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2023年3月06日07時50分 〜
記事 [政治・選挙・NHK289] 安倍政権の言論弾圧「放送法解釈変更」をめぐる総務省内部文書のリアルすぎる中身! 高市早苗はこれでも「捏造」と言い張るのか(リテラ)
安倍政権の言論弾圧「放送法解釈変更」をめぐる総務省内部文書のリアルすぎる中身! 高市早苗はこれでも「捏造」と言い張るのか
https://lite-ra.com/2023/03/post-6265.html
2023.03.05 リテラ


首相官邸HPより

 安倍政権下でおこなわれた報道圧力の実態がつまびらかとなる内部文書が公開され、大きな問題となっている。2日に立憲民主党の小西洋之・参院議員が公開した、約80ページにもおよぶ総務省の内部文書だ。

 放送法における「政治的公平性」について、政府はそれまで「一つの番組ではなく、放送事業者の番組全体を見て判断する」という見解をとってきた。だが、安倍政権下の2015年5月12日、当時の高市早苗総務相が参院総務委員会で「一つの番組のみでも極端な場合は一般論として政治的に公平であることを確保していると認められない」と答弁し、突然の解釈の追加、事実上の解釈変更をおこなったのだ。

 この解釈変更がテレビの番組づくりにもたらした影響は計り知れない。ご存知の通り、安倍政権下では批判的だったキャスターやコメンテーターが次々と番組から消えていった一方、政権を擁護するコメンテーターが跋扈するようになった。さらに、情報番組やワイドショーでは政権批判や不正の追及をすること自体がどんどん減っていった。こうしたいまにつづく状況をつくり出したのは、高市総務相が明言した解釈変更によって、ひとつの番組内で中立を保たなければならなくなったことが大きく影響しているのだ。

 しかし、なぜ高市総務相が唐突に解釈変更を明言したのか、その背景に何があったのかはこれまで謎に包まれていた。ところが今回、公開された総務省の内部文書では、当時、安倍晋三首相の首相補佐官を務めていた礒崎陽輔氏が、おもに『サンデーモーニング』(TBS)をやり玉に挙げるかたちで、しつこく総務省に事実上の解釈変更を要求していたことが判明。さらに、安倍首相の“鶴の一声”によって、高市答弁に至っていたことがわかったのだ。

 当の高市氏は、この内部文書を「捏造文書だ」「非常に悪意をもってつくられた文書」と主張し、「捏造文書でなかった場合には議員辞職するか」という質問にも「結構ですよ」と応答。森友公文書改ざん問題のきっかけとなった安倍首相の「私や妻が関係していたということになれば総理大臣も国会議員もやめる」を想起させる展開となってきている。

 いかに高市氏の主張が苦しいものなのかについては後述するが、そもそもこの内部文書を総務省が「捏造」する理由がない上、礒崎氏本人も「総理補佐官在任中に放送法で定める政治的公平性の解釈について総務省と意見交換をしたのは事実」だと認めている。そして、実際に解釈変更がおこなわれたのも事実なのだ。

 それでは、政権への忖度と擁護に溢れかえるいまのテレビ番組の状況を生み出すことになった放送法の解釈変更は、いったい、どのようなやりとりのなかで実行されるにいたったのか。公開された約80ページにもおよぶ内部文書から、紐解いていきたい。

■『サンモニ』批判を繰り返していた磯崎 そして“安倍首相『NEWS23』で逆ギレ事件”の直後…

 はじまりは2014年11月26日、元総務官僚である当時の礒崎首相補佐官が総務省放送政策課に電話をかけたことからはじまる。「厳重取扱注意」と記された「「政治的公平」に関する放送法の解釈について(礒崎補佐官関連)」という文書によると、この日、礒崎首相補佐官は「コメンテーター全員が同じ主張の番組(TBSサンデーモーニング)は偏っているのではないか」という問題意識を総務省側に伝え、「「政治的公平」の解釈や運用、違反事例を説明してほしい」と迫った。

 じつは礒崎首相補佐官は、自身のTwitter上で以前から『サンデーモーニング』への批判を繰り返しおこなっていたのだが、直前の11月23日・24日にも同番組に対して猛批判を展開していた。

〈日曜日恒例の不公平番組が、今日も、放送されています。仲間内だけで勝手なことを言い、反論を許さない報道番組には、法律上も疑問があります。特定秘密保護法でも、集団的自衛権でも、番組に呼んでいただければ、いつでもきちんと御説明します。〉

〈偏向した報道番組はたくさんありますが、相手側ゲストを呼ばず、一切の反論権を認めない番組は、最悪です。仲良しグループだけが集まって政治的に好き放題言うような番組が、放送法上許されるはずがありません。今の立場では余り動けませんが、黙って見過ごすわけにはいきません。〉

〈女性のO・Eさん(編集部注:大宅映子氏を指していると思われる)がレギュラーで出演している頃には、それほど違和感がなかったのですが、最近傾きが大きくなってきました。間違ったことを本当のように言われるのが、一番困ります。〉

 また、ここで注意したいのは、礒崎首相補佐官が動き出したタイミングについてだ。礒崎首相補佐官が総務省側に電話をかける約1週間前にあたる11月18日、安倍首相は『NEWS23』(TBS)に生出演したのだが、このとき安倍首相は放送された街頭インタビューのVTR内にアベノミクス批判をする声が入っていたことに対し、“厳しい意見を意図的に選んでいる”と逆ギレ。さらにその2日後の11月20日に自民党は、在京テレビキー局の編成局長、報道局長宛てに「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」と題した“報道圧力文書”を送りつけている。この文書の差出人は、当時、自民党筆頭副幹事長だった萩生田光一・現政調会長と報道局長だった福井照氏(2021年衆院選で落選)だ。

 つまり、礒崎氏による総務省への働きかけは、安倍首相が『NEWS23』に逆ギレを起こしたことをきっかけに安倍首相の子飼い議員である萩生田氏が自民党としてテレビ局に圧力をかけたタイミングと同時期におこなわれたのだ。これらの客観的事実からも、内部文書に記された礒崎首相補佐官の言動に齟齬はなく、信憑性が高いと考えられるだろう。

■磯崎首相補佐官のゴリ押し要求に高市早苗総務相は「この答弁は苦しいのではないか?」と疑問

 話を内部文書に戻そう。2014年11月26日に礒崎首相補佐官から放送法が規定する「政治的公平」についての説明を求められた総務省側は、2日後の11月28日に官邸の礒崎総理補佐官室を訪問。そこで礒崎氏は「一つの番組でも明らかにおかしい場合があるのではないか」「絶対おかしい番組、極端な事例というのがあるのではないか。これについても考えて欲しい」と述べ、事実上の解釈の変更に向けて検討するよう迫っている。

 首相補佐官が官僚を呼び出し、当たり前の政権批判をおこなう特定の番組をやり玉に挙げて法の解釈変更を要求する──。政権にとって目障りな番組を潰すために法を捻じ曲げさせようとは言語道断の行為であり、安倍官邸の報道圧力体質が浮き彫りになっていると言えるだろう。

 一方、礒崎氏に無理難題をふっかけられた総務省側は、あきらかに困惑。しかし、磯崎首相補佐官の要求は再三にわたっておこなわれ、2015年1月15日には総務省側が提出した説明資料に「激高」したことも記述されている。こうしたやりとりの結果、2015年1月29日には、高市総務相と安倍首相に了解を得た上で、国会で「(磯崎氏が)きちんとコントロールできる議員」が質疑をおこなう方向性が確認されている。

 そして、礒崎首相補佐官が押し進めてきた事実上の解釈変更をめぐる国会答弁について、2015年2月13日、総務省の担当局長らが高市総務相にレクをおこなう。この場で高市総務相は、総務省が作成した整理ペーパーに記された答弁案に対し「この答弁は苦しいのではないか?」と疑問を呈しつつ、このように発言している。

「そもそもテレビ朝日に公平な番組なんてある?どの番組も「極端」な印象。関西の朝日放送は維新一色」

「苦しくない答弁の形にするか、それとも民放相手に徹底抗戦するか。TBSとテレビ朝日よね」

「官邸には「総務大臣は準備をしておきます」と伝えてください」

「総理も思いがあるでしょうから、ゴーサインが出るのではないかと思う」

 つまり、高市総務相は「答弁としては苦しい」部分があると認識しながらも、安倍首相の判断の上で話を前進させることを了承したのである。

 ところが、ここで思わぬ人物からの横やりが入る。その人物とは、2013年から2015年まで安倍官邸で広報担当の首相秘書官を務めていた山田真貴子氏だ。

■NHKに言論弾圧電話をかけたあの側近の意外な反応 磯崎首相補佐官を「変なヤクザ」と

 山田首相秘書官は礒崎氏と同じ総務省出身で、菅義偉政権の発足で菅氏が官邸に呼び戻し、内閣広報官に据えた人物。菅首相の息子が絡んだ東北新社の接待問題で辞職に追い込まれたことは記憶に新しいが、2020年には菅首相が生出演したNHK『ニュースウオッチ9』において、有馬嘉男キャスターが日本学術会議問題の追及をおこなったことに対し、「総理、怒っていますよ」「あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う。どうかと思います」とNHKの政治部長に怒りの電話をかけたと報じられ、その後、有馬キャスターが降板するきっかけにもなったと見られている。

 ようするに、山田氏自身も、菅首相の子飼いらしい報道圧力体質を持った人物なのだが、しかし、このときは逆の動きを見せていた。

 2015年2月18日、総務省側が放送法の解釈変更について安倍首相の首相秘書官である山田氏にお伺いを立てたところ、山田氏はこう難色を示したのだ。

「今回の整理は法制局に相談しているのか?今まで「番組全体で」としてきたものに「個別の番組」の(政治的公平の)整理を行うのであれば、放送法の根幹に関わる話ではないか。本来であれば審議会等をきちんと回した上で行うか、そうでなければ(放送)法改正となる話ではないのか」

 意外にもまっとうな指摘だが、ここから山田首相秘書官による礒崎首相補佐官の批判がつづく。

「礒崎補佐官は官邸内で影響力はない(長谷川補佐官は影響力あるとの言)。総務省としてここまで丁寧にお付き合いする必要があるのか疑問」

「今回の話は変なヤクザに絡まれたって話ではないか」

「礒崎補佐官からすれば、前回衆院選の時の萩生田(議員名の要請)文書と同じ考えで、よかれと思って安保法制の議論をする前に民放にジャブを入れる趣旨なんだろうが、(山田秘書官からすれば)視野の狭い話。党がやっているうちはいいだろうし、それなりの効果もあったのだろうが、政府がこんなことしてどうするつもりなのか。礒崎補佐官はそれを狙っているんだろうが、どこのメディアも萎縮するだろう。言論弾圧ではないか」

