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レス1:マネーサプライの定義について 投稿者 あっしら 日時 2002 年 4 月 23 日 19:18:51:

(回答先: Re: カネ余りの不思議 〔普通の人の経済学より〕 投稿者 PBS 日時 2002 年 4 月 22 日 22:55:07)

PBSさん、こんばんわ。

つまらない質問ですが、アップされている内容は、PBSさんが書かれているものなのでしょうか?それとも、「普通の人の経済学」というなんらかのものからの転載でしょうか?


>市中に出回っているお金の量を調べてみよう。お金というとお札(紙幣)やコイン
>(硬貨)といった現金を思い浮かべるが、世の中にはお金と類似した役割を持つもの
>もたくさんある。例えば小切手や手形は当座預金を見合いに渡す借金の証文だが、こ
>れらは現金の代わりに流通させることもでき、社会一般での決済手段として定着して
>いる。そこで経済学では、市中に出回る紙幣や硬貨に加えて、短期間に取り崩して決
>済にも使えるような預金も含めて通貨供給量とみなすことが多い。例えば、日本で最
>も代表的な通貨の指標はM2+CD(現金・預金に譲渡性預金を加えたもの)である。
>この推移を見てみよう。

手形や小切手が現金の代わりに流通することは現実だが、あくまでも、現金に裏打ちされたもので、求めたり、期限が来れば現金になるというものである。

貨幣供給量(マネーサプライ)の定義自体が、誤っているとは言わないまでも、いい加減で危ういものである。

[マネーサプライの定義]

M1:現金通貨+預金通貨(要求払い預金)
M2:M1+準通貨(定期性預金等)+CD(譲渡性預金)


M1やM2は、経済動向を見る上で役に立つ指標であることを認めるが、現金通貨以外はマネーではないという事実を覆い隠してしまうものである。

預金通貨は、現金を普通預金・当座預金・通知預金として入金することや他者からそれらに送金されることで形成されるものである。
しかし、これで現金が消えたわけではなく、銀行の手に渡っただけである。銀行がそのまま金庫に保管しているのならば、M1をマネーサプライと定義しても問題ない。
しかし、銀行は、預かった現金を最低限必要だと思われる額だけ残して、他は貸し付け・国債・株式などに運用する。
そうしなければ、普通預金ではわずかとはいえ預金利息を払わなければならないので損を被るし、当座預金は無利子とはいえみすみす儲けられるチャンスを見逃すことになるからである。

一つの非銀行(A)と銀行(B)という二つの経済主体がいるとする。
Aのみが100万円を持っている場合は、マネーサプライは100万円である。
AがBに普通預金として50万円を預けた。そうすると、マネーサプライは、Aの50万円+Bの50万円+Aの普通預金残高50万円=150万円となる。
AがBに普通預金としてさら50万円を預けた。そうすると、マネーサプライは、Bの100万円+Aの普通預金残高100万円=200万円となる。

「経済動向を見る上では役に立つ指標である」と言ったのは、Aは100万円の普通預金残高があることで100万円の現金を持っていると“考え”て行動し、Bは100万円で貸し付けができるという考えて行動するからである。
両者がそう考えても問題が起きないのは、Aが翌々月1日に支払う約束で100万円の商品を購入し、Bが翌月末に返済してもらう約束で誰か(C)に貸し付けを行い返済が契約通りに行われたったときなどである。
銀行は契約通りの利子が付いた返済を受け、その翌日に、Aが支払いを実行するために100万円を引き出しに来れば、すべてがまるく収まる。

しかし、現金=マネーが200万円になったわけではなく、“危ない橋”を渡って200万円あるかのように経済活動で使われただけである。
銀行(B)が貸し付けた現金が期限までに返済されなければ、Aは100万円を引き出すことができない。

これに近い現実が、「不良債権」で銀行の財務状況が悪化することであり、その行き着く先としての「ペイオフ」である。

マネーサプライは、究極的には“現金”(日銀券発行残高)で計られなければならないものであり、M1やM2という指標は、“危ない橋”の経済活動がどのくらい行われる可能性があるかを見るものとしなければならないものである。

“危ない橋”の極端な例を示すと、マネーサプライがBの100万円+Aの普通預金残高100万円=200万円のときに、Bが100万円をCに貸し付け、CがそれをDという銀行に預金した場合、Dも100万円の貸し付けを行うことができる。
このときのマネーサプライは、Aの普通預金残高100万円+Cの普通預金残高100万円+Dから借りた人の現金100万円=300万円となる。

元々100万円しかない現金が、Aの商品購入・Bの貸し付け・Cの預金・Dの貸し付けと4つの経済活動でそれぞれ100万円として使われたことになり、マネーサプライも3倍になったのである。

現実の経済社会は、これ以上にひどい“危ない橋”の連鎖のなかで動いている。


M1よりも、M2−預金通貨(要求払い預金)のほうが“危ない橋”の度合いは若干軽減する。定期預金やCDは“払い戻し”の期限があるので、二重三重の経済活動に使われる可能性が経るからである。

実体経済のマネーサプライは、日銀券発行残高−日銀当座預金残高を“正味”と考えるべきである。


マネーサプライの定義であるM1やM2は、銀行の“錬金術”をそのまま表現したものである。


※ CD(譲渡性預金)は無記名の預金証書で、売買も自由であり、法人や資産家の余剰資金運用に使われている。


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