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米国のイラン攻撃はアングロ・サクソンが19世紀から続ける世界制覇計画の一環
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202603050000/
2026.03.05 櫻井ジャーナル
アメリカ軍は今年1月3日にベネズエラを攻撃し、同国のニコラス・マドゥロ大統領夫妻を拉致した。2月28日にはイスラエル軍と共同でイランの主要都市をミサイルとドローンで攻撃し、最高指導者のアヤトラ・アリ・ハメネイ師、アブドルラヒム・ムサビ参謀総長、アジズ・ナシルザデ国防相、イラン革命防衛隊(IRGC)のモハメド・パクプール司令官、そして最高安全保障委員会(SNSC)事務局長でハメネイ師の顧問を務めていたアリ・シャムハニを含む人びとを殺害している。
ベネズエラとイランを攻撃した目的は中国を弱体化させることにあると考える人が少なくない。この推測はおそらく間違っていないが、そのターゲットは中国だけでなく、ロシア、そしてBRICSも含まれているだろう。アメリカを支配する勢力は世界を制覇するつもりだ。
ジョージ・H・W・ブッシュが大統領だった1992年2月、政権内のネオコンはアメリカが「唯一の超大国」になったと認識、DPG(国防計画指針)草案として世界制覇プランを作成した。この文書は国防次官を務めていたポール・ウォルフォウィッツが中心になって作成されたことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。
このドクトリンによると、新たなライバルの出現を防ぐことが最優先事項。またドイツと日本をアメリカ主導の集団安全保障体制に統合し、民主的な「平和地帯」を創設する、つまりドイツと日本をアメリカの戦争マシーンに組み込み、アメリカの支配地域を広げるということも謳われている。1995年以降、日本はアメリカの戦争マシーンになるため、驀進している。
このドクトリンの前提はアメリアのライバルだったソ連の消滅。ボリス・エリツィン時代にロシアは西側巨大資本の属国と化した。さらに支配力を強めるため、ネオコンはNATOを東へ拡大させるのだが、これはナチ時代のドイツによるソ連への軍事侵攻、バルバロッサ作戦を彷彿とさせる動きにほかならず、「新バルバロッサ作戦」とも言える。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、リチャード・ニクソン元米大統領は1994年3月21日にビル・クリントン大統領へ手紙を出し、その中でウクライナの内部状況が非常に危険だと警告。ウクライナで戦闘が勃発すれば、ボスニア・ヘルツェゴビナでの戦争は「ガーデンパーティー」のように感じられるとしている。
ヘンリー・キッシンジャーは2014年3月5日付けワシントン・ポスト紙でウクライナとロシアの関係について論じている。
ロシアの歴史はキエフ・ルーシで始まり、宗教もそこから広がり、ウクライナは何世紀にもわたってロシアの一部であり、その前から両国の歴史は複雑に絡み合っていたと指摘している。ロシアにとってウクライナが単なる外国ではないということだ。特に東部と南部はロシアとの繋がりが強い。
こうした警告は21世紀に入ってウラジミル・プーチン政権が誕生すると現実のものになる。西側に対するロシア人の反発が強まり、ロシアは再独立に成功、経済力も軍事力も急成長した。ソ連の消滅で養わなければならない国が減ったことがプラスに働いたとも言われている。そこで西側諸国の支配層はロシアを再属国化する工作を始める。
まず、ロシアの隣国ウクライナで2004から05年にかけて「オレンジ革命」を実行して親ロシア派と見られていたビクトル・ヤヌコビッチを排除、西側金融資本の影響下にある新自由主義者のビクトル・ユシチェンコを大統領に据えることに成功した。
北京で夏季オリンピックが開催された2008年8月にはジョージア軍が南オセチアを奇襲攻撃したが、の攻撃はイスラエルとアメリカが兵器など軍事物資を供給、将兵を訓練しただけでなく、イスラエルが作戦を立てたと言われている。この戦争でジョージア軍はロシア軍に完敗した。
ウクライナではユシチェンコ政権が新自由主義的な政策を推進、貧富の差を拡大させ、国民の怒りを買う。そこで2010年の選挙ではヤヌコビッチが勝利、オバマ政権はクーデターを実行してヤヌコビッチを排除しなければならなくなった。そして2013年11月から14年2月にかけてのクーデターにつながる。
2014年にアメリカとイギリスの情報機関、つまりCIAとMI6は香港で反中国運動「佔領行動(雨傘運動)」を仕掛けた。中国政府もウクライナ情勢を注視していたはずだが、香港の動きを見て米英に対する信頼度は大きく低下、ロシアに接近していく。西側では右も左もロシアと中国が手を組むことはないと信じていたようだ。そのありえないはずのことが起こったわけだが、それでもネオコンをはじめとする西側の支配層は世界制覇の野望を捨てない。
