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※紙面抜粋

※2026年2月2日 日刊ゲンダイ2面
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グラつく自民圧勝予測 あと1週間、波乱の予兆があちこちに
https://www.nikkan-gendai.com/?p=news_detail&id=383622
2026/2/2 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

自身の疑惑が炸裂中に、党首討論“敵前逃亡” (C)共同通信社
大メディアが一斉に報じた自民単独過半数予測だが、どうも怪しい雲行きになってきたぞ。自身の疑惑が炸裂しているのに党首討論から“敵前逃亡”の高市首相。年内とか言っていた消費税減税も怪しくなり、円安容認の軽挙妄動。
維新とタッグの危うさ、中道の浸透、まだまだ結果はわからない。
◇ ◇ ◇
超短期決戦の衆院選は早くもあと1週間。1日は期間中唯一の“選挙サンデー”だった。
与野党11党首がそろい、最後の直接対決の場になるはずだったNHK「日曜討論」も放映されたが、そこに高市首相の姿はなかった。司会者は「今朝、欠席の連絡があった」と説明。前日の遊説で支援者と握手した際に腕を痛め、その治療のためドタキャンしたというのだ。他の出演者は生放送の30分前に知らされたという。
当の高市は「日曜討論」の放送が終わるのを待っていたかのように、朝10時半前に公邸を出発。午後は岐阜、愛知で遊説し、テーピングした手を見せながら元気に腕を振り、手を叩いていた。
「番組出演をドタキャンするくらいの痛みなのに、選挙応援には行く。これでは討論から逃げたと言われても仕方ありません。そもそも高市総理が解散を決めた総選挙ですから、最も出席しなければならない人のはずです。野党から突っ込まれるのが嫌なのでしょうが、応援演説やSNSで一方的に都合のいいことだけ主張するのは、トップリーダーとしてまっとうな姿勢ではない。野党は『総理が来ない討論会は成立しない』と番組をボイコットしてもよかったくらいです」(政治ジャーナリストの角谷浩一氏)
高市は旧統一教会との関係や、政治資金をめぐる裏帳簿の存在などが「週刊文春」に報じられ、説明責任が求められる立場だ。こうした疑惑を予算委員会で追及されたくないから解散に踏み切ったとの見方もある。加えて、前日の応援演説で庶民生活を脅かすほど進行した円安について「輸出産業にとっては大チャンス。外為特会(外国為替資金特別会計)の運用は今、ホクホク状態」と言い、円安を容認するような発言をしたことも懸念材料だった。
分が悪くなると被害者ヅラ
「党内からも、総理は何を言い出すか分からず不安だから、討論会には小林政調会長など別の幹部が出た方がいいのではないかという声は上がっていた」(自民党関係者)
討論ドタキャンについて、高市は1日、東海地方に向かう新幹線に乗っていた時間帯に自身のSNSにこう投稿している。
「私の怪我についてご心配をいただいております。ありがとうございます。実は、ここ数日の遊説会場で、熱烈に支援してくださる方々と握手した際、手を強く引っ張られて痛めてしまいました。関節リウマチの持病がありまして、手が腫れてしまいました。急遽医務官の方に来ていただき、お薬を塗っていただき、しっかりテーピングもしていただきました。今日も皆様に自民党の政策の大転換についてお届けするべく、岐阜、愛知に伺います」
手を痛めたから遊説は中止するが討論には出るというなら分かるが、座って話す室内討論会を欠席しておいて、体への負担がより大きいであろう屋外での遊説は予定通りというのは理解しづらい。
それとも何か、高市は口ではなく手がしゃべるのか?
そうでなくても、この投稿には高市の人間性がよく表れている。ドタキャンしたことについて、番組関係者や他の出演者、視聴者への謝罪は一切なく、自分の痛みをことさらアピールして言い訳する。一事が万事こうなのだ。
自分の前のめり発言や軽挙妄動で騒動のタネをまいておいて、それが問題になると他人のせいにして逃げる。被害者ぶって同情を引こうとする。これまでずっとそうやってきた。
公明党の連立離脱は「一方的に伝えられた」、台湾有事をめぐる発言は「質問した野党が悪い」、円安ホクホク発言は「一部の報道機関が誤解」、そして、討論ドタキャンは「熱烈な支援者のせい」──。
外交安保も経済も分かっていない能力不足を露呈

