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※紙面抜粋

※2026年5月22日 日刊ゲンダイ2面
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高市はやりたい放題だ この暴政にヘラヘラする怒りなき野党に心底絶望
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/387978
2026/05/22 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

「ナフサは足りている」と強弁詭弁、高市やりたい放題の暴政(C)日刊ゲンダイ
原油、ナフサは足りていると豪語し、専門家やカルビー、TOTOを脅し、異論を封じ込める暴政。
民間企業や庶民は「戦前か」と呆れているが、猫なで声ですり寄る野党、秋波を隠さないゆ党。国論二分法案にも切り込まず、媚びるだけの連中に国民の絶望が広がっている。
◇ ◇ ◇
シレッと民間企業の対応に手を突っ込んできた。
中東情勢の悪化を受け、多くの化学製品の原料であるナフサの供給不安が、日を追うごとに高まっている。ところが、相変わらず高市首相は「足りている」の一点張りである。
20日に行われた党首討論で、中道改革連合の小川代表が「建設・医療現場は資材価格の高騰や納期の遅れで苦しんでいる」と指摘。すると高市は「さまざまな現場で目詰まりが起きている。足りているはずのナフサが手元に届いていない。その状況は十分に把握している」と豪語したのだ。
ところが、目下、いつ訪れるか分からない「供給ストップ」に備え、多くの企業が試行錯誤しているのが実態だ。国民の目を引いたのが、食品大手カルビーの対応だろう。12日に、主力のポテトチップスなど計14商品のパッケージを白黒にすると発表。ナフサを原料とするインクの調達が不安定になったことが理由だ。苦肉の策だったに違いないが、この対応に高市政権はイライラを募らせているという。
朝日新聞によれば、白黒パッケージの一報は、政権中枢に衝撃を与えたらしく、官邸幹部は「売名行為だろう」と強い言葉でインク不足を否定。カルビーが今回の対応を正式発表した12日に同社へのヒアリングを実施し、総量としては必要な量があると説明したそうだ。さらに、首相周辺は「カルビーは過剰反応だ。報道されて他社も不安になる」と、事態の波及を懸念したというのだ。
加えて、4月にはナフサ由来の溶剤の調達が不安定になったとの理由でユニットバスの新規受注を一時停止した住宅設備大手TOTOに対しても、経産省が調査に着手。その後、TOTOは段階的に新規受注の受け付けを開始したのだった。
戦時中の「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」にソックリ
やむにやまれぬ対応をとった民間企業に圧力ヒアリングで半ば脅迫。さらに「売名行為」「過剰反応」と切り捨てるとは、一体どういう了見なのか。人の商売に難癖をつけるチンピラのような態度だ。
そもそも、高市の「足りている」「目詰まりが起きているだけ」との主張は怪しい。ナフサ由来の化学製品について「年を越えて供給を継続できる」とも言ったが、その根拠の一つは「中東以外からのナフサ輸入の拡大」だ。政府は平時だと、中東以外から月に約45万キロリットルのナフサを輸入。これを今月に「135万キロリットル超」に拡大・維持することを見込んでいる。しかし、世界中で需給が逼迫する中、そんな簡単にいくとは思えない。
さらに、政府はナフサ由来のポリエチレンなど「川中製品」の在庫1.8カ月分をナフサに換算。ところが、川中製品があらゆるナフサ由来の化学製品の需要を満たせるわけではない。ナフサの在庫としてカウントするのはおかしな話だ。
要するに高市は“足りてるんだからゴチャゴチャ言うな”と異論を封じ込めているわけである。
法政大教授の山口二郎氏はこう言う。
「本来、モノ不足という国民の不安に向き合うのが役割なのに、高市政権は『石油供給はメドがついた』『ナフサは足りている』と大本営発表のように垂れ流し、危機そのものをなかったことにしています。これを大手メディアがトップで扱うものだから、政府が課題にキチンと取り組んでいるように映り、結果、世間は『文句を言う方が間違っている』という空気です。高市首相の『足りている』発言は、まるで戦時中の日本で生まれた標語『足らぬ足らぬは工夫が足らぬ』にソックリ。タレントのタモリが数年前に『新しい戦前』と言い話題になりましたが、まさにその通りになっていると思います」
高市暴走を野放しにしていると、トンデモないことになる。
巨大な「ガリバー」自民に多弱野党の「小人」たちは戦意喪失

