http://www.asyura2.com/25/warb26/msg/476.html
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田中宇の国際ニュース解説 無料版 2026年3月24日 https://tanakanews.com/
■要約
ハメネイ殺害から1か月、米イスラエルはイランをやりたい放題に破壊しており、勝敗はおおむねついた。メディアはイランのしぶとさを強調するが、実際は反撃も弱く、軍事・経済ともに削り取られている。トランプは「イランは死んだ」と豪語し、今後は石油輸出の9割を担うカーグ島の封鎖や占領を通じ、ホルムズ海峡を共同管理させる「ソフト転覆」を狙っている。
対照的にイスラエルは、イランを再起不能なまで弱体化させる軍事攻撃を継続している。父を継いだモジタバは「お隠れ」状態で、革命防衛隊が実権を握る現状では完全な政権転覆は難しい。結局、イスラエルは現政権を残しつつ、米軍を永久駐留させて監視下に置く道を選ぶだろう。米諜報界を牛耳るリクード系は、ドルや債券バブルを延命させながら、米国の傀儡覇権を恒久化しようとしている。
■本文
2月28日のハメネイ殺害に始まったイラン戦争は、1か月が過ぎようとする今、終わり方が見えてきた感じがする。
左翼イスラム主義や諜報界英国系傘下のメディアや言論人は、米イスラエルの苦戦と、イランのしぶとさを強調している。だが私が見るところ、米イスラエルはあまり苦戦しておらず、おおむねやりたい放題でイランの軍事力や経済力や人材を破壊している。
https://x.gd/Ut38F
Donald Trump has four bad options for the war in Iran
イランはイスラエルに反撃してきたが、大した被害を与えていない。そのためイランは、攻撃しやすいペルシャ湾対岸のカタールやUAEやサウジなどの石油ガス施設などを空爆したり、ホルムズ海峡のタンカーなどの航行を阻害して、世界のエネルギー危機や経済難を引き起こし、世界がトランプを非難するように仕向ける策をやっている。
だが今のところ、トランプに対する世界からの非難はあまり高まっていない。極度の経済難にもなっていない(今後長引くと変わりうる)。
戦争が長引くと米国などで反戦運動が激化し、支持率が落ちてトランプ大統領が政治的に窮乏するという予測が2週間前にあり、間抜けな私はそれを鵜呑みにして前回の記事を出した。だがその後、反戦運動は拡大していない。トランプ窮乏の話題は沈静化している。
https://tanakanews.com/260314israel.php
極悪な新覇権国イスラエル
今回の戦争はイスラエルの強化(脅威の弱体化)が目的だ。米国自身の国益は関係ない。イスラエル(リクード系)は、自作自演的な911テロ事件以来、米諜報界に入り込んで牛耳り、既存の英国系を追い出して米国の覇権運営を乗っ取った。
英国系(オバマ政権など)は、中露がイランを軍事支援するように仕向け、ヒズボラやアサドやハマスなどイラン傘下の勢力がイスラエルを包囲する体制を作り、イラン系との戦いでイスラエルを疲弊破滅させようとした。
イスラエルはトランプを政権につけて英国系(DS。リクード系もDSだけど。DS=諜報界)と戦わせて潰し、イスラエルがイラン系を次々と潰す一連の戦争にトランプを全面協力させている。
開戦からの1か月で、米イスラエルはイランの軍事力をかなり削いだ。無人機や小型ミサイルは地下などに隠すのが容易なので、イラン政府はまだ兵器を隠し持っている。イスラエルは、それらを見つけて破壊する戦争をまだ続ける。
https://www.zerohedge.com/geopolitical/hormuz-showdown-begins-us-warplanes-apaches-launch-sea-lane-offensive-trump-eyes-high
"I Think We've Won" Trump Says As Iran Refuses Hormuz Talks, Houthis Threaten Red Sea Strait
だが、戦争の勝敗は、米イスラエルの勝ち、イランの負けで、おおむねついている(イスラム主義と左翼の連合体が強いマスコミや言論界はそれを認めたがらないが)。
トランプは3月21日に「われわれは戦勝したようだ」と語り、3月23日には「イランは死んだ。米国最大の脅威は、イランから、国内極左・民主党に交代した」と述べている。
https://www.rt.com/news/635696-iran-war-live-updates-march-21/
Trump proclaims the ‘death of Iran’ as missiles attack Israel
この戦争はまだ決着していない。イランは負けを認めていない。イランが湾岸アラブ諸国の油田ガス田などを攻撃したので、米イスラエルはイランの油田ガス田や発電所を破壊するそぶりを見せた。これに対してイランは、ホルムズ海峡に機雷を敷設して封鎖するぞと対抗している。
トランプは、そのようなイランに対し、海兵隊を派遣してホルムズ海峡を突破し、ペルシャ湾の奥にあるイランのカーグ島の石油積み出し港を乗っ取るか海上封鎖する計画を進めている。
https://www.jpost.com/middle-east/iran-news/article-890971
Why the US is not rushing to fully open Hormuz with force, ground troops, sources say
イランの石油輸出の9割がカーグ島でタンカーに積まれている。トランプはカーグ島を占領もしくは封鎖して「ホルムズ海峡の安全航行を認めろ。さもないと、カーグ島での積み出しを妨害するぞ」とイランに要求するつもりらしい。
