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ロシアに敗北しているNATOが軍事基地を建設しているルーマニアの大統領選挙
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2025.05.20 櫻井ジャーナル
ルーマニアでは5月18日に大統領選挙の第2ラウンドが実施され、ブカレスト市長で親EU派のニクショル・ダンがAUR(ルーマニア人連合同盟)のジェルジェ・シミオンに勝った。5月4日に実施された第1ラウンドの投票ではシミオンが40.96%を獲得してトップになり、ダンは20.99%で第2位。与党連合自由党のクリン・アントネスクは20.07%で第3位だった。一応EUのエリートが望んだ結果になったのだろうが、非民主主義的で寡頭制的なシステムであるEUへの嫌悪感がルーマニアでも広がり、シミオンの善戦につながったのだろう。
昨年11月24日にも同国では大統領選挙の第1ラウンドでもEUに批判的なカリン・ジョルジェスクが22.94%を獲得して第1位になり、欧米支配層が望んでいたエレナ・ラスコーニは19.18%で敗れているが、ルーマニア憲法裁判所は第1ラウンドの投票結果を無効と決定、5月の大統領選挙にジョルジェスクが立候補することを禁止。そこでジョルジェスク支持者は今回、シミオンを支持したと見られている。ルーマニアのエリート層はEUに従属することで個人的な利益を得ようとしているが、そのエリートの中には裁判官も含まれていると言えるだろう。
EU/NATOにとってルーマニアは対ロシア戦争の拠点。1年以上前からNATOはルーマニア南東部にヨーロッパ最大の軍事基地を建設開始した。また黒海沿岸におけるNATOの拠点である第57空軍基地が拡張される。拡張工事は2030年までに完了する予定だとされ、拡張後の敷地には最大1万人のNATO軍兵士とその家族を収容でき、学校、幼稚園、病院などの支援施設も備えられるという。
ロシア軍がウクライナに対する攻撃を始めた直後の2022年2月28日、フランスは即応部隊の先鋒大隊をルーマニアに展開、5月1日にはフランスを筆頭国とするBGFP(前方展開戦闘集団)が発足した。BGFPの主力部隊はチンクの合同国家訓練センターに駐留し、ルーマニア軍の他の組織と共同で訓練任務や活動を行うとされている。この段階からNATOはロシアとの軍事衝突を想定した動きを見せている。ロシア軍はオデッサを制圧しようとしている可能性が高いが、それを阻止するための軍事拠点をルーマニアに建設しようとしているのだろう。
NATOはウクライナでロシアに敗北しつつあり、ルーマニアをロシアと戦う新たな手先にするつもりなのかもしれないが、そうした展開だということをルーマニアの人びとは理解しているだろう。そのうちEU/NATOに従属しているエリートは戦争へ向かい、庶民は戦争を嫌っているように見える。
そうした庶民の声を代弁する政治家がルーマニアの大統領になることをEU/NATOだけでなく同国のエリートも恐れ、あらゆる手段を使って阻止しようとしている。昨年11月の選挙結果を憲法裁判所が無効にした理由もそこにあり、EU/NATOの反ロシア勢力は今回の投票で負けるわけにはいかなかっただろう。
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