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[医療崩壊6] コロナワクチン「受けたくない」と新谷 副作用を懸念 陸上五輪代表会見(東京新聞) 蒲田の富士山
5. 2020年12月09日 21:17:29 : p0JH7oo4zA : dGlnbWdtY0NsY3M=[1]
インドの研究者の方たちが1月末に投稿した論文( Uncanny similarity of unique inserts in the 2019-nCoV spike protein to HIV-1 gp120 and Gag )を投稿サイト(https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.01.30.927871v1.full)で見ました。それを試みに翻訳してみました。

翻訳にあまり自信がありません。特に、insertとある部分を遺伝子配列と読み替えた部分が正しいのかどうか、コメントを頂けるとありがたく思います。


Uncanny similarity of unique inserts in the 2019-nCoV spike protein to HIV-1 gp120 and Gag
2019年新型コロナウィルスのスパイクタンパクに存在する特徴的な4箇所の組込におけるエイズウィルスのgp120及びgagとのとても不可思議な共通性

(*著者の氏名などが載っている部分で省略)

Abstract:
要約:
We are currently witnessing a major epidemic caused by the 2019 novel coronavirus (2019- nCoV).
現在、2019年新型コロナウィルスによって引き起こされている大規模な感染拡大が起こってることを我々はまじかに目撃している。
The evolution of 2019-nCoV remains elusive.
2019年新型コロナウィルスの進化過程ははっきりしていない。
We found 4 insertions in the spike glycoprotein (S) which are unique to the 2019-nCoV and are not present in other coronaviruses.
我々は、新型コロナウィルスの表面タンパクであるスパイク糖たんぱくに新型コロナ特有の4箇所の組み込みを発見した。これ等4つの組み込みは他のコロナウィルスには存在しない。
Importantly, amino acid residues in all the 4 inserts have identity or similarity to those in the HIV-1 gp120 or HIV-1 Gag.
問題は、これら4箇所の組み込み全てで、アミノ酸残基がエイズウィルスのgp120及びgagと全く同一あるいは類似であることだ。
Interestingly, despite the inserts being discontinuous on the primary amino acid sequence, 3D-modelling of the 2019-nCoV suggests that they converge to constitute the receptor binding site.
興味深いことに、これ等の4箇所の組込は、新型コロナウィルスのアミノ酸基配列全体から見て、不連続に分布しているのにもかかわらず、2019年新型コロナウィルス(の遺伝子)の立体モデルで見ると、これらの組込が全体として人間の細胞へ架橋を作る働きがあるように見える。

(*訳注:discontinuousについて注意が必要だと思います。例えば、「机」という単語と「上」という単語は、「机の上に」のように関連性がかなりあると思えます。しかし、「机」と「鉛直に」はほとんど一緒に使われることはなく、その意味で関連性は薄いでしょう。同じように、2019年新型コロナウィルスに発見されたこの4箇所について、バラバラな位置にあるため、関連性がないとしているわけですが、同時に、これ等の4つの組込により、人間の細胞へ架橋を作る働きがあるように見えるわけで、これ等4つの組込が全体として一定の役割を持ったものだと考えられるとこの論文の著者たちは言っているのだと思います。バラバラな位置にあるものが、全体として一定の意味を持つことは、単に偶然にこれ等の組込が発生したとは考えにくいということでもあるはずです。)

The finding of 4 unique inserts in the 2019-nCoV, all of which have identity /similarity to amino acid residues in key structural proteins of HIV-1 is unlikely to be fortuitous in nature.
2019年新型コロナウィルスに発見されたこの4箇所の特有な組み込みは、全てエイズウィルスの構造タンパクの中心的なものと同じアミノ酸残基を持っているが、このことは、自然界で偶然に起こるとは思えない。
This work provides yet unknown insights on 2019-nCoV and sheds light on the evolution and pathogenicity of this virus with important implications for diagnosis of this virus.
この論文は、未解明である新型コロナの進化過程と病原性に対して光を当てるとともに、このウィルスの診断に役立つ重要なヒントを提供することを目的としている。

