http://www.asyura2.com/25/senkyo298/msg/696.html
| Tweet |

※2025年12月27日 日刊ゲンダイ2面 紙面クリック拡大

※紙面抜粋
・
有馬記念の前に知っておこう 来年は超インフレか、恐慌か
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/382288
2025/12/27 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

高市政権の存在が円安に拍車をかけている(C)日刊ゲンダイ
株価や金価格の高騰に浮かれるバブル年末だが、もちろん、これは一握りの富裕層。実質賃金が上がらない庶民に待ち受ける超インフレと社会福祉の見直し。さらに長期金利の不気味な上昇で、トラス・ショックの再来まで囁かれている。積極財政の恩恵なんて一握り。
◇ ◇ ◇
さあ、28日は有馬記念。この1年の総決算となるグランプリレースを控え、多くの読者が一獲千金を目指し、本紙を広げて予想にいそしんでいることだろう。
有馬記念はその年の世相や社会的な出来事を反映するともいわれる。今年は、日経平均株価が大きく上昇。3万9000円台の初値から、10月には史上初めて5万円台を突破し、今も高値圏で推移している。金価格も高騰し、今月24日には1グラム=2万5000円の節目を初めて上回った。
バブル年末の様相に「あやかりたい」気持ちは分かるが、浮かれているのはホンの一握りの富裕層や濡れ手で粟の海外投資家だけ。資産を持たない庶民とは別世界の話だ。冷静に足元の暮らしをみれば、実質賃金は今年も前年比マイナス圏をさまよい続け、せっせと食費を切り詰める日々。「賃上げは過去最高水準」のはずが、実際には空前の物価高騰に追いつかず、家計は苦しくなるばかり。じゃあ来年こそは、この厳しい暮らしから抜け出せるのかといえば、答えは「ノー」だ。
なけなしの蓄えをはたいて夢を託すゲートが開く前に、庶民は現実を直視する必要がある。2026年に待ち受けるのは、超インフレか、あるいは恐慌か。どう転んでも絶望的な未来しかない。
無責任な放漫財政で円安・物価高は長期化
日本銀行が政策金利を0.75%に引き上げてから1週間が過ぎたが、期待に反して為替は円安水準に張り付いたまま。26日は一時、1ドル=156円台半ばまで円安が進み、「円安退治」の目標を達成できずにいる。
メディアは「30年ぶりの高金利」と騒ぎ立てたが、物価変動の影響を差し引いた実質金利はまだまだ大幅なマイナスだ。この程度の利上げで物価上昇率3%のインフレが収まるわけがないのに、日銀の植田総裁は「経済・物価・金融情勢次第」の決まり文句で、追加利上げに慎重姿勢。この臆病さが円売りを仕かける海外勢を安堵させ、さらなる円安を呼び込むという無残な結果だ。
今年1年間で値上げされた飲食料品は2年ぶりに2万品目を超え、その理由は「原材料高」「エネルギーの高騰」など、円安が大きく影を落とす。「安いニッポン」が続く限り、庶民は物価高騰から逃れられず、実質賃金も上がりっこない。
「通貨の番人」たる日銀が本気で円安退治に乗り出さなければ、高市政権の総額21.3兆円の総合経済対策も焼け石に水だ。来年も円安・物価高地獄の覚悟が必要となるが、政権の存在自体が円安に拍車をかけているのだから、シャレにならない。
高市政権は26日、26年度当初予算案を閣議決定。一般会計の歳出額は、過去最大の122.3兆円に上る。コロナ禍後最大18.3兆円の今年度補正予算に続く、ハナから規模ありきの大盤振る舞い。高市首相は「財政規律に配慮し、強い経済の実現と財政の持続可能性を両立させる予算案ができた」と自賛したが、この独善的な能天気ぶりにはもう言葉が出ない。
すでに金融市場では、高市の「責任ある積極財政」が「無責任な放漫財政」と受け取られており、財政悪化への懸念が最大の円安要因となっている。そんな市場の警告も「自分ファースト」の高市には馬の耳にナントカなのだろう。
インフレ放置で税収増を享受する悪魔の政権

