グラハム・ハンコックVS並木伸一郎(『ムー』99年2月号)

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投稿者 SP' 日時 2001 年 1 月 23 日 17:04:26:

 21世紀を間近にひかえた現在、人類の熱い視線は“火星”に注がれている。世界各国で火星探査機が打ち上げられようとしているなか、昨年ふたりの古代文明研究家の巨頭が、火星の超古代文明に関する本を出版した。グラハム・ハンコック氏と並木伸一郎氏である。
 1998年11月28日。奇しくも、同時期にマーズ・ミステリーに迫る本を発表した、この両氏の対談が、ついに実現したのだ!!
 火星超文明はなぜ滅んだのか? 火星の構造物と地球の古代遺跡との間に、何か関連性はあるのか? 本には書けなかった衝撃の事実がついに語られた。

なぜNASAはあえて火星の人面岩を消したのか?

並木 4月に、NASAが発表した写真にはまいりましたね。
ハンコック 2年前に打ち上げられた火星探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー」の撮影した写真ですね。
並木 そうです。今までの「バイキング」が撮った写真では確かに写っていた火星の人面岩が、忽然と消えてしまったのですから。
 長年、マーズ・ミステリーを追いつづけてきた私としては、あの発表に今ひとつ腑に落ちないものがあります。
ハンコック まったく同感です。
 いずれにしても、写真だけで何らかの結論を出すことはできませんね。特に今回の写真の場合、撮影するとき火星の地表が雲で覆われてしまっていたためといって、相当の画像処理を施していますからね。人面岩を消してしまおうと思えば、処理段階で簡単に消してしまうこともできるのです。
並木 そのことについては、写真が公開された当初から指摘されていました。NASAが、何らかの意図をもって真実を隠そうとしたのではないかと。
ハンコック NASAの情報操作には目に余るものがあります。
 たくさんの情報を握っているにもかかわらず、その一部しか一般に公表しない。これでは、何か隠しているのではないかと思われるのも当然でしょう。
 人面岩についても、今回NASAが発表した写真は、人面岩の存否を判断するには解像度があまりに低すぎる。NASAは、もっと解像度の高い人面岩の写真も持っているはずです。にもかかわらず、そういう写真はまったく公表しようとしない。NASAが、火星人面岩の存在を否定したいなら、解像度の高い鮮明な写真を堂々と公表すべきでしょう。
 そういう矛盾した体質があるから、NASAは信用できないといわざるをえないのです。
並木 NASAのそういった体質については、人面岩の研究で有名なリチャード・ホーグランドも批判していますよね。
ハンコック ええ、彼は人面岩に関する画像データのかなりの部分が、NASAによって消去されている、といっています。
並木 今回も人面岩の映像を見て「まるでノイズの多いテレビ画面を見ているようだ」とNASAのやり方を皮肉っていますし。
 それにしても、なぜNASAは人面岩の存在をこれほどまでして否定しようとするのでしょうか。鮮明な写真が公表されていないということは、逆に人面岩が存在することを証明しているようにも思えるのですが。
 きっとNASAには、火星に人面岩が存在しては困る何らかの理由があるんでしょうね。
ハンコック そう、NASAにとっては、人面岩にせよ、何にせよ、火星に人工の物体があったら困るのです。火星には、人工の物体は存在しない──。
 これがNASAの基本姿勢です。決して例外は認めない。例外があれば極力排除する。
 こうしたNASAの姿勢には、何の論理的根拠もありません。単に既成概念に縛られているだけなのです。しかし、それだけに状況は厄介です。
並木 最近、ますますその傾向が強くなってますね。
ハンコック ホーグランドなどが「火星には人工の物体が存在する」と騒ぐ一方で、NASAは「火星に人工の物体は存在しない」とつっぱねる。お互いに歩み寄る気はないから、議論はいつまでたっても平行線のまま。これでは一種のプロパガンダ合戦ですよ。
 問題なのは、そういったプロパガンダ合戦のために、真実が犠牲になってしまっていることです。われわれが知りたいのは、NASAの思惑などではない。あくまでも真実を追究したいだけなのに。
 今回、私が『惑星の暗号』において、マーズ・ミステリーの論点を詳細に紹介したのも、NASAに情報を提供させるべく、世論を喚起したかったからなのです。マスコミも、NASAの情報操作への批判をしてほしいですね。
並木 真実を知るといっても、NASAが火星に関する情報を独占している現状では、なかなか難しいものがあります。今のところ、実際に火星に行って、人面岩があるかどうか自分の目で確かめるしか方法はなさそうですね。
ハンコック 火星に行くなら、そのときはぜひご一緒させてください(笑)。

