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<2>罪悪感  
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投稿者 エンセン 日時 2003 年 10 月 07 日 09:21:10:ieVyGVASbNhvI

(回答先: 12歳の実像 <1>衝動  投稿者 エンセン 日時 2003 年 10 月 07 日 09:18:53)

 
罪悪感     「カメラに写らなければ…」

 「あそこのカメラにさえ写らなければバレなかったのに。カメラが取り付けられたの知ってたんだよね。本当に失敗した」。児童自立支援施設への送致が決まった少年は、長崎家裁に送致された後、早口で事件をこう振り返った。

 「あそこ」とは、殺害現場に近い繁華街のアーケード。防犯カメラに姿が写っていたことが、少年を特定する決め手になった。少年は”ミス”を悔やむことはあっても、尊い命を奪った罪悪感や反省の言葉を口にすることはなかった。

 七月一日夜、高層マンションやホテルが林立する長崎市万才町の立体駐車場の屋上。ビルから届く薄明かりの中、少年は誘拐した男児(4つ)に声を掛けた。「裸になるとお父さんが来ると思うよ」

 少年ははさみを手にしていた。自宅近くの店で、店員に「切れるやつを」と尋ねて購入した。体を傷つけられた男児は泣き叫んだ。少年に動揺はなかったが、屋上を逃げ惑う男児を追い掛けているうち、防犯カメラが目に留まった。「見られている」。少年はパニックに陥った。

 とっさに泣きわめく男児を後ろから抱き上げ、手すり越しに約二十メートル下に投げ落とした。

 長崎家裁は二十九日に決定した少年への処分で、殺害の動機を「逃走の邪魔になると考えた」と結論付けた。ちょっとした外的刺激でパニック状態に陥り、衝動的行動を取る―ことも指摘した。

 少年には視線に対する不安と恐怖がある。普段から目を見て相手と話すことができない。対人関係やコミュニケーション能力に欠ける発達障害に起因していると考えられるが、治療の経験はなかった。いつも他人の視線を気にし、防犯カメラには異常に反応した。

 事件前の今年五月、少年は自分が住むマンションのエレベーター内に取り付けられた防犯カメラに気付いた。カメラをにらみ「こがんとば付けとっばい(こんなのを付けてる)」とつぶやいた。乗り合わせた主婦は少年の異様な視線に怖くなり、逃げ出すようにエレベーターを降りた。

 家裁送致後、少年はこうも述べた。「もしバレなかったら、今ごろ夏休みで楽しいことができたのに」

 少年に接した関係者は、感情が読めない表情や態度に戸惑う。「あまりに冷静で本当にぞっとした」、別の関係者は「相手に共感する気持ちや心の葛藤(かっとう)がないのかもしれない」と証言する。「温厚な優等生」「普通の子」とも評される少年。言葉の端々に、別の「素顔」が表出する。

2003年10月1日長崎新聞掲載

http://www.nagasaki-np.co.jp/press/yuusatu/kikaku2/02.html

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