夢を託すしか…(2024年の第69回有馬記念)/(C)日刊ゲンダイ
今回の放漫予算案を歳入面で支えるのは、発行額29.6兆円の新規国債。
つまり国の借金に加え、知っておきたいのが庶民から巻き上げた税収の大幅アップだ。26年度の一般会計税収は25年度当初予算比7.6%増の83.7兆円を見込む。うち消費税分が7.1%増の26.7兆円と3割を占める。
おかげで所得税の課税最低ライン「年収の壁」の引き上げや、ガソリン税の暫定税率廃止などに伴う減収への懸念も何のその。
税収は7年連続で過去最高を更新する見通しだ。長引く物価高で庶民が支払う消費税も増え続け、国の税収は右肩上がり。コロナ禍で落ち込んだ19年度の58.4兆円より25兆円超も増え、上昇率は実に1.4倍を上回る。
「高市政権による史上空前の大盤振る舞いは、物価上昇に苦しむ庶民の犠牲の上に成り立っているのです」と断じるのは、経済評論家の斎藤満氏だ。こう続けた。
「円安・物価高を通じた税収増は『インフレ増税』にほかなりません。国民の反発を買う増税議論を経ずに税収が増え続ければ、これほど政府にありがたい話はない。だから、円安・物価高を容認したがる悪循環です。しかも物価高でお金の価値が下がると、政府の借金負担も軽くなる。26年度の新規国債の発行額は5年ぶりに増えるのに、高市首相が『債務残高対GDPが低下していれば財政的には何の問題もない』とけむに巻けるのも、そのせいです。高市政権が円安・物価高のメリットを感じている以上、インフレは超の付く水準まで放置されかねません」
インフレ頼みの悪魔の政策により、庶民はどんどん貧しくなっていく。さらに追い打ちをかけるのが「高額療養費」や「OTC類似薬」など社会福祉の見直し策だ。
患者の自己負担を一定額に抑える高額療養費制度を巡っては、石破前政権が上限額の段階的引き上げを画策。しかし難病患者ら当事者の声を無視した議論が反発を呼び、今年3月に「凍結」に追い込まれた。それを蒸し返して再び上限額を引き上げようとする高市政権の神経を疑う。
2026年も庶民生活は困窮の一途
OTC類似薬も27年3月から薬剤費の25%を追加で全額患者負担となる見込みだ。対象はまず77成分(約1100品目)で、花粉症治療の抗アレルギー薬「アレグラ」や解熱鎮痛楽「ロキソニン」、たんを出しやすくする「ムコダイン」など、日常的に処方される薬が幅広く含まれる。多くの患者に負担増が及ぶのは、必至だ。
「高市政権は軍需産業を成長戦略の柱に掲げ、過去最大9兆円の防衛予算を聖域化する一方で、医療費は切り捨て。年収の壁引き上げの減税効果も会社員らを対象にした『給与所得控除』を含めた額で、対象外の年金生活者への恩恵は皆無に等しい。国の成長に貢献しない病人や老人は不要だと言わんばかりで、弱者見殺しの冷酷予算案です」(立正大法制研究所特別研究員・浦野広明氏=税法)
結局、高市の積極財政の恩恵を受けるのも一握り。さらに恐ろしいのは、長期金利の不気味な上昇だ。高市政権の無責任な放漫財政のツケで、今週は新発10年物国債の利回りが一時2.1%をつけた。1999年2月以来、約27年ぶりの高水準だ。
いくらインフレ容認でゴマカしても、日本の対GDP比の債務残高は世界最大水準にあることに変わりはない。借金まみれの日本政府にとって、金利上昇は大きな足かせだ。ジワジワ上昇するごとに国債の利払い費は数兆円単位で膨らみ、財政を圧迫していく。
高市の就任以来、囁かれているのがトラス・ショックの再来だ。22年に英国史上3人目の女性首相としてリズ・トラス氏が就任。積極財政を掲げ、財源の裏付けのない大規模減税を打ち出した途端、通貨・債券・株のトリプル暴落を招き、わずか49日で退陣に追い込まれた。
「高市政権がインフレを抑えようとしないので、来年の長期金利は3〜4%を目指す動きになる。インフレで虎の子の預貯金は目減りし、長期金利急騰で住宅ローン金利も跳ね上がる。借金依存の高い企業ほどバタバタと倒れ、ドル建てなら割安と買われている日本株もいつ暴落してもおかしくないのです。日本版トラス・ショックが公然と語られるのはムリもなく、来年も国民生活は困窮の一途です」(斎藤満氏)
これが庶民に襲いかかる2026年のリアルな姿だ。やはり有馬記念に一獲千金の夢を託すしかないのか──。
|
|
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK298掲示板 次へ 前へ
|
|
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK298掲示板 次へ 前へ
|
|
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。