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※2025年11月21日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大

※紙面抜粋

※2025年11月21日 日刊ゲンダイ2面
日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/380609
2025/11/21 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

いきなり子ども手当が復活、おこめ券配布、刹那のデタラメ経済対策(C)日刊ゲンダイ
物価高対策と称する大型補正の規模と中身が出てきたが、いきなり子ども手当を復活させ、おこめ券でごまかすなど、前代未聞のその場しのぎと人気取り。
その裏で軍拡予算を膨張させ、ガソリン暫定税率廃止の財源は先送り。「責任ある」は舌先三寸。異論を許さない人事を固め、高市暴走の危うさばかり。
◇ ◇ ◇
タガが外れたとしか言いようがない。「もっと」「もっと」の大合唱に押され、コロナ禍後で最大規模にまで膨らんだ。
21日閣議決定される総合経済対策は、ガソリン税の暫定税率廃止など減税分を含めて21兆3000億円程度となる見通し。財源の裏付けとなる2025年度補正予算案の一般会計歳出は17兆7000億円程度。自治体や民間企業の支出を含めた事業規模は42兆8000億円程度と推計される。
ずっと数兆円程度で推移していた補正予算の額は、コロナ禍で20年度から一気に跳ね上がり、コロナが落ち着いても10兆円超が常態化。それでも石破政権時の24年度は13.9兆円だったが、「責任ある積極財政」の高市政権は当初から“石破超え”を目指し、あれよ、という間に、18兆円近くまで積み上がった。
対策に充当する国費は「生活の安全保障・物価高への対応」に11兆7000億円程度、「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」に7兆2000億円程度、「防衛力と外交力の強化」に1兆7000億円程度。自然災害やさらなる物価高、クマ被害の拡大など「今後への備え」として予備費を7000億円程度積み増す。
「規模で前年を超えないと積極財政への期待がしぼんでしまう」──。そうした空気が政府・与党に広がった結果の大型化である。中でもア然だったのは、直前に駆け込みで、原案になかった新メニューが次々と加えられたことだ。
いきなり出てきたのが“子ども手当”。1人当たり2万円を児童手当に上乗せして給付するという。自民党の小林政調会長が19日、突如、方針を明らかにしたのだが、これは公明党の要求をのんだもの。「少数与党だから野党の賛成を得ないと補正予算案は成立しない。この先の選挙のことも考えて、公明党に配慮しておくのは悪くない」(自民党中堅)という声も聞こえてくる。
来年1〜3月の電気・ガス料金の補助も、いきなり金額が引き上げられた。今年7〜9月の補助は一般家庭で計3000円だったが、高市政権は倍増の計6000円を計画。それがさらに1000円上乗せされ、計7000円になる。こちらは、与党入りした日本維新の会の要求に応えたものだ。
理念なき場当たり
所得制限をかけない子ども手当は、予算規模で4000億円程度の増額。電気・ガス料金の補助には、これまでに既に4.5兆円超も投じられているが、この額がさらに増えるわけだ。
ここまで規模にこだわるのは、「最優先で取り組む」はずの物価高対策の中身がパッとしない裏返しだろう。対策に目新しさはゼロ。自治体向けの「重点支援地方交付金」を使った「おこめ券」配布でごまかす悪手には、発行元のJAが手数料を取ることもあってネット上でブーイングが起きている。
高市首相は、石破前政権が参院選公約として打ち出した一律2万円の現金給付策を真っ向否定していたじゃないか。金券配布や子ども手当は、それと何が違うのか。ぐるっと回って元通り。これほど理念も何もない、ただのバラマキ経済対策は前代未聞だ。
ジャーナリストの鈴木哲夫氏は言う。
「積極財政とバラマキは大違いです。積極財政なら経済を活性化させ、次につながる政策じゃなければ意味がない。高市政権がやろうとしている物価高対策は、その場しのぎでしかありません。電気・ガス代補助はこの先も永遠にやり続けるのでしょうか。バラマキの先に何か希望が見えますか。あまりに場当たりです。物価高対策として効果があるのは円安是正であり、消費税減税でしょう。高市首相だって、食料品の消費税ゼロを本当はやりたかった、と言ってたじゃないですか」
円安対策についても放置と無策が続く。日銀が追加利上げを躊躇するから、マーケットは安心して円売りを仕掛ける。ついに1ドル=157円台後半まで円安が進んでしまった。金融緩和路線の高市が日銀を脅したのか、日銀が高市に忖度したからか。もっと早く、少なくとも10月には追加利上げすべきだった。
国債増発の一方「子ども手当」のブラックジョーク

