人々はテレビで見ないと何も信じない

 
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投稿者 ひま 日時 1999 年 8 月 15 日 20:08:37:

回答先: NO.204> 米政府、インターネット切断で言論封殺を画策 投稿者 ひま 日時 1999 年 8 月 15 日 19:54:51:

NO.202> 戦争では25日分の情報計画配備が可能
==== 世論操作 (NO.202,99/4/15) ====================================

 ◆戦争では25日分の情報計画配備が可能

 ●人々はテレビで見ないと何も信じない

 レーガン大統領の次席補佐官を務めていたマイケル・ディヴァーは雄弁である。彼
は、ホワイトハウスを退いてから、報道機関を使って「顧客」が有利になるように世
論を操作することを目的にした、「パブリック・リレーション」の会社を経営してい
た。

 この手の世論操作を目的とする会社に、政治ロビーが「パッケージ」と呼ばれる仕
事を依頼することは、アメリカではいまや当たり前になっている。ニーズも高く、元
政府高官などが係わるケースがほとんどだ。

 近年、日本でも多くのビデオ制作会社が、これに近い「パッケージ」の仕事を、生
業にするケースも多い。もとより日本の場合、そもそもアメリカとは成り立ちや仕組
みが異なり比べようはないが、良かれ悪しかれ“イメージ産業”の役割は増大してい
る。

 ディヴァーはホワイトハウスの彼のチームと、「毎週金曜日、4時間以上の時間を
かけて、2週間分の情報を『制作』した」と明言する。彼は「報道の管理操作技術の
すべてを開発した」と豪語する自信家だけあって、自分の成し遂げた仕事に関して
は、万事あけすけである。この管理操作技術は『ディーヴァー方式』と呼ばれてい
る。

 『ディーヴァー方式』には、いくつかの原則がある。
 例えば、「1)人々は現実を知りたいわけではない。2)彼らの記憶力は悪い。
3)常に映像が優先する。4)目と耳がぶつかりあった時には、常に目の方が勝つ。
5)視聴者が記憶にとどめるメッセージの60〜70%は聞いたものではなく、見たもの
である」といった具合だ。

 そして、「報道機関に随時情報を流す。ジャーナリストが“空腹感”を覚えて調査
を始める必要がないように、大統領のスタッフが選んだテーマを提供する」という。
 彼はこの方式には特に、「洪水による操作」と命名している。

 彼は、愛弟子たちが湾岸戦争の際に、完璧にこなした見事な仕事ぶりを称えて、
「砂漠の盾、砂漠の嵐作戦では、軍人たちはコミュニケーション戦略を実にうまく取
り入れた。彼らは、ジャーナリストを監視することが、物資補給や純粋な軍事戦略に
勝るとも劣らない大事なことだということを理解したんだ。…落ち着いて堂々と話す
政府代表の傍らで、報道関係者がバカな質問をする間抜け集団におとしめられた様
を、何百万人もの人々が目にした」(*正しくは何億人であろう)

「テレビは情報ではなく、娯楽だ。それに、人々はテレビで見ないと、もう何も信じ
ないのだよ。情報をたらふく与えられ、何でも鵜呑みにするメディア、砂漠の嵐作戦
ではロマンチシズムは捨て去られ、ビデオ・ゲームがそれに代わった。そして、プロ
のブリーファーたちがあらゆる質問を受けて立ちながら、実は何も答えなかったとい
うわけだ」

「ニュースに15日分のテーマを供給すれば、6日間の情報管理が可能だ。戦争の場合
はもっと簡単だ。なぜなら、25日分の情報計画配備が可能だからだ。現実に何が起
こっているのか、メディアの持っている情報量は、平時よりずっと少ないからね」
と、戦争の際のマスコミ操作がいかに簡単なものであるか、現場で指揮を執った男の
証言である。

