ブッシュ演説(201年9月20日)を読んで 浅井基文

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投稿者 付箋 日時 2001 年 9 月 23 日 20:54:38:

回答先: アメリカがどうであれ、テロは許されるべきではないが・・・ 投稿者 付箋 日時 2001 年 9 月 23 日 08:05:26:

ブッシュ演説(2001年9月20日)を読んで (2001年9月23日) 浅井基文

(はじめに)

 正直に申しまして、この1週間というもの、私はまったく「使い物にならない」状態でした。アメリカ特にブッシュ政権の言動、そして日本特に小泉政権の言動は、私がおそれていた最悪のシナリオを現実のものにしてきたからです。そして、国際的にも国内においても、こうした言動を押さえる力が働かない現実にも、私は奈落に落ちるような気持ちを味わわされ続けてきました。もちろん、メールを通じて、多くの人たちがこの厳しい現実に立ち向かって雄々しく行動されている姿には、頭が下がる思いがしていますし、それにひきかえ何も為すすべもなく立ちすくんでいる自分の無力さには、かつてない惨めな思いをしてきました。しかし、アメリカ発で世界を覆い尽くしつつある「狂」としか形容できない現実を前にするとき、「狂」に対抗する有効な手だてを思いつくこともできない私は、やはり無力感を克服することができないままでいたのです。

 今、こうして何かを書こうとする自分は、無力感を克服したから、というのは、これまた正直に言って、事実に反しています。私は相変わらず、「狂」にさいなまれている自分をもてあましています。なにかを書き、HPに載せても、しょせんは「犬の遠吠え」にしかすぎない、と喘ぐ自分を感じています。

 しかし、とにかく「初心に返る」ことにしました。この事件が起こる前、私が伺っていた集会で、そして大学の講義で、「諦めたらおしまいよ」の寅さん精神を言い続けてきた自分自身の原点に、です。「狂」に対抗する手だては、あくまで誠心誠意で理を説き、情を尽くす以外にはありません。

 冒頭に、長々と、個人的な煩悩を書きつづってしまって、申し訳ありませんでした。

(ブッシュ演説を読んで)

 ブッシュ演説は、文字通り「血を凍らせる」ものでした。

「人殺しを助け、けしかけることによって、タリバンは殺人を犯している。」(いくつかの要求を突きつけた上で)「こうした要求に交渉の余地はない。タリバンは直ちに行動しなければならない。さもなくばテロリストと運命をともにすることになる。」

これは、戦争を正当化するための最後通牒以外のなにものでもありません。問答無用の決めつけです。戦争以外は念頭にないのです。

「我々はテロリストの見せかけの主張に惑わされない。彼らは、ナチズムや全体主義など、20世紀のあらゆる残忍な思想の継承者だ。」

これは憎悪以外のなにものでもありません。これまた問答無用の決めつけです。しかも、あろうことか、人間性の徹底的否定の上に立つナチズム・全体主義と、いかに極端であり、私たちとしてもその行動を認めることはできないにせよ、アラブの人々の人間性回復の絶望的な自己主張とを同一視するというのは、ブッシュ演説が「狂」の世界に入り込んでいることをまざまざと見せつけています。私が前回に書いたように、欧米の二重基準を極めた中東政策が諸悪の根元にあることを承認するものである限り、アラブの人々でなくても、ブッシュの以上の決めつけに同意することはできないはずです。

しかもブッシュ演説は、報復手段として、「狂」そのものの本質をあからさまにしています。「テレビで見ることができる劇的な攻撃もあれば、成功しても公にならない秘密作戦もあるかも知れない。テロリストの財源を絶ち、互いを裏切らせ、何処にも隠れ場所がなくなるまで追い込む。」

無辜の人々を巻き込む大攻撃を「テレビで見ることができる」などとうそぶく神経も、「成功しても公にならない秘密作戦」をし、「テロリストを互いに裏切らせる」までに追い込むと公言する神経も、およそまともな精神の持ち主のできるところではありません。そして、この演説を終えたブッシュを、アメリカ議会は満場の拍手で祝福したのです。

ブッシュ演説はまた、自らの「狂」を世界中に押しつけようとします。

「世界のあらゆる地域のあらゆる国は決断しなければならない。我々とともにあるか、さもなくばテロリストと一緒になるかだ。今後、テロを育て、支持するあらゆる国家はアメリカにとって敵対国家と見なす。」「これはアメリカだけの戦いではない。これは、世界の、文明全体の戦いであり、多文化主義、寛容と自由を信ずるもの全てにとっての戦いだ。」「あらゆる国家に、我々に加わるよう呼びかける。」

なんという傲慢、なんという独善、なんという不寛容でしょうか。しかもそのブッシュ政権は、アフガン攻撃には欠かせないという理由だけでこれまで冷たくあしらってきたパキスタン、「テロ国家」と決めつけてきたイラン、チェチェン紛争に関して批判してきたロシアとも、手を結ぼうとしているのです。あまりにも手前勝手な自己主張には、胸くそが悪くなる思いです。

アメリカ国内を含めて、ブッシュ政権の危険きわまりない、そして独善を極めた政策に反対、批判の声が挙がっていることに、私はまだまだと、自分の心を奮い立たせる手がかりを感じています。ブッシュ支持が90%ということは、10%のアメリカ人がそうではないことを示すものです。かつての軍国主義・日本の状況と比べても、アメリカはまだまだ望みがあります。

しかし、ブッシュ政権の報復戦略を正面切って批判する国家がないというのは、本当にやりきれない思いがします。国内に「テロ」問題を抱えるロシアと中国、タリバンと対立関係にあるイラン、クーデターで政権をとって国内経済が破産状態にあるパキスタン、アメリカの軍事力行使に待ったをかけうる立場にある国々が、それぞれのそろばん勘定で動こうとしない状況は、ブッシュ政権としてはまさに思うつぼでしょう。

しかし、ブッシュ演説も認めるしかないように、「これは長い戦いになる」でしょう。その帰結がどうなるかを予想できるものはないのです。ただでさえ、先行き不安だったアメリカ経済がこの試練の前にどうなるか。アメリカが押し進めてきた「経済のグローバル化」によって抵抗力が弱まった各国経済は、アメリカと一緒に沈没させられる危険性がかつてなく高まっているのです。私たちの生命と安全そのものが、ブッシュ政権の報復戦略によって重大な危険にさらされることになることは、目に見えています。ブッシュ政権の報復戦略の不当性を説くだけでは、耳を貸さない人々が多いのは、悲しいけれども、日本の現実です。しかし、自分自身に災いが降りかかってくることを納得すれば、状況は変わってくるはずです。私たちは、ブッシュ政権の暴走をくい止めるために、ありとあらゆる理性的な手段を尽くす必要があると思います。


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