 まさかの礒崎氏を「変なヤクザ」呼ばわり……。この物言いからも官邸内のパワーバランスが透けて見えるようだが、重要なのは、礒崎首相補佐官が進めようとしている放送法の解釈変更に対し、首相秘書官からしっかりと「言論弾圧」だという認識が示されていたことだ。

 さらに山田首相秘書官は、こうもつづけている。

「総理はよくテレビに取り上げてもらっており、せっかく上手くいっているものを民主党の岡田代表の時間が足りない等言い出したら困る」

「だいたい問題になるのは「サンデーモーニング」「ニュース23」「報道ステーション」だろうが、国民だってそこまで馬鹿ではない。今回の件は民放を攻める形になっているが、結果的に官邸に「ブーメラン」として返ってくる話であり、官邸にとってはマイナスな話」

 ようするに山田氏は、「一つの番組」で政治的公平を言い出せば、逆に「安倍首相だけ取り上げられているのはおかしい!」と野党からつけ込まれること、さらには政権に批判的な番組を露骨に狙い撃ちすれば国民から反発が巻き起こることを懸念したのだ。ある意味、冷静な判断だとも言えるだろう。

■磯崎首相補佐官「俺と総理が二人で決める話」「ただじゃあ済まないぞ」「首が飛ぶぞ」と総務官僚を恫喝

 このように、言論弾圧をしたい首相補佐官vsそれを阻止しようとする首相秘書官の対立構図となった放送法の解釈変更問題だったが、困り果てたのが、両者の板挟みとなってしまった総務省だった。山田首相秘書官のレクから約1週間後の2015年2月24日、総務省側は礒崎首相補佐官と面談し、「総理にお話される前に官房長官にお話し頂くことも考えられるかと思いますが」と提案。つまり、礒崎・山田両氏の頭が上がらない菅官房長官にジャッジしてもらおうと考えたらしい。

 だが、この提案に礒崎首相補佐官は怒り心頭。総務省の官僚たちをこう恫喝しはじめるのだ。

「何を言っているのか分かっているのか。これは高度に政治的な話。官房長官に話すかどうかは俺が決める話。局長ごときが言う話では無い。総理が(官房長官に相談しろと)仰るなら勿論話をする。この件は俺と総理が二人で決める話」

「俺の顔をつぶすようなことになれば、ただじゃあ済まないぞ。首が飛ぶぞ。もうここにも来ることができないからな」

「俺を信頼しろ。役所のOBなんだし、ちゃんとやってくれれば、役所の悪いようにはしない。そちらも、官邸の構造論を分かっておくように」

「俺と総理が二人で決める話」「ただじゃあ済まないぞ」「首が飛ぶぞ」……。事態が一筋縄ではいかなくなったなか、ついに2015年3月5日、礒崎首相補佐官と山田首相秘書官、さらには今井尚哉首相秘書官が同席するもとで、安倍首相に意向を確認することとなったのだ。

 このとき、山田氏のみならず今井首相秘書官も「総理単独の報道が萎縮する」「メディアとの関係で官邸にプラスになる話ではない」などと説明。

 ところが、マイナス面を説明したというのに、ここで安倍首相が「前向きな反応」を示すのだ。

 山田首相秘書官が総務省側に伝えた安倍首相の反応をまとめた「総理レクの結果について(放送番組の政治的公平について)」という文書には、安倍首相の発言がこのようにまとめられている。

「政治的公平という観点からみて、現在の放送番組にはおかしいものもあり、こうした現状は正すべき」

「(放送番組全体で見ることについて)「JAPANデビュー」は明らかにおかしい、どこでバランスを取っているのか」

 安倍首相が具体名を挙げた『JAPANデビュー』とは、2009年に放送された全4回のNHKスペシャルのシリーズだ。このシリーズ第1回目で日本の台湾統治を取り上げた「アジアの“一等国”」をめぐっては、当時、安倍氏は「番組はひどすぎる」「『反日』で貫かれています」「イメージ操作を行い、これでもかと日本を貶めています」と猛批判。安倍氏や中川昭一氏らを含む自民党国会議員有志で「公共放送の公平性を考える議員の会」を発足させたほどだった。つまり、こうした「反日」番組を取り締まるためにも、放送法の解釈変更はありではないか、と安倍首相は前のめりになったのだ。

 さらに、ここで礒崎首相補佐官が追い打ちをかける。礒崎氏が「サンデーモーニングはコメンテーター全員が同じことを述べている」「明らかにおかしい」と発言すると、安倍首相はこう呼応したというのである。

「放送番組全体で見る」とするこれまでの解釈は了解(一応OKと)するが、極端な例をダメだと言うのは良いのではないか」

 再度、山田首相秘書官がマイナス点を説明しても、もはや暖簾に腕押し。安倍首相は「有利不利ではない」「全部が全部とは言わないが、正すべきは正す」と引かなくなってしまったのである。

■“安倍首相もサンデーモーニングを問題視”と磯崎首相補佐官 一方高市総務相は「本当にやるの?」

 上記は山田首相秘書官が総務省側に伝えた安倍首相の反応についての報告だが、一方の礒崎首相補佐官が総務省側に伝えた安倍首相の反応をまとめた「礒崎総理補佐官からの連絡(総理レクの結果について)」という文書には、礒崎氏の発言として、こうも書かれている。

「総理がいちばん問題意識を持っているのはNHKの「JAPANデビュ―」だが、これはもう過去の話。今はサンデーモーニングには問題意識を持っている。(報道ステーションの)古舘も気に入らないが、古舘はゲストを呼ぶ。ゲストが弱くて負けるのはしょうがないが、この違いは大きい。サンデーモーニングは番組の路線と合わないゲストを呼ばない。あんなのが(番組として)成り立つのはおかしい」

「とにかくサンデーモーニング。番記者にもいろいろ言っているが、総務省もウォッチしておかなきゃだめだろう」

「古舘は番組には出演させる。総理が呼ばれれば総理はけんかするだろう。その意味でもサンデーモーニングは構造的におかしいのではないかということ。皆さんもこうした意識は頭に入れておいていただきたい。(笑いながら)あんまり無駄な抵抗はするなよ」

 つまり、礒崎氏の弁によれば、安倍首相自身も『サンデーモーニング』が問題だという認識を持っていた、というのである。

 このように、ついに安倍首相が乗り気となってしまったことで、法解釈の変更を国会質疑でおこなうという方向がいよいよ現実化する。

「大臣レクの結果についての安藤局長(編集部注:安藤友裕・総務省情報流通行政局長)からのデブリ模様」と題された文書によると、総務省は礒崎首相補佐官から受けた安倍首相の反応などを高市総務相に報告するが、高市氏は〈あまり記憶がなかった様子〉だったらしく、第一声は「本当にやるの?」。その後、この問題の内容を思い出してくると、「これから安保法制とかやるのに大丈夫か」「民放と全面戦争になるのではないか」「(前回衆院選の)要請文書のように、背後で動いている人間がいるのだろう」と懸念などを口にし、最終的には「一度総理に直接話をしたい」と発言。高市氏は〈平川参事官(編集部注:平川薫・総務省大臣官房参事官のこと)に今井総理秘書官経由で総理とお話できる時間を確保するようその場で指示〉したという。

 この結果、高市総務相は安倍首相と電話会談を実施。その内容を2015年3月9日に平川参事官が安藤局長に報告した内容をまとめた「高市大臣と総理の電話会談の結果」という文書によると、高市氏が安倍首相に電話をしたとあり(日時不明)、こう綴られている。

〈総理からは、「今までの放送法の解釈がおかしい」旨の発言。実際に問題意識を持っている番組を複数例示?(サンデーモーニング他)〉

〈国会答弁の時期については、総理から、「一連のものが終わってから」とのご発言があったとのこと。〉

 こうした流れを経て、礒崎首相補佐官が放送法の解釈変更について、国会における「質問」を総務省側に送付。〈NHK予算が終わった後のタイミングで、参・総務委員会の一般質疑で質問する〉方向性が示され、実際、2015年5月12日の同委員会で、自民党・藤川政人・参院議員の質問に答えるかたちで、高市総務相が「一つの番組のみでも極端な場合は一般論として政治的に公平であることを確保していると認められない」という解釈変更を明言するにいたったのである。

■「捏造文書でなければ議員辞職する」と啖呵を切った高市早苗大臣だが…

 ──以上、今回公表された総務省の内部文書約80ページをざっくりと追ってみた。ここからは、少なくともこの放送法の解釈変更が「言論弾圧」(山田首相秘書官)という大きな危険を孕んだものであり、審議会に諮ることや法改正が必要であるという認識が示されながらも、『サンデーモーニング』を異常なまでに目の敵にしている礒崎首相補佐官の執念と恫喝、さらには礒崎氏に同調した、安倍首相による絶対的な「天の声」があって実行に移されたことがよくわかる。

 また、総務省も結果的に政治に振り回されるだけで、問題があることを理解しながら唯々諾々と従ってしまっている。まさに安倍政権の官邸支配の構図が浮かび上がる内容だと言えるが、こうした文書を総務省が「捏造」する理由など、どこにもないだろう。

 しかも、現在、「捏造文書だ」と主張している高市大臣は、法解釈の変更を答弁した張本人であるわけだが、その答弁にいたった経緯について問われると「質問通告があったからじゃないか。答弁書の案を私が見たのは前日。その経緯は知らない」などと発言。しかし、とてもじゃないが従来の政府解釈を変更するという重大な答弁書を、経緯も知ろうとせずにそのまま読み上げたというのはおかしい。むしろ、内部文書にあるように「本当にやるの?」「一度総理に直接話をしたい」という反応こそリアリティがあるだろう。

 さらに高市大臣といえば、いま刑事告発されている政治資金規正法違反問題で、疑惑隠蔽のために「虚偽の領収書」を発行したという“証拠の捏造”疑惑が浮上。高市大臣は「捏造文書だ」と決めつける前に、自身の事務所の“証拠の捏造”疑惑について説明すべきではないのか。

 その上、高市大臣が「捏造文書でなければ議員辞職する」と啖呵を切ったばかりに、今後、総務省が事実の隠蔽に走り、万が一、関係官僚が命の危険にさらされるような事態へと発展しないか、不安は大きい。いや、高市大臣のみならず、3日の参院予算委員会で岸田文雄首相は「(内部文書について)正確性が定かでない」と答弁し、松本剛明総務相も「発言者に内容の確認を取っておらず、文書の記載について、かなりの方々が認識が異なると言っていることが判明した」などと発言しているように、すでに逃げの一手に出ている。国民の「知る権利」を侵害するかたちでこのまま「真偽不明」で闇に葬られる可能性は高い。

