問に答弁する高市首相(右)=佐藤哲紀撮影 安倍晋三元首相や麻生太郎自民党副総裁は「台湾有事は日本有事」「台湾有事は存立危機事態になる可能性が極めて高い」と発言していた。 だが、安全保障関連法や当時の国会答弁で、相当限定した場合にしか存立危機事態に該当しない、ということがはっきりしている。 安倍氏や麻生氏は、限定のないものとして安易に「存立危機事態になる」と言いすぎているという問題意識があったので、高市首相自身の見解を確認したかった。 ──首相も途中までは、限定のない集団的自衛権の行使は認められないという政府見解に変更はないと答えていたのだが… 高市首相は、最初は政府の模範解答を繰り返していたのに、突然「戦艦を使って武力の行使も伴えば、どう考えても存立危機事態になり得る」と発言した。これで、最初に議論したはずの制限が全部飛んでしまった。 台湾有事についても、限定した場合しか該当しませんという答弁を期待していたので、「どう考えても」という表現に非常に驚いた。聞いてもいないのに、北京政府がどうこうという議論を展開し、はっきり言って理解に苦しんだ。 まずいと思って、すぐに話題を変えた。 〈【高市早苗首相の国会答弁】あらゆる事態を想定しておく、最悪の事態を想定しておくということは非常に重要だと思います。先ほど(岡田氏の質問に)有事という言葉がございました。それはいろんな形がありましょう。例えば、台湾を完全に中国北京政府の支配下に置くようなことのために、どういう手段を使うか。それは単なるシーレーンの封鎖であるかもしれないし、武力行使であるかもしれないし、それから偽情報、サイバープロパガンダであるかもしれないし、それはいろんなケースが考えられると思いますよ。だけれども、それがやはり戦艦を使ってですね、そして武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースであると、私は考えます。実際に発生した事態の個別具体的な状況に応じて、政府が全ての情報を総合して判断するということでございます。実に武力攻撃が発生したら、これは存立危機事態に当たる可能性が高いというものでございます。法律(安全保障関連法)の条文通りであるかと思っております。(11月7日の衆院予算委員会で、岡田克也氏の質問に対して)〉 ◆答弁撤回を立民議員が提案、あそこで取り消しておけば… ──その後、立憲民主党の大串博志氏が国会で高市首相に答弁の問題点を指摘し、撤回を求めたが、首相は応じなかった。 週明けの11月10日の衆院予算委員会で、大串氏から首相に、発言を取り消さないか聞いてもらった。外国から言われて取り消すというのは、一国の首相として非常に難しいので。 もし、あそこできちっと取り消しておけば、その後のことは起きなかったはずで、もう退路を断ってしまった感じだ。 ──不用意な答弁だった。 非常に問題のある発言だ。日本が集団的自衛権を行使すれば、当然相手も反撃してくる。自衛隊員や日本国民にも犠牲が出るかもしれない。 そうした事態はぎりぎり避けなければいけない、戦争を始めることになる存立危機事態に該当するなどと簡単に言うな、というのが私の主張だ。 ──中国が強く反発している。 かなり厳しい状況だ。観光(日本への渡航自粛)や水産物(の輸入停止)など、どんどんカードを切ってきている。 ──なぜ、あのような答弁をしたと思うか。つい本音が出たということか。 それは想像することはできないので、申し上げられない。 ◆法律通りにやるか、首相の認識を繰り返し聞くのは当然 ──一部のメディアやSNSでは「質問した岡田氏が悪い」と批判する声も上がっている。 何か問題があったとは全く思っていない。 10年前に大議論して成立した安全保障関連法について、ちゃんと法律通りにやりますかと聞いているわけで、首相の認識を繰り返し聞くのは当然だ。考え抜いた良い質問だと言ってもらいたい。 〈岡田克也氏の質問に対し、一部のメディアやSNSでは「岡田氏の追及がしつこすぎた」「意図的に高市首相の不用意な発言を引き出した」といった声が上がった。岡田が外相経験者ということもあり、「国益を損なった」との批判もみられた。一方、橋下徹・元大阪府知事は日本テレビ系の番組で「岡田氏の質問は挑発的だったが、首相はそれに乗ってはいけなかった」と指摘した。〉 ──高市首相に求めることは。 「繰り返し聞かれて、つい答えてしまった」などという釈明は全く許されない立場だと自覚してもらいたい。 もし有事の瀬戸際など、本当に厳しい状況になったときに、間違った判断をするんじゃないかと心配している。それは絶対にないようにしてほしい。
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