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〈ぎろんの森〉言わねばならないこと、今も
2026年5月23日 07時08分 会員限定記事 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/490079?rct=discussion
東京新聞朝刊で「言わねばならないこと」が4月から随時連載されています。大国の「力」が国際秩序を崩す中、未来へ希望をつなぐ知恵はどこにあるのか、多くの人の言葉から考える趣旨です。
特定秘密保護法や安全保障関連法の成立を強行した安倍晋三政権当時の2013年12月から5年間、100回以上にわたり、さまざまな分野の皆さんの言葉を伝えた連載企画の続編に当たります。
「言わねばならないこと」は、本紙を発行する中日新聞社の前身の一つ「新愛知」新聞などで主筆を務め、藩閥や軍部、時の権力を痛烈に批判し続けた桐生悠々(1873〜1941年)が残した言葉にちなみます。
悠々は個人誌「他山の石」で、「言いたいこと」と「言わねばならないこと」とを区別すべきだとして、「言いたいことを言うのは、権利の行使」だが「言わねばならないことを言うのは義務の履行」であり、「義務の履行は多くの場合、犠牲を伴う」と書き記しています。
「言わねばならないこと」は、後輩である私たち新聞記者に言論人の心得を説き、奮い立たせる、心のよりどころとなる言葉でもあります。
東京新聞が社説「言わねばならないこと」を掲載したのは2012年9月9日。悠々の命日前日です。当時は野田佳彦首相の民主党政権でしたが、自民党からの政権交代を望んだ多くの有権者を裏切ることが相次いでいました。
消費税増税方針が決まり、衆院の「1票の不平等」は是正されず、原発を維持する選択肢が残り、事故が頻発していた米軍輸送機オスプレイを「世界一危険」とされた沖縄の米海兵隊普天間飛行場に配備する…。これら問題の指摘は、本紙には「言わねばならないこと」だったのです。
今も「言わねばならないこと」はあふれています。
立法事実を欠き、権力を縛る憲法の本質からも外れた改憲論や、憲法に基づく専守防衛を逸脱する防衛力の強化、冤罪(えんざい)が起きる可能性を残した「再審法」改正案、大国による国際法無視や人道危機に対する国際社会の無関心など挙げれば切りがありません。
本紙社説は「言わねばならないこと」を書き続けます。読者とともに考え、問題解決の糸口をつかむきっかけとなれば、と考えます。 (と)
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