 だが、それでいいはずがあるまい。繰り返すが、この解釈変更は、政権批判が封じられ、かたや擁護で溢れかえるといういまのテレビ番組の状況をつくり出した元凶ともいえるものだ。そして、政権批判を厭わずおこなう『サンデーモーニング』のような番組を狙い撃ちにし、時の権力が恣意的に解釈を変更させていたのである。解釈変更の見直しの議論は当然のこと、テレビ番組における報道のあり方を問い直すためにも、この内部文書をなかったものにするわけにはいかないのだ。

(編集部)

http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/452.html

記事 [政治・選挙・NHK289] 韓国が元徴用工で「賠償の解決策」発表か 日本は「反省とおわび」継承を表明で調整(岸田はきちんと「謝罪」できるのか??)
 戦時中に一方的な侵略を行い、植民地から労働者を強制などで”徴用”して過酷な状況に置きながら、まともな賃金も払わなかった問題。敗戦後、国の軍事独裁政権に「賠償金」を渡した結果、被害者にはなんら補償が届かない結果となった。
 お金の問題が「基金」で済んだとしても、この問題の根源は他にある。「韓国たたき」と言われた強硬姿勢で関係悪化を招いた前々、前政権を継承した岸田政権は、被害者を納得させる「謝罪」ができるのだろうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ここから)

韓国が元徴用工で「賠償の解決策」発表か 日本は「反省とおわび」継承を表明で調整
3/5(日) 15:48配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/708b733cc5938edd518435793b8e5220eb2ea8bb
テレビ朝日系(ANN)

元徴用工を巡る問題で韓国側が解決策を正式に発表した場合、岸田総理は「反省とおわび」の継承を表明する方向で調整しています。

 元徴用工を巡る問題では、日本側は1965年の日韓請求権協定で「解決済み」の立場である一方、韓国側は賠償問題の解決と合わせて日本側の「呼応」を求めていて、日韓両政府で協議を重ねてきました。

 日本政府関係者によりますと、韓国政府が賠償金の支払いについて、韓国の財団で肩代わりするという解決策を発表した場合、岸田総理は、歴代政権や日韓共同宣言で示してきた「反省とおわび」を継承することを表明する方向で調整しています。

 そのうえで、関係改善に向けた措置を順次行う方針で、韓国に対する輸出規制の厳格化措置について解除する方向で検討しています。

 また、賠償とは切り離した「未来志向」の事業に日本企業が資金を出す案も出ているということです。

テレビ朝日
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ここまで)

関連:
■不毛な韓国叩き ここまでやるのは何のため?誰のため? それは安倍のケチなプライドのため(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/19/senkyo263/msg/899.html
投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 8 月 02 日 23:20:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
■朝鮮や中国からの徴用工が日本の職場でバタバタと死んでいった理由
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/134.html
投稿者 中川隆 日時 2019 年 1 月 03 日 11:40:09: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/453.html
記事 [政治・選挙・NHK289] 主張 対韓外交 「謝罪」で時計の針戻すな(自民サポーターの反発必至?!)
 たとえば、毒ガス殺人事件を起こした教団が被害者に「謝罪」するのはいつまで続ければよいか。答えは「続く限り永遠」だろう。例えお金を幾ら「賠償」しても、反省を止めるようなら被害者の傷が癒える事はない。
 戦時中の国の愚行を、国の代表が被害者に「謝罪」することで未来志向の関係が始まる。これが理解できない政権と政権サポーターは、外交を乱すだけだろう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ここから)

主張 対韓外交 「謝罪」で時計の針戻すな
2023/3/4 05:00
https://www.sankei.com/article/20230304-7666ICJHUJKVNLWLGNJ3QHJNCM/

尹錫悦韓国大統領が日本の朝鮮統治時代に起きた「三・一運動」の記念式典で「(日本は)過去の軍国主義の侵略者から、われわれと普遍的価値を共有し、安全保障や経済、グローバルな課題で協力するパートナーになった」と演説した。

歴史問題での謝罪要求やいわゆる徴用工訴訟問題への言及はなかった。

過去の日本を「軍国主義の侵略者」と断罪するのは承服できない。一方で、現代日本を協力するパートナーと位置付けた点は評価できる。常軌を逸した反日に走った文在寅前政権と比べればはるかにましである。

北大西洋条約機構(NATO)は昨年6月の首脳会議へ、日本、オーストラリアなどと並び韓国も招いた。西側の国として韓国は国際秩序擁護の役割が期待される。北朝鮮は日韓共通の脅威だ。

これらの観点からも日韓関係の安定化は必要だが、岸田文雄政権は自国の立場を傷つける行動をとってはいけない。尹政権の登場により、「徴用工」問題の行方にかかわらず、日米韓の安保協力は行われる点に気付くべきだ。

尹政権の姿勢に幻惑されて、岸田政権がいわれなき謝罪姿勢をとることは絶対に慎むべきだ。安倍晋三政権は韓国の不当な謝罪要求をかわしてきた。対等な主権国家の関係へ是正するためだった。日本から輸出された、軍事転用の恐れがある物資の管理体制で韓国に不備があったことから、輸出管理で優遇する「ホワイト国」(今はグループA)から除外した。

尹政権の「徴用工」問題解決案では、韓国最高裁が日本企業に命じた「賠償金」を韓国政府傘下の財団が肩代わりする。日本政府は過去に表明した「おわび」談話を確認し、グループAに再指定する。日本企業は謝罪や財団への自発的寄付が期待されている。

これらをのめば、史実を歪(ゆが)めた韓国の日本指弾と、日本の安易な謝罪という不毛な関係を再燃させる。日本国民の対韓感情を悪化させる禁じ手だ。「徴用工」問題で日本側に非はない。企業が「賠償金」を支払ういわれもない。史実を無視し、日韓請求権協定も無視した韓国側の言いがかりに苦しむ日本のほうが被害者だ。

謝罪外交に終止符を打つべく努めた安倍政権で外相を長く務めた岸田首相は、時計の針を戻してはならない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ここまで)


http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/454.html
記事 [政治・選挙・NHK289] アジア板リンク:「談話の継承」は謝罪の意味をなさない 元徴用工問題が韓国に残した傷、想像以上に深い(保守政権は理解できるか?)
アジア板に投稿しました。
■「談話の継承」は謝罪の意味をなさない 元徴用工問題が韓国に残した傷、想像以上に深い(保守政権は理解できるか?)
http://www.asyura2.com/19/asia24/msg/189.html
投稿者 戦争とはこういう物 日時 2023 年 3 月 06 日 09:38:26: N0qgFY7SzZrIQ kO2RiILGgs2CsYKkgqKCpJWo

http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/455.html
記事 [政治・選挙・NHK289] ナショナルミニマム引上げ最重要(植草一秀の『知られざる真実』)
ナショナルミニマム引上げ最重要
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2023/03/post-be62a4.html
2023年3月 5日 植草一秀の『知られざる真実』

イーロン・マスク氏が日本の人口について改めて言及した。

日本の人口減少を伝える米国での報道に触れ、

「日本では昨年、生まれた数の2倍の人が亡くなった。

人口の急減だ」

とツイッターに投稿した。

マスク氏は昨年5月に

「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなる」

と指摘した。

日本在住でないマスク氏が日本の人口急減を注視している。

出生が減少している主因は経済要因。

若者の所得環境が極めて劣悪。

結婚、出産という人生設計を描けない若者が激増している。

出生率を引き上げるには、政府がすべての国民に保証する最低ラインを大幅に引き上げることが必要不可欠だ。

そのための方策として「政策連合=オールジャパン平和と共生」は、

最低賃金全国一律1500円を政府補償で実現

生活保障制度の確立

消費税減税・廃止

を提言してきた。

重要なことは、政府がすべての国民に保証する最低所得水準を大幅に引き上げること。

これこそ「分配」の是正である。

大企業労働者の賃上げを大幅にすることが解決策ではない。

すべての国民に保証する最低賃金、最低所得水準を大幅に引き上げることが重要なのだ。

ナショナル・ミニマムの大幅な引き上げこそが最重要課題だ。

財政支出の多くをこのために投入すべきである。

現在の財政支出の大半は大資本への補助金=利権支出に充当されている。

所得の少ない国民から消費税で金をむしり取り、その財政資金を大資本への補助金=利益供与に回している。

この財政構造を変革することが求められている。

ナショナル・ミニマムを引き上げる財政支出は「権利の財政支出」。

大資本に対する利益供与=補助金支出は「利権の財政支出」。

「利権財政」を「権利財政」に転換することが求められている。

マスク氏が指摘した日本の人口急減問題に話を戻すと、2021年と2022年の最重要点は「死亡数激増」である。

本ブログ・メルマガで指摘しているが、メディアはまったく報道しない。

「不都合な真実」が存在するからだ。

2011年以降の出生数と死亡数をグラフに表示すると事態を呑み込みやすくなる。

言葉で聞くのと目で確かめるのとでは効果が違う。



メディアは2022年の出生数が80万人を割り込んだことだけを伝える。

このこと自体、重大な事実ではあるが、2021年と2022年には、これ以上に重大な事実が確認されている。

それが「死亡数の激増」。

2016年から2020年までの5年間、日本の死亡数は130万人台で推移した。

コロナパンデミックが広がった2020年には日本の死亡数が前年比で8338人減った。

ところが、2021年に死亡数が6万7054人増加。

2022年は2021年比で死亡数が12万9744人増加した。

死亡数は2021年が145万2033人、2022年が158万2033人。

2022年の死亡数は出生数の1.98倍に達した。

日本の死亡数が2021年から激増している。

2021年以降の最大の特徴は新型ワクチン接種が広範に実施されたこと。

3月3日時点でコロナワクチンを2回以上接種した国民は1億332万人で国民全体の81.3%。

圧倒的多数の国民がワクチンを接種した。

このワクチン接種と並行して日本の死亡数が激増している。

因果関係を疑わないわけにはいかないのだ。

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http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/456.html

記事 [政治・選挙・NHK289] 「出生数過去最少」も子どもの自殺は過去最悪…国民負担率47.5%という日本の“終わってる”感(FRIDAY)
「出生数過去最少」も子どもの自殺は過去最悪…国民負担率47.5%という日本の“終わってる”感
https://friday.kodansha.co.jp/article/298084
2023年03月02日 FRIDAYデジタル


「5公5民」ともいわれる高い税負担など、閉塞感のある日本。岸田総理は打破することはできるのか…

この国に希望はないのか――。

文部科学省の発表によると去年自殺した小中高校の生徒は512人で、過去最多になったことがわかった。さらに’21年度、全国の小中学校にいる不登校児童・生徒数は24万4940人で、こちらも過去最多となった。

自殺に関しては、19歳以下の自殺の理由で最も多いのは「学業不振」104人、「進路に関する悩み(入試以外)」84人、「入試に関する悩み」40人。高校生の自殺が352人で最も多い。

