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※2025年11月19日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大

※紙面抜粋

※2025年11月19日 日刊ゲンダイ2面
円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/380508
2025/11/19 日刊ゲンダイ

威勢はいいが、まるっきり中身ナシ(C)日刊ゲンダイ
「責任ある積極財政」などと嘯いていたが、その「言葉遊び」を市場に突かれ、みるみる進む円安、金利高。
その一方で、電気代支援、食料支援をばらまいたところで、付け焼き刃。威勢はいいが「言葉だけ」が宙に浮く高市流に市場の洗礼と暗雲。
◇ ◇ ◇
「責任ある積極財政」などと嘯いていたが、その「言葉遊び」の実態を市場はとっくに見透かしていると言っていい。
「株」「円」「債券」がそろって売られる「トリプル安」の展開となった、18日の東京市場。
FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ期待の後退を受け、17日の米国の主要株価指数がそろって下落。これを受け、東京市場も幅広い業種が売られ、プライム銘柄の約8割が値下がり。日経平均株価が5万円の大台を割り込むなど、下げ幅は前日比1600円を超えた。
一方、同日午前の東京外国為替市場の円相場は、1ドル=155円台前半に下落。2月上旬以来、約9カ月半ぶりの円安水準となり、片山財務相は同日午前の閣議後会見で、「足元は非常に一方的な、また急激な動きも見られ、憂慮している」との警戒感を示しつつ、「為替市場における過度な変動や無秩序な動きについては高い緊張感を持って見極めているところだ」として、円売りを仕掛ける投機筋などを牽制した。
さらに同日の東京債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが、一時1.755%に上昇(債券価格は下落)。2008年6月以来、約17年半ぶりの高い水準を更新した。
放漫財政路線で思い浮かぶのは英国トラス政権
こうした市場動向の背景には、政府が21日にも閣議決定し、臨時国会で補正予算案の成立を目指す総合経済対策の規模拡大が財政悪化を招きかねないとの懸念があるためだ。
政府は16日、策定中の経済対策の裏付けとなる2025年度補正予算案の歳出規模について、前年度(13.9兆円)を上回る14兆円超とする方針を固めた。政府・与党内からは一段の上積みを求める声もあり、さらに規模が膨らむ公算が大きい。
高市首相は同日、首相公邸で片山や城内経済財政担当相らと経済対策を巡って協議。終了後、記者団の取材に応じた片山は「物価高の不安解消のための措置について、360度、聖域なく洗い出して検討した」「日々、規模的には大きくなっている」と言い、自民党の「責任ある積極財政を推進する議員連盟」も17日に開いた臨時総会で、「25兆円規模」の補正予算を求める方向性を確認している。
策定中の経済対策の原案では、家計の負担軽減策として厳冬期の電気・ガス代補助を盛り込む方針で、その規模は、平均的な家庭で月1000円程度とした今年7〜9月の補助額から大幅に引き上げる方向で調整。また物価高対策として、自治体が柔軟に使い道を決められる「重点支援地方交付金」を拡充。おこめ券など食料品の購入支援を推奨メニューに入れるほか、同交付金を活用して中小企業の賃上げを後押しし、ガソリン・軽油の暫定税率廃止などの大型減税を盛り込む予定だ。
まさにイケイケドンドンの大盤振る舞いだが、公的債務残高がGDP(国内総生産)の2.3倍にも達している今の日本経済にとって有益な政策なのかは疑問だろう。すでに高市政権はPB(プライマリーバランス=基礎的財政収支)の単年度黒字化目標を“放棄”する姿勢だが、放漫財政路線で思い浮かぶのは英国トラス政権だろう。
2022年9月、財政悪化の懸念から国債売りによる長期金利上昇、株安、ポンド安のトリプル安に陥り、政権発足から50日で崩壊。まさに今の高市政権と重なるではないか。
経済評論家の斎藤満氏がこう言う。
「もともとアベノミクスの継承を掲げている時点で不安がありましたが、それが一気に拡大したのでしょう。政府は規模ありきで補正予算を組み、中身は何もなく、自民党の議論は、とにかく金額を膨らませてばらまけという話ばかり。高市首相もその内容について理解しているとは言い難い。高市トレードなどと持ち上げられていたが、打ち出される政策に対して市場の不安が高まり、それがトリプル安を招いたとみられます」
物事の本質を理解していない中身のなさがバレた高市首相