Introduction
導入部:
Coronaviruses (CoV) are single-stranded positive-sense RNA viruses that infect animals and humans.
コロナウィルスは一本鎖プラス鎖RNAウィルスで、動物及び人間に感染するものです。
These are classified into 4 genera based on their host specificity: Alphacoronavirus, Betacoronavirus, Deltacoronavirus and Gammacoronavirus (Snijder et al., 2006).
これらは感染相手の特徴によって、アルファ、ベータ、デルタ、及びガンマの4つのコロナウィルスグループに分類されています。
There are seven known types of CoVs that includes 229E and NL63 (Genus Alphacoronavirus), OC43, HKU1, MERS and SARS (Genus Betacoronavirus).
アルファグループとして229E と NL63、ベータグループとしてOC43、 HKU1、 MERS そして SARSを含む7つの型があります。
While 229E, NL63, OC43, and HKU1 commonly infect humans, the SARS and MERS outbreak in 2002 and 2012 respectively occurred when the virus crossed-over from animals to humans causing significant mortality (J. Chan et al., n.d.; J. F. W. Chan et al., 2015).
229E、 NL63、 OC43、そして HKU1は普通に人間間で感染するのに対し、サーズ、マーズは、2002年及び2012年にそれぞれ感染爆発があり、動物から人間への感染が起こったものでした。結果として、非常に高い死亡率を伴うものでした(J. Chan等参照:2015)。
In December 2019, another outbreak of coronavirus was reported from Wuhan, China that also transmitted from animals to humans.
2019年12月、中国の武漢から別の感染爆発が起こったことが報告されました。これも動物から人間への感染が起こったものです。
This new virus has been temporarily termed as 2019-novel Coronavirus (2019-nCoV) by the World Health Organization (WHO) (J. F.-W. Chan et al., 2020; Zhu et al., 2020).
この新しいウィルスは、暫定的に、2019新型コロナウィルスとWHOによって命名されました(J. F.-W. Chan等参照:2020、Zhu等参照:2020)。
While there are several hypotheses about the origin of 2019-nCoV, the source of this ongoing outbreak remains elusive.
幾つかの仮説が2019年新型コロナウィルスの発生源に関して唱えられていますが、現在進行中の感染拡大のこのウィルスの発生源ははっきりしないままです。
The transmission patterns of 2019-nCoV is similar to patterns of transmission documented in the previous outbreaks including by bodily or aerosol contact with persons infected with the virus.
2019年新型コロナの感染のパターンは、以前の感染爆発の際に観察された感染パターンと共通性があり、すでに感染した人との身体的接触とエアロゾルによる感染です。
Cases of mild to severe illness, and death from the infection have been reported from Wuhan.
この感染によって起こった軽症、重症、そして死亡した事例が武漢から報告されて来ています。
This outbreak has spread rapidly distant nations including France, Australia and USA among others.
この感染爆発は、フランスやオーストラリア、そして、アメリカを含んだ遠隔地の国々も急速に広がっています。
The number of cases within and outside China are increasing steeply.
中国国内だけでなく国外でも感染事例は急激に増加しています。
Our current understanding is limited to the virus genome sequences and modest epidemiological and clinical data.
現在のところ分かっていることは、ウィルスの遺伝子の並びであり、疫学的・臨床的に初歩的なデータに限られてしまっています。
Comprehensive analysis of the available 2019- nCoV sequences may provide important clues that may help advance our current understanding to manage the ongoing outbreak.
既に入手可能な2019年新型コロナウィルスの遺伝子配列を包括的に分析することによって、重要な手がかりを提供し、現在進行中の感染拡大をどうやって制御するかについての理解を深めることが出来るはずです。
The spike glycoprotein (S) of cornonavirus is cleaved into two subunits (S1 and S2).
コロナウィルスのスパイク糖たんぱく質(表面タンパク)は二つの部品(S1とS2)に区分けされます。
The S1 subunit helps in receptor binding and the S2 subunit facilitates membrane fusion (Bosch et al., 2003; Li, 2016).
S1は人間の細胞に架橋を作る働きがあり、S2はウィルスが人間の細胞内に入り込むことを可能にします(Bosch等参照:2003、Li参照:2016)。
The spike glycoproteins of coronoviruses are important determinants of tissue tropism and host range.
コロナウィルスのスパイク糖タンパクは、感染する相手の範囲を限定し、どのような細胞組織に感染するかを決定する重要な要素です。
In addition the spike glycoproteins are critical targets for vaccine development (Du et al., 2013).
更に、スパイク糖タンパクはワクチン開発においてとても重要な研究対象です(Du等参照:2013)。
For this reason, the spike proteins represent the most extensively studied among coronaviruses.
そのため、スパイクタンパクはコロナウィルスにおいて、最も研究が盛んにされているのです。
We therefore sought to investigate the spike glycoprotein of the 2019-nCoV to understand its evolution, novel features sequence and structural features using computational tools.
我々は、そのため、2019年コロナウィルスのスパイク糖タンパクの研究をし、その進化過程、新たな遺伝子配列、構造特性をコンピュータを使って理解しようとしました。

Methodology
方法論:
Retrieval and alignment of nucleic acid and protein sequences
核酸とタンパクの遺伝子配列の検索・比較対象
We retrieved all the available coronavirus sequences (n=55) from NCBI viral genome database (https://www.ncbi.nlm.nih.gov/) and we used the GISAID (Elbe & Buckland-Merrett, 2017)[https://www.gisaid.org/] to retrieve all available full-length sequences (n=28) of 2019-nCoV as on 27 Jan 2020.
我々は、2020年1月27日現在で、NCBIウィルスゲノムデータベースから現在入手可能なコロナウィルスの遺伝子配列55種類と、 GISAIDから現在入手可能な2019年新型コロナウィルス28種類のそれぞれのウィルスの完全長遺伝子配列を研究しました。
(*訳注:旧来のコロナウィルスはNCBIというデータベースから55種類を、新型コロナはGISAIDというデータベースから遺伝子配列データ28種類を入手しました。)
Multiple sequence alignment of all coronavirus genomes was performed by using MUSCLE software (Edgar, 2004) based on neighbour joining method.
neighbour joiningという方法に基づき、MUSCLEというソフト(Edgar参照:2004)で、遺伝子配列の並びの比較検討を行いました。
Out of 55 coronavirus genome 32 representative genomes of all category were used for phylogenetic tree development using MEGAX software (Kumar et al., 2018).
55のコロナウィルスから取った32の代表的な遺伝子配列に基づいて、発生系統樹がMEGAXというソフト(Kumar等参照:2018)で作成されました。
The closest relative was found to be SARS CoV.
この系統樹から2019年新型コロナに最も近い種類はサーズコロナウィルスであることが分かりました。
The glycoprotein region of SARS CoV and 2019-nCoV were aligned and visualized using Multalin software (Corpet, 1988).
Multalinというソフト(Corpet参照:1988)を使って、サーズコロナウィルスと2019年新型コロナウィルスの糖タンパク区域が比較対照され、可視化されました。
The identified amino acid and nucleotide sequence were aligned with whole viral genome database using BLASTp and BLASTn.
BLASTp 及び BLASTnを使って、エイズウィルスと同一と確認されたアミノ酸及びヌクレオチドの遺伝子配列について、全ウィルスゲノムデータベースとの比較を行いました。
The conservation of the nucleotide and amino acid motifs in 28 clinical variants of 2019-nCoV genome were presented by performing multiple sequence alignment using MEGAX software.
MEGAXというソフトを使うことで、アミノ酸とヌクレオチドの意味のある配列が2019新型コロナウィルスの28の臨床変異株の全てで同一であることが示されました。
The three dimensional structure of 2019-nCoV glycoprotein was generated by using SWISS-MODEL online server (Biasini et al., 2014) and the structure was marked and visualized by using PyMol (DeLano, 2002).
SWISS-MODELのオンラインサーバ(Biasini等参照:2014)を使って、2019年新型コロナの糖タンパクの三次元構造が求められ、 PyMol (DeLano参照:2002)を使って、その構造が可視化されました。