自民党税調は高市忖度メンバーばかり。予算用途を決めやすくするために税調コントロール(C)日刊ゲンダイ
しょせん「責任ある積極財政」なんて舌先三寸だ。「積極財政」路線では放漫財政懸念が広がり、長期金利も上昇する。だから「責任ある」と枕詞を付けて、言い逃れの言葉遊び。
無責任極まりないのが、ガソリン税の暫定税率廃止による減税だ。臨時的な措置が延々と続けられてきたわけで廃止は当然としても、減税分1兆5000億円の財源の手当ては先送り。「税制の議論をする上で、財源論はイロハのイだ」と、長年、自民党の税調会長を務めた野田毅元衆院議員が朝日新聞で語っていたが、「イロハのイ」がガン無視されているのは、自民党税調が高市忖度メンバーばかりになっているからだ。
高市は、党税調会長人事で旧大蔵省(財務省)出身で財政規律を重んじ、財源のない減税に抵抗してきた「ラスボス」宮沢洋一参院議員を外し、小野寺五典前政調会長を後任に就けた。小野寺は税調インナー(幹部)の経験がなく、自身も「異色の税調会長」と認めているという。
さらに高市は、新たな税調インナーに西村康稔元経産相ら自身に近い面々を起用。首相補佐官の松島みどり衆院議員までもインナーに加え、政府と党の役職兼務という禁じ手まで使って税調をコントロールしようとしているのだ。
経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「財源の手当てがないのに無責任に歳出を増やせば、国債を発行するしかない。それはつまり、将来の子どもや孫の世代からお金を借りて使うということです。そんな無責任路線の一方で、『子ども手当』も出すなんて、ブラックジョークですよ。高市政権は補正予算の趣旨を逸脱しています。補正予算は緊急を要したり、年度途中に状況が変わってしまったり、税収が落ち込んだりしたなど、どうしても必要な事態が発生した時に対応して予算化するものです。ところが、コロナ禍後は規模を大きくするための数字合わせ。本来の目的を逸脱して政府・与党の権限行使を実現するためのツールに使われてしまっている」
「高市トレード」が「高市リスク」へ
今回の補正予算案で防衛費が増額されるのも、そうだ。そもそも軍拡予算が「経済対策」とされることには違和感しかないが、防衛費のGDP比2%を2年前倒しして今年度中に達成することを“対米公約”にしてしまったから、やらざるを得ないというのが政府・与党のスタンス。しかし、補正予算案が成立しても、「12月から来年3月までの4カ月間で全部使いきれません」と、防衛ジャーナリストの半田滋氏は言っていた。財源となる所得税増税の開始時期もまだ決まっていないのに、無節操すぎる。
刹那のデタラメ経済対策は、規模だけ拡大の裏に「やってる感」の人気取り。「経済対策が国民に評価されないと、高い支持率が落ちてしまう」(高市周辺)。これが本音か。
「財政規律なく放漫財政に突き進む高市政権にマーケットは呆れています。だから長期金利がどんどん上昇する。日本売りのトリプル安(株安・円安・債券安)が進む。今までは『高市トレード』だと沸き立っていましたが、マーケットの意識は『高市リスク』に変わってきた」(斎藤満氏=前出)
暴走高市に任せておいたら危ない──。台湾有事をめぐる発言で日中関係を緊張させ、リスクを露呈した。経済・財政をめぐってもリスクばかり。まだ就任1カ月だが、早々にお引き取りいただいた方がいいんじゃないか。
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