同時に発表されたのは、出生数が統計開始以来過去最少になり80万人を割ったということだ。これを受け岸田首相は

「発表された速報値で、出生数80万を切ったということを聞いています。過去最少であり、7年連続で減少しています。これは危機的な状況だと認識をしています」

と話した。

岸田首相は、異次元の少子化対策として“予算を倍増する”と啖呵を切ったものの、衆院予算委員会で野党から“どの部分を倍増するのか”と聞かれた際、岸田首相は

「数字ありきではない」
「まず政策の中身を整理する」

と繰り返し、“実質、何も答えていない”も同然の結果となった。

ユニセフが’20年に発表した「生活満足度が高い15歳の割合」と「15〜19歳の自殺率」から算出した、子どもの『精神的幸福度』という指標では日本は先進国38ヵ国中37位。ワースト2位という結果に。

アジアで最も「豊かな国」だったはずの日本はなぜここまで疲弊しているのか――。

先日、財務省が発表した令和4年度の国民負担率(所得に対する公的負担の割合)が47.5%という数字が出た。’00年の時点では35.6%だったが、日本人は今や稼ぎの半分を“国に取られている”のだ。

「30年間給料が上がらない中、国民の負担ばかりが増しています。こんな経済状況では結婚できないという若者が多い。過去最少の出生数に加え、子どもたちは将来に絶望して過去最多で自殺している。幸福度が低いことも日本の特徴で、一つの要因ではなく複合的に日本は悪い方向へ行っています。

しかし政権与党である自民党・公明党は組織票など“押さえる票”が多く選挙に強いため、政治は大きく変わらない。首相すら国民が直接選べない国で、日本を劇的に変えてくれるヒーローが誕生する可能性は低いでしょう」(全国紙記者)

少子化は国力が徐々に失われているに等しい。しかし少子化も問題だが毎日1人か2人、日本のどこかで子どもが自殺しているというのはもっと深刻ではないだろうか――。

写真:つのだよしお/アフロ

http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/457.html

記事 [政治・選挙・NHK289] 「政府の犬」丸出し状態。知らん顔を決め込む原子力規制委員会の屁っ放り腰  新恭(まぐまぐニュース)
「政府の犬」丸出し状態。知らん顔を決め込む原子力規制委員会の屁っ放り腰
https://www.mag2.com/p/news/568457
2023.03.03 新恭(あらたきょう)『国家権力&メディア一刀両断』 まぐまぐニュース


政府が今国会で成立を目指す、原発の60年超の運転を可能とする内容が盛り込まれた法案。しかしこの「老朽化原発の運転延長」という重要事項に関しては、十分な議論がなされたとは言い難いのが現実です。そこに専門家の知見は反映されているのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんが、原子力施設の安全をはかるはずの原子力規制委員会が示した、にわかに信じがたい見解を紹介。その上で彼らの無責任ぶりを強く非難しています。

老朽化原発の運転延期を容認。政府にも経産省にもモノ言えぬ原子力規制委員会の骨抜き

岸田首相は原発を60年をこえて運転できるようにするため、原子炉規制法と電気事業法を改正する法案を閣議決定した。今国会に提出するかまえだ。

安全審査で長期停止した期間分は延長可能という新解釈をひねりだして延々と既存原発を生きながらえさせようというのである。

そのための同意を求められた原子力規制委員会の会合で、今年2月13日、委員の一人が“反乱”を起こした。

「この改変、法律の変更というのは科学的・技術的な新知見に基づくものではない。安全側への改変とも言えない。審査を厳格に行えば行うほど、将来、より高経年化した炉を運転することになる。この案には反対いたします」

発言の主は、原子力規制委員会の5人のメンバーのうち、ただ一人、原子力の専門家ではない石渡明氏である。日本地質学会会長をつとめたことのある地質学の第一人者だ。

原発の運転期間については、福島第一原発の事故後、原子炉規制法の改正で原則40年とされ、規制委が認可すれば最長20年延長できることになった。つまり長くとも運転開始から60年経てば廃炉になるわけである。

電力会社など原発事業者はこの規定の撤廃を政府に要望してきた。日本には1970年代に稼働した老朽原発が多い。原発事故後の厳しい安全基準に適合するよう施設を改良し再稼働にこぎつけたとしても、残りの運転期間が短ければ、思うような収益が見込めない。

電力会社が原発の廃炉を先送りにしたいワケ

言うまでもなく、電力会社が原発稼働に躍起になるのは「総括原価方式」というシステムがあるからだ。必要経費に利潤を足して電気料金をはじき出す。利潤の額は、会社の資産額に一定の報酬率をかけて決める。原発という資産があれば利潤は大きいが、廃炉になると、たちまち巨額の不良資産に変わる。そのような事態を先延ばししたいのが原発事業者の本音だろう。

核燃料工学の第一人者とされる原子力規制委員会の山中伸介委員長は満場一致で合意をはかろうとした。ところが、2月8日の定例会でこの案件に石渡委員が一人反対したため、山中委員長は「来週あらためて議論をしたい」と、2月13日の臨時会を設定したのだが、臨時会でも石渡氏は「炉規法は規制委員会が守るべき法律だ」として譲らず、反対を貫き通した。山中委員長と事務局にしてみれば、この間の説得工作が実らなかったということだろう。

石渡氏の胸には、原発運転期間に関する不透明な意見集約についての疑念がふくらんでいた。

昨年8月24日に開かれた政府の会議で、岸田首相は2050年をめどに脱炭素社会を実現するとして、原発の運転期間を見直す方針を打ち出した。そのためには、原子炉規制法などの改正が必須であり、世間を納得させるためにも規制委員会の同意は欠かせない。

同10月5日の規制委員会で、政府方針について経産省資源エネルギー庁の説明を受けた山中委員長は「原発の運転期間は利用政策であり、規制委が意見を述べるべきではない」と語り、政府方針に従う姿勢を示した。

原発の運転期間に規制委員会は関与しない。この考え方が、いつの間にか委員会全体の合意事項であるかのごとく扱われているというのが石渡氏の疑念だ。石渡氏は「規制委員会がよく議論してこれを決めたかというと、そうではなかったのではないか」と指摘し、山中委員長の姿勢を暗に批判した。

到底信頼などできない電力会社による安全管理

原子力規制委員会設置法には、委員会について「原子力利用における安全の確保を図ることを任務とする」と定められている。原発の運転期間の「原則40年・上限60年」ルールは、どんな設備でも部品やコンクリートなどの経年劣化が避けられず、その分、事故の危険性が高まるという常識をもとにした制限である。

巨大な地震・津波が想定されながら何ら対策を講じることなく運転を続けたため福島第一原発の事故を招いてしまったことでもわかるように、ともすれば企業は利益を優先して安全をおろそかにしてしまう。電力会社が信頼に足るのなら運転期間はその良識に任せればいいが、カルテルや顧客データの漏洩など不祥事が相次ぐなかで電力料金の値上げだけには躍起となる姿を見て、誰がその安全管理を信頼できるだろうか。

それなのに、山中委員長は、原発の運転期間の判断に規制委員会がタッチすべきではないと言う。その見解がどこから生まれてきたのか。石渡氏は2020年7月29日の規制委員会に提出された事務局作成の資料をあげた。

第2次安倍政権の末期、原子力業界の団体「ATENA」と原子力規制庁との意見交換会が6回にわたって行われた。そのさい「ATENA」側から出された原発運転期間に関する要望について、規制委員会が見解をまとめた文書である。ポイントは以下の記述だ。

運転開始から40年という期間そのものは、評価を行う時期として唯一の選択肢というものではなく、発電用原子炉施設の運転期間についての立法政策として定められたものである。そして、発電用原子炉施設の利用をどのくらいの期間認めることとするかは、原子力の利用の在り方に関する政策判断にほかならず、原子力規制委員会が意見を述べるべき事柄ではない。

この見解について石渡氏は、ATENAとの意見交換会でも議論された形跡がないと述べたうえで、次のように主張した。

「原子力規制委員会が関わるべき事柄ではないという部分がどういう経緯で盛り込まれたのか、非常に疑問に思っております。この文章は、昨年9月末以来、何回もこの場に出てきているが、原子力規制委員会がよく議論してこれを決めたかというと、そうではなかったと思います」

2014年9月から委員をつとめる石渡氏が、ほとんど議論した記憶がないにもかかわらず、この見解が規制委員会の文書に盛り込まれたことへの疑問の表明である。

岸田首相の意を汲み運転期間改変を容認するようリードしてきた山中委員長

山中委員長は「5年前から運転期間についてどうあるべきかというのを議論してきた」と述べて石渡委員に翻意を促したが、石渡氏は「この文章をあたかも金科玉条のように使っているが、原子力規制委員会の全体の意志として確固として決定されたというものではない」と反論した。

この食い違いはなぜ起きたのだろうか。答えは、この文章が登場する1週間前、2020年7月22日開催の規制委員会にあった。

この会合では、ATENAとの意見交換会の結果が報告されているが、その内容は、経年化への技術的対処に関する事項が並べられたものであったため、石渡氏は何ら異論を唱えることはなかった。

しかしその会合で、委員の一人だった現委員長、山中氏は、次のように述べていたのだ。

「運転期間延長認可制度の40年という期間は、科学的、技術的な観点から定められたのではなく、政策に基づいて決定されたもので、原子力規制委員会が議論すべき問題ではなく、長期運転停止期間をそれに含めるかどうかについても原子力規制委員会が判断すべき事柄ではないと考えます」

つまり、事務局は山中氏のこの発言をそっくりそのまま使って規制委員会の見解文書案としてまとめ、1週間後の会合に提出したわけである。

そして、そこから2年が経過した昨年夏、岸田首相が運転期間の見直しを宣言すると、山中委員長はその方針を支持するための論理として同じ見解を使い、今年に入って原子炉規制法改正案の国会提出が間近に迫るなか、2月8日、13日の会合で、運転期間改変を容認するようリードしてきたわけである。

第2次安倍政権以降に経産省支配が強まった規制委員会

だが、その流れがあまりに拙速であったため、賛成した委員のなかから次のような意見が出たことも事実だ。

「我々がこれを決めるにあたって、外から定められた締切りを守らなければいけないという感じでせかされて議論をしてきました。そもそもそれは何なのだというところはあります」

もちろん、委員をせかしたのは、直接的には事務局の原子力規制庁であろう。ただ、原子力規制庁の担当者が昨年7月から9月にかけて資源エネルギー庁の担当者と少なくとも7回にわたり面談していたことが明らかになっており、山中氏のその後の動きは経産省の強い要請を受けたものと見ることもできる。