 ●教材になった「油まみれの海鳥」の情報操作

 湾岸戦争時、「パブリック・リレーション」の会社の一つである『ヒル&ノートン
社』は、クウェート亡命政府がおかれたタイフにビデオ・チームを送り、首長と大臣
たちが逆境の中、世界の大物を迎えて行動する様子を撮影し、クウェートの立場が最
も有利になるように編集した。

 同社の社員は「これで、喉から手が出るような製品が出来上がる。報道機関は、悦
んで写真や映像を受け取るのだ。目に見えるものだったら、操作されていないような
気になるからだ。特に大衆が喜びそうないい素材の時はね」と語る。その「パッケー
ジ」がメディアに配られ、情報源が明かされないまま世界中で放送された。

 同社を含め、3社の「パブリック・リレーション」会社と、イメージメーカー12
人、弁護士チーム、ワシントンにある某「圧力団体」の組織委員のチームが、イラク
のクウェート侵攻のわずか数日後には、クウェートのジャビル首長政府によって、総
額1,100万ドルで借り上げられた。

 彼らの「パッケージ」で最も成功した一つは、戦争とは何の脈略もない「たった一
羽の油まみれの海鳥」の映像であった。この映像が世界中の茶の間で繰り返し放送さ
れ、無数の心優しい視聴者たちの心を撃ち、問答無用の激しい怒りがサダム・フセイ
ンに向かうことになった。

 この「情報操作」については、日本の中学校の社会科教科書でも取り上げられてい
る。大阪書籍株式会社発行の教科書、『中学社会<公民的分野>』が手元にあるが、
これは広島のある読者の方のお子さんが使用したもので、「こんなことが教科書に
載っている」ということで、送って下さった。
 その教科書の「民主政治と世論」という項で、「世論とマスメディア」について以
下(抜粋)のように触れている。

「世論のあり方に大きな影響をおよぼしているのが、新聞・雑誌、テレビ・ラジオな
どのマスメディアです。マスメディアは、国内や世界の動向についての情報を国民に
伝え、それによって国民はいろいろな判断をすることができます。このように、マス
メディアは民主政治のもとで、国民と政治を結ぶたいせつな役割を果たしていま
す。」
 「しかし、マスメディアの流す情報が、つねに均衡がとれており公正であるとは限
りません。マスメディアが偏った報道をすることもあります。また営利を重視し、購
読者や視聴者を増やすために、人々の関心を引くようなできごとを大きくあつかい、
重要な問題の報道をおろそかにすることもあります。云々」

 偏った例として、上記した一羽の海鳥の写真が入った、「イラク ペルシャ湾に原
油放出」という見出しの新聞記事が掲載されている。これには、「戦争と報道」
(1991年1月26日)というキャプションがついており、小さな字で以下のような解説
が書いてある。

「湾岸戦争の報道写真のなかでも、油にまみれた海鳥の写真は象徴的なものでした。
これは、イギリスの通信社が世界中に流した情報でしたが、あとになって、当時のイ
ラク軍の破壊活動による原油流出とは、関係のないことが明らかになりました。」

 この教科書を見て、マスコミの「情 報操作」の危険性を教える側の教師が、一体ど
こまでそのことを理解しているだろうかと、そちらの方が気になる。「国際紛争がお
きる原因は「国連」にある (4月14日付)」では、「国連」そのものが“問題”(ト
ラブル)の根元になっていることを記した。同様に、「巨大化したメディアそれ自身
が、実は“問題”(社会的弊害)を生み出す根元のひとつになっている」ということ
は、誰もが承知していなければならないことであろう。

 ●思想戦争の勝利者がすべての価値基準を決める

 マイケル・ディーヴァーは、1983年3月、ジョージタウン市で「80年代のアメリカ
戦略における『特殊作戦』の役割を定義する公式シンポジウム」を組織した。このシ
ンポジウムでは、1)いかにして「特殊作戦」が通常防衛能力を補足できるかを検討
する、2)国防政策における主要な要素として「特殊作戦」を正当化するための方策
を決定する、という2つの目的が掲げられた。「特殊作戦」とは「心理作戦」を意味
していた。

