http://www.asyura2.com/25/warb26/msg/156.html
Tweet |
ネオ・ナチによるオデッサでの住民虐殺から11年
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202505030000/
2025.05.03 櫻井ジャーナル
黒海に面したウクライナの港湾都市オデッサで2014年5月2日に住民がネオ・ナチの集団に虐殺された。今から11年前のことである。
その日の午前8時にサッカー・ファン、いわゆるフーリガンを乗せた列車が到着、そのフーリガンを赤いテープを腕に巻いた集団が挑発しながら広場へ誘導する。その集団は「NATOの秘密部隊」ではないかと疑われているUNA-UNSOだ。広場ではネオ・ナチのクーデターに反対する住民が集まっていた。その反クーデター派住民は労働組合会館の中へ誘導されている。虐殺に「サッカー・ファン」を利用するという案を出したのはアルセン・アバコフ内相代行だとされている。
その会館の中へ外から火炎瓶が投げ込まれて火事になり、焼死した人が少なくないのだが、焼かれる前に棍棒で殴られたり銃で撃たれて殺された人もいた。地上階よりも地下室で殺された人が多いともいう。その際、屋上へ出るためのドアはロックされていたとする情報もある。
会館の地上階では48名が殺され、約200名が負傷したと伝えられているが、現地の人の話では多くの人びとが地下室で惨殺され、犠牲者の数は120名から130名に達するという。虐殺の詳しい調査をキエフのクーデター政権が拒否しているので、事件の詳細は今でも明確でない。
オデッサの虐殺から1週間後の5月9日は第2次世界大戦でソ連がドイツを破った「戦勝記念日」。この日、ウクライナの東部でも催し物が計画されていたのだが、その日にキエフのクーデター政権は東部にあるドネツク州マリウポリ市を攻撃した。戦車を入れて市内を破壊、非武装の住民を殺害、警察署を攻撃している。
この時に地元の警察は住民を撃てというキエフの暫定政権の命令を拒否、多くの警官は拘束され、残った警官は警察署にバリケードを築いて立てこもったという。クーデター政府によると、20名の「活動家」を殺害し、4名を拘束したとしているが、住民側は3名が殺され、25名が負傷したとしている。その際、住民が素手で戦車に立ち向かう様子が撮影されている。
バラク・オバマがアメリカ大統領を務めていた2013年11月から14年2月にかけての時期、オバマ政権はネオ・ナチを使ったクーデターをキエフで仕掛け、2014年2月22日にビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除したわけだが、その前にもヤヌコビッチはアメリカ政府に排除されている。ジョージ・W・ブッシュがアメリカ大統領だった2004年11月から05年1月にかけての時期に実行された「オレンジ革命」だ。
ヤヌコビッチを排除した後、オバマ大統領は4月12日にジョン・ブレナンCIA長官を秘密裏にキエフへ送り込んでいる。4月22日には副大統領を務めていたジョー・バイデンもキエフを訪れた。バイデンの訪問に会わせるようにしてオデッサでの工作を話し合っている。そして5月2日の虐殺だ。
事件後の調査によると、バイデンのキエフ訪問に合わせ、キエフでアレクサンドル・トゥルチノフ大統領代行、アバコフ内相代行、バレンティン・ナリバイチェンコSBU長官代行、そしてアンドレイ・パルビー国家安全保障国防会議議長代行らが会議を開いている。ドニエプロペトロフスクのイゴール・コロモイスキー知事もオブザーバーとして加わっていた。
事件の数日前になるとパルビーは数十着の防弾チョッキをオデッサのネオ・ナチへ運んだ。その装具を受け取ったミコラ・ボルコフは虐殺の当日、労働組合会館へ向かって銃を発射、状況をキエフの何者かに報告する様子が映像に残っている。
クーデターの後、軍や治安機関から約7割の兵士や隊員が離脱し、その一部はドンバスの反クーデター軍に合流したと言われている。そのため、当初は反クーデター軍が戦力的に上回っていた。そこでクーデター体制は内務省にネオ・ナチを中心とする親衛隊を組織、傭兵を集め、年少者に対する軍事訓練を始めた。並行して要塞線も作り始めている。西側諸国はクーデター体制の戦力を増強するために時間が必要だったが、それがミンスク合意だ。
この合意について当時のドイツ首相、アンゲラ・メルケルはキエフのクーデター体制の軍事力を強化するための時間稼ぎに使われたと後に証言、フランソワ・オランド元仏大統領もその発言を肯定している。
ロシア軍は春に攻勢をかけると言われているが、今後、特に重要になると思われる場所はオデッサを含む南部だろう。ロシア軍はオデッサへ進撃する準備を進めていると見られている。
**********************************************
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ

すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。