巻き返しをはかる (C)日刊ゲンダイ
自己都合で解散し、今回の選挙を「高市か、それ以外か」を選ぶ信任選挙だと自ら位置づけておきながら、討論からも説明責任からも逃げてしまう。こういうリーダーをどうやって信用しろというのか。
「高い内閣支持率を頼みに、短期決戦で逃げ切り勝ちをもくろんでいるのでしょうが、ふだん勇ましいことを言っているのに、いざとなると逃げるというイメージがつくのは高市氏にとってマイナスです。それに、この短い選挙戦でもどんどんボロが出て、化けの皮が剥がれつつある。次々と不用意な発言をしては物議を醸しているように、話せば話すほど、外交安保も経済も分かっていないという能力不足を露呈しています。こんな頼りない党首で本当にあと1週間、持ちこたえられるか疑問です」(政治評論家・野上忠興氏)
大メディアが一斉に報じた選挙序盤の情勢調査では、自民単独過半数は確実とされているが、どうも雲行きが怪しくなってきたのではないか。
内閣支持率頼みの選挙戦を繰り広げている自民は、とにかく高市を表に出すしかない。だが、口を開けば失言の高市がいつまた思い付きでおかしなことを口走るか分からず、彼女が前面に出るほど波乱要因が増えるというジレンマ。高市が致命的なトンデモ発言をするのが先か、投票箱のフタが閉まるのが先か。自民の候補者は運任せの時間との勝負に駆り出されているようなものだ。
白紙委任状を渡していいのか
「看板政策もなく、イメージだけで圧勝できるほど選挙は甘くありません。与党内で日本維新の会との選挙区調整もしていないくらいだから、戦略も何もあったものではない。維新とタッグを組んだ矛盾が選挙結果に表れてくるかもしれません。立憲民主党と公明党が手を組んで新党の中道改革連合ができたことも想定外だったはずです。公明党の支持母体である創価学会が組織力をフル稼働させたラストスパートには凄まじいものがある。過去の選挙協力で、その威力を身をもって知っている自民は戦々恐々でしょう」(野上忠興氏=前出)
この週末には、自民と中道が接戦を繰り広げている全国108の選挙区を学会が「重点区」として巻き返しをはかる指示も出たという。あと1週間あるのだ。中道が浸透してくれば、まだまだ何が起きるか分からない。
高市は食料品の消費税減税を「悲願」と言っていたが、今年度内に実施すると言ったり、与野党で議論して決めると言ったり、発言はブレブレ。公示後の選挙遊説では消費税について触れることもなくなっている。本当にやる気があるのか怪しいものだ。
明確な争点もなく、人気を当て込んだだけのイメージ選挙で本当に自民が過半数を取ってしまうとしたら、これほど危ういことはない。
高市は公示日、秋葉原での第一声で、少数与党ではやりたい政策ができないと泣き言を言っていた。「衆議院の委員長ポストを野党が握っていると実現できない」と、お得意の被害者ヅラだ。
そして、選挙戦の全国遊説では、自民候補への応援が「私、高市早苗の力になります」と訴えている。要するに、野党を無視して強行採決できるだけの数の力を与えて欲しいということだ。
少数与党だからこそ、いい悪いは別にして、野党の政策も受け入れざるを得ない局面があったが、安定多数議席を得れば好き放題やりたいと言っているようなものなのである。消費税減税だって「検討を加速」だけで反故にされかねない。有権者は本当にそれでいいのか。
高市の危険性は、巷間言われてきた極右思想だけではない。実務能力の欠如、知識不足、他責思考。これが決定的に国益を損なう可能性があるから怖い。トンチンカンなことばかり言って、説明責任からは逃げる高市に白紙委任状を渡したらどうなるのか。
有権者が冷静に考えれば、おのずと投票行動も変わってくるはずだ。
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