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フリン元DIA局長がウクライナのクーデターでオバマ政権が重要な役割と発言
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202511070001/
2025.11.07 櫻井ジャーナル
第1期目のドナルド・トランプ政権で国家安全保障担当大統領補佐官を務めたマイケル・フリン退役中将はロシアのメディアに対し、ウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した2013年11月から14年2月にかけてのクーデターで、バラク・オバマ政権が重要な役割を果たしたと語った。中でもビクトリア・ヌーランド国務次官補(当時)とジョン・ブレナンCIA長官(同)が「決定に不可欠な存在だった」という。
このクーデターはキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で始まり、最後にはネオ・ナチが前面に出てきた。ネオ・ナチのメンバーは2月18日頃から棍棒、ナイフ、チェーンなどを手にしながら石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルで銃撃を始めている。2500丁以上の銃を彼らは広場へ持ち込んでいたとも言われている。
まだ抗議活動がさほど暴力的になっていない2月上旬、ヌーランドとジェフリー・ピアット駐ウクライナ米国大使との電話での会話とみられる音声がYouTubeに公開された。会話のテーマはヤヌコビッチ政権を倒した後に作る内閣の人事が中心だ。
ヌランドはヤッツ(アルセニー・ヤツェニュク)を推していたが、実際、そのヤツェニュクがヤヌコビッチが排除された後の政権で首相に就任している。逆に嫌われていたのがビタリー・クリチコ。またネオ・ナチを率いていたひとりのオレ・ティアニボクもクリチコと同じように政府には入れるべきでないとしている。
この会話では国連の事務次長だったジェフ・フェルトマンという名前が出てくる。ヌランドはこの人物と連絡を取り合っていた。そのフェルトマンからロバート・セリーというオランダの外交官をキエフへ派遣すると伝えられたとヌランドは話している。
この当時のEU諸国はウクライナ情勢を話し合いで鎮静化しようとしていた。そこで、国連事務総長だった潘基文の協力を得て、EUを押さえ込もうとしている。そこで出てきたのが「EUなんてクソくらえ」という発言だ。なお、そのセリーは3月初旬にクリミア半島に派遣されたものの、現地で警備担当者に拘束されている。クーデターを仕掛けた勢力がセリーを操っていることを反クーデター派は知っていたということだろう。
オバマがアメリカ大統領に就任したのは2009年1月のことだが、その翌年の8月に彼はPSD-11を承認している。中東から北アフリカにかけての地中海沿岸色の体制をムスリム同胞団を利用して転覆させる作戦を始動させたのだ。そして「アラブの春」が始まる。
その流れの中でリビアやシリアも攻撃されるが、その際、ムスリム同胞団だけでなくサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)も参加している。つまりアル・カイダ系武装集団の主要メンバーだ。
イギリスの外相を1997年5月から2001年6月まで務めたロビン・クックは2005年7月、「アル・カイダ」はCIAの訓練を受けた「ムジャヒディン」の登録リストを意味すると書いている。そのムジャヒディンの供給源はムスリム同胞団やサラフィ主義者にほかならない。このシステムを作り上げたのはオバマの師にあたるズビグネフ・ブレジンスキーだ。
リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制は2011年10月、アル・カイダ系武装集団のLIFG(リビア・イスラム戦闘団)とNATO軍によって倒されたが、シリア軍は倒れない。そこで戦闘員や兵器をリビアからシリアへ移動させると同時に、オバマ大統領はシリアのアル・カイダ系武装集団への軍事支援を強化した。
そうしたオバマ政権の政策を危険だと判断、2012年8月にそれを警告する報告書を政府へ提出したのがアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)。当時、そのDIAを指揮していたのがマイケル・フリンだった。
DIAの報告書によると、外部勢力が編成した反シリア政府軍の主力はAQI(イラクのアル・カイダ)であり、その集団の中心はサラフィ主義者やムスリム同胞団だと指摘、オバマ政権の政策はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになると警告している。
この警告通り2014年には新たな武装集団ダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)が登場する。この武装集団はこの年の1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはモスルを制圧。その際にトヨタ製の真新しい小型トラック、ハイラックスを連ねてパレードし、その後、首を切り落とすなど残虐さをアピールし、NATO軍の介入を誘った。その2014年に香港ではアメリカのCIAやイギリスのMI6が「佔領行動(雨傘運動)」なる反中国運動を展開して中国に揺さぶりをかけている。
その一方、オバマ大統領は政府の陣容を好戦派へ入れ替える。例えば2015年2月に国防長官をチャック・ヘーゲルからアシュトン・カーターへ、同年9月には統合参謀本部議長をマーチン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードへ交代させ、アメリカ軍をシリアで侵攻させた。そして作り上げた20以上の基地のひとつがアル・タンフである。
2015年9月25日にデンプシーが退役、その5日後にロシアはシリア政府の要請で軍事介入した。それまでアメリカはシリア政府の許可を得ることなく軍事介入していたが、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)を含むアル・カイダ系武装集団を殲滅することはなかった。その武装集団をロシア軍は敗走させ、戦況を一変させたのだが、イドリブへ逃げ込んだアル・カイダ系武装勢力にとどめを刺さなかった。その武装勢力はアメリカやトルコの支援を受けることになり、フェルトマンはシリアのバシャール・アル-アサド政権を降伏させる計画を2016年に起草した。
その後、アサド政権は欧米諸国による経済攻撃で疲弊、昨年11月27日にHTS(ハヤト・タハリール・アル・シャム)がシリア軍を奇襲攻撃すると、呆気なく倒され、HTSを率いていたアフマド・アル-シャラア(アブ・モハメド・アル-ジュラニ)が暫定大統領に就任している。アル-シャラアはダーイッシュ(ISIS、IS、イスラム国などとも表記)の指導者だった人物で、その側近ラザン・サフォーというイギリス系シリア人がいる。HTSはアル・カイダ系のアル・ヌスラ戦線を改名した組織。その前身はAQI(イラクのアル・カイダ)だ。
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