すっかり“ゆ党”第1党(C)日刊ゲンダイ
ところが、肝心の野党が情けない。高市政権に徹底的に立ち向かうべきなのに、まるで腰が抜けている。象徴的だったのが、20日の党首討論だ。
最初に質問に立ったのは、国民民主党の玉木代表。開口一番「総理、韓国お疲れさまでした。素晴らしい外交成果だと思います」と、首脳会談を終えて韓国から戻ったばかりの高市をヨイショしてみせた。補正予算案の編成方針を聞くと、高市はサナエ・スマイル全開で「具体的な内容についてはまだ申し上げる段階にはないが、玉木代表と同じように国民生活を守る」と答弁。まるで、予定調和の与党議員の質問のようだった。
玉木国民を巡っては、今や自民党内から「連立」論が上がるほど。それを意識したのか、玉木は露骨に秋波を送った格好だ。すっかり“ゆ党”第1党の風情である。
続いたのは、鋭く、熱のこもった追及が持ち味の中道の小川代表。厳しく問い詰めるのかと思いきや、やはり冒頭で「総理、お帰りなさい。先ほどまで韓国におられて、気が付いたら委員会室におられる」「敬意を表したいと思います」とにこやかだった。
その後、政府が補正予算案の編成に入ったことについて「指示が若干遅れたのではないかと感じているが、その点について認識を」と、奥歯にものが挟まったような言い回しで質問を展開。さすがに追及姿勢は崩さなかったが、高市に屁理屈をこねられ逃げられてしまった。
その後、中道への合流話が進んでいない参院の立憲民主、公明両党の水岡、竹谷両代表が質問に立ったが、やっぱりヘラヘラと笑みを浮かべ冒頭で「お疲れさまです」と高市をねぎらってみせた。
結局、1人当たりの質問時間が短かったこともあり、いずれも迫力不足。「表現の自由」を脅かしかねない国旗損壊罪の制定、国民監視の懸念がある国家情報局の創設、改憲など、高市が「果敢に挑戦する」と胸を張った「国論を二分する政策」には切り込まなかった。
彼らは、やりたい放題の高市暴政に怒りが込み上げないのか。「このままじゃ日本が終わる」と危機感を抱いてもいないのか。猫なで声ですり寄る野党では、高市は余裕で暴政を続けるだろう。媚びるだけの連中に、多くの国民が絶望したのではないか。
中道という“建物”を一度“更地”にすべき
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)が言う。
「衆院選で大敗し、野党は軒並み支持率が1ケタ台に低迷し、自信を失っているのでしょう。どういう立ち位置を取ればいいかも分からないから、質問もハッキリしない。しかし、追及が甘くなれば、国会による政府のチェック機能が働かなくなってしまう。高市首相はやりたい放題です。支持率が低くても、国民の負託を得ているのですから、厳しく対峙すべき。でなければ、存在感が薄れ、一層低迷しかねません」
オロオロしている場合ではないはずだ。旧民主党や立憲の政策アドバイザーも務めてきた前出の山口二郎氏が言う。
「今の与野党の状況は、まるで『ガリバーと小人たち』。多弱野党の小人たちは最初から諦めていて戦う気がなく、党首討論は緊張感ゼロでした。ただ、自民が失敗した時に政権を担う軸となる政党は必要です。今の中道が軸になれるかというと、楽観視できません。必要なことは、選挙直前に急につくった中道という“建物”を一度、“更地”にすること。その上で、立憲系と公明系は互いの政策で生かす部分と変える部分を精査。基本的な政策の柱を立て『どう日本を運営していくのか』を明確にすべきです。相違点が全体の3分の1くらいはあるけど、重なる部分は3分の2くらいある。国民政党になるには、こうしたまとまりをつくるしかないでしょう。現執行部からはそうした努力は伝わってきません」
このままだと、不利益を被るのは国民ということを忘れてはならない。
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