その野望について書き残しいた人物がいる。1871年にNMロスチャイルド&サンの融資を受けて南部アフリカでダイヤモンド取引に乗り出して大儲けしたセシル・ローズだ。彼は1877年に書いた『信仰告白』の中で「私たち(アングロ・サクソン)は世界で最も優れた人種であり、私たちが住む世界が増えれば増えるほど、人類にとってより良いものになる」と主張している。
「より多くの領土を獲得するあらゆる機会を捉えることは我々の義務であり、より多くの領土は単にアングロサクソン人種の増加、つまり世界が所有する最も優れた、最も人間的で最も名誉ある人種の増加を意味するという考えを常に念頭に置くべきである」というのだ。その系譜の中にアドルフ・ヒトラーもいる。
ローズの前にも世界制覇を夢見る政治家がイギリス人にはいた。ヘンリー・ジョン・テンプル(別名パーマストン子爵)だ。彼は戦時大臣、外務大臣、内務大臣を歴任した後、1855年2月から58年2月まで、そして59年6月から65年10月まで彼は首相を務めている。ビクトリア女王に対し、アヘン戦争を指示したのもパーマストン卿だった。
19世紀のイギリスの支配層はパレスチナにも目を向けている。イギリス政府は1838年、エルサレムに領事館を建設。その翌年にはスコットランド教会がパレスチナにおけるユダヤ教徒の状況を調査。イギリスの首相を務めていたベンジャミン・ディズレーリは1875年にスエズ運河運河を買収したが、その資金を提供したのは友人のライオネル・ド・ロスチャイルドだ。(Laurent Guyenot, “From Yahweh To Zion,” Sifting and Winnowing, 2018)
パレスチナに「ユダヤ人の国」を建設する第一歩と言われる書簡、いわゆる「バルフォア宣言」をアーサー・バルフォアがウォルター・ロスチャイルドへ出したのは1917年11月のこと。イギリスは1920年から48年の間パレスチナを委任統治、ユダヤ人の入植を進めたが、1920年代に入るとパレスチナのアラブ系住民は入植の動きに対する反発を強めている。
そうした反発を抑え込むため、パレスチナへ送り込む警官隊を創設するという案が出てくる。デイビッド・ロイド・ジョージ政権で植民地大臣に就任したウィンストン・チャーチルもこの案に賛成、アイルランドの独立戦争で投入された「ブラック・アンド・タンズ」のメンバーが採用された。この組織はIRA(アイルランド共和国軍)を制圧するために設立されたのだが、殺人、放火、略奪など残虐さで有名だった。
アイルランドはピューリタン革命を指揮したオリバー・クロムウェルの軍隊に侵略され、多くの住民が虐殺されている。17世紀の半ばのことだ。
クロムウェルが出現する前からイングランドではアングロ・サクソンをユダヤ人の「失われた十支族」の後継者だと信じ、自分はイスラエルの王だと信じる人がいた。そのひとりがジェームズ6世(イングランド王ジェームズ1世)。彼は自分をイスラエルの王だと信じていたと言われている。
ジェームズ6世の息子であるチャールズ1世はピューリタン革命で処刑されたが、クロムウェルの私設秘書だったジョン・サドラーも同じように考え、彼は1649年に作成されたパンフレット『王国の権利』の中でイギリス人はイスラエルの失われた部族のひとつであり、ユダヤ人と同族であると主張している。
「神はイギリス人だ」と主張していたというクロムウェルの聖書解釈によると、世界に散ったユダヤ人はパレスチナに再集結し、ソロモン神殿を再建することになっていた。この解釈に基づいて彼は政権を樹立し、1656年のユダヤ人のイングランド定住禁止令を解除、パレスチナにイスラエル国家を建国することを宣言した。海賊の国だったイングランドで金融や経済を彼らに任せるためだったともいう。これがシオニズムの始まりだ。
ピューリタン体制が倒されるとシオニズムは放棄されるものの、クロムウェルを支持する人びとの一部はアメリカへ亡命、ジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファーソン、ベンジャミン・フランクリンらはその後継者だと主張したという。その北アメリカで先住民は「民族浄化」された。
パーマストン卿たちの世界制覇プランはハルフォード・マッキンダーがまとめ、1904年に発表している。彼はユーラシア大陸の周辺部分を海軍力で支配、内陸部を締め上げるという理論を発表、それをアメリカが継承した。封鎖帯の西端がイギリス、東端が日本だ。
ジョージ・ケナンの「封じ込め政策」やズビグネフ・ブレジンスキーの「グランド・チェスボード」もマッキンダーの理論がベースになっている。冷戦もこの戦略の一幕にすぎない。
こうした長期戦略は妄想と化している。ジャーナリストのジョナサン・ラーセンによると、アメリカ兵たちは指揮官たちからイランとの戦争は「ハルマゲドン」であり「イエスの再来」であり、トランプ大統領は「神に選ばれた者」だと告げられているという。そうした妄想は現実に押し潰されようとしている。

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