Results
結果:
Uncanny similarity of novel inserts in the 2019-nCoV spike protein to HIV-1 gp120 and Gag
2019新型コロナウィルスのスパイクタンパクにある新規の遺伝子組み込みとエイズウィルスにあるgp120とgagに見られる不可思議な同一性

Our phylogentic tree of full-length coronaviruses suggests that 2019-nCoV is closely related to SARS CoV [Fig1].
全コロナウィルス科について我々が作成した発生系統樹を見ると、2019年新型コロナウィルスはサーズコロナウィルスと近い関係であることが分かりる。(図1参照)
(*訳注:図1はサーズやマーズを含んだ、いろいろなコロナウィルスがどのような関係になっているかを示す発生系統図。スズメコロナウィルスとか、フェレットコロナウィルスなども含まれている。全部で32種類のコロナウィルスの系統図になっている。武漢の海鮮市場で見つかったウィルスとサーズが隣り合っていて、その上にコウモリのウィルスがつながっている。マーズはベータコロナウィルスのEngland1と結びついている。)
In addition, other recent studies have linked the 2019-nCoV to SARS CoV.
更に、最近の他の研究者による研究によって2019年新型コロナウィルスはサーズコロナウィルスと関連性があることが明らかになっています。
We therefore compared the spike glycoprotein sequences of the 2019-nCoV to that of the SARS CoV (NCBI Accession number: AY390556.1).
そのため、我々は2019年新型コロナウィルスの糖タンパク遺伝子配列とサーズコロナウィルスのそれ(NCBIのアセッションナンバー: AY390556.1)とを比較解析しました。
(*訳注:アセッションナンバーとは、遺伝子データベースでの登録ナンバーのようなもの)
On careful examination of the sequence alignment we found that the 2019- nCoV spike glycoprotein contains 4 insertions [Fig.2].
遺伝子配列を注意深く検討した結果、2019年新型コロナウィルスのスパイク糖タンパクには、4箇所の遺伝子組み込みがあることが分かりました。(図2参照)
To further investigate if these inserts are present in any other corona virus, we performed a multiple sequence alignment of the spike glycoprotein amino acid sequences of all available coronaviruses (n=55) [refer Table S.File1] in NCBI refseq (ncbi.nlm.nih.gov) this includes one sequence of 2019-nCoV[Fig.S1].
これ等の(2019年新型コロナウィルスに見つかった)遺伝子組み込みが他のコロナウィルスにあるかどうかを見るため、入手可能であった55種類のコロナウィルスの糖タンパクアミノ酸配列の比較検討を行いました。これ等はNCBIにあったもので、2019年新型コロナの遺伝子配列を含んでいます。(図S1参照)
(*訳注:図S1には、最上段に2019年新型コロナの遺伝子配列から取った4箇所の組み込み部分があり、その下に、その組み込み部分に該当する他の54種類のコロナウィルス科の遺伝子配列が記載されています。例えば、1番目のNC_045512は2019年新型コロナウィルスで、52番目のNC_003045.1は牛コロナウィルス(bovine corona virus)であることがネットで検索すると分かります。)

We found that these 4 insertions [inserts 1, 2, 3 and 4] are unique to 2019-nCoV and are not present in other coronaviruses analyzed.
これら4箇所の遺伝子組み込みは2019年新型コロナ特有なものであり、分析した他の(54種類の)コロナウィルスには存在しないことが分かりました。
Another group from China had documented three insertions comparing fewer spike glycoprotein sequences of coronaviruses.
中国からの別のあるグループ(Zhou及びその他の研究者)は3か所の遺伝子組み込みについて、より少ない数のコロナウィルス種のスパイク糖タンパクの遺伝子配列と比較した結果を報告しています。
Another group from China had documented three insertions comparing fewer spike glycoprotein sequences of coronaviruses (Zhou et al., 2020).
*訳注:この文章は直前の文章と、(Zhou et al., 2020)が異なるだけで、全く同じであり、タイプミスであると思われる。

Figure 1: Maximum likelihood genealogy show the evolution of 2019- nCoV: The evolutionary history was inferred by using the Maximum Likelihood method and JTT matrix-based model. The tree with the highest log likelihood (12458.88) is shown. Initial tree(s) for the heuristic search were obtained automatically by applying Neighbor-Join and BioNJ algorithms to a matrix of pairwise distances estimated using a JTT model, and then selecting the topology with superior log likelihood value.
This analysis involved 5 amino acid sequences. There were a total of 1387 positions in the final dataset. Evolutionary analyses were conducted in MEGA X.
図1:2019年新型コロナウィルスの進化を示した最大近似系統図:Maximum Likelihood methodとJTT matrix-based modelを使って、進化の過程を推定した。最尤度12458.88の系統図が示されている。ヒューリステックサーチの対象となった元の系統樹は、Neighbor-Join and BioNJ algorithmsをJTT modelを使って評価した2者間の距離の行列式へ当てはめ、次に、より尤度の高い配列を選ぶことで自動的に得られた。この分析は、5個のアミノ酸基配列に対してのもので、全体で1387の配列位置が最終的なデータセットには存在した。系統発生分析はMEGA Xで行った。