原子力の安全規制は、かつて資源エネルギー庁のもとに置かれていた原子力安全保安院が担い、それとは別に内閣府の審議会の一つであった原子力安全委員会が多層的にチェックするという仕組みだった。

しかし、規制する側が規制される側に支配される「規制の虜」となり、電力会社の言いなりになって、あの大事故を防ぐことも、発生後にうまく対応することもできなかったため、両機関とも事故後に廃止された。

そして、経産省から切り離され、環境省の外局としてつくられたのが原子力規制委員会であり、その事務局が原子力規制庁である。むろん環境省の官僚は原子力に関して門外漢であり、つまるところ、保安院の官僚が横滑りして事務局をつとめるしかなかったし、委員会のメンバーも“原子力村”の専門家が中心だった。このため、第2次安倍政権以降、しだいに経産省支配が強まる傾向にあった。

政権と経産省にモノ言えぬ原子力規制委員会の無意味

それにしても、原子力施設の安全をはかる委員会が原発の運転期間にタッチしないのは責任放棄ではないのだろうか。福島第一原発のような事故を繰り返さないための安全対策として運転期限が定められたはずなのに、利用政策の問題だからと知らぬ顔を決め込むのである。

山中委員長は「我々がやるべきことは、高経年化した原子炉に対し、基準に適合しているかどうか、個々に安全規制を確実に行うこと」という。

新しい規制案が「運転開始後30年を超えて原子炉を運転しようとするときは、劣化を管理するための10年以内の計画を策定し、原子力規制委員会の認可を受けなければならない」となっているのはその考え方に沿ったものだろう。しかし書面上の劣化管理計画だけを審査して、実態がわかるとは思えない。

原子炉は道路や橋などと違い、中に入って点検することができない。40年ルールを決めた時と異なる知見や検査法が生み出されたわけでもない。一律に運転期間を決めなくとも個々の原子炉ごとに経年劣化の進み具合をチェックしていけばいいというのは、理屈の上だけならともかく、実際にそれをやるとなると、きわめて難しいはずである。

原子炉規制法などの改正案は今国会に提出される見通しだ。独立性を掲げながら、政権と経産省にモノを言えない原子力規制委員会を象徴するようなこれらの法案を通すことは、再び「規制の虜」に堕することを国会が容認するに等しい。野党が弱体化し大政翼賛的傾向が強まるなか、あらためて議員の見識が問われることになろう。

image by: 原子力規制委員会

新恭(あらたきょう) この著者の記事一覧

記者クラブを通した官とメディアの共同体がこの国の情報空間を歪めている。その実態を抉り出し、新聞記事の細部に宿る官製情報のウソを暴くとともに、官とメディアの構造改革を提言したい。記者クラブを通した官とメディアの共同体がこの国の情報空間を歪めている。

http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/458.html

記事 [政治・選挙・NHK289] 注目集まる放送法文書の真贋 総務省から怒りの内部告発続出!“安倍政権の膿”噴出の可能性(日刊ゲンダイ)

注目集まる放送法文書の真贋 総務省から怒りの内部告発続出!“安倍政権の膿”噴出の可能性
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/319629
2023/03/06 日刊ゲンダイ


立憲民主党の小西洋之参院議員の元には新たな「内部告発」が(C)共同通信社

 放送法の政治的公平性の解釈を巡り、安倍政権が総務省に圧力をかけた記録とみられる「内部文書」の真贋に注目が集まっている。

 省内から入手した文書を基に「個別の番組に圧力をかける目的で法解釈を変えた」と追及する野党に対し、岸田内閣が「文書は捏造」「文書の正確性、正当性に疑義」と主張しているからだ。この政府の態度に、総務省内部から怒りの声が噴出。今後、内部告発が続出する可能性がある。

閣僚の態度に「呆れた」「悔しい」

 文書は、元総務官僚で立憲民主党の小西洋之参院議員が同省職員から入手。2014〜15年、安倍官邸が政治介入し、法解釈の変更を迫る過程が詳述されている。当時の礒崎陽輔首相補佐官の「けしからん番組は取り締まるスタンスを示す必要がある」といった発言まで記録されている。

 3日の参院予算委員会で小西氏が追及すると、岸田首相は「文書の信憑性」を盾に答弁拒否。松本総務相も「正確性が確認できない」と逃げ、当時、総務相だった高市経済安保担当相は「捏造文書」と断言した。この閣僚らの答弁ぶりに、総務官僚から怒りの声が上がっているという。

 小西議員本人がこう言う。

「3日の予算委での閣僚たちの態度に対して、総務省の現職職員から『呆れた』『悔しい』という声が私の元に届いています。私に内部文書を提供した職員に対する称賛も上がっている。内容は言えませんが、新たな内部告発も届きました。それだけ、省内に積もり積もった政治介入への怒りがたまっているということでしょう」

 問題は、安倍官邸の圧力によって放送法がねじ曲げられた可能性があることだ。総務省は従来、放送法の政治的公平性について「放送事業者の番組全体を見て判断する」との見解を示していたのに、16年2月に示した政府見解で「一つの番組でも判断できる」と、百八十度変更。その結果、テレビ局は一つ一つの番組の政治的公平性に配慮せざるを得なくなり、萎縮してしまった恐れがある。

職員が捏造に手を染めるメリットがない


「正確性が確認できない」と言った松本剛明総務相(C)共同通信社

 文書に記された圧力が真実なら、トンデモナイ話だ。本当に高市氏が言うような「捏造文書」なのか。ある総務省OBはこう言う。

「細かい文言は不正確な部分があるかもしれないが、あれだけ詳細に記載された文書を職員が“作文”できるとは思えない。大まかな流れは正しいのではないか。そもそも、職員が捏造に手を染めるメリットが見当たりません。仮にバレたら、間違いなくその職員は徹底的に干されるでしょう。あまりにリスクが大きすぎますよ」

 実際、圧力をかけていたとされる礒崎氏も、総務省と意見交換した事実は認めている。今後、内部リークが続けば、放送法に手を突っ込んだ安倍政権時代の“膿”が、どんどん噴出する可能性がある。「辞職」と啖呵を切った高市氏のみならず、岸田首相も無傷では済まないだろう。

http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/459.html

記事 [政治・選挙・NHK289] ガーシー氏はきちんと「陳謝」する? 過去に国会演説での“爆弾発言”後に辞職した議員も(日刊ゲンダイ)
ガーシー氏はきちんと「陳謝」する? 過去に国会演説での“爆弾発言”後に辞職した議員も
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/319604
2023/03/06 日刊ゲンダイ


ガーシー参議院議員(C)共同通信社

 3月8日に予定されているガーシー参院議員の国会での陳謝。本人は今のところ帰国して陳謝する意向のようだ。参院懲罰委員会では陳謝文の文案がすでに全会一致で決定されるなど、同日の本会議での『儀式』へのお膳立てが進められている。

 今後、ガーシー議員は日本に帰国し、国会に登院。参院本会議で陳謝文を朗読する……という手筈でことが進むことになるが、本当にスムーズに進むか否かはまだ分からない。何せ、これまでYouTubeで世の中を揺るがす暴露を重ねてきた男だけに、本当に陳謝文の朗読だけで終わるのか。不規則発言と言えるものではないが、かつて、国会では自身を表彰する衆院本会議で、議場に居並ぶ議員たちの目の前で「爆弾発言」を行った人物がいた。故・石原慎太郎都知事である。

 1995年に開かれた国会議員在職25周年を表彰する本会議の際、石原氏は表彰に対する謝辞の終盤、「こうした政治の現況に、国民がもはや軽蔑を通り越して、期待し裏切られることにも倦んで、ただ無関心に過ぎているという状況は、政治の本質的危機としか言いようがありません」と、当時の日本政治の状況を危惧した。

 さらに石原氏は、「現在の日本国民の政治に対する軽侮と不信は、今日このような表彰を受けたとはいえ、実はいたずらに馬齢を重ねてきただけでしかない、まさにこの私自身の罪科であるということを改めて恥じ入り慙愧するのみであります」としつつ、議員辞職を表明。驚く衆院議員たちを尻目に演壇を降りたのだった(その後、実際に辞職)。

 翻って、ガーシー議員だが、壇上で淡々と陳謝文を朗読するだけで終わるのか、はたまた、何らかの「不規則発言」が差し挟まれるのか、一抹の不安がよぎる。

http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/460.html

記事 [政治・選挙・NHK289] 放送法の公平性「番組全体を見て」は麻生太郎氏の04年国会答弁 安倍官邸に解釈“歪曲”疑惑(日刊ゲンダイ)
放送法の公平性「番組全体を見て」は麻生太郎氏の04年国会答弁 安倍官邸に解釈“歪曲”疑惑
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/319656
2023/03/06 日刊ゲンダイ


いつのまにやら政治的公平性は「一つの番組」でも…(麻生太郎副総裁)/(C)日刊ゲンダイ

「悪意を持って捏造されたものだ」

 3日の参院予算委員会で、高市早苗・経済安全保障担当相がこう声を荒げていたのが、放送法の政治的公平性をめぐり、2016年、当時の安倍政権の官邸側と総務省側がやりとりした記録とされる総務省の内部文書についてだった。

 立憲民主党の小西洋之参院議員が入手したこの内部文書「礒崎総理補佐官ご説明結果」には、個別の番組ではなく放送局の番組全体を見て判断する、とされてきた法放送の「政府解釈」について、当時の礒崎陽輔首相補佐官(19年参院選で落選)が「この件は俺と(安倍晋三)総理が決める話」などと、圧力をかけて事実上の「変更」を迫った、とされる内容が記され、この結果、政府解釈は「一つの番組でも判断し得るケースがある」と補充されたという。

 小西氏は、内閣法制局の審査を経ずに「一部の権力者によって都合のいい解釈に放送法が私物化されている」と批判し、今も国会で質疑が続いている。

 内部文書の真偽ももちろん大事だが、忘れてならないのは、そもそも放送法について「変更前」の「政府解釈」を強く主張していたのは他ならぬ自民党政権だったことだ。

当時の麻生総務大臣は、政治的公平性は「番組全体を見て判断」と答弁

 2004年6月3日の衆議院総務委員会。野党の民主党(当時)議員は、自民党山形県連の広報番組を、地元の山形テレビが85分間にわたって放送したことを問題視。政治的公平性の観点から「放送法に抵触するおそれ」があるのではないかと問いただした。

 すると、答弁に立った麻生太郎総務大臣(当時)はこう答えていたのだ。

「これは(放送法)3条の2の第1項第2号の政治的に公平であることということで、基本的には、不偏不党の立場から、政治的に考えても偏ることなく、放送番組全体としてのバランスがとれたものであるようにしておかないかぬということだと思っております」

