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https://mainichi.jp/articles/20260527/k00/00m/040/234000c
政府・自民党が「憲法は時代の変化、社会の変化に合わせて更新するべきだ」と言うなら、男女平等をはじめ「平等の原則」が当たり前になった現代の日本社会の常識に合わせて、憲法の理念、すなわち「平等の原則」に唯一矛盾する憲法第1条こそ見直し、矛盾を解消すべきだろう。
そもそも、憲法上の制度としての「象徴天皇制」を「一家族の世襲」で維持するという発想に無理があることは自明だ。
しかも、皇室典範にあるように、
「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」
となってしまえば、側室制度が廃止された現在では、いつの日か皇位継承が破綻するのは確実で、持続可能な制度とはなり得ない。
そして当然の様に、今になって「安定的な皇位継承」が不安視され、国民の生活に優先するがごとき「喫緊の課題」と騒がれ、国会で貴重な時間を浪費している・・・、
と思っていたら、とんでもない。
いつの間にか、「皇族数確保策」が議論さていたというから・・・唖然とするしかない。
「安定的な皇位継承」という喫緊の課題が、「皇族数確保」という不要不急の課題に「すり替え」られてしまっているということになる。
このことは、今は「皇位継承」の議論を避けたい一定の勢力の存在を窺わせる。
何故、直接「皇位継承」の問題に取り組めないのか。
何故だ?
以下に記事の全文を転載する。
安定的な皇位継承に向けた皇族数確保策を巡り、衆参正副議長の4者が27日、衆院議長公邸で会談した。関係者によると、森英介衆院議長(自民党)は「立法府の総意」について草案を提示した。4者は来週にも改めて会談する見通しで、各党会派が参加する皇族数確保に関する全体会議での議長案の提示は6月にずれ込むことが確実となった。
森氏と石井啓一衆院副議長(中道改革連合)、参院の関口昌一議長(自民)と福山哲郎副議長(立憲民主党)の4氏が参加した。非公開で行われた協議では、森氏が草案を示し、いくつか質問が出るなどのやりとりがあったが結論には至らず、引き続き協議することを確認した。
15日にあった前回の全体会議で森氏は、速やかに次回会合を開いて各党会派に案を提示し、今国会中の皇室典範改正を目指す姿勢を示している。広範な支持が得られるとりまとめを示せるかが焦点となっている。
皇族数確保策について、政府の有識者会議は@女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持A旧宮家出身の男系男子を養子縁組で皇族とする――の2案を示し、国会で検討をしてきた。@については各党が大筋で一致している。一方、中道は結婚した女性皇族の夫や子への身分付与を皇室典範改正時の付則の検討条項に盛り込むことを求めているが、自民は否定的な見解を示している。Aは自民が「第一優先」とするが中道は「制度化することも考えられる」とし、立憲は「極めて慎重な検討が必要」としている。【富美月、森口沙織】
記事の転載はここまで。
記事の冒頭に言う。
「安定的な皇位継承に向けた皇族数確保策・・・」
と。
その「皇族数確保策」として俎上に乗っているのは、
@女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持
A旧宮家出身の男系男子を養子縁組で皇族とする
――の2案
この2案が果たして「安定的な皇位継承」に向かっているだろうか。
@女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案。
これまで、女性皇族が婚姻することで減ってきた皇族数は減ることはなくなるが、ただそれだけのことではないか。
女性天皇、女系天皇を否定する現在の皇室典範の下では、「安定的な皇位継承」とは何の関わりも持たない、蛇足というものだろう。
むしろ、「象徴天皇制」という憲法上の制度を維持するために、意味もなく皇族を無制限に増やすだけであり、制度の維持のための負担増を国民に強いるものでしかない。
A旧宮家出身の男系男子を養子縁組で皇族とする案。
旧宮家と云ったところで、戦後80年もの間、3世代、4世代にわたって「一般国民」として暮らしてきた人たちだ。
今では、その辺の「オッサン」であり、「おばさん」であり、「兄ちゃん」「姉ちゃん」となんら変わりはない。
すなわち、そんな人たちが触れてきた伝統・文化は、仰々しい皇族のそれとは無縁の、日本の主権者の一人ひとりと変わるところはない。
旧宮家といった「忘れ去られていた門地」を根拠に、特権階級を乱造する装置にしかなり得ない。
ならば、「オラにやらせろ」「オラを皇族にしてくれ」だ。
余りの評判の悪さに、必要があれば「一定年数ごと」に見直すとの検討条項に言及する方向だとか。
すなわち、場当たり的であり、制度と云えるものに非ず。
今、天皇と天皇家が国民の間に一定の尊敬を集めているのは、その血筋が故ではなく、天皇家の代々受け継いできた独特の文化、伝統があればこそではないのか。
これは個人的な感想だが、その独特の文化、伝統の継承を願って、皇位の「世襲」に納得している人が多いのではないか。
そう考えたとき、「忘れ去られた門地」だけで、「明日から皇族になりますのでよろしく」と言われても・・・「ハァ?」だろ。
「何でお前が」と聞かれて「血筋」ですと答える勇気はないだろう。
今時、馬鹿にされるだけだ。
そのことは、これまでの「天皇家の代々受け継いできた独特の文化、伝統」と「その伝承」に唾するものであり、国民の同意を得ることは到底できない。
結論を言えば、
何れの案も、「安定的な皇位継承」には全く寄与しない。
稚拙な弥縫策によって、国民が天皇、天皇家、そして皇族に抱いていたイメージは一変し、権力の都合で「創られたもの」との印象ばかりが強くなって、二度と元に戻らなくなるのは必定。
まさに
「角を矯めて牛を殺す」
の愚策。
悪くすれば、国民の総意に基づく「象徴天皇制」という憲法上の制度そのものを壊す危険すら孕んでいると言えよう。
そうなったとき取り返しはつかない。
それは「立法府の総意」ではないだろう。
当然「国民の総意」に非ず。
そして、「安定的な皇位継承」を課題とすれば、答えは自ずと違ってくる。
すなわち必然的に「女性天皇、女系天皇の可能性」をも検討課題としなければならない。
穿った見方をすれば、今は「皇位継承」の議論を避けたい思惑の最大の理由がこれではないか・・・。
しかし、皇位が国民の総意に基づくとしている以上、8〜9割の人が「女性天皇、女系天皇もあっていいと」する世論調査の結果を無視することはできない。
「安定的な皇位継承」という課題が、「皇族数確保」という課題に「すり替え」られてしまっているいまの国会の様は、一部の人間の思惑で日本の政治が歪められているほんの一例ではないか。
厳しく糾弾されなければならない。
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