Figure 2: Multiple sequence alignment between spike proteins of 2019-nCoV and SARS. The sequences of spike proteins of 2019-nCoV (Wuhan-HU-1, Accession NC_045512) and of SARS CoV (GZ02, Accession AY390556) were aligned using MultiAlin software. The sites of difference are highlighted in boxes.
図2:2019年新型コロナとサーズのスパイクタンパクの遺伝子配列の比較。2019年新型コロナ(武漢 HU-1,アセッションナンバーNC_045512)とサーズコロナウィルス(GZ02, アセッションナンバー AY390556)のスパイクタンパクの遺伝子配列をMultiAlin softwareを使って比較対照した。相違する区域を箱型で示してある。


We then analyzed all available full-length sequences (n=28) of 2019-nCoV in GISAID (Elbe & Buckland-Merrett, 2017) as on January 27, 2020 for the presence of these inserts.
次に、我々は、2020年1月27日現在、GISAID (Elbe & Buckland-Merrett, 2017)で利用可能であった28の変異型で、2019年新型コロナウィルスの完全長遺伝子配列の分析を行い、これら遺伝子組み込みの存在を確認しました。
(*訳注:つまり、GISAIDというデータベースに2020年1月27日現在で登録されていた2019年新型コロナのウィルスが28あり、それらすべてに4箇所の組込があることを確認したということ。)

As most of these sequences are not annotated, we compared the nucleotide sequences of the spike glycoprotein of all available 2019-nCoV sequences using BLASTp.
これ等の遺伝子配列の大部分はまだ分類登録されていないため、利用可能な2019新型コロナウィルス変異型の遺伝子配列全てのスパイク糖タンパクのヌクレオチド配列を、BLASTpを使って比較しました。
Interestingly, all the 4 insertions were absolutely (100%) conserved in all the available 2019- nCoV sequences analyzed [Fig.S2, Fig.S3].
興味深いことに、4つ全ての遺伝子組み込みがこれ等の利用可能であった2019新型コロナウィルス変異型の遺伝子配列で、全く100%完全に同じ形で発見されました。(図S2及び図S3参照)

We then translated the aligned genome and found that these inserts are present in all Wuhan 2019-nCoV viruses except the 2019-nCoV virus of Bat as a host [Fig.S4].
我々は次に遺伝子配列を比較対象した結果、これ等の遺伝子組み込みが武漢で採取された2019新型コロナウィルス変異型全てで存在し、ただ一つの例外はコウモリに感染していた2019新型コロナウィルス変異型であったことが分かりました。