「政治的に公平であるとの判断は、一つの番組ではなくて、その当該放送事業者の番組全体を見て判断をする必要があるという具合に考えております」

 放送法に基づく政治的公平性は「一つの番組」ではなく、「番組全体」を見て判断する――。麻生氏が国会でこう断言していたにもかかわらず、いつの間にか「一つの番組でも判断し得るケースがある」と変更されたわけで、小西氏が「都合のいい解釈に放送法が私物化されている」と指摘するのも当然なのだ。

http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/461.html

記事 [政治・選挙・NHK289] 三浦瑠麗“味方”の保守論壇からも猛批判され大ピンチ…未だ残る夫会社への関与“全否定”の謎(女性自身)
三浦瑠麗“味方”の保守論壇からも猛批判され大ピンチ…未だ残る夫会社への関与“全否定”の謎
https://jisin.jp/domestic/2182915/
2023/03/02 『女性自身』編集部


事務所の入口で目撃した三浦瑠麗

《はい、田原さんから先日お電話いただきました。励ましていただき、ありがとうございました。残りの会話の9割はいつものように政治の話でした》

2月20日、こうツイートしたのは国際政治学者の三浦瑠麗(42)。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)の司会者・田原総一朗(88)が、“彼女を励ました”と明かす動画にコメントを寄せた。

歯に衣を着せぬ保守派の論客としてテレビに引っ張りだこだった三浦だが、木曜レギュラーだった『めざまし8』(フジテレビ系)をはじめ『朝まで生テレビ!』など相次いで出演を休止している。

発端は夫・清志氏が代表を務める会社が太陽光発電所への投資をめぐって詐欺容疑で告訴され、1月19日に東京地検特捜部の家宅捜索を受けたこと。当時、三浦は自らが代表を務めるシンクタンクの公式サイトに、次のような声明を発表していた。

《私としてはまったく夫の会社経営には関与しておらず、一切知り得ないことではございますが、捜査に全面的に協力する所存です。また、家族としましては、夫を支えながら推移を見守りたいと思います》

一方で、夫の事件が取り沙汰されてしばらく沈黙を守っていたSNSは、2月6日から“通常運転”を再開。私生活でも2日連続で男性と食事に出かける姿を、本誌は目撃している。さらにはバンコクで開催されたフォーラムに登壇し、起業家に向けた講演も行っていた。

まるで何事もなかったかのように活動的に過ごす三浦だが、自身を取り巻く環境は平穏とは言えなそうだ。

「『めざまし8』をはじめテレビ番組への復帰の目処は立っていません。今後もし旦那さんが逮捕されるようなことになれば復帰は絶望的だと思います。テレビを中心に知名度を上げてきた人なので、今回の件はかなり痛いのではないでしょうか」(テレビ局関係者)

さらに、“味方”であるはずの保守論壇からも批判の声が出てきているようだ。

月刊誌『WiLL』4月号では、「三浦瑠麗 空しきセレブの正論」と題して作家・百田直樹氏と政治学者・岩田温氏の対談を掲載。『月間Hanada』4月号でも「崖っぷちの三浦瑠麗」との特集が組まれ、イトモス研究所所長・小倉健一氏とジャーナリスト・山口敬之氏が寄稿している。

「いずれの記事でも、瑠麗さんの『夫の会社経営には関与していない』との説明に疑問を呈しています。中野信子さんとの共著書では『(夫と)お互いの会社の株を持ち合っている』と明かし、討論番組でも太陽光発電をめぐり『うちは事業者』と語っていたことも指摘されています。

瑠麗さんは、自民党政権下の成長戦略会議やテレビ番組でも太陽光発電事業を推してきました。加えて、夫の会社と瑠麗さんのシンクタンクは同じ住所・同じフロアにあるので、尚更信じがたいようです。彼女自身はこの2誌に登場したことはないそうですが、安倍晋三元首相を慕い、国葬にも出席しています。にもかかわらず、安倍元首相に近しい人物が集う雑誌からも批判対象にされてしまったようです」(週刊誌記者)

“関与全否定”から1カ月経つが、指摘される矛盾をどう説明するだろうか。

出典元:WEB女性自身

http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/462.html

記事 [政治・選挙・NHK289] 映画『妖怪の孫』――安倍晋三がもたらしたのは美しい国か、妖怪が棲む国か? 監督・内山雄人(長周新聞)

※補足 
https://youkai-mago.com/


映画『妖怪の孫』――安倍晋三がもたらしたのは美しい国か、妖怪が棲む国か? 監督・内山雄人
https://www.chosyu-journal.jp/review/25992
2023年3月6日 長周新聞


 あれだけ世間を騒がせたモリカケ桜も統一教会の問題も、今ではまるでなかったかのような空気をメディアが醸し出すなか、安倍晋三元首相やその背景を改めて検証することで、彼は日本になにをもたらしたのか、今の自民党や岸田政権はどこへ向かおうとしているのかを、ユーモアたっぷりに描いた映画『妖怪の孫』が完成した。制作したのは、菅義偉元首相のドキュメンタリー『パンケーキを毒見する』をつくった内山雄人監督とそのスタッフだ。その時々の実際の映像と、右左関係なく関係者に突撃インタビューした内容をつなぎ、そこに突っ込みを入れるという、マイケル・ムーアを彷彿とさせる手法をとっている。3月17日からの全国公開を前に、2月23日には特別限定上映会「サクラが見る会」が、一日にはマスコミ試写会がおこなわれた。映画『妖怪の孫』はなにを描いているのか――。

3月17日から全国上映開始

 映画は冒頭、「安倍さんはなぜ選挙に強いの?」と問いかける。確かに第二次安倍政権は選挙に勝ち続け、憲政史上最長の政権となった。

 一つのカギはメディア戦略で、野党に転落した自民党がもっとも重視した。大手広告代理店と手を組んで「T2」を立ち上げ、どんな話題をとりあげればネット・ユーザーが反応するか、選挙運動にどう反映させるかを研究し、若者対象のネットファンクラブもいち早く立ち上げた。

 そして、安倍政権になってからのメディアトップとの“濃厚接触”、頻繁な会食。「『ニューヨークタイムズ』の社長がオバマ大統領と食事することはありえない。メディアの独立を冒すからだ。政権と癒着すると読者の信頼を失う」とは、米国のジャーナリストの意見だ。

 安倍政権は選挙前、在京テレビ局に「報道の公正・中立」を申し入れた。日本のメディアの選挙報道量の調査では、衆院選のあった2005年が300時間をこえていたのに対し、同じく衆院選のあった2014年は50時間をこえた程度に激減。それに比例して投票率が、2005年の67・51%から2014年の52・66%(戦後最低)にまで落ち込んだ。メディアが萎縮して選挙報道を減らし、連動して投票率は低下し、自民圧勝が演出されたわけだ。

 安保法制強行採決のとき、ニュースキャスターの降板があいつぎ、高市早苗総務相(当時)の「電波停止」発言まで飛び出した。「報道の自由度ランキング」で日本は世界72位に。

 しかし冷静に見れば、権力者の横暴は世の常。問題は、政権を監視する役割を持つはずのメディアの側があまりにも腰砕けで、政権とズブズブの関係になっていることだ。そもそも『朝日』『読売』『毎日』にせよ、NHKにせよ、日本のメディアは戦時中、天皇制政府の情報局の中枢におり、「鬼畜米英」「一億玉砕」を煽って国民の犠牲を増やした側だ。それが敗戦後、新聞社の解散を免れてその体質を温存したまま、対米従属下の政府広報紙になって今に至る。

 メディアの問題といえば、映画の中に出てくる霞ヶ関の現役官僚たちの覆面座談会には、思わず身を乗り出した。財務省の公文書改ざん問題が論議されるなか、「マスコミにネタを提供しても、新聞社内で通らないんだ。社内で握りつぶされる。ひどいですよ。場合によっては自分が通報されてるんじゃないかという気すらした」「マスコミには二重スパイがいて、マスコミにいろいろ聞かれたことがいつの間にか上司に伝わっていて、身の危険を感じたことがある」。心ある有能な新聞記者たちが大手新聞社を次々に去っていくはずである。

 安倍晋三が強いわけではない。「選挙に勝てば正義」という理屈だが、憲政史上最長の政権は、メディアと野党に支えられた砂上の楼閣だ、問題は国民がそれに気づくことなのだ、とのメッセージを受け止めた。

岸信介から続く系譜


「昭和の妖怪」と呼ばれた岸信介

 次に「安倍さんはどんなふうに育ってきたの?」に画面は移る。

 長年安倍晋三を取材してきた年輩のジャーナリスト。机の上にはオフレコの取材メモの山。安倍晋三の生育過程について、いったいなにが明かされるのか。

 「(小さい頃)あの子は強情で、一度いい出したら聞かない子だった」

 「宿題やったの? といったら、やったよというが、ノートを見ると真っ白だった」

 「(両親の愛情不足から)かまってほしいタイプ」

 「中学生になっても乳母のふとんにもぐりこんでいた」

 「(大学生のとき)大学校内をアルファロメオで走っているバカがいると評判になった」

 「勉強はしなかった。卒業できたのは“要領”だといっていた」

 このジャーナリストが示した安倍晋三の本音の政治信条とは、「要領のいい演出家」。みせかけ政治とやってる感。「アベノミクスもやってる感なんだから。成功とか不成功とかは関係ない」。ちょっと軽すぎないか? こうした幼少期からの自分の弱さやコンプレックスを隠して、安倍晋三が目標としたのは誰か?

