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<社説>地位協定議連発足へ 改定に向け全国で機運を
2026年06月08日 04:00 琉球新報
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-5298115.html
石破茂前首相の主導で、日米地位協定の改定に向けた議論をする超党派の議員連盟が、早ければ今夏にも発足することになった。
国政の場で、地位協定の改定に取り組もうという動きがあることは、評価できる。実際に改定への道筋をつける実行力が求められる。基地から派生する事件・事故の温床である地位協定の抜本改定に向けた国会審議、日米両政府への働きかけ、世論喚起を求めたい。
同議連は地位協定の課題を洗い出し、改定が必要な条文などについて議論する。石破氏が最高顧問に就き、会長には閣僚経験者が就任する見通しで、参院議員の伊勢崎賢治氏(れいわ)が事務局を担う予定だ。
石破氏は、地位協定の改定に以前から意欲を示してきた。首相に就任した2024年10月の党首討論では、地位協定の改定について「必ず実現したい」と述べている。
その際、防衛庁長官時代の04年に起きた沖縄国際大学のヘリ事故を振り返り、米軍により県警の捜査が阻まれた事態を「こんなのは主権独立国家のやることではない」と述べ、地位協定の在り方を批判した。同月の衆院選に際し、自民党は政権公約に「日米地位協定のあるべき姿を目指す」と掲げた。
しかし、石破首相はその後、態度を後退させ、地位協定改正で積極的な発言を控えてきたという経緯がある。
課題は多い。超党派の取り組みとして、どれだけの広がりをつくることができるのか。「米国ファースト」のトランプ政権を相手に改定を実現することの難しさを指摘する声もある。
1995年10月の県民総決起大会以来、地位協定の改定は県民的要求であり続けている。在日米軍基地所在地でつくる渉外知事会も改定を重ねて求めてきた。それが実現しないのはなぜなのか。防衛、外務両省が改定に慎重もしくは消極的ならば、それを打開しなければならない。
在日米軍に特権を認める日米地位協定は1960年の締結以来、一度も改定されていない。米軍関係の事件や事故が起きるたび、県内から改定を求める声が上がるが、日米両政府の対応は運用の改善や補足協定の締結にとどまっている。
基地を巡る数々の問題を考えると、現状の運用改善では不十分だ。
ドイツやイタリアなど多くの国では、駐留する米軍に原則国内法を適用している。在日米軍に特権を与えている日本は「国際的にもゆがんだ状況にある」と識者は指摘している。
地位協定の問題は沖縄だけの問題ではない。安全保障の根幹にかかわる全国の問題だ。国民の関心を高め、国政の場で改定への機運を高めていくことが求められる。県選出・出身の国会議員は所属政党にかかわらず全員が議連に加わるべきだ。
議連の動きについて、高市早苗首相に対抗する政局的な動きだとの見方もある。単なる政局絡みの一時的な動きに終わらせてはいけない。
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