Intrigued by the 4 highly conserved inserts unique to 2019-nCoV we wanted to understand their origin.
2019新型コロナウィルス特有のこれら4箇所の遺伝子組み込みがあまりに普遍的にみられる為、我々はその遺伝子組み込みがどこから発生しているかを調べようと考えました。
For this purpose, we used the 2019-nCoV local alignment with each insert as query against all virus genomes and considered hits with 100% sequence coverage.
この目的の為に、2019年新型コロナウィルスにある組み込みそれぞれの遺伝子配列を検索キーワードとして、全てのウィルスの遺伝子との共通点があるかを調べ、100%完全に一致したものについて検討しました。
Surprisingly, each of the four inserts aligned with short segments of the Human immunodeficiency Virus-1 (HIV-1) proteins.
驚いたことに、これ等の4つの遺伝子組み込みそれぞれは、ヒト免疫不全ウィルス(HIV-1)タンパクの短い遺伝子部分と対応していました。
The amino acid positions of the inserts in 2019-nCoV and the corresponding residues in HIV-1 gp120 and HIV-1 Gag are shown in Table 1.
表1に、2019年新型コロナウィルスの組込部分にあるアミノ酸の位置と、それに対応するエイズ遺伝子のHIV-1及びGagに存在する残基を示します。
The first 3 inserts (insert 1,2 and 3) aligned to short segments of amino acid residues in HIV-1 gp120.
最初の3個の組込(組込1、2、及び3)はエイズ遺伝子の gp120のアミノ酸残基の短い切片と対応していました。
The insert 4 aligned to HIV-1 Gag.
組込4はエイズ遺伝子のgagと対応していました。
The insert 1 (6 amino acid residues) and insert 2 (6 amino acid residues) in the spike glycoprotein of 2019-nCoV are 100% identical to the residues mapped to HIV-1 gp120.
新型コロナウィルスのスパイク糖タンパクにある組込1(アミノ酸残基6個)及び組込2(アミノ酸残基6個)はエイズ遺伝子のgp120にある残基と100%一致しました。
The insert 3 (12 amino acid residues) in 2019- nCoV maps to HIV-1 gp120 with gaps [see Table1].
新型コロナウィルスの組込3(アミノ酸残基12個)はエイズ遺伝子のgp120から幾つかの欠落があるものと対応しています(表1を参照)。
The insert 4 (8 amino acid residues) maps to HIV-1 Gag with gaps.
組込4(アミノ酸残基8個)はエイズ遺伝子のgagから幾つかの欠落があるものと対応しています。
Although, the 4 inserts represent discontiguous short stretches of amino acids in spike glycoprotein of 2019-nCoV, the fact that all three of them share amino acid identity or similarity with HIV-1 gp120 and HIV-1 Gag (among all annotated virus proteins) suggests that this is not a random fortuitous finding.
この4つの組込は2019年新型コロナウィルスのスパイク糖タンパクにある互に関連性のないアミノ酸の短い断片であるにもかかわらず、これら3つの組込全部が、エイズウィルスのgp120及びgagと同一または近似なアミノ酸を共有している事実は、(これら全てが有意な断片として認識されているウィルスタンパクであることを考慮すると)ランダムに起こった偶然の産物ではないことを示しています。
(*訳注:all three of themとなっていますが、前後の文脈から考えるとall four of themが正しいのかも知れません。)
In other words, one may sporadically expect a fortuitous match for a stretch of 6-12 contiguous amino acid residues in an unrelated protein.
別の表現をすれば、連続した6個から12個のアミノ酸残基が、無関係のタンパクにおいて偶然に一致することはあり得ることです。
However, it is unlikely that all 4 inserts in the 2019-nCoV spike glycoprotein fortuitously match with 2 key structural proteins of an unrelated virus (HIV-1).
しかしながら、2019年新型コロナウィルスのスパイク糖タンパクにある4つの遺伝子組み込みが、(コロナウィルスではない)無関係なウィルスであるエイズウィルスの二種類の重要な構造タンパクと偶然に一致することはあり得ることではありません。
The amino acid residues of inserts 1, 2 and 3 of 2019-nCoV spike glycoprotein that mapped to HIV-1 were a part of the V4, V5 and V1 domains respectively in gp120 [Table 1].
2019年新型コロナウィルススパイク糖タンパクの組込1、2及び3のアミノ酸残基はエイズウィルスにも見つかり、gp120のV4、V5 及び V1部位にそれぞれ対応しています(表1参照)。
Since the 2019-nCoV inserts mapped to variable regions of HIV-1, they were not ubiquitous in HIV-1 gp120, but were limited to selected sequences of HIV-1 [ refer S.File1] primarily from Asia and Africa.
2019年新型コロナウィルスの組込はエイズウィルスの(ウィルスの感染相手を決める)可変領域にあるものと同じあるため、エイズウィルスのgp120の遺伝子配列全体にバラバラに見つかるものではありません。しかも、アジアやアフリカから見つかったエイズウィルスの特定の遺伝子配列に特有なものであるのです。(S.File1参照)
(*訳注: [ refer S.File1] とあるが、S.File1が見当たらない。bioRxivのサイトに載っているリンクからダウンロードした論文のPDFにはS.File1というものは含まれていない。Fig.S1なら存在する。なお、Fig.S1はコロナウィルス科に属するコロナウィルス55種類について、4つの組込部分について比較したもの。)
The HIV-1 Gag protein enables interaction of virus with negatively charged host surface (Murakami, 2008) and a high positive charge on the Gag protein is a key feature for the host-virus interaction.
エイズウィルスのgagタンパクによって感染相手の細胞表面にあるマイナス電荷との相互作用が可能になり(2008年村上 参照)、そして、gagタンパクの高いプラス電荷はウィルスとその感染相手の相互作用において決定的な役割を果たします。
On analyzing the pI values for each of the 4 inserts in 2019-nCoV and the corresponding stretches of amino acid residues from HIV-1 proteins we found that a) the pI values were very similar for each pair analyzed b) most of these pI values were 10±2 [Refer Table 1] .
2019年新型コロナウィルスの4つの遺伝子組み込み及びエイズウィルスにおける対応アミノ酸残基配列のそれぞれの等電点を分析したところ、a)対応する二つでの等電点がほぼ等しいこと、b)これらの等電点の分布範囲が10プラスマイナス2の範囲に収まっていることが分かりました(表1参照)。
Of note, despite the gaps in inserts 3 and 4 the pI values were comparable.
組込3及び4には欠落部分があるが、等電点はほぼ同じことに注意してください。
This uniformity in the pI values for all the 4 inserts merits further investigation.
これらの等電点における変動のなさは、これら4つの組み込み部分の今後の更なる分析に役立ちます。
As none of these 4 inserts are present in any other coronavirus, the genomic region encoding these inserts represent ideal candidates for designing primers that can distinguish 2019-nCoV from other coronaviruses.
これ等4つの組込は一つとして他のコロナウィルスには存在していないため、これ等の組込を表現している遺伝子配列は、2019年新型コロナウィルスを他のコロナウィルスから区別するためのプライマー設計に理想的な選択肢となります。


Table 1: Aligned sequences of 2019-nCoV and gp120 protein of HIV-1 with their positions in primary sequence of protein.
表1:タンパクの1次配列中における2019年新型コロナウィルス及びエイズウィルスのgp120タンパクの遺伝子配列を比較したもの
All the inserts have a high density of positively charged residues.
これ等の組み込み部分はどれもプラスに荷電した残基の塊を持っている。
The deleted fragments in insert 3 and 4 increase the positive charge to surface area ratio. *please see Supp. Table 1 for accession numbers
組込3と4の欠落した部分により、ウィルス表面に現れるプラス電荷の密度が高まっている。*参考資料の表1にアセッションナンバーがある。
(*訳注:Supp. Table 1 とあるが、Fig.S1のことである様子。)

The novel inserts are part of the receptor binding site of 2019-nCoV
他のコロナウィルスには見られない組込は2019年新型コロナウィルスの宿主細胞との結合部分を構成しています。