彗星衝突のカタストロフィが火星文明を消滅させた

ハンコック 最近、並木先生も火星に関する本を出版されたとのことですが、どういった内容なのでしょうか?
並木 9月に出した『マーズ・ミステリー 火星超文明の謎』というタイトルの本なのですが、火星に人面岩やピラミッドを建設した超古代文明が存在し、その文明の建設者たちが火星から地球に降り立って、地球の古代文明の祖となったという内容です。もちろん、火星に人面岩やピラミッドが存在する、と仮定した上での仮説ですけどね。
ハンコック 実に興味深い仮説です。そういう柔軟な発想こそが、今のNASAにもっとも必要なものなんでしょう(笑)。
 いったい、どういったところからその発想を得たのですか?
並木 人面岩の写真を初めて見たときに、ふと古代エジプトの神々の顔が思い浮かんだのです。そして直感しました──。これは何か関係があるに違いない、と。それが仮説の出発点でした。
ハンコック 本当ですか? これは驚きました。
 実は、私も人面岩の写真を見たとき、エジプトのスフィンクスに似ていると思ったのです。
並木 やっぱりそう思いましたか?
ハンコック ええ、そっくりです。
並木 火星にある人面岩が、エジプトのスフィンクスと似ているということは、やはり火星には超古代文明が存在し、それが地球の古代文明に関与していると考えられるのではないでしょうか?
ハンコック その通り! といいたいところなのですが、そのためにはまず、「火星人」が存在することが前提となりますよね。
 私の公の立場としては、そこまで発想を飛躍させるこ とはできません。なにしろ、NASAに対して「情報を公開せよ」と挑戦状を突きつけてしまった身ですからね。厳然たる「真実」のみを追究しているはずの私が、いきなり火星人の話をするのは、NASAに殴ってくれと棒を差しだすようなものです(笑)。
並木 それはまずい(笑)。
ハンコック ですから、その説を唱えることはできないのです。
 とはいえ、火星に古代文明が存在したという説は、実に魅力的です。
 かつて火星には、海も川も森も存在した。その環境は、原始地球とさほど変わらなかったはずです。当然のことながら生命は存在し、場合によっては高度な知能を持った生物が、すでに進化していたかもしれない。そういった生物が高度な文明を築き上げていたかもしれない。
 しかし、何らかのカタストロフィ、おそらくは彗星などの衝突があって、火星の海や川や森は、一瞬にして砂漠に変貌してしまった。そのとき、火星の生命と文明が滅びてしまったとしても、決して不思議ではないのです。
並木 火星の生命といえば、アメリカ科学財団の調査隊が、南極で採取した火星からの隕石の中に、微生物の痕跡が含まれていたというニュースがありましたね。
 もしかすると、火星から隕石に乗って飛来した微生物が、地球の生命の「種子」になったのかもしれません。
ハンコック それは十分に可能性がある話だと思います。地球外から生命の「種子」がもたらされ、そこから地球の生命体系が発達したという見解は、最近では学界でも有力になりつつありますからね。
 しかし、地球の生命の「種子」が火星からもたらされたとすると、地球人は火星人の子孫ということになってしまいますね。
並木 われわれが万難を排して火星を探査しよう、調査したいと願うのも、故郷を懐かしんでの行動なのかもしれません。われわれの体内にある「火星人の遺伝子」がホームシックを起こして、火星に帰りたがっているんですよ、きっと(笑)。
ハンコック いや、冗談ではなく、われわれには火星に対する不可思議な「あこがれ」があります。太古の昔から、われわれ地球人は火星をあこがれの目で見つめてきたのです。
 その理由をわれわれの生命の根源に求めるのは、決して奇妙な発想ではないと思いますよ。

地球の古代文明を創ったのはいったいだれだったのか?

