クローズアップ:青木建設破たん 金融庁・銀行が主導[毎日新聞12月7日]

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投稿者 sanetomi 日時 2001 年 12 月 07 日 06:27:34:

(回答先: 青木建設破たん:グループ再建にRCC活用を検討 [毎日新聞12月7日] 投稿者 sanetomi 日時 2001 年 12 月 07 日 06:21:27)


 金融庁による特別検査をテコにした大型企業淘汰(とうた)が始まった。経営再建中の青木建設が、6日東京地裁に民事再生法の適用を申請、事実上破たんした。すでに幅広い業種で、株価は勝ち組み・負け組みの格差が広がっている。産業界を支える銀行は巨額の不良債権処理に青息吐息の状態。景気後退が続く中での金融庁・銀行主導によるゼネコン破たんの衝撃は、広く深い。 【藤好陽太郎、木村旬、池畠恵治】

■問い合わせ殺到

 「これは当局のコントロール下での企業破たんか」

 青木建設破たんの一報が流れた6日午後、外国メディアからの問い合わせが金融当局に殺到した。幹部は「イエス」と応じた。

 外国メディアの関心は、青木が金融庁による特別検査の流れの中で破たんしたのか、という一点に集中していた。「小泉内閣の構造改革が進んでいる表れなのか、それとも日本経済が底無しのデフレスパイラルにのみ込まれる寸前なのか」という紙一重の判断の分かれ目になるからだ。

 不良債権処理が思うように進まないことに政府・与党内で不満が高まる中、青木は、金融庁の特別検査の標的になった。青木の主力行・あさひ銀行が今年度の不良債権処理額を大幅に上積みすることを発表した11月20日、同庁幹部は「問題企業の処理も透けてみえてくる」と漏らした。

 この段階で、すでに金融庁と主力行の間では青木の「破たん処理」の暗黙の合意がされていた。同27日の青木の9月中間決算発表は連結ベースで経常黒字だったが、当局筋は「表面上は悪くなくても、収益面で巨額の有利子負債を返済できるメドは立たない」と断言した。歩調を合わせるように、あさひ銀など主力行は「特別検査と前後するように青木を破たん懸念先に落としていた」(金融庁幹部)という。

■「Xデー」を設定

 銀行業界はこれまで「再建が難しいゼネコンの整理を先送りしている」と、市場から批判を浴び、銀行株はバブル崩壊後の最安値を更新するなど厳しい状況が続いていた。特に、大和銀行との経営統合で危機を乗り切ったばかりのあさひ銀の株価は、青木の処理の遅れを材料に一時70円台に急落する局面もあった。

 特別検査の成果を出したい金融庁と、経営不安をぬぐい去りたい銀行側は「青木の早期処理」で完全に利害が一致していた。今月に入ってからは、青木による民事再生法申請の「Xデー」を週末に設定し、準備を整えていたが、マスコミ各社の動きが激しくなったため、前倒しになった。

 金融庁は、青木の破たんをきっかけに特別検査による不振企業の整理を加速させたい考えだ。大手行も「ゼネコン数社の整理は覚悟している」というが、流通、不動産などにも整理の波が押し寄せた場合、「処理の負担に耐え切れるのか」という不安も強まり始めている。

■護送船団崩れ

 青木建設は、再生法申請後の会見で、「(不良債権処理が加速され)受注が困難になり、協力会社にも動揺が見られて、信用状況は悪化の一途をたどった」と説明したが、業界内の反応は「むしろ、これまで生き残ってきたのが不思議なくらい」(準大手ゼネコン)というものだった。

 96年3月には982億円の最終赤字を計上する大手術で、バブル期の負の遺産一掃を目指し、99年3月に2049億円の債権放棄を受けたにもかかわらず、9月末で585億円の債務超過状態だった。

 不動産、流通と並び「不良債権御三家」といわれる建設業界で、青木を含め債権放棄ゼネコン9社が抱える有利子負債は9月末で、合わせて3・5兆円。00年度の売上額合計3・6兆円にほぼ匹敵する。青木以外のゼネコン8社の終値も軒並み下落した。

 ゼネコン側に「“次はどこだ”という疑いの目が、冷え切った建設市場で受注を一段と厳しくするのでは……」(ある債権放棄ゼネコン)との不安が一挙に広がっている。

 これまで問題先送りが許されてきた背景の一つには建設業界に対する護送船団行政があった。また債権放棄組のゼネコンを倒産に追い込めば、バブル期に二人三脚で無理な融資に走った金融機関までが深手を負うという事情があった。

 金融庁の特別検査のターゲットになり、国土交通省も遅まきながら脱護送船団行政に向け、かじを切り替え始めた。青木破たんは、今後続く業界の淘汰・再編劇への第一歩だ。

■かつての政治銘柄

 青木建設の株価はかつて、政治家が売買に介入し、株価を動かしたり、選挙など政局の節目に値動きがある「政治銘柄」の代表格とされ、故・竹下登元首相とかかわりのある「竹下銘柄」とささやかれたこともあった。

 大蔵官僚出身の同社の青木宏悦元会長(99年に辞任)は、竹下元首相の官房副長官時代に官房長官秘書官を務め、親交があった。87年の閣僚資産公開で竹下元首相は青木建設株1万6000余株の所有を明らかにしていた。過去の取材に対して青木建設も竹下事務所も株価とのかかわりについて全面否定している。

■首相「構造改革の表れ」 

 青木建設の経営破たんは、政府・与党内にも波紋を広げた。小泉純一郎首相は、「構造改革が順調に進んでいる表れではないか」とプラス評価をしたが、自民党内では、逆の反応が目立った。橋本龍太郎元首相(橋本派会長)は、記者団に首相の見解について「僕と感覚が違う」と疑問を呈し、「関連がどこまで広がるか、あの程度の会社なら無影響では済まない。影響を心配している」と懸念を示した。

 また、同党の堀内光雄総務会長も、記者団に「5兆円規模」のさらなる景気刺激のための財政出動が必要との見解を示した。堀内氏は「ペイオフ凍結の継続や公的資金の再注入などの手を打たないといけない」と語った。

 一方、公明党の神崎武法代表は「経済産業の構造改革が本格的に進み出した。下請け企業の連鎖破たんの影響が心配される。政府は金融面で万全の対策を講じるべきだ」とコメントした。

 




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