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「認知能力低下」疑惑のトランプに追従する高市政権の危険 金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/386470
2026/04/14 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

日本経済は息の根を止められる寸前、にもかかわらず「大丈夫」をまた繰り返す高市首相(C)共同通信社
いよいよ、トランプ米大統領の認知能力を疑う報道が出てきた。彼の言動を振り返ると、その疑念も当然と言えるかもしれない。発言が支離滅裂でコロコロ変わり、しかも常軌を逸しているからだ。
現実を見ると、トランプが「すぐに停戦できる」かのような発言をするたびに株価が上がるなど、市場は一喜一憂している。しかし、戦争終結の合意は容易ではない。2週間の一時停戦の合意直後にイスラエルはそれを妨害するためにレバノンに大規模攻撃を行った。イスラエルのネタニヤフ首相は戦争をやめたくないのだ。彼は贈収賄や詐欺などの罪で起訴され、裁判中。しかも国際的には戦争犯罪人。戦争が終われば罪に問われ収監されかねないからだ。
一方のイランは、相手を信用できるはずがない。核開発計画を巡る協議中にいきなり先制攻撃を受けたわけで簡単に妥協できず、核兵器を持たなければまた同じ目に遭うと考えるのが自然だ。さらにイランは、イスラエルによるレバノン攻撃に対して、ホルムズ海峡で軍事当局の許可なしには通航できないと宣言。国際法違反の攻撃を受け、復旧費用を米国に賠償金として要求する。米国が賠償金を払わないなら、ホルムズ海峡で通航料を取ると主張する。これに対してトランプはホルムズ海峡の逆封鎖を言い出した。混乱はさらに増幅している。
考えてみれば、トランプは当初イラン攻撃は1カ月で終わると豪語していたのに、度重なる延期を繰り返している。要するに、トランプは常に「脅し」戦略を使って、大きく出て吹っかけ、脅せば相手が折れると信じ込んでいる。しかし相手がベネズエラのように弱体だとうまくいくが、中国やイランのように強く返してくると、すぐにずるずる後退していき、結局何も解決しないのである。いや、かえって事態は泥沼化している。
したがって現状を楽観視することは厳に戒めなければならない。仮に停戦がこのまま維持されたとしても、中東地域で破壊された石油施設の復旧には、少なくとも数カ月はかかるからだ。元の状態にはすぐには戻らないのだ。
こうした危機的な状況の中で、日本の高市政権は「大丈夫だ」を繰り返している。トランプ追従の「抱きつき外交」を行った結果、中国からのレアアースの供給は止まり、今度は中東地域からの石油の供給が止まっている。日本経済は、息の根を止められる寸前まで来ていると言っても過言ではない。それでもなお「大丈夫だ」と繰り返す高市首相自身が、本当に大丈夫なのか。認知能力低下を疑われるトランプと同じと見なされかねないぞ。

金子勝 慶大名誉教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。
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