無期判決に井上被告、突っ伏しおえつ

 
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投稿者 田中 光一 日時 2000 年 6 月 06 日 16:17:31:

回答先: 反省考慮、オウム井上被告に無期判決 (読売) 投稿者 田中 光一 日時 2000 年 6 月 06 日 16:15:10:

 「被告人を無期懲役に処する」――。東京地裁の井上弘通裁判長は六日、オウム真理教の「諜報(ちょうほう)省大臣」井上嘉浩被告(30)の判決で、約三時間にわたって判決理由を読み上げた後、主文を言い渡した。麻原彰晃こと松本智津夫被告(45)の「側近中の側近」とされ、地下鉄サリン事件をはじめ数々の違法行為に加わった井上被告。直立不動のままこぶしをにぎりしめていた井上被告は、「無期懲役」の主文を聞いて一瞬、天井を見上げ、声を上げて泣き出した。法廷では被害者や遺族が複雑な表情で井上被告を見つめた。
 午後一時十分過ぎ、直立不動のままだった井上被告は、「無期懲役」の主文を聞くと陳述台に突っ伏し、おえつした。
 裁判長は「被告人はしっかりしなさい。裁判所の言うことを聞きなさい」と厳しい声で注意すると、ゆっくりとした口調で、「これまでに聞いてきた多くの遺族の憤りや悲しみなどが裁判所の耳から離れることはなかった。しかし、被告人の人間性をみて無期懲役とした」と語りかけた。
 最後に「分かりましたか」と聞く裁判長に対し、井上被告は「はい」と絞り出すような声で答え、「ありがとうございました」と深々と頭を下げた。
 この日、井上被告は午前十時すぎ、紺のスーツ姿に白いワイシャツのボタンを一番上まできっちりとめ、東京地裁で最大の一〇四号法廷に姿を見せた。
 「被告人に(判決の)内容をよく聞いてもらいたいので、理由から先に告知します」。裁判長は注目の主文言い渡しを後回しにし、井上被告を立たせたまま理由の朗読を始めた。
 裁判長は、認定した十事件の犯罪事実を読み上げ、「以後、長くなるので、そこに腰掛けてよろしい」と告げ、井上被告はゆっくりと陳述台の前の席に着いた。
 井上裁判長は、判決の量刑理由の読み上げに入る前に、「被告人は立ちなさい」と厳しい声で井上被告に告げた。井上被告は両手のこぶしを白くなるほど握りしめ、裁判長を見据えた。
 裁判長は、地下鉄サリン事件について「残虐非道で非人道的。教団と全く無関係の被害者の苦痛、恐怖は筆舌に尽くしがたい」と厳しく指弾。井上被告の責任についても「重要な後方支援、円滑な連絡調整を担い、自己の意思で積極的に加担し、責任は全く重大」などと述べた。井上被告は身じろぎもせず、裁判長の言葉を受け止めていた。
 判決前日の五日、東京拘置所で接見した弁護人によると、井上被告は今年一月の結審後、考え込む日々がしばらく続いたという。理由を聞くと、「そりゃ、苦しくてつらいですよ」と答え、涙を流した。
 公判で、遺族に「真剣に反省しているとは思えない」と詰問され、昨年十二月の論告では、検察側から「教団内での昇進や権力獲得という欲望があった」と指弾されたことなどにショックを受けた様子だった。
 接見の最後に、井上被告は「(弁護活動で迷惑をかけて)本当に悪いことをしました。長い間ありがとうございました」と、お礼の言葉を口にしたという。



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