世界的IRに積極参加せよ

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投稿者 竹中平臓 日時 2000 年 12 月 19 日 12:33:53:

回答先: 森首相の野望? 賢人集うダボス会議で演説を検討 投稿者 asahi.com/1218 日時 2000 年 12 月 19 日 10:22:24:



ニュースレター : Intellectual Cabinet No.25 - Page 1










ダボス会議から

世界的IRに積極参加せよ


竹中平蔵     慶應義塾大学総合政策学部教授

たけなか・へいぞう






「新たなはじまり」をテーマに行なわれた今年のダボス会議の場で、

世界の政策論議の潮流が作られたことは間違いない。

日本に求められているのは、

グローバル・リテラシーを備えた政・財・官・学の人材であり、

政治的リーダーの直接的な参加と知的貢献である。

 毎年1月末の約1週間、世界を代表する財界人・政策関係者・エコノミストたちが、スイスのダボスという村に集まる。一民間機関であるワールド・エコノミック・フォーラム(WEF)が30年前にはじめたこの経済会議は、いまや「ダボス会議」として世界に知られるようになった。その時々の世界の政策論議の潮流をつくるものとして、最近では日本にも広く紹介されている。



 


世界経済の二面性を露骨に反映した

ダブル・スタンダードの会議




 一昨年はアジア通貨危機、昨年は世界的な金融危機と、それぞれ差し迫った緊急課題を抱えての会議となったが、現在は状況が大きく改善していることから、「新たなはじまり」をテーマに、より中期的な問題を議論することが今年の狙いとされた。しかし内容的には、今日の世界経済が抱える二面性を露骨に反映したダブル・スタンダードの会議となった。


 重要なキーワードとなったのは、「ファイト・コンプレイセンシー」(自己陶酔を打破する)という表現だ。これは、会議冒頭のシュワッブ博士(WEF代表)のスピーチにも、また最も注目を集めた米クリントン大統領のスピーチにも登場した言葉である。そもそも今回の会議には、NGOの代表も多数招かれていた。これは言うまでもなく、先のWTOシアトル会議での反対デモなどに配慮したものである。これまでもWEFには“金持クラブ”といった批判が寄せられてきたが、決してグローバリゼーションやIT革命の成果に自己陶酔することなく、所得格差や貧困・腐敗など、世界の社会問題に関心を払っていることを世界の指導者たちは示そうとしたのである。


 しかし一方で、会議の内容そのものについては、むしろアメリカ主導の経済運営が、従来以上に大きな存在感を示す結果となった。昨年の会議では、当時すでに高水準にあったアメリカの株価を警戒する発言がヨーロッパのエコノミストたちから示され、アメリカ的経済手法に対する批判も少なからず出された。しかしながらこの1年、アメリカはさらに経済パフォーマンスを高めたため、今年の議論においてはアメリカ的手法を批判するムードは大きく後退した。クリントン米大統領はその演説のなかで、自由化・グローバル化には確かにデメリットもあるが、これを進めることによって間違いなく経済の発展がもたらされると、自国経済の良好なパフォーマンスを踏まえながら自信満々に訴えた。


 


政治リーダーの直接的な参加と

知的貢献が求められている




 いずれにせよ今年もまた、WEFの場で世界の政策論議の潮流がつくられたことは間違いない。ここで改めて考えるべきは、このような場で日本はどのような情報発信を行なっているかという点だ。WEFはあくまで知的な交流の場であることから、これに参加するための一つの重要な条件として、共通の言語である英語で率直かつ魅力的な議論を行なえることが求められる。一国の元首クラスなら母国語で通訳を用いても別に違和感はないが、そうでない場合は英語でのディスカッションになる。事の善し悪しはともかくとして、知的交流の国際言語としての英語の力をまざまざと見せつけるものといえる。残念ながら日本では、政・財・官・学すべての分野で、グローバル・リテラシーを備えた人材が圧倒的に不足している。


 本来、日本を含む各国にとってWEFが持つ意味は、「国際的なIR(インベスターズ・リレーションズ)の場」ということであろう。企業が、株主に対して自社への理解を深めてもらうための広報活動(IR)を行なうように、現実問題として各国は、経済社会の在り方を議論する世界の知的リーダーたちが集まるこの場で、自分の国はどのように運営されているのか、その将来はどのように描かれているのか、明確に示すことを競っている。だからこそ各国の政治リーダー、ビジネス・リーダーたちは、貴重な時間を割いてアルプスの山の中にあるダボスという小さな村に集まる。


 しかしながら日本に関して重要なのは、政治的リーダーたちがまったくといってよいほど参加していない(従来も参加してこなかった)という点だ。その理由の一つは、英語を十分に使いこなすことができないという問題であろうが、先に述べたように、元首クラスなら自国語で話し通訳を用いても問題ないと考えられる。むしろ重要なのは、例年1月末は国会開会中であるため、閣僚は海外の会議に出席できないという理由である。








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