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※2025年12月17日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大

※紙面抜粋

※2025年12月17日 日刊ゲンダイ2面
歯止めなき武器輸出 高市自維政権の存在自体が憲法違反
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/381743
2025/12/17 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

本性ムキ出しに、躊躇なく右に傾倒(C)日刊ゲンダイ
安倍政権から骨抜きが続いてきた「死の商人」国家への転換だが、高市政権でついに「なんでもあり」に。憲法の平和理念など忘れたかのように、防衛産業の育成とか、周辺国の期待を掲げる無定見には言葉を失うばかりだ。
◇ ◇ ◇
1866年生まれのドイツ軍人で、第1次大戦に参戦したゼークトが提唱したとされる「組織論」では「やる気のある無能」が最も組織をダメにする人として分類されている。
なぜなら自身の能力を過信し、独断で行動するためにミスや誤った判断を引き起こすからだ。
会社の規模は別として、こうした「やる気のある無能」はどこの企業にも1人や2人はみられるのだが、こういう“問題児”が国家のトップに就いたとなれば話は別だろう。
誤った判断によって国民の生命、財産が危険にさらされる最悪の事態を招きかねないからだ。
まさに今の日本がそうなりつつあるのではないか。自民党総裁選で勝利した際、「働いて、働いて、働いて、働いて、働いてまいります」と威勢よく声を張り上げ、やる気を見せていた高市首相。
首相就任直後こそ靖国参拝を見送るなど周辺国に配慮を示し、タカ派色の気配を消して安全運転を心がけるのかと思っていたら違った。
衆院予算委員会で集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に対する認識を問われると、その本性があっという間に露呈。歴代政権の首相答弁を踏まえて官僚が準備した答弁内容を勝手に逸脱。台湾有事も該当し得ると持論を述べたために中国側が激怒。習近平政権は自国民に日本への渡航自粛を呼びかけ、中国軍機は航空自衛隊機に対してレーダー照射。日本人アーティストによる中国国内のライブ公演が中止や延期に追い込まれるなど、あらゆる分野、場面で高市発言の影響が確実に出始めている。
躊躇なく右にハンドルを切る姿勢が鮮明になってきた高市自民
「過ちては改むるに憚ること勿れ」
結果として日中関係を悪化させる原因をつくったのだから、国のトップであれば発言を撤回するなりして善後策を講じるのが当然。ところが自身の能力を過信しているのか、戦略的に何も考えていないのか。全くと言っていいほど事態の収拾に動く気配が見られない。
驚くのは自民党内から高市発言を批判したり、問題視したりする声がほとんど聞かれないことで、逆に「発言自体は間違っていない」と擁護する声が出てきているから何をかいわんや。むしろ、この対中関係悪化のタイミングを奇貨居くべしのごとく捉え、高市の言動に呼応して躊躇なくハンドルを右に切る姿勢が鮮明になってきたから唖然呆然だろう。
高市自民は日本維新の会との連立政権合意書で、輸出できる防衛装備品の使用目的を「救難・輸送・警戒・監視・掃海」に限定するとした「防衛装備移転三原則の運用指針」の5類型を26年通常国会で撤廃することを盛り込み、おととい(15日)、国会内で初めての実務者協議を開催。5類型はもともと、2014年に同原則と指針を決めた際、公明党が歯止めとして求めたものだが、公明に代わって維新が連立に加わったことで必要なしと判断したわけだ。5類型の撤廃は歯止めなき武器輸出。つまり、事実上、全面解禁を認めるわけで、まさに平和国家の日本が「死の商人」国家への転換期になると言っていい。
日本の武器で人が殺傷されれば平和国家として評価は地に落ちる

国民は奈落の底へ…(C)日刊ゲンダイ
戦後の日本は平和憲法に基づき、国際紛争の助長を避けるために武器輸出三原則を確立。
実質的に全面禁輸してきたが、第2次安倍政権が同原則を撤廃して「防衛装備移転三原則」と言い換えて方針転換を閣議決定。本格的な武器輸出へと動き始めた。
そして岸田政権が23年に三原則と運用指針を改定し、他国の許諾を得て生産するミサイルなどを特許保有国に輸出することを解禁。さらに再び指針を見直し、他国と共同開発する戦闘機や護衛艦などの殺傷兵器の輸出も認めることになった。安倍政権時代から武器輸出三原則の骨抜きが断続的に続いてきたとはいえ、高市政権は最後の砦さえも平然と壊すわけで、まさに「なんでもあり」。
憲法が許容するのは本来、自衛のためにぎりぎり必要な対処だけ。有事ではない状況の武器輸出に正当な根拠がないのは言うまでもなく、そもそも殺傷能力のある武器を他国に売ること自体が憲法の平和理念にかなうわけがない。
仮に日本製の武器で人が殺傷され、紛争を助長する結果になれば、平和国家としての国際的な評価は地に落ちるだろう。
約2年にわたるパレスチナ自治区ガザに対するイスラエル攻撃では同地区の約7万人の住人が虐殺されたと報じられ、イスラエルに武器を輸出していた国として米国やドイツなどに対して世界中から批判の声が出ているが、日本も同じになるわけだ。
本来は武器輸出をやめさせるのが平和国家である日本の役割
市民団体「武器取引反対ネットワーク」の杉原浩司代表はこう言う。
「三原則の運用指針の改定は閣議決定すらなく、(首相が議長を務める)国家安全保障会議で決定されます。武器輸出の全面解禁という重大な政策転換にもかかわらず、国会審議を経ず、自民、維新の与党協議だけで決めていいはずがありません。民主主義の観点からも認められず、少なくとも国会が関与する仕組みが必要でしょう。タイミングも最悪です。イスラエルに対してジェノサイド(集団殺害)国家との批判が上がる中、本来であれば武器輸出をやめさせるのが平和国家である日本の役割。それなのに周回遅れの形で日本も武器輸出の国に加わるというのだから言語道断です」
その通りだ。憲法前文にはこうある。
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」
高市政権はこうした憲法の平和理念など忘れたかのよう。安全保障関連3文書の前倒し改定や、原子力潜水艦を念頭に置いた「次世代の動力」導入のほか、国是である非核三原則見直しももくろんでいるとされる。
「やる気のある無能」が本性むき出しで日本を戦前、戦中時代に戻そうとし、国民生活を奈落の底に落としかねない状況をつくっているのに、防衛産業の育成とか、周辺国の期待を掲げる与党の無定見には言葉を失うばかり。今や高市自維政権の存在自体が憲法違反と言っていいだろう。
憲法学者の水島朝穂・早稲田大名誉教授がこう言う。
「憲法9条2項は、戦力の不保持と交戦権の否認を規定していますが、第2次安倍政権以降、それがなし崩しに拡大されてきました。ただ、防衛装備移転三原則を閣議決定した安倍政権ですら、世論やメディアの批判の声に配慮しつつ、ぎりぎりの歯止めというのか、建前として5類型を設けたわけです。ところが、傲慢無知の高市政権はそれすら議論もなく公然と外しに動いている。政治家としての矜持も何もなく(タカ派の)本音をむき出しにしているわけで、その意味を国民もメディアも真剣に考える必要があると思います」
内政や外交で待ったなしで取り組まなければならない課題が山積しているのに、高市自民は、議員定数削減が一丁目一番地などとトンチンカンなことを言って国政を引っかき回しているチンピラ維新とタッグを組んで「死の商人」まっしぐら。
国民はあらためて憲法の「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」という前文を噛み締める時だ。
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