 父方の祖父は安倍寛で、戦時中は大政翼賛会に抗って出馬し当選した、反骨と平和主義の人として地元では信頼が厚い。しかし彼がめざしたのは、それとはまったく方向性が異なる、「昭和の妖怪」と呼ばれた母方の祖父・岸信介だった。

 岸は戦前、満州国経営の中心人物の一人で、東条内閣の閣僚の一員。戦後はA級戦犯として投獄されるが処刑を免れ、米国に拾われて、出獄からわずか9年で首相に登り詰める。CIAとの癒着もとり沙汰された。やったことは日米安保条約改定で、「米国の戦争に巻き込まれる」と全国的な60年安保反対闘争が巻き起こった。

 「なんでも一番でないと気が済まない安倍晋三さんは、憲法改正をやって岸信介をこえようと思ったんだ」

安倍8年とは何だったか


映画『妖怪の孫』の一場面

 そんな安倍晋三が手を染めたのがモリカケ桜、集団的自衛権と安保法制。統一教会との関係も、安倍政権8年で一気に強まった。

 「もし私や妻がかかわっていたのなら、総理大臣も議員も辞める」といって財務省近畿財務局職員の赤木俊夫氏を自殺に追い込み、「ウソなんかつくわけないじゃないですか」といって虚偽答弁を118回おこなった、安倍晋三元首相。「知りうる立場にあったが、実際には知らなかった」など、かなり無理のある国会答弁の映像が続く。

 これも霞ヶ関の官僚たちの覆面座談会だが、財務省の公文書改ざんについて、「個人的にはものすごくショックだった。総理が平気で嘘をつくのだから。そして赤木さんがあんなことになって…」と語る言葉に無念さがにじむ。

 「国民の公僕として本当に正しいことを直言する、という精神文化はまったく失われた。ポーンと首が飛ぶのだから。それを露骨にやり始めたのが安倍政権」「今の政権の方向性と違うことは一切考えるなと上司からいわれた」

 さらに安倍政権は、それまで歴代政権が認めてこなかった集団的自衛権の行使を、内閣法制局長官をかえ、解釈改憲の閣議決定をして、行使容認に転換させた。これについても「今までの判例や学説をすべてひっくり返すようなものだ。自分の仕事をやるのがバカバカしくなる」「時の総理大臣がルールを無視してテロをやるんだ」と憤懣やる方ない。

 安倍政権8年で、三権分立や法治国家といった国のあり方をぶっ壊してしまった。これに対して霞ヶ関の官僚のなかでも、いかに「いいかげんにしろ!」の思いが渦巻いているか。このあたり、ぜひ本作をみてほしい。

 自民党と統一教会との関係も、「安倍さんが仲いいんだから、つきあわなかったら怒られる」(自民党議員)。統一教会と関係の深い議員が大臣やさまざまな役職に就き、国政に影響を与えてきた。きっかけは2009年、全国で統一教会の霊感商法が摘発され、渋谷区松濤の本部教会へのガサ入れも秒読みになったとき、止めたのが警察官僚出身の亀井静香だった。その後、第二次安倍政権では国家公安委員長に統一教会と親しい議員が次々と就任し、警察の捜査がゆがめられた。いまだに統一教会関係議員はおとがめゼロだ。

 「政策がゆがめられた」のは、財界との関係でも同じ。自動車業界や化学業界など、自民党への大口献金が多い業界ほど、政策減税の恩恵が大きいことが数字にあらわれている。アベノミクスの結果、「賃金は上がらず、トリクルダウンは起こらなかった」(岸田首相)。一人当りGDPで日本は世界27位まで急降下し、先進国から脱落した。

火炎ビン事件の真相も

 では、「安倍さんの選挙区はどうなっているのか?」

 江島潔が下関市長であった時期、多くの公共事業の入札で官製談合が疑われたが、そのなかで安倍晋三ととくに関係の深い業者にかかわる入札といわれたのが、奥山工場ごみ焼却施設建設工事、新環境センター・リサイクルプラザ建設工事、下関市社会教育複合施設(ドリームシップ)整備運営事業の三つだ。映画では当時の本紙の記事を紹介しながら、なにがおこなわれていたのかに迫っていく。

 このうち奥山工場ごみ焼却炉(落札価格110億925万円)とリサイクルプラザ(59億9550万円)は、安倍晋三の出身企業といわれる神戸製鋼を指名した入札で、ドリームシップ(下関市生涯学習プラザ)は安倍晋三の実兄が支社長(当時)をしていた三菱商事中国支社が落札した。

 「私物化は昔からだった」。こうして彼らが利権をあさった結果、首相お膝元の下関は全国トップクラスで人口減少が進む街となった。閑散とした街の姿をカメラが映し出すのを見ながら、郷土を豊かにできない政治家が国を豊かにできるわけがない、と改めて考えさせる。

 1999年の下関市長選で、安倍事務所が推す江島潔に対抗した古賀敬章に対して、「あいつは北朝鮮とつながっている」と誹謗中傷するビラをヤクザに配らせたあげく、その報酬を安倍事務所がケチったことに腹を立てたヤクザが、安倍晋三宅などに火焔瓶を投げ込んだ事件があった。映画では、この問題を国会の場で、山本太郎(当時、自由党)が「民主主義の根底をひっくり返すような、相手候補に対する選挙妨害を発注した」と追及する場面が出てくる。安倍晋三は関与を否定したが、画面には、安倍事務所秘書の直筆の名前「竹田」が記された念書が映し出された。


安倍事務所への火炎瓶投げ込み事件の捜査現場(2000年6月28日、下関市)

この国に棲みついた妖怪とは

 映画のなかでときどき登場する風刺絵本(マンガに吹き出しがついたもの)。安倍晋三がもたらしたのは「美しい国」ではなく、妖怪が棲みついた国だった。

 「電車に乳母車を押して乗ってくるな!」「近所に保育園を建てるなんて、子どもの声がうるさいじゃないか!」。これは妖怪「不寛容」にとりつかれている人たち。

 「大学に入れないのも、就職が見つからないのも、結局自己責任なのさ」というのは妖怪「慈虚(じこ)責任」で、能力主義から傲慢さが増幅し、自信を失った者はもっと自虐的になる。

 隣に自分勝手な人が住んでいると、「ウチの生活を守るんだ」と勝手にエスカレートしてミサイルなどを次々に購入し、最後には自爆してしまう家族。これは妖怪「セメ・テクール」の影響だ。

 いつから日本人は、周りの人に深い思いやりを持ったり、弱きを助け強気をくじく美風を忘れてしまったのか。この種の妖怪にとりつかれて、気分・感情を蝕まれてはいないか。まったく他人事ではない。

 とはいえ、ラストはいたって真面目。自民党の改憲案は、「憲法は政治権力を縛るもの」という立憲主義を逆転させて、国民を縛るものにかえている。そして、憲法九条の「必要最小限の防衛力」を「必要な防衛力」にかえ、際限のない軍拡に進もうとしている。岸信介や安倍晋三が残したものは、戦争への道だった。最後の場面、監督が自身の幼い娘をひきあいに出しつつ、次世代のために平和な社会を残すのはわれわれ大人の責任ではないかと問いかけて終わる。

 17日より新宿ピカデリーなど全国で上映が始まる。上映時間115分、『妖怪の孫』製作委員会。制作・テレビマンユニオン、配給・スターサンズ。

■ 内山雄人監督インタビュー

 ――なぜ今、この時期に『妖怪の孫』を世に問おうと思ったのか?


内山雄人監督

 内山 この映画の企画自体は安倍さんが亡くなる前から動いていた。しかし、牽引者であったスターサンズのプロデューサー・河村光庸氏が亡くなり、安倍さんも亡くなって、映画自体が頓挫しかかった。

 そうした紆余曲折をへたわけだが、「なぜ今」といわれれば、一つは統一地方選が近いということがある。そこに向けて意識を喚起してもらいたいという思いがあった。同時にこの年明けから、岸田政権が閣議決定を含めてかなり強引に物事を進めていく姿勢を一気に強めた気がしたし、その背景には安倍政権から引き継いでいるものが大きいと感じている。

 そこで、この映画は早くみなさんに知ってもらった方がいい、そして今の軍拡だとかマイナンバーだとか、国民が置いてきぼりをくいながらどんどん進んでいくことへの危機感をなんとか共有できないか、みんなが気づかないといけないんじゃないかという気持ちがあって、このタイミングでの公開になった。

 そして、テレビがこういう発想におよそ至らなくなっているという現実をすごく感じる。安倍さんが亡くなった後、安倍政治の10年の功罪を検証する特番やスペシャルがどんどん出てきておかしくなかったが、それがまったくなかった。国葬のタイミングでやるかと思っていたら、それもなかった。あまりにもそういうことをテレビが避けている。

 ただ僕の今回の作品は、「検証」とか「総括」というニュアンスで受け止められがちだが、僕のアプローチは上から目線で安倍さんに切り込むというのとは違っている。僕はテレビで当時は伝えられなかった、したがってみんなが知らなかった安倍さんの一面をもう一度見つめ直そうという姿勢で臨んでいる。自民党のメディア戦略というのもテレビでは扱えないことだけど、それを表に出すことでテレビの限界ということも知ってほしいし、そこで知らなかった安倍さんに出会えるといいなと思っている。

 ――この映画をつくるうえで心がけたこと、気をつけたことは?

 内山 僕らに対して、「アベガー」みたいに安倍さんを批判するために映画をつくっていると見られることはまったくの誤解なので、まずそこを理解してほしい。

 僕自身はテレビマンとしておもしろいもの、視聴者の興味をひくものを提供したいという思いがある。ただ権力を監視するという姿勢は持っていたい。たとえば現役官僚の座談会で、赤木さんが亡くなって官僚のみなさんはどんな気持ちだったのか、この10年間で官僚組織がどう変わったのかを語っていただいたが、それはびっくりすることでもあるし、ほんとの気持ちを少しは伝えることができたかなと思っている。ああそうだったのか、あのときはこうだったのか、と謎解きみたいなことが一つ一つできたらいいなという思いの方が強いので、「糾弾する!」とか「安倍やめろ!」というようなスタンスはまったくとっていない。

 ただ、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」という安倍さんの言葉は、それは一国の総理がいう言葉だろうかという疑問があるからとりあげる。しかし、それを「よくないじゃないか」とは提示せず、見ている人がそれを受け止めて考えてもらえばいいと思っている。

 ――映画のなかで、マンガで書かれた人たち(風刺絵本)を通じて、安倍政治の国民の心への浸透をとり上げている。

 内山 「不寛容」とか「忖度」とか、なにかこの10年の間にわれわれがおかしな空気にとりつかれているような気がして、それが妖怪の魔力の影響だと描いている。身近にこんなことたくさん起きてるなと、風刺として受け止めつつ、「あれ、自分もそうだな」と気づいてもらえたらなと思っている。

 ――今から映画館に足を運ぶ方に一言。

 内山 知らなかった安倍さんに出会えるというつもりでみてもらえたらと思っている。同時に、今の自民党政権の背景というものがわかるし、LGBTの問題とかいろんな問題がつながってきて、今起こっている問題を紐解くヒントが見えてくるのではないか。今の岸田政権の背景が見えてくると思う。

【リンク】映画『妖怪の孫』公式サイト

http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/463.html

記事 [政治・選挙・NHK289] 皇位継承論議、唐突な首相呼びかけに自民戸惑い「統一選前に党内二分する議論避けたい」(読売新聞オンライン)
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230305-OYT1T50227/


首相は2月26日の自民党大会で、「安定的な皇位継承を確保する方策への対応も先送りの許されない課題で、国会における検討を進めていく」と強調した。

それに関連し、そのことに関する、政界の検討状況の記事が出た。

記事によれば、

「・・・政府は昨年1月、皇族数の確保策として、〈1〉皇族女子を結婚後も皇室に残す〈2〉旧皇族の男系男子を養子縁組で皇籍に復帰させる――の2案を軸とする有識者会議の報告書を国会に提出した。細田衆院議長は各党の議論に委ねたが、自民党は麻生副総裁を座長とする「懇談会」を1度開いただけで、議論はこの1年間、進んでいない。・・・

