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※紙面抜粋

※2026年4月22日 日刊ゲンダイ2面
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「歯止め」なんてお笑い草だ ついに「死の商人」と化したこの国の行く末
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/386818
2026/04/22 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

国民の誰も望んでいないのに、好き勝手にやりたい放題(C)共同通信社
安全保障環境の変化や歯止めを強調し、「平和国家」を堅持などと言うが、国民だましの絵空事。いよいよ、中国敵視が鮮明となり、NSCとやらが検討する「例外」も恣意的に歪められていくのは明らかだ。
国民が誰も望まない中、米国と防衛産業だけが高笑い。
◇ ◇ ◇
「紛争の発生を未然防止し、日本の安全保障の確保にもなる」「どの国も1カ国のみでは自国の平和と安全を守ることはできなくなってきている」「同志国が日本と同じ装備品を保有していれば、部品などを相互に融通し合うこともできる。これは非常に大きな意義だ」
総理大臣就任から、21日で半年を迎えた高市首相。女性初の総理として注目を集め、2月の衆院選で圧勝。下落の兆しが見られ始めたとはいえ、依然として高い政権支持率を維持しているタイミングを見て「時は来た」と思ったのだろう。戦後、平和国家を掲げてきた日本の国家像を根底から覆す歴史的な政策転換を打ち出した。
政府はこの日、防衛装備移転三原則の運用指針を改定し、長年続けてきた「5類型」(救難、輸送、警戒、監視、掃海)による装備品輸出の制約を撤廃し、戦闘機や護衛艦といった殺傷・破壊力のある“武器”を原則輸出できるよう大きく舵を切ったのだ。
国家安全保障会議(NSC)が殺傷・破壊能力を基準に「武器」と「非武器」に分類。武器の輸出先は日本と「防衛装備品・技術移転協定」を結ぶ米国や豪州、フィリピンなど17カ国が対象で、非武器の輸出先に制限はない。高市は「平和国家としての歩み、基本理念を堅持するということに全く変わりはない」と語っていたが、全く信用できない。「例外規定」があるからだ。
政府は「武力紛争の一環として現に戦闘が行われている国」への武器輸出はできないとし、「案件ごとに一層厳格に審査を行う」といった「歯止め策」を説明。具体的にはNSCが武器輸出の可否を判断し、輸出先国とその周辺国との軍事バランスの影響、輸出先国の保全体制といった審査項目を設けて管理。第三国への武器流出を防ぐため、現地調査を含めて移転後のモニタリングを強化するという。だが、その一方で、日本の安全保障に関わる地域で同志国が武器を必要とするケースなど「特段の事情」がある場合は認めるというから唖然呆然だろう。
民意を蹂躙した防衛クーデターと言っていい
「望ましい安全保障環境を創出し、継戦能力を支える(国内)産業基盤を強化するため、防衛装備移転を戦略的に推進する」
「日本の安全を確保し、地域と国際社会の平和と安定に寄与するものだ」
高市と同様、木原官房長官も武器輸出「全面解禁」に至った背景について「安全保障環境の変化」を訴えつつ、引き続き「平和国家」を堅持する姿勢を示していたが、今の政府案が掲げる「歯止め策」なんてお笑い草。国民騙しの絵空事に過ぎない。
今回の決定で強く危惧されているのは、輸出される日本の武器によって、紛争の助長や拡大を招くのではないか──ということだ。それは先の大戦の反省を踏まえ、武器輸出に厳格かつ抑制的に対応してきた「平和国家」から「死の商人」に堕することを意味する。
本来は国会の慎重審議や決議が必要なのは言うまでもないのに、輸出の可否はNSCで判断し、国会に対しては輸出を認めた後の事後報告というデタラメ。事前の国会関与を認めない点について、国家安全保障局は「同じ議院内閣制を採る欧州各国の例に準拠した」と説明していたが、何を言っているのか。これでは何らチェック機能が働かず、日本の武器輸出が地域の安定や平和に資するのか、第三国に流出しないのかが全く分からない。
「特段の事情」なんてしょせんはNSCのハラ次第。時の政府の方針や考えで解釈は容易にねじ曲げられ、恣意的に歪められていくのは明らかではないか。
市民団体「武器取引反対ネットワーク」の杉原浩司代表はこう言う。
「武器輸出はとうとう全面解禁。つまり、メード・イン・ジャパンの武器が殺戮行為に使われるわけで、そんな重大な政策転換にもかかわらず、国会審議を無視し、NSCと閣議決定で決める。そして歯止め策には何の実効性もない。これは民意を蹂躙した防衛クーデターと言っていい。絶対に認めてはならず、強い憤りを感じています」
国会の事前承認もなく軍拡政策の大転換を進めるインチキ

