(遅れ記事)円安政策しかないではないか(2001年 10月31日 日本経済新聞(夕刊)「十字路」掲載)

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投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 17 日 09:49:49:

回答先: 真説異説 そこが聞きたい(日経新聞2001年11月17日 26面) 投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 17 日 09:40:22:


デフレの原因は過当競争にある。限界企業が淘汰(とうた)され、生き残った企業が価格決定力を回復す
るまで、デフレが解消することはない。この意味で、財政による刺激も、金融緩和も、限界企業の退出を
遅らせ、デフレを持続させる逆効果しかない。

改革が先か、景気回復が先か、の議論は、全く不毛である。現在の公的部門に焦点を絞った改革路線
も、公共投資に重点をおく積極財政路線も、デフレを食い止める手段を内蔵していないからである。とりわ
け積極財政論では、どれだけの金額があれば充分なのか、充分であったとして、その効果が出るまでに
何年かかるのか、といった量的な提案が皆無である。しかも、これまでの十年間繰り返された財政政策
が景気には全く効果がなく、財政赤字だけを累積してきたという事実だけは明白である。

結局のところ、求められるのは限界企業の退出を促す政策であり、これこそ改革の柱でなくてはならない
が、不良債権の処理にこの役割を期待するのは間違っている。上場企業向け銀行貸出額の20%は不良
債権と見てよいが、この20%の企業の設備や従業員は全体の5%程度を占めるに過ぎない。つまり、こ
の不良債権を処理しても、過剰な設備や雇用の5%しか整理できないのである。

必要なのは、生き残る企業の利潤率を引き上げる政策であるが、なかでも重要なのは高金利である。高
い金利に見合う高い利潤率をあげられない企業が退出して行くのである。したがって、日本経済にとって
緊急の課題は、異常な超低金利政策を可能にしている円高の是正である。

過剰な設備や雇用を抱えたままでは、企業の生産性は低く、競争力もない。これでは円高に耐えられる
はずがなく、対中投資と空洞化が加速する。デフレを議論するときに、最も即効性のある円安政策を追及
しないところに政策論議の不毛さがある。

(中前国際経済研究所代表 中前 忠)

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