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フィリピンに武器を売りつける日本政府 古谷経衡 猫と保守と憂国
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/386235
2026/04/08 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

古谷経衡氏(提供写真)
武器輸出が事実上解禁されようとしている。解禁後、国産兵器の売却先として、最有力ターゲットとされているのはフィリピンである。武器輸出と言っても、世界の兵器マーケットで国産兵器が食い込む余地は薄い。米英露中独仏イスラエルなどが寡占する国際兵器市場では、実戦使用がなされたことがない国産兵器に、価値を見いだしていないからだ。そこでフィリピンにというわけだが、この背景は何か。
フィリピンに対する防衛装備品の移転は、第2次安倍政権末期から水面下で同国政府と交渉が続けられており、安倍首相が辞意を表明する直前の2020年8月、フィリピン国防省と三菱電機の間で警戒管制レーダー一式の移転契約が締結された。これは23年末に実際にフィリピン空軍へ納品されたもので、戦後初めて日本が「完成品」としての防衛装備を輸出した事例となった。この実績を踏まえて、政府は武器輸出解禁後を念頭に、今度はフィリピン海軍に海上自衛隊の中古護衛艦「あぶくま型」6隻を輸出することで、フィリピン政府と基本合意している。これは石破政権下の25年7月のことである。
総人口1億人を超え、経済成長著しいフィリピンだが、それに比例する国防力の整備は追いついておらず、同国軍は長らく「ASEAN最弱」と揶揄されるほどの乏しいものであった。とりわけその海軍力は脆弱である。海軍はかつての列強がそうであったように、その整備には時間と豊富な予算が必要である。中古の小火器を購入して兵を訓練させれば、どの国でも一応の「陸軍」が作れるのに対し、海軍は艦艇の購入と建造、船員の訓練に始まり、港に係留しているだけで維持費がかさむ。自家用船舶の保有が富裕層のステータスであるのと似ている。
これに加え、フィリピンは南沙諸島で中国との領有権問題を抱える。フィリピンは第2次大戦後、宗主国アメリカから独立した関係で親米独裁の反共政権であったマルコスが統治したが、1986年にマルコス政権がエドゥサ革命によって打倒されると、民主化政権下では民族意識と反米感情が高まり、92年までには在比米軍のすべてが撤退することになった。フィリピン国民が米軍を追い出したのである。日本とは大きな違いである。
米比防衛条約は残ったままであったが、21世紀に入り中国の海洋進出が鮮明になると、フィリピンには小規模な米軍艦艇や航空機などが戻ってくるようになった。しかしその規模は、冷戦時代の在比米軍とは比べるべくもなく小さい。この防衛力の空白をいかに補完するかがフィリピン政府の課題であったが、その相手先こそ日本だったというわけである。だから武器輸出解禁を見据えた日比両国の動きは、それぞれにメリットがあるからなされているものである。
しかし、その先、つまりフィリピンに武器輸出を実行した後はどうするのか。フィリピンの国防予算は多くなく、売り手は限られる。政府としてはインドネシア、豪州を販路として考えているようだが、うまくいくのか。ご存じの通りフィリピンは太平洋戦争で日米両軍による戦場となり、フィリピンの民間人の死者は200万とも300万人ともいわれる。フィリピンの対日感情は良好だが、かつての悲劇の同じ轍を踏まないと日本政府は言い切れるのか。

古谷経衡 作家
1982年生まれ。立命館大学文学部史学科卒。令和政治社会問題研究所所長。「左翼も右翼もウソばかり」「日本を蝕む『極論』の正体」「毒親と絶縁する」「敗軍の名将」「シニア右翼」など著書多数。
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