並木 先ほど、火星の超古代文明と地球の古代文明とのかかわりについての話が出ましたが、ハンコックさんは、過去の著作において地球の古代文明について論じてますよね。地球の古代文明に地球外生命体がかかわっているとの見解に対し、ハンコックさんは著作の中で否定的な立場をとっていますが、これはどのような理由によるものなのでしょうか?
ハンコック 誤解を避けるためにあらかじめいっておきますが、私は地球外生命体の存在を否定してはいません。むしろ、肯定的な立場をとっているといえるでしょう。地球外生命体の存在を完全に否定することは、かえって非科学的ですからね。
 確かに、地球の古代文明は数多くの謎を秘めています。しかし、その謎を解明する上で、地球外生命体は必要不可欠な要素ではありません。地球外生命体が関与しなくても、地球の古代文明は成立しうるのです。
並木 つまり地球の古代文明は、地球人が独自に創り上げたということですか。
ハンコック そう、地球の文明は地球独自のものです。
並木 現代と匹敵するほど、古代文明は高度な技術力を持っていましたが、それでもやはり、地球外生命体は関係ないのでしょうか?
ハンコック 古代メソポタミアや古代エジプトの人々が、相当に高度な知識と技術を持っていたことは確かですが、それについてもすべてが地球独自の文明の成果なのです。
 あるいは、地球独自の文明の遺産といったほうが正しいかもしれません。つまり地球には、現代の考古学や歴史学がまだ認識していない超古代文明が存在したということです。
 これはあくまでも私見ですが、その超古代文明は、紀元前1万年前後まで栄えていたと考えられます。その文明程度は、現代文明に匹敵するほどだった可能性があります。しかし、紀元前9000年ごろか8000年ごろ、何らかのカタストロフィが起こり、超古代文明は滅びてしまったのです。
並木 エジプトのギザにある3基のピラミッドやスフィンクスは、その超古代文明の遺産なのですか?
ハンコック ギザの3基のピラミッドについては、われわれの歴史学や考古学の認識どおり、紀元前2500年ごろに古代エジプト文明が建造したものと考えて間違いないでしょう。ピラミッドの建造技術といっても、それほど大したものではありませんから、古代エジプト人でも建造は可能だった。
 一方、スフィンクスは、超古代文明が建造したものと解釈すべきでしょう。スフィンクスの建造年代はピラミッドよりも遥かに古いことがわかっていますが、私としては、紀元前1万5000年ごろに建造されたと推定しています。
 おそらく、スフィンクスが建っているあたりに、超古代文明の祭祀センターのようなものがあったのでしょう。やがて、カタストロフィが起こり、スフィンクスだけが残った。古代エジプト人がスフィンクスの周辺にピラミッドを築いたのは、超古代の祭祀センターを復活させるためだったのかもしれません。
並木 超古代文明は、カタストロフィによって滅びてしまったということですが、文明の伝統はそこで完全に断絶してしまったのですか? それとも、何らかの形で残ったのですか?
ハンコック 古代メソポタミア文明や古代エジプト文明の高度な知識や技術を考えれば、超古代文明は何らかの形で存続したと考えたほうが自然でしょう。カタストロフィを生き延びた人々が、存在したに違いありません。
 おそらく、生き残った人々は宗教的な指導者集団を形成して、文明をゼロから建て直そうとしたのでしょう。その試みが、古代メソポタミア文明や古代エジプト文明であったわけです。
並木 なるほど、このようにカタストロフィによって滅びてしまった超古代文明の存在を仮定し、その伝統を受け継ぐ人々が古代メソポタミア文明や古代エジプト文明の建設にたずさわったとすれば、古代史の謎はほとんど解明されてしまいますね。
 しかし、もし仮に火星の人面岩の実在が確認できたとしたら、つまり、火星超古代文明の存在が「真実」と確認されたら、この仮説も根底から揺らぐことになりませんか?
ハンコック そのとおりです。もし、火星超古代文明の存在が確認されたら、そのときは喜んで自説を撤回しますよ。火星に文明が存在したとすれば、地球文明への影響を考慮せざるをえませんからね。
 火星の人面岩と地球のスフィン クスの類似性は明瞭ですから、何らかの関係があったことは間違いありません。

超古代文明の謎が日本の与那国島で解ける?

並木 今後はどういった分野を中心として調査・執筆活動を展開される予定ですか?
ハンコック 今、もっとも興味があるのは、日本の沖縄県にある与那国島の海底遺跡です。実地調査のため、与那国の海にはすでに7〜8回は潜っています。そもそも、与那国の海底遺跡を調べるために、ダイビングのライセンスを取ったくらいなんですから。すっかり、海底遺跡にはまってしまっているわけです(笑)。
 あの海底遺跡は、先ほど述べた超古代文明の遺産である可能性があります。与那国島にも、それを裏づけるような伝説が残されていますしね。なんとか2001年までに、海底遺跡をテーマにした本を書きたい、と思っています。
並木 火星はどうします?
ハンコック 私は火星はもういいですよ(笑)。とりあえず、火星についての私の使命は果たしたことですし。
 私の作家としての使命は、誤った既成概念を打ち壊し、世論を喚起することによって、真実を追究できる土壌を整えることだと思っています。テーマは何であってもかまわない。真実を追究することが大切なのです。
 私がフィールドワークを重視しているのも、現場には真実があるからなのです。与那国の海底遺跡なら、自分で実際に潜って調べることができる。
 しかし、火星には、今のところ行きたくても行けないですからね。実地調査ができない以上、今はもう書くことは何もないのです。
並木 やはり無理をしてでも火星に行くしかありませんね。
ハンコック では、今度、一緒に行きましょうか(笑)。




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