 シンポジウムのリーポートには、『psy op』すなわち「心理作戦」の定義と、その
重要性が以下のように記されている。
「これは広い意味で人々の態度や行動に影響を与えることを目的に、コミュニケー
ションを計画的に使うことを意味する。うまく使った場合、“psy op”はすべての軍
事介入に先立ち、さらに平行し、かつ事後も引き続き行われなければならない。」

 シンポジウムからほどなくして実施された「グレナダ侵攻」において、“psy op”
が試されことになり、ディーヴァーらは大きな成果を挙げた。
 レーガン大統領つきカメラマンだったマイク・エヴァンスの『回顧録』に、その舞
台裏が詳しく記されている。

グレナダ侵攻は、報道規制を試す場だった。ジェームズ・ベーカー(首席補佐官・後
のブッシュ政権の国務長官)とマイケル・ディーヴァーは、確実に勝利を収められる
とは思っていなかった。ところが、メディアの側は戦闘的な反応をほとんど見せず、
彼らの方がむしろ驚かされた。当然彼らは次の機会(89年のパナマ侵攻)に、その教
訓を生かした。」

 「パナマ侵攻」については、アメリカの独立プロダクション『エンパワーメント・
プロジェクト』が制作したドキュメンタリー『暴かれた真実・1989年米軍パナマ侵
攻』(アカデミー賞・ドキュメンタリー部門最優秀作品:93年6月12日、NHKで放
送)は秀逸であった。

 この作品は、米軍の「パナマ侵攻」時、アメリカのメディアが「何を伝え、何を伝
えなかったか」を検証し、アメリカのメディアがいかにディヴァーらに利用され、惨
憺たるデタラメに終始したかを検証したものであった。

 米軍がパナマに侵攻し、パナマ国軍を殲滅してノリエガ将軍を拘束する直前、筆者
はパナマに向かいノリエガ将軍とのインタビューに成功した。それもあって、このド
キュメンタリー作品には特別の思いがある。

 それらについては改めて詳しく取り上げるが、ここでは、同プロダクションのよう
な「批判精神」あふれる制作チームや、ドキュメンタリスト(新聞社やジャーナリス
トも)などというものは、今や絶対的な“贅沢品”になってしまったことを嘆いて、
話をディーヴァーにもどす。

 ディヴァーは“psy op”をことのほか重視した。彼は「人々の心を支配する」とい
う明確な戦略を持っていた。おかげで彼の愛弟子たちは、「冷戦崩壊」が「思想戦
争」の終焉を意味しないことを知り抜いていた。

 世界中の知識人たちが、「冷戦崩壊の功罪」にうんちくを傾けている間も、彼ら
は、圧倒的なイニシャティブを握って、「思想戦争」の戦線を社会の隅々にまで拡
大、強化していくことに一瞬のためらいもなかった。

 このような「戦線」が構築されていたことなど、多くの人々には思いも及ばなかっ
た。従って、破竹の勢いで休まず進撃してくる深く静かな闘いに、何の備えもなく、
ただ無防備なだけで、どんどん進行していく現実を受け入れる以外に為すすべはな
かった。

 「善悪の基準」をはじめ、あらゆる「価値」のスタンダードを決定するのは、「思
想戦争」に勝利していった者たちの特権となった。これまでのところ彼らは順調に勝
利を収めている。彼らが率直かつ誇らしげに証言するように、その決定的な要素が
「テレビ」であり、いつの間にか「思想戦争」の最大の武器になっていた。

 「戦略の肝心な点は、定期的に計画を立て、メディアに対して決して防御の側にま
わらないことだ」というディヴァーの言葉を記してこの稿を締めるが、この問題は稿
を改めて、さらに取り上げて行く。■

追:
本稿は、本誌120号(1995年4月15日付)と、次の121号の記事を加筆、再構成したも
のである。新しい読者の方も増え、筆者にとって本稿の内容は、いわばすべての記事
の原点のようなものであるため、それを改めて記すことにした。■





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