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ウクライナへの攻勢を強めているロシア軍がオデッサを制圧する可能性
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202507050000/
2025.07.05 櫻井ジャーナル
ロシア軍は7月4日、キエフに対する大規模な攻撃を始めた。一晩に数百機のドローンとミサイルが投入されたと伝えられている。ウクライナのSBU(ウクライナ保安庁)は西側の情報機関から支援を受けてロシアに対するテロ攻撃を展開、それに対する報復という意味もあるだろうが、以前からロシア軍は6月から大攻勢に出るとも言われていた。
SBUが実行したテロ攻撃には、昨年12月17日に実行されたロシア軍の放射線・化学・生物防衛部隊を率いていたイゴール・キリロフ中将の暗殺、4月25日に実行されたロシア軍参謀本部のヤロスラフ・モスカリク作戦部副部長をIED(即席爆発装置)の暗殺、6月1日に実行されたオレニャ(ムルマンスク)、ベラヤ(イルクーツク)、イバノボ(イバノボ)、ディアギレフ(リャザン)、ウクラインカ(アムール)にある戦略核基地に対するドローンによる攻撃などが含まれる。いずれもアメリカやイギリスの情報機関、つまりCIAやMI6が支援した可能性が高い。
1991年12月にソ連が消滅した後、ロシアでは経済力も軍事力も弱体化し、ライバルではなくなったと西側の支配層は認識していた。2014年2月にアメリカのバラク・オバマ政権はビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した。
ネオ・ナチを利用したクーデターだが、ヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部の住民はクーデター体制を拒否、軍や治安機関の約7割が離脱したと言われている。つまりクーデターの直後、新体制は脆弱だった。そこで欧米諸国はクーデター体制の戦力を増強する時間が必要になる。その時間稼ぎのために使われたのが2014年のミンスク1と15年のミンスク2だ。アンゲラ・メルケル元独首相やフランソワ・オランド元仏大統領は後にその事実を認めている。
しかし、西側の支配層はこの段階でもウクライナを制圧し、ロシアを屈服させることは容易だと信じていた。ミンスク合意でロシアを足止めさせている間にクーデター体制の戦力を増強、東部のドンバス(ドネツクとルガンスク)に対する大規模な構成を仕掛けようとしている。その直前にロシア軍はウクライナに対する攻撃を始めたのだ。
ロシア外務省によると、ロシア軍が回収した機密文書の中に含まれていたウクライナ国家親衛隊のニコライ・バラン司令官が署名した2022年1月22日付の秘密命令には、ドンバスにおける合同作戦に向けた部隊の準備内容が詳述されている。
ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ少将によると、「この文書は、国家親衛隊第4作戦旅団大隊戦術集団の組織と人員構成、包括的支援の組織、そしてウクライナ第80独立空挺旅団への再配置を承認するもの」で、この部隊は2016年からアメリカとイギリスの教官によって訓練を受けていたという。実際、2022年に入るとウクライナ軍はドンバスに対する砲撃を強めていた。
この段階で米英をはじめとする西側の支配層は計算間違いを犯しているのだが、その間違いを修正できないまま現在に至っている。西側のいわゆる「リベラル派」も「ウクライナ軍」はロシア軍に勝てると叫び続けてきた。戦況に関する情報を調べてしていればそうした展開になっていないことがわかるはず。つまり、調べていなかった。
イギリスのベン・ウォレス元国防大臣でさえ、2023年10月1日にテレグラフ紙に寄稿した記事の中で、その当時、ウクライナ兵の平均年齢はすでに40歳を超えていると指摘、もっと多くの若者を前線へ送り出せと要求していた。それだけ死傷者数が多いということをイギリスの元国防大臣も認めているのだ。
戦場において発射された砲弾の数は死傷者数に反比例すると言われているが、その数は6対1から10対1でロシア軍が上回る。つまりロシア軍の死傷者数はウクライナ軍の6対1から10対1だということだ。ロシア軍は自軍の兵士の死傷者をできるだけ少なくする作戦を立てていることから、実際は1割程度だと見る人が少なくない。
そして現在、ウクライナは軍事的な手段でロシアと戦うことを諦めたようで、ロシア領内に潜入している情報機関の工作員による爆弾テロやドローンの攻撃に切り替えている。そうした工作の拠点として注目されているのがアゼルバイジャンだ。ジョージア、モルドバ、ルーマニアなどでは米英の情報機関が「国外からの投票」というシステムを使い、選挙に介入している疑いが濃厚だ。
そうした中、注目されているのがウクライナのオデッサ。戦略的に重要な場所だったこともあり、西側の支援を受けたクーデター体制政権は反クーデター派の住民を虐殺している。
2014年4月12日にジョン・ブレナンCIA長官がキエフを極秘訪問、22日には副大統領のジョー・バイデンもキエフを訪れ、その訪問に会わせるようにしてクーデター政権は黒海に面した港湾都市オデッサでの工作を話し合っている。そして5月2日、オデッサでクーデターに反対していた住民が虐殺されたのだ。
虐殺は5月2日午前8時に「サッカー・ファン」を乗せた列車が到着したところから始まる。赤いテープを腕に巻いた一団がその「ファン」を広場へ誘導するのだが、そこではネオ・ナチのクーデターに対する抗議活動が行われていた。広場にいた反クーデター派の住民は労働組合会館の中へ誘導されている。危険なので避難するようにと言われたようだが、実際は殺戮の現場を隠すことが目的だったと推測する人もいる。
その後、外から建物の中へ火炎瓶が投げ込まれて火事になる様子は撮影され、インターネット上に流れた。建物へ向かって銃撃する人物も撮られているが、その中にはパルビーから防弾チョッキを受け取った人物も含まれている。
建物の中は火の海になる。焼き殺された人は少なくないが、地下室で殴り殺されたり射殺された人もいた。その際、屋上へ出るためのドアはロックされていたとする情報もある。会館の中で48名が殺され、約200名が負傷したと伝えられたが、現地の人の話では多くの人びとが地下室で惨殺され、犠牲者の数は120名から130名に達するという。
虐殺の詳しい調査をキエフのクーデター政権が拒否しているので、事件の詳細は今でも明確でない。ネオ・ナチ体制がオデッサでの虐殺を調査するはずはなく、犯罪者を処罰するためにもオデッサの制圧は必要だというわけだ。ロシア軍はこのオデッサを制圧するかもしれないが、そうなるとクーデター政権は黒海へ出られなくなり、モルドバやルーマニアへの影響も小さくないだろう。
オデッサにフランス軍が入ったという話も伝えられているが、これが正しいなら、フランス兵の戦死者が増えることになる。
ちなみに、昨年1月16日にロシア軍は西側の情報機関や軍関係者が使っていた旧ハリコフ・パレス・ホテルを破壊したが、その際、200人近くの外国人傭兵が滞在していたという。その攻撃で死傷した戦闘員の大半はフランス人傭兵で、そのうち約60名が死亡、20人以上が医療施設に搬送されたという。
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