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ガソリン補助金「青天井」の無限地獄…1リットル177円台下落はヌカ喜び、原油高騰続けば月額1兆円にも
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/385734
2026/03/27 日刊ゲンダイ

支給額は前週比1・6倍、財源は4月中に枯渇する恐れも(C)共同通信社
資源エネルギー庁が25日発表した全国のレギュラーガソリンの平均価格(23日時点)は1リットルあたり177円70銭。前週の過去最高値190円80銭よりも13円10銭安くなった。19日から復活したガソリン補助金の効果が早速、表れた形だが、喜んでばかりもいられない。
高市首相は今回の補助金で、ガソリン価格を170円程度に抑えるように指示。石油元売り業者に170円の超過分を全額支給する。支給額は25日までの1週間は1リットル=30円20銭だったが、26日からは48円10銭と約1.6倍に跳ね上がる。2022年1月の開始以来、過去最高額となる。
理由は終わりなき原油高だ。とりわけ、日本の輸入指標となる中東産ドバイ原油の上げ幅はえげつない。19日には1バレル=166ドルを突破し、過去最高値を更新。イラン攻撃前の2月下旬には65ドル前後で推移しており、上げ幅は2.5倍を超える。
この日、原油の国際指標である米WTIの引け値は96.14ドル。2月下旬からの上げ幅は約1.4倍にとどまっていた。
「ドバイ原油が突出しているのは、ホルムズ海峡の事実上封鎖の影響です。海峡を通過してアジアに向かう原油供給が極端に細り、代替先を探すにもすぐには切り替えられない。激しい争奪戦から価格が急騰し、日本も巻き込まれているのです」(石油業界関係者)
ドバイ原油の値動きがガソリン価格に反映されるまで通常1〜2週間のタイムラグがある。そのため、政府は来週の店頭平均価格(補助金抜き)を218円10銭になると試算。過去最高の補助を決めたが、当面は高止まり。その上、今回は支給額の上限を設けておらず、原油高騰に歯止めがかからなければ、政府の負担は青天井となる。
直近のドバイ原油はWTIの下落につられ、150ドル台で推移しているが、いつ再上昇してもおかしくない。野村証券の分析だと、200ドルまで高騰すればガソリン価格は294円となり、補助金の支給額は1日あたり370億円に達する。1カ月続けば約1.1兆円、3カ月なら約3.3兆円に膨れ上がる計算だ。
財源の基金残高は2800億円ほど。4月中に枯渇する恐れがあり、高市政権は24日に今年度の予備費から約8000億円の積み増しを閣議決定したが、最悪1カ月で底を突く危うさだ。必要に応じて新年度予算の予備費を取り崩すことも検討しているが、計上額は約1兆円と心もとない。
備蓄放出と同時に消費をあおる大矛盾

無責任な放漫財政の極み(C)日刊ゲンダイ
それでも高市首相は自身のXで〈国民の皆様におかれましては、いつものペースで給油をお願い申し上げます〉とうそぶく始末である。
「供給不安から約50日分の石油備蓄を放出しながら、同時にガソリンの消費をあおるのは大いなる矛盾です。よしんば米国とイランが停戦しても、中東の石油施設はことごとく破壊され、供給回復には年単位の時間がかかります。その間、原油高騰は続くのに、高市政権の危機感は薄い。青天井の補助金は財政不安から、さらなる円安も招き、原油輸入にも影を落とす。高市首相もトランプ米大統領と同じく消費者の不満による支持離れを避けたいのでしょう。まさに今だけ、自分だけ。無責任な放漫財政の極みです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
ガソリン補助金への予算投入額は、今回の積み増し分を加えると累計9兆円超。10兆円の大台まで一瀉千里だ。
◇ ◇ ◇
高市政権の後手後手ぶり、デタラメぶりについては、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などでも詳しく報じている。
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