カーグ島はイランの海岸線の近くにある。米海兵隊が島に近づいたら、イランはミサイルや無人機で米軍を撃退するのでカーグ島の占領や封鎖は無理だと言われてきた。
しかし、米イスラエルがイランの兵器類を徹底破壊し、イランが隠し持っている兵器の量が減った今、海兵隊はあまり反撃を受けずに島を占領もしくは海上封鎖できるかもしれない。
https://theweek.com/defence/kharg-island-irans-achilles-heel
Kharg Island: Iran’s ‘Achilles’ heel’
トランプはイラン政府に対し「カーグ島を使い続けたいなら、ホルムズ海峡を米イランの共同管理にしろ」と要求している。米イランが交渉を始めているとの報道もある。イラン政府は、米国との交渉などしていないと言っている。
トランプは、この交渉がうまくいったら、それはソフト転覆(政権転覆)の成功だと言っている。
https://www.jpost.com/middle-east/iran-news/article-890939
Trump pitches shared US-Iran Strait of Hormuz control, claims regime change 'already happened'
今回のイラン戦争で、イスラエルは軍事的な攻撃だけでイランを抑止しようとしてきた。対照的にトランプの米国は、ソフト転覆など外交(秘密)交渉による政治決着でイランを軟化させることを目指した。
今年初めの米軍によるベネズエラのマドゥロ大統領拉致(逮捕)とその後のソフト転覆の成功は、イランという「本番」に向けた予行演習だった観もある。
だが、イランはベネズエラのようにすんなり進んでいない。イランの政権は、米イスラエル敵視の革命防衛隊が握ったままだ。
https://www.jpost.com/israel-news/article-890716
Mojtaba Khamenei alive, but IRGC currently running Iran
殺された父ハメネイの最高指導者職を継いた次男のモジタバは、殺害を恐れて就任後一度も姿をあらわさず、動画すら出していない(シーア派の「お隠れ」の教義があるので人々は納得しているとか?)。
イスラエルは、イランのソフト転覆が難しいことを知りつつトランプにやらせ、その間イスラエル自身はイランを軍事攻撃し続けてきた、ともいえる。
https://tanakanews.com/260312iran.htm
トランプのイラン停戦?
イランは1978年のイスラム革命以来ずっと米国から敵視制裁されており、人々は現体制を嫌いつつ、親米派とかシャー(革命前の王政)も支持できない。
今のイランでは、聖職者集団と革命防衛隊によるイスラム共和国体制以外の政権を作れる可能性がとても低い。完全な政権転覆が無理なので、現体制の反米性を低下させるソフト転覆しかない。
50年近く対立してきたイスラエルとイランは、相互の不信感がとても強い。イランが現政体のまま親米親イスラエルになりましたと言っても、イスラエルは、いつ再豹変して元の仇敵に戻るかわからないと考えて信用しない。
https://tanakanews.com/260301iran.htm
イラン攻撃でイスラエル中東覇権の確定へ
すでに書いたように、完全な政権転覆もイランには望めない。イランの国土をペルシャとアゼルバイジャンとクルドに3分割して弱体化する策も行われていない。
イランを3分割するなら、その前にクルド人の強化が必要だが、米イスラエルは、トルコのクルド人(PKK)を武装放棄させてトルコ政府に服従させている。シリアのクルド人もアルカイダ現政権(イスラエル傀儡)の傘下に押し込められた。
中東の国境線はもともと不安定なので、イランを分割すると他の中東諸国も分裂気味になり、米イスラエルが今後の統治に苦労する。だからイランは分割せず、クルド人も各国の中央政府の傘下に入れる(イラクはこれから?)。
https://tanakanews.com/260310iran.htm
イランは許されるのか
イスラエルは結局、イランの現政権を認めるしかない。認めるなら、その前に徹底的に弱体化させるぞ。イスラエルはそう考えているはずだ。弱体化させて、その後も再起せぬよう監視下に置かねばならない。
誰がイランを監視するのか??。イスラエル自身にはあまり余力がない。国連は、中共や英国系が強いので信用できない。米国、米軍にやらせるしかない。
今回、イラン近傍に派遣される海兵隊などの米軍は、今後もずっとイラン近傍に駐留する可能性がある。トランプへの支持が減らないのか?。政治的な綱渡りが続く。
https://tanakanews.com/260302libe.php
英国系からリクード系に変わる世界
民主党政権は隠れ反イスラエル(英国系)なのでダメだ。トランプとその後継者たちに、延々と政権を持たせるしかない。米国のリクード傀儡覇権を恒久化せねばならない。
米覇権の基盤であるドルの債券金融バブルも延命させねばならない。どんなにインチキな手を使っても、株価と債券相場は高止まりさせる。加えてリクード系は今回、ドルの仇敵である金相場の暴落もやっている。今後の金相場は、昨年までの高騰と打って変わって上がりにくくなる。
こうした私の予測は外れるかもしれない。イスラエル覇権についての情報が全くない。外れたら修正する。
妄想だと思う人は、思えば良い。妄想扱いされた方がリクード系から潰されず、生きていける。
この記事はウェブサイトにも載せました。
https://tanakanews.com/260324iran.htm
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