To get structural insights and to understand the role of these insertions in 2019-nCoV glycoprotein, we modelled its structure based on available structure of SARS spike glycoprotein (PDB: 6ACD.1.A).
2019年新型コロナウィルス糖たんぱくに存在しているこれ等の組込の役割を理解するために、既に決定しているサーズのスパイク糖タンパクの構造モデルに基づき、構造モデルを作成しました。
The comparison of the modelled structure reveals that although inserts 1,2 and 3 are at non-contiguous locations in the protein primary sequence, they fold to constitute the part of glycoprotein binding site that recognizes the host receptor (Kirchdoerfer et al., 2016) (Figure 4).
構造モデルの比較によって、組込1、2及び3はタンパクの1次配列の互いに関連性のない位置にあるにもかかわらず、宿主細胞のレセプターを認識するための糖タンパクによる架橋区域を構成していることが分かりました。(Kirchdoerfer等, 2016)(図4参照)

The insert 1 corresponds to the NTD (N-terminal domain) and the inserts 2 and 3 correspond to the CTD (C-terminal domain) of the S1 subunit in the 2019-nCoV spike glycoprotein.
2019年新型コロナウィルスのスパイク糖タンパクのS1 subunitにおいて、組込1はNTD (N-terminal domain)に相当し、組込2と3はCTD (C-terminal domain)に相当しています。
*訳注: S1 subunitとは、スパイクを構成する部分が大まかに二つに分かれ、その外側の部分を言う。外側の部分なので、感染相手の細胞との架橋を形成する。

The insert 4 is at the junction of the SD1 (sub domain 1) and SD2 (sub domain 2) of the S1 subunit (Ou et al., 2017).
組込4はS1 subunit における SD1(sub domain 1)と SD2 (sub domain 2)の結合部分に存在している(Ou 等, 2017)。
We speculate, that these insertions provide additional flexibility to the glycoprotein binding site by forming a hydrophilic loop in the protein structure that may facilitate or enhance virus-host interactions.
これらの組込によって親水性のループがタンパク構造に形成され、糖タンパクの結合サイトにより多くの柔軟性が発生したことがウィルスと宿主細胞との相互作用をより活発化する事に役立っていると思われます。


Figure 3. Modelled homo-trimer spike glycoprotein of 2019-nCoV virus.
The inserts from HIV envelop protein are shown with colored beads, present at the binding site of the protein.
図3 2019年新型コロナウィルスのスパイク糖タンパクのホモ3量体をモデル化したもの
エイズウィルスのエンベロープタンパクからの組込部分は色のついたビーズで表現され、タンパクの結合部に存在している。

Evolutionary Analysis of 2019-nCoV
2019年新型コロナウィルスの発生過程分析

It has been speculated that 2019-nCoV is a variant of Coronavirus derived from an animal source which got transmitted to humans.
2019年新型コロナウィルスは動物から人間への感染性を獲得したコロナウィルスの変異株であると考えられています。
Considering the change of specificity for host, we decided to study the sequences of spike glycoprotein (S protein) of the virus.
感染対象の変化があることから、ウィルスのスパイク糖タンパク(表面タンパク)の遺伝子配列の研究をすることを決定しました。

S proteins are surface proteins that help the virus in host recognition and attachment.
Sタンパクとは、表面タンパクであり、ウィルスが宿主細胞を認識、そこへ結合する役割を持っています。
Thus, a change in these proteins can be reflected as a change of host specificity of the virus.
つまり、これ等のタンパクが変化することで、ウィルスの宿主細胞が異なったものになります。
To know the alterations in S protein gene of 2019-nCoV and its consequences in structural re-arrangements we performed in-sillico analysis of 2019-nCoV with respect to all other viruses.
2019年新型コロナウィルスの表面タンパク遺伝子の変異の意味とその結果起こる効果を確認するために、他の全てのウィルスとの比較分析をコンピュータ上で行いました。
A multiple sequence alignment between the S protein amino acid sequences of 2019-nCoV, Bat-SARS-Like, SARS-GZ02 and MERS revealed that S protein has evolved with closest significant diversity from the SARS-GZ02 (Figure 1).
2019年新型コロナウィルス、コウモリのサーズウィルス近縁種、サーズGZ02及びマーズウィルスの表面タンパクのアミノ酸配列の比較をすることで、表面タンパクがサーズGZ02と最も近い系統発達をしていることが分かりました。

Insertions in Spike protein region of 2019-nCoV
2019年新型コロナウィルスのスパイクタンパク領域への組込

Since the S protein of 2019-nCoV shares closest ancestry with SARS GZ02, the sequence coding for spike proteins of these two viruses were compared using MultiAlin software.
2019年新型コロナウィルスの表面タンパクがSARS GZ02と最も近い先祖を持っていることから、MultiAlin softwareを使って、この二つのウィルスのスパイクタンパクの遺伝子配列を比較しました。
We found four new insertions in the protein of 2019-nCoV-“GTNGTKR” (IS1), “HKNNKS” (IS2), “GDSSSG” (IS3) and “QTNSPRRA” (IS4) (Figure 2).
我々は、2019年新型コロナウィルスのタンパクに、“GTNGTKR” (IS1)、“HKNNKS” (IS2)、 “GDSSSG” (IS3)そして“QTNSPRRA” (IS4)という四つの新しい組込があることを発見しました。(図2参照)
To our surprise, these sequence insertions were not only absent in S protein of SARS but were also not observed in any other member of the Coronaviridae family (Supplementary figure).
驚いたことに、これらの遺伝子配列の組込は、サーズの表面タンパクに存在しないだけでなく、コロナウィルス族のどのウィルスにも観察されませんでした。(補足資料参照)
This is startling as it is quite unlikely for a virus to have acquired such unique insertions naturally in a short duration of time.
このことはとても驚異的なことです。なぜなら、あるウィルスが短い期間でこのように独特な組込を自然に獲得することはかなりあり得ないことだからです。