国民は怒れ(C)日刊ゲンダイ
武器輸出について現政権がここまで強く踏み込んだ背景には、防衛産業の支援が国力強化につながると考えている高市の時代錯誤の姿勢があるだろう。
今と同様に武器輸出の是非をめぐる議論が起きた1976年5月、三木内閣で外相を務めた宮沢元首相は国会で、「我が国は兵器の輸出をしてカネを稼ぐほど落ちぶれてはいない。もう少し高い理想を持った国として続けていくべきだ」と答弁。
宮沢は武器輸出に伴う紛争の長期化、激化させるリスクを肌感覚で理解し、危険性を認識していたからだが、国力強化を掲げる高市の考えは正反対。防衛産業を重点投資対象の「戦略17分野」の一つに位置付け、3月の国会答弁でも、「経済成長にも国民生活の豊かさにもつなげる。そして国をしっかりと守る」と訴えていた。
「もう時代が変わった」。高市は宮沢答弁の感想を問われた際、こう言っていたが、時代が変わったのではない。裏金事件で「今だけ、カネだけ、自分だけ」という自民の悪しき体質が露呈した通り、今の高市政権も結局は「カネが稼げるのであれば何でもあり」という半グレ集団やトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)と同程度の低レベルの知能や知識しかない。つまり、ハナから「高い理想」など持ち合わせていないのだ。
そもそも衆院選でも強く訴えていなかった軍拡政策の大転換を、国会の事前承認もなく進めるというインチキな手法そのものが「平和国家」を守る姿勢とは程遠いだろう。
メディアも高市政権の実相をきちんと報道するべき
米国とイスラエルによる国際法違反の騙し討ちのイラン攻撃、すでに交戦期間が4年超となったロシアによるウクライナへの軍事侵攻……など、国際社会を取り巻く安全保障環境が変化しているのは間違いない。とはいえ、毎日新聞が3月下旬に実施した世論調査でも、武器輸出に反対する声が49%を占め、賛成(26%)を上回ったほか、他のメディアの調査でも「反対」が多数を占めているのだ。
国民が誰も望まない中で武器輸出すら解禁する高市政権の姿勢は異常、異様としか思えない。高笑いしているのは米国と防衛産業だけではないか。
メディアもメディアだろう。軍拡するほど安全になるという“詐欺”は戦前、戦中でも見られた光景だ。世界恐慌を機に経済が疲弊した当時、日本では政治不信が高まり、軍部が台頭。陸海軍の予算が肥大化した結果、軍事力の過信を招き、自滅的な戦争を始めた。
今の日本も同じだ。国際競争力はどんどん低下し、かつて世界で称賛された「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の姿は見る影もない。そこで自信喪失状態に陥った一部の右派系の国民が、故・安倍元首相や高市のように「強い日本を取り戻す」といった薄っぺらのスローガンを掲げる国家主義の政治家に飛びつき、その流れに煽られる形で中国を執拗に敵視。しかし、台湾有事をめぐる高市発言で中国を刺激した結果、逆に中国からさまざまな原材料について「日本の軍事関連企業には輸出しない」と迫られる始末だ。
威勢よく拳を振り上げたものの、中国からの輸入が途絶えれば防衛装備品すらつくれないわけで戦う前からすでに負けていると言っていい。「継戦能力を高める」なんて言葉も飛び交っているが、高めるも何もイラン攻撃で米国のミサイル不足が指摘された通り、武器には限りがあるのだ。
となれば日本が今、舵を切るべきは戦闘を助長するような武器輸出の全面解禁ではない。武器以外の手段で外交問題を解決することだろう。それこそが平和国家「日本」のあるべき姿なのだ。
政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「『時は来た』とばかり、武器輸出を強行する高市首相は今後も何でもやりかねない。悪辣としか言いようがありません。メディア報道も京都の児童殺害事件ばかりに力を入れるのではなく、戦争できる国に突き進む高市政権の実相をきちんと伝えるべきです」
ついに「死の商人」と化した、この国の行く末はどうなるのか。
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