高市首相が意味不明の言葉を続ける間も、円安は進み続ける…(C)日刊ゲンダイ
みるみる進む円安、金利高。その一方で、電気代支援、食料支援をばらまいたところで、付け焼き刃。威勢はいいが「言葉だけ」が宙に浮く高市流に市場が洗礼を浴びせたわけで、もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺらさが露呈したと言っていい。
日本の財政事情を冷静に考えれば規模優先の補正予算などは組むべきじゃないのは言うまでもない。ところが、片山は「積極財政ではなく、責任ある積極財政と申し上げ続けている」「(経済政策は)円や国債の安定性を見いだせる説明ができるような質と規模を見据えていく」と強気の姿勢。
内閣府が17日に発表した7〜9月期のGDPが6四半期ぶりにマイナス成長となったことを挙げて「景気・経済対策を打つには十分な理由がある」などと言い放っているから唖然呆然だ。
忘れてならないのは、高市政権が「責任ある積極財政」などと意味不明な言葉を繰り返している間にも国民生活がどんどん苦しくなっていることだ。
日銀が13日発表した10月の国内企業物価指数(速報値、20年平均=100)は127.5となり前年同月比2.7%上昇。56カ月連続のプラスとなった。
企業物価指数は、企業間で取引されるモノの価格を示し、調査対象515品目のうち、実に366品目が上昇。分野別では、コメなどの農林水産物が31.4%上昇(前月は31.9%上昇)したほか、飲食料品も4.8%上昇(同4.8%上昇)。円安地獄で青天井の物価高では、国民は将来不安しかない。そこに打ち出された対策が「おこめ券」というのだからマンガではないか。
財政規律を無視した「サナエノミクス」の危うさ
日本経済を取り巻く環境も悪化している。
稼ぎ頭だった自動車はトランプ政権の高関税措置が輸出を直撃。関税率は9月中旬に27.5%から15%に下がったとはいえ、従来の2.5%と比べれば高水準で、25年10〜12月期以降も輸出の低迷は続くとみられている。
7〜9月期の景気を下支えしてきた訪日客消費も暗雲が立ち込める。台湾有事を巡る高市の発言を受け、中国外務省が日本への渡航自粛を呼び掛けたからだ。
中国人観光客は訪日客数全体の2割弱(約698万人)を占めており、渡航自粛が宿泊や飲食、小売りなどの業界に打撃を与え、10〜12月期以降の成長を下押しする恐れも出てきた。
長引く物価高で家計の節約志向は増す一方。とりわけ、食料品価格は8%くらい上がり、庶民の台所を直撃している。本来であれば中央銀行が利上げなどの金融引き締め政策を実施し、物価上昇を抑え込むべきだが、アベノミクスで大量の国債を発行し、その約半分を抱え込んでいる日銀は身動きが取れない。金利を上げると国債費(利払い)が膨らんで、バランスシートが悪化、債務超過の恐れまで出てくるからだ。
そのために日銀は国債購入額を減らし、ようやく金融正常化へと舵を切ったのに、高市が「サナエノミクス」などと称して再び財政規律を無視した「アベノミクス」と同じことをやろうとしているのだから何をかいわんや。このままだと、GDPは落ち続け、実質賃金は上がらず、国内産業が衰退に向かうのは必至。その流れを市場が感じたからこそ「トリプル安」の展開となったのではないのか。
元参院議員の平野貞夫氏はこう言う。
「台湾有事を巡る発言や国会答弁で明らかになった通り、高市首相は物事の本質を理解していない。国民や市場はその“危うさ”に気づき始めたのではないか。威勢のいいことを言うが、発言や政策が及ぼす影響を分かっていない。『責任ある積極財政』というのも言葉だけで中身がない。端的に言えば政治家としての中身のなさがバレた。外交、経済面でそれが明らかになったと言っていい」
すでに終わりの始まりだ。
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