Insertions share similarity to HIV
エイズウィルスとの共通性を持つ組込

The insertions were observed to be present in all the genomic sequences of 2019-nCoV virus available from the recent clinical isolates (Supplementary Figure 1).
補足資料図1に示すように、最近臨床的に分離された2019年新型コロナウィルスの入手可能であった変異株の全ての遺伝子配列にこれら4つの組込が観察されました。
To know the source of these insertions in 2019-nCoV a local alignment was done with BLASTp using these insertions as query with all virus genome.
2019年新型コロナウィルスにおけるこれらの組込の起源を確認するため、BLASTpに検索キーワードとしてこれ等の組込を使って遺伝子配列の局所比較を行いました。
Unexpectedly, all the insertions got aligned with Human immunodeficiency Virus-1 (HIV-1).
全く予測していませんでしたが、組込部分の全てが、ヒト免疫不全ウィルス(HIV-1)の遺伝子配列と一致したのです。
Further analysis revealed that aligned sequences of HIV-1 with 2019-nCoV were derived from surface glycoprotein gp120 (amino acid sequence positions: 404-409, 462-467, 136-150) and from Gag protein (366-384 amino acid) (Table 1).
更なる分析をすると、2019年新型コロナウィルスとエイズウィルスとで共通している遺伝子配列は、表面タンパクであるgp120(アミノ酸配列位置:404-409, 462-467, 136-150)とgagタンパク(366-384のアミノ酸位置)からのものであることが分かりました。
Gag protein of HIV is involved in host membrane binding, packaging of the virus and for the formation of virus-like particles.
エイズウィルスのgagタンパクは、宿主細胞との膜結合、エイズウィルスの包み込み、そして、ウィルス様の粒子形成に関わります。
Gp120 plays crucial role in recognizing the host cell by binding to the primary receptor CD4.
gp120は宿主細胞のCD4という一次受容体と結合することで、感染相手の識別における決定的な役割を果たしています。
This binding induces structural rearrangements in GP120, creating a high affinity binding site for a chemokine co-receptor like CXCR4 and/or CCR5.
この結合によって、gp120の構造が再配置され、CXCR4 及び/又は CCR5というケモカイン補助受容体に高親和性を持った結合サイトが作られます。
(訳注:gp120とは、エイズウィルスに存在するもので、これにより、エイズウィルスが選択的にヘルパーT細胞という免疫細胞の一種へ感染する。)

Discussion
ディスカッション
The current outbreak of 2019-nCoV warrants a thorough investigation and understanding of its ability to infect human beings.
2019年新型コロナウィルスの現在の感染爆発により、このウィルスが持つ人類への感染能力を徹底的に調べ上げ理解することが必要とされています。
Keeping in mind that there has been a clear change in the preference of host from previous coronaviruses to this virus, we studied the change in spike protein between 2019-nCoV and other viruses.
今までに見られたコロナウィルスとは明確に異なった感染対象がこの新型コロナウィルスにはあることから、他のウィルスとこの2019年新型コロナウィルスでのスパイクタンパクの変化を研究しました。
We found four new insertions in the S protein of 2019-nCoV when compared to its nearest relative, SARS CoV.
2019年新型コロナウィルスともっとも近縁種であるサーズコロナウィルスを比較することで、2019年新型コロナウィルスの表面タンパクに4つの新規組込があることが判明しました。
The genome sequence from the recent 28 clinical isolates showed that the sequence coding for these insertions are conserved amongst all these isolates.
最近の28の臨床例から分離されたウィルス株からこれらの遺伝子組込が全ての分離株に共通して存在することが示されました。
This indicates that these insertions have been preferably acquired by the 2019-nCoV, providing it with additional survival and infectivity advantage.
このことが示すことは、2019年新型コロナウィルスがより強い生存性と感染性を獲得するためにこれ等の組込を選択的に獲得したということです。
Delving deeper we found that these insertions were similar to HIV-1.
より深い考察の結果、これ等の組込はエイズウィルスとの共通性を持つことが分かりました。
Our results highlight an astonishing relation between the gp120 and Gag protein of HIV, with 2019-nCoV spike glycoprotein.
我々が得た結果は、エイズウィルスの gp120及びgagタンパクと、2019年新型コロナウィルスのスパイク糖タンパクにおける驚嘆するべき関係性を示しています。
These proteins are critical for the viruses to identify and latch on to their host cells and for viral assembly (Beniac et al., 2006).
これ等のタンパクは、ウィルスが感染相手を識別し、宿主細胞へ取りつき、ウィルスの複製を開始するのに、重要な役割を果たしています。
Since surface proteins are responsible for host tropism, changes in these proteins imply a change in host specificity of the virus.
表面タンパクにおいて宿主の識別が行われるため、表面タンパクの変異はウィルスによる宿主細胞の識別が変化することを意味しています。
According to reports from China, there has been a gain of host specificity in case 2019-nCoV as the virus was originally known to infect animals and not humans but after the mutations, it has gained tropism to humans as well.
中国からの研究報告によると、2019年新型コロナウィルスは、もともとは動物への感染性があったが、変異の結果、人間への感染性をも獲得したということです。
Moving ahead, 3D modelling of the protein structure displayed that these insertions are present at the binding site of 2019-nCoV.
話を進めると、表面タンパクの立体モデルを作ることで、2019年新型コロナウィルスのこれ等の組込は架橋部分に存在していることが示されました。
Due to the presence of gp120 motifs in 2019-nCoV spike glycoprotein at its binding domain, we propose that these motif insertions could have provided an enhanced affinity towards host cell receptors.
2019年新型コロナウィルスのスパイク糖タンパクにおけるgp120のモチーフが架橋ドメインに存在していることから、これ等の組込によって宿主細胞への感染性がより高いものになったと思われます。
Further, this structural change might have also increased the range of host cells that 2019-nCoV can infect.
更に、この構造変化により、2019年新型コロナウィルスが感染することができる宿主細胞の範囲が拡大されたと思われます。
To the best of our knowledge, the function of these motifs is still not clear in HIV and need to be explored.
これ等の組込のモチーフが、エイズウィルスにおいてどのような機能を持っているかに、未だ人智が及んでいないため、更なる研究が必要です。
The exchange of genetic material among the viruses is well known and such critical exchange highlights the risk and the need to investigate the relations between seemingly unrelated virus families.
ウィルス間で起こる遺伝物質の入替りは良く知られてい、そのような入替りによって発生する危険性がはっきりと示されるために、一見無関係なウィルス間での入替りに関する研究が必要とされます。