・・・皇位継承策の議論を深掘りすれば、保守派に反発が強い女性・女系天皇や女性宮家創設の是非も取り上げざるを得ず、4月の統一地方選などを前に「党内を二分するような議論は避けたい」というのが自民内の大勢だ。・・・

・・・他の党の議論も進展していない。公明党は昨年2月に検討委員会の初会合を開いたものの、政府側からの聴取にとどまっている。・・・」

記事の概略は以上のようなことであるが・・・

・・・・

皇位継承策の議論が進まない根本原因は、その問題を議論するにあたって「天皇制」のあり様についての議論が避けられないからだと、個人的には考えている。

他の人がどう考えているかはよく知らないが、個人的には、今の「天皇制」は、日本国憲法の根幹をなす、「自由」、「平等」、「基本的人権」等々の尊重という理念とは相反する制度であり、日本国憲法の抱える最大の「矛盾」であると考えるからだ。

「皇位の世襲制」しかり。
「男系」しかり。
「皇室、皇族の存続を維持しつつ、一方では、華族その他の貴族の制度は、これを認めない。とする。

日本の天皇制の肝は、
「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。」
ということに集約されている。

すなわち、「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と国民が認めた人間を、「天皇」
と称することにしたということでしかない。

「日本国民統合の象徴」であるために必要な条件はただ一つ「国民の総意」だろう。

神話を持ちだしたりしてまでの「血筋」は何の意味も持たないし、男でなければならない理由は、聞くまでもなく笑止だ。
「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」を戴くために、皇室も皇族も必要条件ではあり得ない。
むしろ、憲法14条に明らかに矛盾する制度と言えよう。

素人の私でさえ、このような矛盾を感じる今の天皇制だ。
専門家が議論を始めたら、どういう事になるかは、簡単に想像がつく。

要するに、「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」を必要とし、求めるにのであれば、今の天皇制に拘ることなく、政治的な地位ではなく、儀礼的な「元首」としての大統領であてもいいと思うし、その地位を「天皇」と呼ぶのもいいかも知れないと思う。

すなわち、その地位は、「世襲」のものではなく、常にその時代の「国民の総意」が反映されたものであることが日本国憲法の求めるところではないかと思う所だ。

いずれにしても、この問題に触れれば、「百家争鳴」「議論百出」「甲論乙駁」となることは、覚悟が必要だろう。
だから、なかなか議論が進まない。

私個人的には、当面「女系天皇」もオッケー。
将来的には、公選制かな。
とは言え、いずれにしても、国民の総意で決めることが寛容だ。

こんなこと書いたら荒れちゃうかな・・・?。





http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/464.html
記事 [政治・選挙・NHK289] さながら圧力団体 異次元緩和の非を認めない安倍派の異様(日刊ゲンダイ)

※2023年3月6日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大


※紙面抜粋


※2023年3月6日 日刊ゲンダイ2面

※文字起こし


アベノミクスの破綻がここまで明らかになっても絶対非を認めない(左から、世耕弘成参院幹事長、萩生田光一自民党政調会長)/(C)日刊ゲンダイ

「アベノミクスは失敗ではありません。もし失敗して経済が悪くなっているのなら、われわれはとっくに選挙に大敗して政権を失っている」──。日曜の朝っぱらから、自民党の世耕弘成参院幹事長が吠えていた。

 日銀総裁に経済学者の植田和男氏を起用する人事案などをめぐり、与野党の参院幹部が5日午前、NHK「日曜討論」で意見を交わした。立憲民主党の田名部匡代参院幹事長が、2%の物価目標を明記した政府・日銀の共同声明について「見直すべきだ。アベノミクスは既に失敗している」と訴えると、世耕は冒頭のように色をなして反論したのだ。

 世耕は「今、出口を考える段階では全くない」「共同声明の見直しに手をつけたらパンドラの箱を開けてしまう。逆に市場に混乱を与えることになる」と主張。「2%の物価目標は、副作用をはるかに上回る国民経済上の大きな効果を生んでいる」と語り、植田氏が日銀総裁に就いても「この方針を全く変える必要はない」と強調した。

 日銀の白川方明前総裁が国際通貨基金の季刊誌への寄稿で、黒田日銀の大規模金融緩和を「壮大な金融実験」などと疑問視したことにも、世耕は猛反論。怒気を含めて「白川総裁時代に金融緩和をかたくなに行わなかったことが、深刻なデフレに日本が陥った最大の原因」「まずはご自身の時代をしっかり総括していただきたい」と痛烈に批判した。

 安倍派幹部の世耕は公共の電波を使って言いたい放題。全力で異次元緩和の「アベノミクス路線」を賛美しまくったが、ちょっと待て。世耕だってこの10年のアベノミクス時代を「総括」すべきではないのか。

「賃金の上がらない国」という負の遺産

 アベノミクス路線の成果を実感できている国民は、ほとんどいない。むしろ、副作用に苦しめられる日々である。

 当初は「2年で実現」と掲げた物価目標は10年経っても「道半ば」(世耕)。ダブついたマネーは行き場を失い、企業の銀行口座に眠ったまま。企業の内部留保は第2次安倍政権が発足した2012年度末の304兆円から、21年度には516兆円と初めて500兆円を突破。実に200兆円以上もの余剰資金が無駄に積み上がっただけだ。

 国債やETFの大量購入で市場機能をメチャクチャに歪めた挙げ句、富裕層から低所得者に富が徐々に滴り落ちるというトリクルダウンは「起こらなかった」と、岸田首相ですら認めている。

 番組で世耕は「安倍政権の間に雇用者数は500万人近く増えた。正規雇用も200万人増えている。民主党政権では50万人減らされましたよね」「正規雇用の有効求人倍率は1.18倍、完全雇用がほぼ達成できている。民主党政権の時代は0.5でありました」とアベノミクスの成果を強調。

「悪夢のような民主党政権」と繰り返した安倍元首相を彷彿させるいやらしい言い回しだったが、異様な円安政策が足元の物価高騰を招いていることは棚上げだ。

 おかげで実質賃金は12年の年間404.6万円から、22年は380.9万円へと24万円近くも減ってしまった。この10年で日本の国際競争力は地に落ち、すっかり成長もしない、賃金も上がらない国に成り果てている。それこそがアベノミクスの負の遺産で、今すぐにでも異次元の金融緩和を見直さなければいけない根拠である。

親分のやったことに間違いなしの無謬性の病

 ここまでアベノミクスの破綻が明らかになっても、安倍派の連中は異次元緩和の非を絶対に認めようとしない。それどころか、力ずくで継続をゴリ押しするありさまだ。

 参院議院運営委員会で行われた新総裁候補の植田氏への所信聴取でも、世耕は質問に立ち、アベノミクス路線の継続を執拗に念押し。同じく安倍派幹部の萩生田光一政調会長は先月12日の「日曜討論」で、日銀の新総裁に「今の政策は継続しながら改革が必要だ」と注文をつけた。

 植田氏の起用が伝えられる前から、メディアには「人選によっては、政権との向き合い方を考えなくてはならない」「路線を転換すれば首相を支えられない」などと安倍派幹部の匿名コメントが躍り、「アベノミクスを否定する人を充てるなら、国会同意人事で造反して反対する」(中堅議員)との声も漏れた。

 岸田周辺も「日銀総裁人事で間違うと、安倍派と政局になる」とオロオロし、結局、アベノミクス路線を踏襲する植田氏を起用。議員96人を擁する最大派閥の「数の力」に頼り、アベノミクス継続を迫る安倍派は圧力団体さながらだ。このゴリ押し、ドーカツの裏に何があるのか。経済評論家の斎藤満氏はこう言う。

「安倍派の主張に理論的根拠はひとつもありません。単なる組織防衛です。安倍元首相という重し役を失って分裂含みの中、アベノミクスの継続だけが結節点。アベノミクスまで否定されれば派閥の存在意義を失う危機感の表れでしかない。世耕氏は5日の日曜討論で物価高騰の追加対策に『予備費が5兆円残っている。これをフル活用したい』とブチ上げましたが、お門違いもはなはだしい。

 物価高を抑えるなら、日銀にインフレ退治を迫るべき。そのためにも金融緩和の見直しが必要なのです。親分のやったことは絶対で、アベノミクスの失敗を決して認めない安倍派は完全に『無謬性』の病に侵されている。そればかりか、親分を批判する敵は力をもって排除する動きは、政治家としてあるまじき態度。これ以上、彼らをのさばらせておくのは危険です」

 今なお、元首相の亡霊がこの国と国民生活を狂わせているのだ。

死してなお暴走は受け継がれている

 話題騒然の総務省作成とされる「内部文書」からも、安倍一派の暴走は読み取れる。14年から15年にかけて放送法の「政治的公平性」の解釈が、安倍に都合よく変更された経緯が克明に記録してあり、入手した立憲の小西洋之参院議員の言う通り本物なら、言論弾圧の「証拠文書」となり得る。

 当時、細田派(現・安倍派)の参院議員だった礒崎陽輔首相補佐官はよっぽど安倍に気に入られたかったのだろう。TBS系「サンデーモーニング」などを「偏向報道」と決めつけ、「けしからん番組は取り締まるスタンスを示す必要があるだろう」などと総務官僚にガンガン求めた。

 異彩を放つのが、総務省出身の山田真貴子首相秘書官(当時)の見識の高さだ。「(礒崎は)官邸内で影響力はない」と対応する総務官僚に指摘し、「変なヤクザに絡まれたって話ではないか」とバッサリ。

「どこのメディアも萎縮するだろう。言論弾圧ではないか」と懸念した山田氏は、安倍への説明の場で「官邸にとってプラスにならない」旨を進言した。

 ところが、安倍もまた「ヤクザ」だった。山田氏の助言に耳を貸さず、「政治的公平という観点からみて、現在の放送番組にはおかしいものもあり、こうした現状は正すべき」とし、言論弾圧にゴーサイン。かくして、政治的公平性の解釈は従来の「一つの番組ではなく、放送事業者の番組全体を見て判断する」から、新たに「一つの番組だけでも放送法に抵触する場合がある」が加えられ、現在も踏襲されている。死してなお、安倍が暴走を続けている一例だ。

「安倍派だけでなく、岸田首相の政権運営も安倍氏の背に乗り、防衛費大幅増の戦争準備に原発の新増設など積極的推進と、むしろ暴走を加速させています。自民党政権が続く限り、安倍路線も延々と継続しそうです」(政治評論家・本澤二郎氏)

 安倍の「遺志」を利用して金科玉条のように扱う輩たちが動かす政治には、絶望のため息しか出ない。

http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/465.html

   

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