Conclusions
結論
Our analysis of the spike glycoprotein of 2019-nCoV revealed several interesting findings:
2019年新型コロナウィルスのスパイク糖タンパクの分析によって幾つかの興味深い発見がありました。
First, we identified 4 unique inserts in the 2019-nCoV spike glycoprotein that are not present in any other coronavirus reported till date.
第1に、現在までに知られている他のどのようなコロナウィルスにも、存在しない4つの独特な組込が2019年新型コロナウィルスのスパイク糖タンパクにあることを確認しました。
To our surprise, all the 4 inserts in the 2019-nCoV mapped to short segments of amino acids in the HIV-1 gp120 and Gag among all annotated virus proteins in the NCBI database.
驚いたことに、2019年新型コロナウィルスにあるこれら4つの組込は、NCBIデータベースに登録された全ての特有の役割を持ったウィルスタンパクの中で、エイズウィルスのgp120及びgagに存在するアミノ酸短鎖と同じものでした。
This uncanny similarity of novel inserts in the 2019- nCoV spike protein to HIV-1 gp120 and Gag is unlikely to be fortuitous.
2019年新型コロナウィルスのスパイク糖タンパクに存在する新たに発見された組込がエイズウィルスのgp120及びgagと考えられないほど同一であるということは偶然に起こるとは思えません。
Further, 3D modelling suggests that at least 3 of the unique inserts which are non-contiguous in the primary protein sequence of the 2019-nCoV spike glycoprotein converge to constitute the key components of the receptor binding site.
更に、立体モデルを作成することで、2019年新型コロナウィルスのスパイク糖タンパクにある一次タンパク配列にあるこれ等独特の組込は互に関連性が無いにもかかわらず、少なくとも3つが共同して架橋サイトの重要な構成要素になっていることが分かりました。
Of note, all the 4 inserts have pI values of around 10 that may facilitate virus-host interactions.
注目するべきは、これら4つの組込全てが10程度の等電点を持ち、それによってウィルスと宿主細胞との相互作用が促進されているだろうことです。
Taken together, our findings suggest unconventional evolution of 2019-nCoV that warrants further investigation.
まとめると、我々の研究によって、2019年新型コロナウィルスの変異は他には見られないものであり、そのため更なる研究の必要性がしめされました。
Our work highlights novel evolutionary aspects of the 2019-nCoV and has implications on the pathogenesis and diagnosis of this virus.
我々の研究により、2019年新型コロナウィルスの今までに見られない進化過程が明らかになり、このウィルスの診断及び発症の一助となりました。

(*本文中で引用されている部分についての参照先一覧であり、省略)

Fig.S1 Multiple sequence alignment of glycoprotein of coronaviridae family, representing all the four inserts.
補足資料図1:コロナウィルス科の糖タンパクの遺伝子配列の比較で、4つの組込全てが表現されている。

Fig.S2: All four inserts are present in the aligned 28 Wuhan 2019-nCoV virus genomes obtained from GISAID. The gap in the Bat-SARS Like CoV in the last row shows that insert 1 and 4 is very unique to Wuhan 2019-nCoV.
補足資料図2:GISAIDから得られた武漢2019年新型コロナウィルス28検体において、4つの遺伝子組込全てが揃っていること。最下段にあるコウモリのサーズウィルス近縁種で組込1と4が欠けていることは、これ等が武漢2019年新型コロナウィルスに大変に独特なものであることを示している。
*訳注:最下段のコウモリから分離されたウィルスも含めて28検体。この最下段のウィルスは組込1と4が一部欠けているため、4つの組込全てが揃っているのはヒトから採取された武漢2019年新型コロナウィルス27検体となる。
*訳注:なお、本文中には、As none of these 4 inserts are present in any other coronavirus(これら4つの組込のどれ一つとして他のコロナウィルスには見つかっていない)とあるが、この一覧の最下段にあるBat-SARS Like CoV(コウモリから見つかったサーズウィルスに似たコロナウィルス)には組込2と3が共通していることが示されているため、人間から採取されたコロナウィルスに限ると4つの組込はどれ一つとして他のコロナウィルスにはないということだと思われる。

Fig.S3 Phylogenetic tree of 28 clinical isolates genome of 2019-nCoV including one from bat as a host.
補足資料図3:臨床現場から得られた2019年新型コロナウィルスの28の変異株の発生系統図で、コウモリを宿主とする1種類を含む。

Supplementary Fig 4. Genome alingment of Coronaviridae family. Highlighted black sequences are the inserts represented here.
補足資料図4:コロナウィルス科の遺伝子一覧。黒字で強調されて示されている部分が組込部分である。
http://www.asyura2.com/20/iryo6/msg/424.html#c5

   

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